5月17日(水) 曇り時々晴れ
昨日三国峠を越えて十勝側に入ったとたん雲が広がり、気温も急激に低くなった。
暑さに閉口していたので「涼しくなってラッキー!」と一瞬考えたが、まてよ、
これは夏によくある太平洋側に低い雲が垂れ込めるパターンで、悪天候が長引く
気圧配置なのではと、すぐに嫌な感触に変わった。
やはり翌早朝も低い雲に覆われたままで、これでは登山は無理かもと思いつつ、
一応登山口の白樺峠へ向かった。すると、中腹あたりでガス帯から抜け出し、
峠付近の上空の一部には青空も見えていた。案ずるより産むが易しと思ったのも
束の間、すぐさま弱い雨が降り出した、雨を降らせるような厚みのある雲は
周辺にはないにもかかわらず… ここでまたしばし躊躇し思案したが、ダメ元で
登ることに決めて準備を始めた。
麓から湧き上がってきたガスが白樺峠を幻想的に流れる。
雨は歩き出す前に止んで、その後は青空の面積が増して、山頂滞在時の八割以上で
日が差していた。風も弱く暖かかったので、結果的に気候的にはこの三回の中では
一番いい条件となった。
登山道の雪渓の多くが消失していた。
ぶ厚い雲の塊が山際まで埋め尽くしていた。なるほど、下は天気が悪いはずだ。
霞んではいたがウペペサンケも見えていた。
笹原の道も一部を除きほぼすべて雪が解けていた。
空との境目がわからないくらいに雲海が広がっている。
さてまたまた問題です。この中に人間は何人いるでしょうか?
この日はすぐあとから二名やってきて、しばらくすると二組四人が加わった。
下山時にはさらに三組とすれ違ったので、先の「人出が減っている」との私の認識は
誤りで、まだまだ人気は衰えていないのかもしれない。
さてこの中に…はもういいですかね。
一匹岩の上にナキウサギがいるほか、少なくとももう一匹巣穴に隠れているようだ。
この二匹はペアなのだろうか? 行動を共にしているように見え、岩の上に同時に
並んでいる姿もあった。
前回のあと暖かい日が多く、緑の新芽が伸び、ツツジの花も咲き始め、ようやく少し
春らしい景観に変わりつつあった。それをうまく活かせるような写真が撮れなかった
のは残念だが、致し方ない。
朱鞠内湖で我々を震撼させる事件が発生した。釣り(特に渓流釣り)、山菜取り、
風景写真撮影(特に山岳、動物写真など)の趣味に共通した特徴として、人知れない、
自分だけのポイントで、息を潜めるように行動することが多くなる点が挙げられよう。
私などは怖がりで、現地に向かう際にはクマ除け鈴をジャラジャラ鳴らしながら
歩くものの、それでも現場では(時には暗い中で)数時間じっと佇んだままなことも
多い。危険と隣り合わせなことを常に頭の片隅に置き、細心の注意を払っている
つもりでも、回避には限界があろう。
これを書いている時点で今回の事件の詳細はわかっておらず、できる限り状況を
把握したいのと(目撃者がおらず、真相はわからないままの可能性が高いだろうが)、
まずは亡くなられた方のご冥福を心からお祈りしたい。
見え続けるウペペサンケ。
下山開始時にはまだ雲海が見られたが徐々に晴れ、やがて下界にもまぶしい日差しが
降り注いだ。
かさばるので、車内が狭くなって困るんだけど、お土産用に「生産者還元用
ポテトチップス」を一箱(三種類混合12個入り)買っておいた。
これは自分のおつまみ用の塩味。
こちらもお土産に十勝養峰園のハチミツ(シナ蜜)を購入。ラベルが一新された。