【平治岳登山・一回目】
14:00頃、北大船はパスして直接平治岳へ向かった。体力的にも余力がなかったし、行っても徒労に終わる
可能性が高いと判断したためだ。大戸越(うとんごし)までの道は、これまでは多いところでは3箇所に枝分かれして
わかりづらかったものが、再整備されほぼ1本に淘汰されていた。最終的にはどの道を選んでも合流できると
わかってはいても、あまりに縦横無尽に道が交差するのは気持ちのいいものではなかった。木道が配置されるなど、
ぬかるんだ悪路もほぼ解消されたようだ。ただしこの日は条件が良かった。問題は、大雨のあとがどうかだ。
ついでに述べておくと、平治岳南峰への道も整備されて、特に下り専用道はずいぶん歩きよくなった。
これまでのジョットコースターのような急降下斜面はほぼなくなり、ステップがきられ、ジグザグ道とすることで
以前と比べると労少なく歩けるようになった。それでも急斜面には変わりないので、すべりこけないよう気をつけて
通過しなければならない。
写真は大戸越から平治岳南峰斜面を見上げたもの。ほぼ見頃、虫の被害をまったく受けていないようだ。
本峰尾根筋のミヤマキリシマ群落と九重連山。株によってややバラつきがあるがピーク寸前か?
ここも虫害がまったく見られない。大咲きでなくても、虫さえつかなければこれくらいのパフォーマンスは
十分期待できる場所だ。
尾根筋先端から本峰頂上を見上げる。夕方急に雲が多くなってあわや撃沈寸前であった。のち、かろうじで
雲間から日が差したのでそれなりには撮影を楽しむことができた。
帰路、南峰で撮影。ここも悪くないけれど、本峰がいいときにはどうしても撮影の重点は片寄ってしまう。
平治岳の咲き具合が予想していた以上に良かったので、明日またやってこようと思う。
この日は一気にテントの数が減った…はずが、山頂から見下ろしても、依然たくさんテントがある。
下山してわかったのは、地元竹田高校の学校行事で、生徒たちがたんとお泊りしていたのだ。
おかげでにぎやかなテン場ではあったが、さすがは高校生、消灯時間となったら、ピタッと静かになった。
テント内で小休止後、立中山(たっちゅうさん)へ散策に出かける。逆光でややわかりづらかったのだが、
北大船のミヤマキリシマはあまり咲いていないように見えたし、平治岳(ひいじだけ)の色づき(ピンク色)も
まださほどではないと判断したためだ。平治岳が本当にいいときには、下からでも山肌がもっとピンク色に
染まっているように見える。やはり事前に覚悟していたとおり、見頃にはまだ少し早すぎたのだろうか。
場合によってはこの山行は、次への布石、下見に終わっても仕方ないと考えていた。
写真は、法華院温泉付近から平治岳を見上げたもの。カンカン照りで朝からすでにメッチャ暑い。
立中山は久しぶりだ。ここはキリシマ観賞の穴場的な場所で、時間によってはほぼ独占状態で楽しめる
はずなのに、さすがはシーズンの日曜日、けっこうにぎわっていて面食らった。
ややピークは過ぎているようだが、ここのミヤマキリシマがこんなにたくさん咲いているのを見たのは、
これまたいつ以来だろうか。
白口岳を望む。この急斜面を上り下りしたこともあったっけ。あの頃私は元気だった。
大船山をバックに咲き乱れるミヤマキリシマ。やや見頃を過ぎているとはいえ、迫力満点。
平治岳の状態いかんで、ここをメインに撮影してもいいとさえ考えた(が、結局再び訪れることは
なかったのだが)。
法華院温泉。休憩室にもワンサカ人がいた。さすがはシーズン中の休日。
4日(日) 晴れ時々くもり
5:00過ぎ 長者原出発。ミヤマキリシマの日曜日、殺人的な混雑が予想される。時間差攻撃で
渋滞を避けたいところだ。
数年ぶりのこの登山ルート。雨が池周辺の登山道が整備され、複数に分かれていた道がほぼ
一本化されていた。九州の山道はなぜか無駄な枝道が多いこれまでの印象であったが、自然保護の
観点からも、整理され淘汰される方向で進んでいるのだろうか。全般に歩きよい道に整備されていて、
これまでよりも快適に足を進めることができた。
雨が池を過ぎたあたりから坊がつる遠望。すごい数のテントだ! これでももう四分の一ほどは
すでに撤収済みだと思われる。一体何張りあったのか? こんなところにまで張るか!って場所にまで
設営されていて驚いた。
7:20坊がつる到着。まだまだ喧騒真っ只中。ちょうどうまい具合に、すっぽり空いた好スペースに
テントを設営できた。
三俣山(右側)斜面のガレ場のミヤマキリシマもかなり咲いていることがわかる。