【平治岳登山・3回目】
強烈な日が差し始めた13:30頃に出発した。天気予報を確認しなかったら、はたして行く気になったか
どうか。平治岳登山はかなりきつくて、正直できたら何度も登りたくはない急登だ。でも花の魅力には
勝てないんだよな…なんてね。
暑くしかも乾燥しているので、とにかくのどが渇く。粉末ポカリなどの飲み物を、三日間で4~5リットルは
消費しただろうか。それでも脱水症状気味だったらしく、尿意があまりないことに途中で気がついた。
ほとんど汗となって出てしまっていたのだろう。
しばらくすると急速に青空が広がって、この山旅一番の安定した晴天となった。
南峰との鞍部から本峰斜面を見上げる。
本峰山頂を見上げる。
ほぼ同じ場所から違う構図で。
夕方に近づくにつれますます安定した天候の中、結局本日最後まで居残ったのは私一人で、この美しい景観を
独り占めしてしまい、申し訳ないくらいだった。その私も日没までは粘りきれず、16:30頃に下山を開始した。
テントサイトに着いて見上げたら、まだまだ強い日差しが平治岳を照らしていた。相当数シャッターを
切って満足げなつもりではいても、今一歩粘ればさらに斜光が美しく花を浮かび上がらせて、もっときれいなのを
写せたのではとの未練もあった。まあでもそこまで気力が続かないのが私なのであるから、これは致し方ない。
この後悔を明日朝の行動の糧にしようと、妙な言い訳をでっち上げ、自分自身を納得させる私であった。
何を隠そう、早くビールにありつきたい気持ちを抑えられなかっただけなのに。
さすがにこの日テン場はようやく落ち着いた。それでも20張り程度はあっただろうか。
明日もいい天気だ、がんばろう!と、酩酊状態で誓ったまでは覚えがあるが、そうそうこちらの思い通りに
いかないのが山の天候だ。
6月5日(月) くもりのち晴れ
【平治岳登山・二回目】
3:10 テントの外に出たら、すでに南峰山上付近にヘッドランプの灯りが見えた。これくらいにスタンばったら、
早朝の山岳風景を写せることはわかっていても、真っ暗な森を歩くのを極力避けたい私は、指をくわえて見ている
しかない。
食事を済ませ、4:00過ぎ出発。薄明るくなってはいるがまだヘッドランプは必用だ。暗くてよくはわからないが、
上空雲が多いように思えた。大戸越に着く頃案の定東の空が美しく焼け始めた。それはいいとして、焼けると言うことは
雲がたくさんあるってことで、嫌な予感どおり、その後厚めの雲に遮られ日差しがしばらくなくなってしまった。
これはテントに戻ってから知ったのだが、今朝になって予報が変わり、晴れの予報が「くもり」になっていたのだ。
そうとは知らず、「こんなはずじゃあないよな」と、それでもあきらめず粘っていたら、しばらくして鈍いながらも
日が差し始め、またもや撃沈寸前でかろうじて撮影することができた。
強烈な朝の日差しは得られなかったが、やわらかい光が本峰尾根筋に差し込んだ。
本峰先端部。ピンクの絨毯を敷いたようにミヤマキリシマが咲きそろっていた。
南峰斜面を見下ろす。虫害がまったくなく、きれいに咲きそろっているのがわかる。
下山後ラジオの情報で、「くもり、夕方から晴れ、その晴れは明日の日中も続く」とわかった。
「夕方から晴れ」がなんとも微妙だが、状況によっては本日中に三回目の登山を敢行する かもしれないし、
明日の朝、再び挑戦できる可能性も出てきた。当初明日の予報は「くもりのち雨」で、雨の降り出す
タイミングが早まるようなら、今日中に下山したほうがいいとも考えていたので、これはまったく
逆パターン、思わぬ展開となった。
夜のビールの買出しに法華院温泉まで往復した。夕方下山後に片道10分はかなりきつい。
キャンプ場の水場で冷やすと、キンキンとまではいかずともそれなりには冷たくいただけるので。
この時点でかなり日差しが強くなっていることがこの写真でわかるだろうか。急速に雲が晴れて
青空が広がってきたので、三度登山決行を決心した。