旅にしあれば

人生の長い旅、お気に入りの歌でも口ずさみながら、
気ままに歩くとしましょうか…

20230521 北海道春編⑬‐B TOUCH ME in the memory 小樽港~舞鶴港~和歌山市

2023-05-21 05:21:02 | Weblog




5月21日(日) 曇りのち晴れ

出航時白波が立っていた北の海域は、西に向かうにつれ徐々に穏やかになっていった。


元々ドック入り期間で間引き運転中、運休日があったところへ、姉妹船「あかしあ」が
どういう事情かは知らぬがドック入りが早まったらしく、臨時休航したことで前後に
出航しない日がさらに増えたので、この日のはまなすに車も人も流れ、混雑することが
予想された。案の定、両者とも多いように思えたが、その割には船内は意外にひっそりと
していて、比較的安穏と過ごすことができた。皆、船室にこもっているのであろうか?


船内ではもっぱら本がお供だが、車での移動中はラジオが旅の道連れだ。市街地を走行中、
あるいは丘での撮影時など短い距離の発車&停車を繰り返す際などは、ラジオを聞きながら
の運転が多い。また、悪天時車内で暇をつぶすときや朝食、夕飯時には(本来登山用途の)
携帯ラジオをつけ、ニュース番組などを聞いている。旅の途上では、ラジオやスマホが
最新情報の源なのだ。


ラジオから流れてくる音楽は、受け身で聞くことになるのだけれど、時にそれがツボに
ハマるとことさら味わい深く、目的地に着いてもすぐにスイッチを切ることができず、
しばらくそのまま聞き続けることもある。私が視聴するのは主にNHKラジオ第一放送
(R1)で、今回も折に触れ、心に染みてくる音楽に巡り合うことができた。

その一部を紹介すると、まず午前中の帯番組「ふんわり」パーソナリティ・六角精児さんが
かけた茶木みやこさんの『まぼろしの人』。ちょうど「迷路荘の惨劇」を読み終えたばかり
だったので「金田一きた~」と思わず叫んでしまった。佐々木好(このみ)さんの『ドライヴ』
も、不思議な歌詞、旋律がいつまでも耳に残った。伍代夏子さんの担当日には、辛島美登里
さんがゲスト出演されていた。

深夜~未明に行動することが多くなる旅行中、ラジオのスイッチをひねるとやっている番組が
「ラジオ深夜便」。「寺尾聡特集」をやっていて、大ヒットアルバム「Reflections」からの
楽曲が多く流れ、今聞くと、やはり『ルビーの指輪』の出来栄えが飛び抜けていると思った。

「別れの歌特集」の一曲目が甲斐バンド『最後の夜汽車』。ものすごく久しぶりのはずなのに、
ほとんどソラで一緒に歌えるのが我ながら不思議だった。完璧にすり込まれているようで、
今度カラオケの持ち歌にとも思ったが、こういう熱唱型のバラード曲は、歌が上手な方だと
拍手喝采で受けても、そうじゃない私などは間が持たず、場がシラケるのが目に見えていて、
やめたほうがいいだろう。

そして水越けいこさんの『東京が好き』。サビにインパクトがあるいいメロディだけど、
これってシングル曲だったかなあ? 『ほほにキスして』がヒット、私はその次の
『TOUCH ME in the memory』がお気に入りだった。水越さんの熱烈なファンだった
クラスメイトにお借りして、デビューから数枚のアルバムを聞いているので、初期の
楽曲のほとんどは知っているつもりだ。そのクラスメイトには部内恋愛の彼女がいて、
その娘がけっこうきれいで、うらやましかったのを覚えている。ふたりは幸せな結末を
迎えられたのだろうか? 『和歌山が好き』になっていなければいいけどな。


♪ だけど和歌山が好き ひとり残されたって
  そんな和歌山が好き あなたはもういない


目の前に広がる現実世界に重ね合わせ、思い出に触れる心の旅が同時並行するのが、
ラジオを聞きながらの道行きだ。


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20230521 北海道春編⑬‐A 季節も人も移ろう 小樽港~舞鶴港~和歌山市

2023-05-21 05:21:01 | Weblog



5月21日(日) 曇りのち晴れ

出航時白波が立っていた北の海域は、西に向かうにつれ徐々に穏やかになっていった。


元々ドック入り期間で間引き運転中、運休日があったところへ、姉妹船「あかしあ」が
どういう事情かは知らぬがドック入りが早まったらしく、臨時休航したことで前後に
出航しない日がさらに増えたので、この日のはまなすに車も人も流れ、混雑することが
予想された。案の定、両者とも多いように思えたが、その割には船内は意外にひっそりと
していて、比較的安穏と過ごすことができた。皆、船室にこもっているのであろうか?


季節の変わり目であるこの時期は、元来日によっての気温差が大きかったであろうが、
近年そのふり幅の激しさが目立ち、今年の3、4、5月の温度の上がり方は、明らかに
異常だと思える。そして、時折ある寒の戻りとの差が著しいので、温度変化に弱い
私などは、ついていけず、ますます体調に異変をきたしてしまう。

以前は、GW明けの北海道の見どころとして、エゾヤマザクラの開花、エゾエンゴサク、
カタクリなど早春の草花の観察を楽しみにしたものだが、近年それらはほぼGW期間中に
見頃を終えてしまい、その残骸しか見ることができなくなった。畑起こしが始まる
この季節の美瑛周辺の景観も好きだったが、土手化が進むなどし、昔のなだらかで、
うねるような丘の風景は少なくなるばかりだし、雪解けが早まる傾向の十勝連峰や
大雪山の白さは控えめで、メリハリに乏しく、魅力は薄れる一方でなかろうか。

北海道もご多分に洩れず気温の変動激しく、まだ5月なのに夏のような日が降り注ぎ、
環境もますます過酷になるように思える。それでも植物たちは適応するのだろう、渡道時
咲き誇っていたタンポポはいつの間にか綿毛となり、白い穂を大空へまき散らした。
たった二週間、変わらないようでいて、知らぬ間に季節は確実に移ろっていたようだ。


体調不良、体力低下、すっかりヤキがまわった自分自身を棚に上げ、昔は良かったと
愚痴をこぼす。過ぎた昔に戻れるはずもなく、あの頃の感動が薄れるばかりの旅路なら、
そろそろ終わりにしてもと思いつつも、めぐる季節に、もう少しだけ抗ってみる余地は
残されているのだろうか。

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