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2012年11月16日 16回目
首なし地蔵
この地蔵様は宝暦六年(1756)地元(武並町美濃)の人たちが、旅行者の道中安全を祈って立てたものである。その後地蔵様は、下街道ぞいの丘の上に移され、春の桜の頃に地元の人たちが集まって、盛大な祭典を行っている。この地蔵様にはこんな話が残っている。昔、二人の中間(ちゅうげん)が、ここを通りかかった。夏のことで汗だくであった。「少し休もうか」と松の木陰で休んでいるうちにいつの間にか二人は眠ってしまった。しばらくして一人が目覚めてみると、もう一人は首を切られて死んでいた。びっくりしてあたりを見回したがそれらしき犯人は見あたらなかった。怒った中間は「黙って見ているとはなにごとだ!」と腰の刀で地蔵様の首を切り落としてしまった。それ以来何人かの人が首をつけようとしたが、どうしてもつかなかったという。
本文 cosmophantom
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