新門司港からの乗船は初めてだと思っていたら、港へ行って待合所を見て、前にも利用したことを
ようやく思い出した。でもたぶん、ずいぶん前のことなんだろうな。
往きはあっという間に埋まってしまったプロムナードのテーブル席。でも帰りは席に余裕があった。
乗船と同時に「店開き」して、お酒を飲み始めて外の様子をぼんやり観察していたところ、けっこう
あとからあとから車の乗船が引き続き行われていた。平日の閑散期、ガラ空きかと思いきや、意外に
そうでもなさそうだ。
これは翌朝わかったことだが、やはり案の定乗用車がかなり積み込まれていて、スペースを目一杯
使っていた感じだ。なので下船時手間取って、私のように奥に積み込まれた車はなかなか下船できず、
定刻6:00に泉大津港に到着したものの、車を移動できたのは6:20を過ぎていて、しかも下船したとたん
「信号渋滞」が発生し、ここでもかなり時間をとられてしまった。
別に時間の制約があったわけではなかったが、朝の10分、20分ってとても大事で、それがために
ひどい渋滞に巻き込まれたりするので、多少イライラしてしまった。幸い帰宅するまで目立った
渋滞はなく、まずはスムーズに車が流れたのはラッキーだった。
明石海峡大橋を通過時、少し朝焼けが見られた。
天気予報が多少うしろにずれてきたのか、関西地方ではこの日、5日(火)もどうにか天気が
持ちこたえられそうな気配だ。今回、雨の中での行動はほとんどなかったので、幸い泥だらけになったまま
放置されている道具などは皆無だが、できるだけこの貴重な梅雨の晴れ間を利用して、なるべく
すばやくお片づけするとしよう。
山旅の疲れは長湯温泉の御前湯で落とした。また次回機会あれば、頻繁にお世話に
なることだろう。
大分市を経由して別府市へ出た。当初はお寿司でも食べようという腹積もりだったのだが、
経費節減と、急に中華的なものが食べたくなったのとで、大阪王将でのランチと相成った。
港の土産店でお土産を購入。夕食用の弁当と朝食のパンを買って、あとは一路新門司港へ
向かうだけだ。
港到着が乗船時刻の1時間前で、結果それほど余裕はなかった。本来別府航路を利用すれば
もっと時間にゆとりがあるのはわかっていても、昔と違い別府便の運賃は割高で、価格差と
到着後の和歌山市との距離、それに新造船で気持ちよく利用できることなどを考慮すると、
どうしても阪九フェリーのほうが私には分が良いのである。
6月4日(月) 晴れのち時々くもり
〈扇ヶ鼻往復・早朝編第三部〉
トイレに行きたくなったのをきっかけに、これまでより30分ほど早めに出発した。土曜日の朝と比べると
ヘッドランプの行列はずっと控えめではあったが、すでに星生山や久住山などの山頂に明かりが灯り、
夜明けを待つ登山者が早くもスタンバっていることがわかった。
ところがこの朝は、扇ヶ鼻を一番に目指している登山者は皆無らしく、しばらくは私ひとりの独占場
であった。そうなると欲が出て、あっちこっちと撮影場所を変えることができたのはいいのだが、なにか
落ち着かず、はたしてそれが裏目に出なかったかどうかは、のちの現像を待たねばなるまい。
最初東の空にあった雲はすぐにとれてしまい、まったく朝焼けのない平凡な朝を迎えてしまった。
なので「劇的」な場面には、今朝もまた遭遇することはできずじまいであった。それはまた次回の
お楽しみとしたいところだが、はたして「次回」はあるのかどうか。ミヤマキリシマのこのいい状態
(虫食いのない状態)がいつまで続くかどうかがわからないのだ。
この日出会ったおじさんが、「2015年までの10年間はひどかった」と嘆いておられた。この方の
説によれば、「熊本地震のおかげで虫が全滅した」とのことだ。それは迷信の類なのか、それともなにか
科学的な根拠があるのかは私にはわからない。でもあの災害を境に、虫がまったくいなくなったのは
事実で、結果だけみれば、それが契機になっているようなのだ。動物には予知能力みたいなものがあり、
災害などを事前にキャッチできると聞いたこともあるので、危険を察知した蛾の幼虫が、大挙して
九重連山から逃げ出したのであろうか?
真意はさておき、劇的だろうが平凡だろうが、キリシマがきちんと咲いてくれないことには話にならないので、
もしミヤマキリシマの景色を楽しみたい方々は、虫がなりを潜めている今のうちに、一度訪れられたほうが
いいのは間違いないところだ。
山頂台地のミヤマキリシマと星生山。
なにやら得体の知れぬシルエットと扇ヶ鼻山頂。
中一日開けたことで、キリシマの開花はさらに進んで、7,8部咲きと言っていい状態にまでなっていた。
まだ咲ききっていないつぼみが多く見受けられるも、明日以降の天候次第では、さすがに先に
咲いていた花は枯れ始めるだろう。
なので、私の独断と偏見で、この日が扇ヶ鼻ミヤマキリシマの今年のピークと認定したいと思う。
雲の上に双耳峰を突き出した由布岳。
早々に下山して、あとは帰り支度を整えつつ移動だ。