旅にしあれば

人生の長い旅、お気に入りの歌でも口ずさみながら、
気ままに歩くとしましょうか…

谷山浩子を追いかけて~事後詳細報告版(第二部)

2010-11-23 17:51:27 | 歌は世につれ

二部のスタートはELTの持田香織さんに提供した『きみのともだち』。
浩子さんが提案したテーマにそって持田さんが詩を書いて、浩子さんが曲を
つけたようですが、元々の長~い詩をカットせずほとんどそのまま採用、
ボーカルのレコーディングも手直し少なく、ほぼ一発録りに近い形だったそうです。

このあたりの詳細は浩子さんのブログに詳しく紹介されていますが、
ブログ内でも、コンサートでも持田さんの歌のうまさをしきりにほめてられました。
私は持田さんの歌ってほとんど聞いたことなくて、以前「SONGS」に
ELT名義で出演されていたのを見た程度です。気になるので
見直してみたいけど、もうハードディスクには残ってないなあ…

この歌も谷山浩子バージョンは未発表なので、近々耳にできるのを期待したいですね。



続いて「特集その2」です。「前日失恋の歌をあまり歌わなかったから」っていう
よくわからない理由で?? 失恋の歌を集めて歌うんだそうな。
しかも、「ラブラブだった二人が、徐々に破局に向かう」というストーリーで…

「わたしの人生があなたにつづいてる それは遠い過去からの」 『約束』から始まり、
『メリーメリーゴーラウンド』『洗濯かご』『催眠レインコート』と続いて、最後は
「明け方に彼の家のまわり 5キロ四方 いちめんの砂漠になる 人は死に絶える」
『不眠の力』で破滅の時を迎えましたとさ…

いずれも好きな楽曲ですが、中でも特に私のお気に入りは『洗濯かご』。
もしリクエストできる機会があれば選んだであろう曲の一つで、この歌を聞けただけで
遠路はるばる札幌まで足を運んだ甲斐があったというものです。

いわゆる裏・タニヤマ(あるいは黒・タニヤマを代表する一曲であろうと
私は思っていて、メロディもいいが、それに増して詩の世界が独特で素晴らしい。
シュールで難解な詩が展開する中で、なぜか最後に「洗濯かご」という
超日常的なフレーズが突然出てくる妙にひとり唸りまくっています。
う~ん、我慢できない、また歌いたくなってきた!
皆さんには詩の最後の方をご紹介するので、歌い終わったらまたお会いしましょう。

なお余談ですが、二番は普通に「せんたくかご」と歌っているのに、一番は
「せんだくかご」と濁って歌い分けているように私には聞こえるんですが、
これはなにか意図があってそうしているのか? それとも意味なくたまたまそうなったのか?
それとも単に私の思い過ごしか… 酔っ払って聞いてることが多いからなあ…
これ考えてると夜寝られなくなっちゃうよ、「催眠レインコート」着なくっちゃ。


♪ 逃げるふたり 靴を投げる
  投げた靴がイバラになる

  ギロチンみたいな月が行く
  ビロードの空 しめやかに
  わたしをのせて沈んでよ
  この夢を終わりにして

  逃げるふたり 靴を投げる
  錆びた過去を脱ぎ捨てて

  安いアパートのベランダで
  洗濯かごをよけながら
  あなたは誰を抱きしめた
  赤い月 じっと見ている


そして今夜のラストは『ポプラ・ポプラ』、最初の宣言通り、北海道らしい曲で締めくくります。
この曲も以前ブログ内で勝手にコラボさせてもらっているので、詩に興味のある方は
このあたりの記事から入ってみてください。

私は知らなかったんですが、元々この曲は森山良子さんに提供した曲だったそうです。
「かわいらしい曲を」との依頼でできたこの歌は、女学生を主人公に、浩子さんとしては
珍しく?ひねりの少ないストレートな青春ソングって感じでしょうか。

森山さんも気に入ったようで、「じゃあ、もう一曲」となって、今度は「ドロドロとした曲」を
依頼された浩子さん、「ドロドロ得意です、任せてください!」と張り切って曲作り、
「死骸がゴロゴロ出てくる曲」を提供したんだそうです。が、あまりの強烈さに
「気持ち悪くて、歌えない」と不採用、突き返されたんだそうな。

森山さんはプロモートの際このいきさつを、あちこちのラジオ番組などでしゃべりまくって
いたみたいです。どんな歌だったんだろう?気になります。おそらくまだ谷山浩子名義でも
録音されていないと思うので、ぜひ次回の新譜に入れてほしいものですね。

このMCに限らず、曲間のトークは観衆によくウケていました。大阪のファンが冷たいって
わけじゃないけど、ホールの小ささが手伝うのか、それとも北海道人の気質なのか、
大阪でのコンサートよりもさらにアットホームな雰囲気が始終漂っていて、心地よかった。
私自身、足を組んだり延ばしたり、ダラ~っとした姿勢で聞けたこともあるんですが、
これまでの中では一番リラックスして楽しめたと思います。しょっぱな「できるだけ
緊張せず、おうちの居間で聞いているような気分で…」と浩子さんは皆に語りかけるけど、
今回が一番それに近かった気がするんです。


                                              (第二部・完)






コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする