5月16日(火) 曇り時々晴れ
昨日は一日すっきりしない空模様で、未明もまだ雲が多かったが星が見えており、
ダメ元で丘の上へ出かけてみた。
全然期待できない状況から、徐々に大雪山が見え始め、まさかの朝焼けが始まった。
これがあるから、ほとんど撃沈に終わることがわかっていても、出かけることに
意義があるんやねえ。わかっちゃいるのに、サボってしまうことが多いけど。
惜しいところまで行った、今朝はこれが限界だった。
その後急速に晴れ渡ったので、予定を急きょ変更し、望岳台から十勝岳に向け
登り始めた。もちろんこの残雪期、私の技量では頂上までは無理なので端から
途中までと決めてはいた。
しかし結局、開始後割とすぐに、登山道脇でナキウサギの声が聞こえたので、
そこで引っかかってしまい、長時間動けなくなって、結局そこから引き返した。
粘れどもナキちゃん姿を見せず、シマリスがチラッと顔を見せただけだった。
天候がおそろしく安定したので
真夜中から星撮してみた
2台のカメラを駆使しながらの同時撮影
こちらは標準レンズで写したもの
こちらは望遠レンズを装着して写したもの
街灯程度しかない周囲は真っ暗だが
時折通る車のライトを利用して
桜の花を浮かび上がらせた
【星空と甲斐駒ヶ岳と眞原の桜~山梨県北斗市にて 2022.04.09 撮影】
5月14日(日) 曇り時々晴れ
この日の昼食は、丸一年ぶりに東川町の笹一へ。海鮮を楽しみにしての来店なのに、
なんと寿司の提供をやめてしまっていた! 理由は、海産物をはじめとする物価の
高騰で、適正価格で寿司を出すことが難しくなったからだそうだ。
以前頻繁に訪れていた回転ずしトリトンは価格高騰で足が遠のき、それに代わる
海鮮品を比較的気軽においしくいただけるお店として、近年利用頻度が増していた
のがここ笹一だった。ますます先細る一方のグルメ旅、さらに拍車をかけそうだ。
それにつけてもお店は相変わらず繁盛している。手打ち蕎麦をメインにメニュー豊富
なので、蕎麦好きの方に特にお勧めできるお店である。
私は「ザンギ定食・1000円」を頼んでみた。すごいボリュームで、あと唐揚げを
一つか二つ減らし、100~200円くらいお安ければさらによかろう。
今日は朝は曇っていたが日中晴れて、気温は25℃に迫るかという勢いで暑い!
これがあるからなあ… 夏用のシャツにして良かったと、この日は思った。
やや霞みがちではあったが、この日も十勝連峰、大雪山がきれいだった。
十勝岳と飛行機。
光線加減が良くなる午後、タンポポ畑を再び訪れてもう一度撮影。ところが雲が増えて
きて山が見え隠れ。見えたと思ったら手前の花に光が当たらず…を延々と繰り返した。
この場所で風景写真的なものを撮っているのは私だけで、ほかのギャラリーの
お目当ては旭川空港を離着陸する飛行機だ。
鉄道好きを「鉄(て)っちゃん」と呼ぶけど、飛行機ファンの呼び名ってあるの?
「飛(ひ)っちゃん」とか「空(そら、もしくは、くう)ちゃん」とか??
5月13日(土) 晴れ時々曇り
早朝、十勝三股の気温は-5℃。冬用のジャケットがあればと後悔する冷え込みだ。
ただ春先の気温予測、変動への対応は難しく、日が差す車内ではエアコンがいる
くらい暑くなることもしばしばで、振り幅が大変大きい。対処するためにあれも
これもと備品を増やすことになり、過剰装備で荷物がかさばる一方で、旅の準備や
片付けに労を費やすばかり、ますますお出かけが億劫になってくる。このあたりの
落としどころをどうするかだ。
昨日までの不安定さが嘘のような安定した晴天。ただし安定しすぎて、平凡な朝日
しか当たらなかったのは致し方ないところか。雪が積もり直したおかげなのか、
白い石狩岳が美しい。
長距離移動して美瑛町へ。安定した日和は夕方近くまで続き、白い大雪山、十勝連峰が
一日中見えていた。
久方ぶりに望岳台へ立ち寄った。近くで見ると、山の雪解けはかなり進んでいる
ように見えた。
5月12日(金) 曇り時々晴れ(不安定、下界では一時雨も)
二日続けての東ヌプカウシヌプリ登山。予報ではこの日のほうが天気がいいはずなのに、
結果的には山頂滞在時の八割ほどが曇りだった。
この日はさらに気温が下がり、登山口は-3℃だった。
阿寒の山々がずいぶん近くに感じる。嫌な予感…
早々に薄雲が広がったが、ウペペサンケはきれいに見えていた。
山頂到着。
十勝平野の大半が雲海に覆われていた。
阿寒の山をバックに天使の階段。
ガレ場。一匹いるのがわかるかなあ?
今後ナキウサギ観察の予定ある方は、目の訓練にどうぞ。
こちらの写真にも一匹いるんです。寒いからなのか、日向ぼっこしだすと、フリーズして
動かなくなっちゃう。岩と同じような色合いなのでとけ込んでしまい、動いていないと
気づかず見過ごしてしまいそう。
なんだかんだで、この日のほうが昨日よりは出てくれたので、撮影機会は多くなった。
ずいぶん後になって男性客ひとりがやってきて、下山時ほかに三組とすれ違った。
情報発信力の高いソーシャルメディアで、ここのナキウサギが減っている情報が
広く伝わっているのだろう、ナキちゃんも減ったが、見物人もずいぶん少なくなった。
現段階ではここに来ると100%ナキウサギに出会えるとは断言しかねるので、
現地までのアルバイト量を考えると、空振りだったときの徒労感は大きく、幅広く
勧められる観察地でなくなったのかもしれない。
大崩れせず、下山時までこのような小康状態を保った。
下界では昼過ぎに晴れ渡ったがまたすぐ雲が多くなり、一時雨も降った。
不安定で油断ならぬ天気が夕方まで続いた。
じろう食堂で「ロースかつ定食」。こちらは890円とお値段据え置き、お得感あり。
5月11日(木) 晴れ時々曇り
丸一年ぶり山登りは、またも東ヌプカウシヌプリへの日帰り登山であった。
登山口の白樺峠の気温は0℃。やっぱり5月の北をなめたらあかん。
お隣の西ヌプカウシヌプリに朝日が当たる。
稜線に出る手前にけっこう雪渓が残っていた。昨年はほぼ消滅していたように記憶する。
再凍結して滑りそう、慎重に歩みを進めた。
また、稜線から上は風がやや強まり、寒さを感じた。
雲海の上に阿寒の山々が浮かぶ。
ウペペサンケの山上部にはガスがかかっていた。
山頂到着、約1時間要する。
ササ原を行く道の大半がまだ雪に覆われていた。
ナキウサギ生息地のガレ場に到着。日が当たる時間帯が多かった割に寒さを感じたのは、
風が冷たく強かったのと、ナキちゃんがあまり出没しなかったから(暇を持て余して)。
昨年同時期よりもさらに少なくなったような印象で、私が観察した限り、5匹程度しか
いないのではなかろうか? また、山の季節の移ろいは昨年よりも遅れているようで、
新芽の芽吹きのない草原は茶枯れたまま、エゾムラサキツツジも咲いていなかった。
なので、撮影していてもあまり気分盛り上がらず、ナキウサギが減っているとの情報が
拡散しているのか、あとでおじさん一人やって来たほかに、この日入山者はなかった。
さてここで問題。上の写真にナキウサギは何匹いるでしょうか?
天候は不安定で、下山時には雲が多くなった。
姿を現したウペペサンケ。
士幌町のじろう食堂で「大ぶりザンギ定食」。100円値上げされ840円になっていた。
おつまみに買い求めた「生産者還元用ポテトチップス」。
地元関西でお土産に渡すと、「おいしい!」となかなかウケがよろしい一品。
ただしかさばるので、最終日にしか大量購入できないのが難点。
上記の答え:少なくとも一匹。
岩の上で日向ぼっこしているのが一匹いるが、写真小さくてわかりづらいかも。
あと、岩穴に潜んでいる個体がいる可能性はあり、滞在中私が観察した印象では、
この範囲ではほかに一匹いるかどうかという感じだ。
5月10日(水) 曇り時々晴れ(不安定、全域に雷注意報)
朝のうち、美瑛周辺を車でサッと流したあと、食料の買い出しなどを済ませ、
層雲峡、三国峠を経由して十勝側へ移動した。
晴れ間は多いが不安定な空模様で、ところによっては黒い雲が上空を
覆うこともあった。幸い私はあわなかったが、あちらこちらでにわか雨が
降ったようだ。
それでも、層雲峡や三国峠周辺では意外に山が良く見えていて、
白い山肌が美しかった。昨日までの雨が山では雪になり、化粧直し
したのかもしれない。
5月9日(火) 晴れ時々曇り
出航前心配した波は思っていたよりは穏やかで、船に強くない私でも、特段問題なく
過ごすことができた。
それに比べ予想に反する多さに面食らったのは、車と乗船客数だ。たしか昨年度も
同じようなタイミングで出発したはずで、今回は数倍人と車が多いように思えた。
新型コロナが一応収束(終息ではないのだけれど)、人々の気持ちが恐ろしく前向き、
外向きになっているあらわれだろう。
朝、外の空気を吸いにデッキに出てみると、風が心地よかった。
昔々、フォワードサロンが無法地帯だった頃、ここに入り浸り、長居を決め込み
籠城したものだったが、「飲食物持ち込み禁止」になってからは、ほとんど
立ち寄ることがなくなった。
5月8日(月) 曇り時々晴れ
GW中は概ねいい天気で、汗ばむような陽気の日が多かったが、最終盤、一昨日
深夜から今朝方にかけて暴風雨がほぼ止むことなく吹き荒れ、まとまった雨量と
なった。そして、雨が上がったあと風向きが北寄りに変わり、一転肌寒くなった。
先の旅から帰宅直後は気持ちが前向きで、すぐに出かける気満々、道具はほとんど
仕舞うことなく出しっぱなしだった(日が経つにつれ「出かけたくない病」が再発し、
だんだん億劫になり、気が滅入る一方だったのだが)。本来、5月の北海道ならば、
前回の旅の道具がほぼそのまま流用できるはずで、しかし4月の東北はそれでは
暑いくらいの日が多く、また、帰宅後実家でも初夏のような陽気が続いたので、
少し薄手のものに替えたほうがいいように思えてきたのだ。
それで前回の持ち物一部を見直し、まずタラスブルバの冬用ジャケットをリスト
から外し、長袖シャツを秋冬物から春夏用に替え、寝袋を夏用の薄手のものに
交換した。万一寒くても、インナーシュラフの併用で乗り切れるとの判断だ。
しかし… 旅立ち寸前でこの涼しさに逆戻り、ちょっと待てよと心配になってきて、
急きょ寝袋だけ冬用に差し戻した。インナーを重ねると、どうしても窮屈になり
寝心地が悪くなるので、非常時以外できるだけ当てにしたくないのだ。
一般道、高速道路ともに順調に流れてやってきた舞鶴は北風冷たく春先のような寒さ。
判断は間違っていなかったんじゃないかな。
今回図書館でお借りしたのは「方舟(はこぶね)/夕木春央(ゆうき はるお)著」です。
朝日新聞夕刊記事で紹介されていたのが、たしか昨年12月頃のことで、それからすぐに
予約を入れたものの、話題の新作、順番が回ってくるまでに半年近くかかりました。
実は同時期にもう一冊別に予約した本がありまして、こちらの順番がようやく「次」まで
回ってきたのが春の旅に出る寸前でした。直前に借りた方の返却のタイミングにも
よりますが、それを待って借りるとなると、自分が読む時間を含め、少なくとも旅立ちが
一週間から十日は遅くなったでしょう。泣く泣く権利を放棄し、改めて予約を入れ直し、
順番が最後尾に逆戻り、どうやらまた、さらに半年待たなければならないようです。
それに引き換えこの方舟は、GWに入る前、絶妙のタイミングで借りることができました。
少し前なら旅先だったかもしれないし、もう少し後で、帰宅していたとしても、旅の片づけ
などと同時並行して読書する時間を設けるのはかなりきつかったでしょうから、それらが
ほぼすべて終了した今が、絶好の機会だったのです。
さて、そうして長い時を経てやっとこさ借りることができたこの長編推理小説を、
たった二日間で読み終えたのは、待たされた時間を考えるとちょっと拍子抜けかも
しれません。早々の完読が「もったいなかった」とも言えるでしょうか。面白くて
ページをめくる手が止まらなかったとの、記載内容、物語展開が比較的平易で、難解な文章、
語彙はあまり使われず、専門用語が飛び交うような場面がほとんどないことで、スムーズに
読み進められたのがその要因かもしれません。事件に巻き込まれる人々の職業もまずは
平凡で、特殊な専門分野に特化したエキスパートが知識をひけらかすこともないですしね。
これは近年の推理小説全般に概ね共通することですけど、方舟も、クローズドサークルを
生み出す初っ端の手段は少々強引ではあります。携帯電話が通じず、監視カメラがなく、
DNA鑑定などの科学捜査の手が入らない環境を無理やりにでも創り出さないことには、
多くのトリックは最新の捜査手法を用いるとすぐに見破られますからねえ。そうして
タイムスリップしたかのように誂えられた舞台上で、大正~戦前、戦後直後あたりに
活躍した多くの名探偵たちと、初めて対等な勝負が出来るんですよね。
閉じこめられた地下建築物から脱出するための手段を行使するには、一名を置き去りにして
犠牲にしなければならず、しかも地下水が上昇し水没が始まり、リミットは約一週間、
そうした緊迫した状況下で行われる殺人は、犯人には自分で自分の首を絞めるような行為に
等しく、その動機すらわからないまま時間だけが空しく経過します。閉鎖環境の中で
行われる殺人は比較的シンプルで、凝った手口でない分、物的証拠や解決へ糸口などはあまり
残っていないのです。続けて起こる第二の殺人は首なし死体。なるほど、今時はそうした
理由で首を切断する理由があるのかと、探偵役の推理、分析に納得し、舌を巻きましたよ。
限られた時間、その中で連続殺人が行われる切迫した状況の割には物語は淡々と進むので、
そこに何かしら違和感を抱きつつも先が気になり読み進めるペースは上がり、残りページ
枚数はどんどん減っていきました。犯人の特定や犯行の動機を解明するための手掛かりは
少なく、残り枚数が四分の一ほどのところで、一度冒頭のプロローグを再読してみました。
プロローグには犯人などを示唆するような記述があったのをあとになって思い当たること
があり、もしかしたらこの作品でもそうなのかもと、藁にも縋る思いで読み返してみたの
ですが、残念ながらそれだけで犯人を断定することはできませんでした。
しかし、なるほど、途中違和感を感じたのはこのためだったのか、最終盤物語は急展開し、
怒涛のラストに流れ込みます。鈍器で強く頭を叩きつけられたような(実際その経験は
ありませんが)激しい衝動に、読み終えてなおしばらく、本を持つ手を離せませんでした。
SFサスペンスホラー映画「遊星からの物体X」を見終わったあとや手塚治虫さんの
黒系作品の秀作「奇子(あやこ)」を読んだあとの突き放されるような痺れる感覚、
銅鑼の重い響きが鳴りやまない余韻といいますかね。
この先、この作品の結末を知らずに読み始めるあなたがうらやましく思いますよ。
半年ほど先になるかもしれません、さっそく図書館に予約を入れ、ぜひお読みください。