豊富温泉の町営日帰り入浴施設「ふれあいセンター」。数件あるホテルでも日帰り入浴できるようだが、
25年ほど前に民宿あしたの城のオーナーに連れてきてもらったのはたぶんここだ。
石油試堀時に噴出したことで知られるこの温泉、当時入浴時に、実際油のようなものが湯船に
浮かんでいて、さらに、とても油くさかったのが強烈なインパクトとして記憶に焼きついている。
しかし今回、ヌルっとした肌触りはあるものの、油は浮いていないし、匂いもしないので、
ちょっと拍子抜けした。そのあたりをフロントの方に伺うと、湯船を広げた(と、おっしゃったかな?)
関係で、少し成分が薄まったかもしれない、とのことであった。朝のうちは油が浮いていることも
あるそうで、時間帯とかその日のコンディション(この日は日曜日で込み合っていた)などでも
変わるのかもしれない。
しかし独特のヌメヌメ感は健在だし、風呂上りいつまでもポカポカして、なかなか汗が引かないのは、
当時の記憶のままであった。しかもその成分は「皮膚の病気」によく効くそうで、長期滞在して
湯治できる施設がいろいろあって、このセンターにも湯治専用の浴場が別に設けられている。
先のそうじのおばさんも、子供さんが小さい頃やけどさせてしまった時に、この温泉に通ったら
きれいに治ってしまったそうだ。なので、「アトピーとかはわからないけど、やけどには確実に
効くのは経験から間違いない」とのことだったので、やけどの痕が治らずお困りの方は、
一度調べてみてはいかがだろうか。
天気がすっきりしないので、図書館に行こうとカーナビを検索するがヒットしない。それで、ひとまず
役場がある町の中心地へ行ってみようと考え、ふらっとやって来たのがここ、豊富町定住者支援センター
「ふらっと★きた」。
たまたまこの日と明日が地域の神社の祭りで、施設の前でも屋台の準備が行われていた。地元民らしき方に
図書館の場所を尋ねると、「この中にありますよ」とのお返事。知らぬうちにたどり着いていたらしい。
多目的ホールや子供の遊び場、カラオケボックス?まで併設された複合施設で、とてもきれいで新しく、
二年前にできたばかりだそうだから、ナビが反応しなかったのも無理からぬ話だ。
図書館は小さく、蔵書も少ないようで、新聞も地元紙しかないのが欠点か。それを補って余りあるのが
蔵書のラインナップで、近年発売された「話題本」や「売れている本」が多数そろっており、
「あれも読みたい、これも読みたい」と目移りして困ってしまった。
最近発表された?「本屋大賞」第一位の「鹿の王・上下巻/上橋菜穂子」がたまたまあって、これを
読み始めたら止まらなくなった。これは元の場所へ返したらすぐに借りられてしまいそうなので
フロントの方に相談したら、「町民以外でも貸し出しカードが作れますよ」とのことだったので、
カードを作ったうえでフロントに預かってもらい、読みたいときに引き出せるようにした。つまり、飲み屋で
ボトルをキープするように、本をキープしたわけだ。
おかげで二日がかりで読み終えることができた。天気が悪く、本来の目的である写真がさっぱり写せないので、
手放しでよろこんでいる場合でないのだが…
ちなみに、置戸の図書館もとてもきれいで、しかも同じく誰でもカードを作れることを星観荘の同泊者に
お聞きした。彼女もカードを作ったそうで、大雪山にも比較的近い場所だし、そのうち私も訪れる機会が
あるかもしれない。
お昼は屋台で「サロベツ塩焼そば」を買って食べてみた。量は物足りなかったが、北寄貝と
ギョウシャにんにく入りで味はよかった。
この施設では、飲食もできるし、持込のパソコンも自由に使える。しかも年中無休、9:00~21:00と
営業時間も長いので、行き場のない車中泊旅行者にはオアシスのような存在だ。
本来は晴天続きで、こういった施設に頼らなくてもいいのが一番なのだが。