脳卒中をやっつけろ!

脳卒中に関する専門医の本音トーク
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番外編;「アンメット ある脳外科医の日記」を見た感想!

2024年05月06日 | 関連疾患

毎週月曜日の夜10時から新しいドラマがやっています。

「アンメット ある脳外科医の日記」という番組です。

医療もののドラマは多く放映されていますが、今回は脳外科医がテーマです。

自分が編集長をしている医学雑誌が番組内で使われるということで連絡がありましたので、見てみました。

第一回では脳梗塞患者さんに対する薬物治療やバイパス手術が紹介されていました。

おそらくt-PA静注療法が行われたと思われますし、バイパスは比較的早期に行われていました。

専門家の自分が見てどんな感想だったか?

動画でお話しさせていただきました。

https://www.youtube.com/watch?v=RJ1kVZIjeUM&t=1s

ドラマもぜひご覧くださいね!

「アンメット ある脳外科医の日記」

 

 

 

 

 

 

 

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脳腫瘍手術と山田 弘先生

2017年04月27日 | 関連疾患
兵庫医大に赴任してから、脳腫瘍の手術をする機会が増えました。
難しい場所の手術をしていると、岐阜大学の初代教授 故 山田 弘先生のことを思い出します。

先生は難しい髄膜腫の手術を得意とされていて、研修医の頃、よく手術に入りました。
もちろんその頃の自分は、術医を着て清潔にはなっているものの、モニター画面を見ながら術者の「オン!」という声がしたらバイポーラーという機械のペダルを踏む、というだけの役割でした。
したがって手術が長時間になり、深夜に及ぶとついウトウトしてしまい、「こら、吉村、寝るな!ははは」と優しくお叱りを受けたりしていました。

先生はとにかく明るく優しい方で、多くの人に慕われていました。学生時代、脳か心臓を手術する医師になりたいと思っていましたが、最終的には所属していた軟式テニス部の顧問でもあった山田先生のお人柄と、その時のスタッフの先生方の温かい雰囲気に惹かれて入局しました。
入局後は先輩達に本当に親身になって指導して頂きましたし、山田先生には国内留学の大きなチャンスも頂きました。

入局直後は全く役に立てない自分でしたので、あれから25年経ったとはいえ、まさか自分が同じような立場で手術をするとは夢にも思っていませんでした。
髄膜腫の手術をしていると、あの頃のことがフラッシュバックします。イメージもとても鮮明です。
「付着部を丹念に焼いてな、それから取ると血が出ないんや」。先生の声が聞こえてくるようです。

患者さんのためにも、スタッフのためにもなる良い手術をして、何年も経ってから、ふっと思い出してもらえるような、そんな指導が出来れば良いなと思います。
コメント (2)
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高額療養費制度を受けるには?

2016年11月08日 | 関連疾患
日本には高額療養費制度というものがあります。一定額以上は医療費を国が負担してくれるのです。日本はとても良い国ですね。
しかしこの制度による医療費の払い戻しは、申請作業が必要なことをご存じでしょうか?
また、これから高額な医療費がかかることが分かっている場合には、まず「限度額適用認定証」を取得し、それを病院の窓口に提示すれば、請求される医療費が高額療養費制度の自己負担限度額までとなります。つまり一時金も必要なくなります。

下記のサイトを是非参考になさって下さい。
https://seniorguide.jp/article/1002198.html
コメント (4)
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AKIさんへ

2010年05月02日 | 関連疾患
コメント有り難うございます。
ご病状に関することは
stroke_buster@mail.goo.ne.jp
までメール頂ければ幸いです。
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胸郭出口症候群:治療について

2010年03月07日 | 関連疾患
大分間が空きましたが、胸郭出口症候群の後編です。
この病気は骨や筋肉で神経と血管がはさまれて症状が起きることを説明しました。
ですから治療法は下記のようになります。

5)治療
5-1. 症状を悪化させる動作を避ける
5-2. 消炎鎮痛薬
5-3. ブロックなどの注射
5-4. 手術

まず5-1です。
 避けるべき動作は
  重い物をもつ(重い手提げ、肩掛けバッグ、リュックサックなど)
  姿勢(仰向け、うつぶせ) 
  長時間のスポーツ自転車など
  長時間のコンピュータ作業
  これ以外の手がしびれる姿勢
 自分の経験からは、とにかく症状が起きるようなことをすると、数日間具合が悪いことがあります。ですからできるだけ避けることです。

 行うべき筋力トレーニング・運動
  腕立て伏せ 
  壁面を押すトレーニング
  肩を挙上するトレーニング
  スイミング
 肩をすくめるような運動を毎日行うとずいぶん良くなります。薬に走るよりもなるべく運動療法を取り入れて頑張ることが大事だと思います。

5-2. 消炎鎮痛薬
 鎮痛剤(ロキソニン、ボルタレン、ロルカムなど)
  痛みはひどい時には内服薬が有効です。  
 筋弛緩剤(テルネリン、ミオナールなど)
  しびれ、痛みが強い時には有効です。ただし眠気やのどの渇きが出ることがあります。

5-3. 神経ブロック
 痛みがひどい時にはこの方法で楽になることがあります。ただし治療を受ける場合にはペインクリニック等の専門医に行ってもらう必要があります。

5-4. 手術
 この方法を行わなければならないことはかなり稀です。
 症状がひどく、以上の方法でも改善が得られず、日常生活の障害になる場合にだけ適応になります。
 a) 斜角筋切断術
  従来、胸郭出口症候群の代表的手術としてこの方法が行われてきました。
  手術は小さな傷で行うことができますが有効性に劣ることが報告され、最近はあまり行われません。
 b) 第一肋骨切断術
  腋窩からのアプローチで行う方法と鎖骨の上からのアプローチで行う方法があります。
  第一肋骨の切除に加え、斜角筋の付け根も切除することで根治性が向上するとの報告があります。
 c) 頚肋切除術
  先天的に「頚肋」というくびの骨の異常がある場合に行われることがあります。
  「頚肋」はレントゲン撮影にて容易に判明します。
 この病気に対する手術は急いで行う必要はありませんし、一般的には手術以外の治療法でほとんどの方が良くなります。もし手術を勧められてもしばらく様子を見るか、セカンドオピニオンを受けられることをお勧めします。

以上、胸郭出口症候群の治療について一通り説明しました。
要は、痛みやしびれる姿勢を避けることが一番。
症状のひどい場合には薬を継続しながらトレーニング等を行う。
これらで直らない、余程ひどい場合にだけ手術を考える。
ということです。自身の経験を踏まえて紹介しました。
胸郭出口症候群の患者さん達、参考にしてください。
コメント (5)
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