郵便ポストには設置基準というものがあるそうで、400メートル(住宅密集地では250メートル)以内に他のポストがなく、200件以上の利用が見込まれる場所でないといけないらしい。道路管理者や警察、あるいは土地所有者の了解も必要だろう。
郵便利用者と人口が減り、全国的にはポストが撤去されて不便を感じている事例もあるようだけど、そんな方々には申し訳ないようなポストが、秋田市内にある。
とても近い位置に、2つポストがあるのだ。
近いポストと言えば、秋田県庁正庁【2021年4月11日訂正】本庁舎と秋田市役所のそれぞれの前に、山王大通りをはさんでほぼ相対してあるが、これは道路横断が必要だし、利用者が圧倒的に多い立地だから、妥当とすべきだろう。
秋田中央郵便局前には、新国道に面して局舎両端にあったけれど、今年春頃に片方が撤去されてしまった。
あとは、コンビニの店内と店舗前両方にポストがある事例は、全国的にあるだろう。
取り上げるのは、寺内字三千刈。
新国道と奥羽本線・秋田貨物駅の間のこの一帯は、企業の事務所や倉庫が多い流通団地的なエリアと昭和40~50年代頃の新興住宅地からなる。
そこには新国道と斜めに交わり、一直線に外旭川地区へつながる「帝石踏切」の通りがある。もともとは帝国石油の産業道路的存在だったようだ(だから踏切もその名)が、今はちょっと広い市道。
後方が踏切、奥が新国道・運輸支局方向
踏切と新国道の間に唯一ある信号機が、この押しボタン信号。
向かい側の建物は、かつてはお店で切手類も売っていた。その名残で、自動販売機の隣にポスストがある。
後ろがお宅の窓で気が引けますが
現行タイプのうち、投函口が1つで箱が大型で、縦に長く感じられる「郵便差出箱十一号」。
11号は、秋田市内では少数派のポスト(過去の記事)。秋田市南部に集中しており、秋田市北部ではこれが唯一かもしれない。
銘板は「平成11年2月」納入
製造時期からも、また扉の形状からしても初期型。
秋田市内の他の同年代のポストなら、近年は交換されるものも出ている。これも再塗装されている(背面の塗装が大変だったかも)ようではあるが、きれい。ひさしの下、自販機の陰で守られているのだろう。
さて、このポストの南方向。
分かりにくいかな
1軒隣は自動車整備工場。その隣に赤いものが!
ここにもポスト
こちらは秋田市内で標準的な、2口で小さいボディの13号。後期型の扉で、かつ銘板がないのでわりと新しいと思われるが、やや色あせ、天面にはサビが出ている。
1軒おいてまたポスト。自動車整備工場から見ると、1軒を挟んで両隣にポスト。距離は60メートルほどしか離れておらず、かつての中央郵便局の2つと同じくらい。
住宅もオフィスもまばらではないエリアだけど、そこまで需要があるとは思えない。どうしてこんなに近くにポストが2つもあるのか。
13号ポストが設置された場所を知ると、その理由が分かる。
上の写真のように、敷地内には大きいトラックがたくさん駐車しているのだが、
「秋田郵便自動車(株)」
郵便局の関連企業の事務所と車庫があるようだ。
最近は、ポストからの回収(取集)を、赤い車ではなく、同型の白い軽ワゴンで行っているのをよく見るが、その車にもこの社名が書いてあったはず。その白い車はここでなく中央郵便局の敷地に駐めてあったと思う。
秋田郵便自動車株式会社について、調べてもよく分からないが、ここに大きいトラックがあるということは各地への郵便物の輸送をしているのだろうか。
また、昨年、秋田市内のポストの取集回数や時刻が変わった時、岩手県内に集約拠点ができた話を聞いた。それに秋田郵便自動車が関わっているような情報があった。
門の前に「年賀はがき」ののぼり旗が出ているということは、事務所で切手はがき類を売ってくれるのだろうか。日曜日はお休みのようだけど。
順番からすれば、11号ポストのお店のほうが古く、昔からポストがあり、後に(ここ10年とかそのくらい?)秋田郵便自動車ができて13号を設置したと思われる。【26日・設置した「理由」が説明不足だったので追記】せっかく郵便関連の施設ができたのだから、近隣の皆様へのサービスとして、その道路に面した敷地にポストを設置したのだろう。すでに近くにポストがあることを意識していたのかは分からないけど。
2つのポストの表示を比較。
11号
13号
相変わらず秋田のポストは、表示、特に取集時刻表示がボロボロ。
11号は平日は15時00分の1回、土曜日はペンで16時00分と書いてある、休日は「1」しか判読できない。
ポスト番号は「011303」。
ポスト番号の上3桁は郵便番号の上3桁と一致するようだ。この辺りは、かつては土崎郵便局が取り集めをしており、さらに郵便番号が3桁または5桁だった当時は「〒011」のエリアであった。【25日追記】土崎郵便局が取り集めをやめて、秋田中央郵便局に移管したのは今年2019年5月13日だった。だからポスト番号など連絡先の表示がきれいなのか(じゃあ同時に時刻表も新しくしてよ!)。なお、仁井田郵便局でも同日に中央局へ移管。
13号は平日15時00分1回、土曜不明、休日11時00分。
ポスト番号は「011305」。
取り集め時間は、両者で同じようだ。毎日1回。
ポスト番号は1つ飛んでいる。011304が存在するのか気になるが、近くにほかのポストはなさそう。
郵便輸送会社の前だからといって、取り集め回数が多いというわけでもなかった。ここは長距離輸送の拠点であって、郵便物はいったん郵便局へ運ばないとだめなのだろう。
それでは、こんな近くに2つポストがある意味って…
どちらか片方がなくなっても、困る人はまずいないだろう。
こういう点からも、日本郵政グループ、日本郵政の中途半端なお役所意識が垣間見えてしまう気がする。
郵便利用者と人口が減り、全国的にはポストが撤去されて不便を感じている事例もあるようだけど、そんな方々には申し訳ないようなポストが、秋田市内にある。
とても近い位置に、2つポストがあるのだ。
近いポストと言えば、秋田県庁
秋田中央郵便局前には、新国道に面して局舎両端にあったけれど、今年春頃に片方が撤去されてしまった。
あとは、コンビニの店内と店舗前両方にポストがある事例は、全国的にあるだろう。
取り上げるのは、寺内字三千刈。
新国道と奥羽本線・秋田貨物駅の間のこの一帯は、企業の事務所や倉庫が多い流通団地的なエリアと昭和40~50年代頃の新興住宅地からなる。
そこには新国道と斜めに交わり、一直線に外旭川地区へつながる「帝石踏切」の通りがある。もともとは帝国石油の産業道路的存在だったようだ(だから踏切もその名)が、今はちょっと広い市道。
後方が踏切、奥が新国道・運輸支局方向
踏切と新国道の間に唯一ある信号機が、この押しボタン信号。
向かい側の建物は、かつてはお店で切手類も売っていた。その名残で、自動販売機の隣にポスストがある。
後ろがお宅の窓で気が引けますが
現行タイプのうち、投函口が1つで箱が大型で、縦に長く感じられる「郵便差出箱十一号」。
11号は、秋田市内では少数派のポスト(過去の記事)。秋田市南部に集中しており、秋田市北部ではこれが唯一かもしれない。
銘板は「平成11年2月」納入
製造時期からも、また扉の形状からしても初期型。
秋田市内の他の同年代のポストなら、近年は交換されるものも出ている。これも再塗装されている(背面の塗装が大変だったかも)ようではあるが、きれい。ひさしの下、自販機の陰で守られているのだろう。
さて、このポストの南方向。
分かりにくいかな
1軒隣は自動車整備工場。その隣に赤いものが!
ここにもポスト
こちらは秋田市内で標準的な、2口で小さいボディの13号。後期型の扉で、かつ銘板がないのでわりと新しいと思われるが、やや色あせ、天面にはサビが出ている。
1軒おいてまたポスト。自動車整備工場から見ると、1軒を挟んで両隣にポスト。距離は60メートルほどしか離れておらず、かつての中央郵便局の2つと同じくらい。
住宅もオフィスもまばらではないエリアだけど、そこまで需要があるとは思えない。どうしてこんなに近くにポストが2つもあるのか。
13号ポストが設置された場所を知ると、その理由が分かる。
上の写真のように、敷地内には大きいトラックがたくさん駐車しているのだが、
「秋田郵便自動車(株)」
郵便局の関連企業の事務所と車庫があるようだ。
最近は、ポストからの回収(取集)を、赤い車ではなく、同型の白い軽ワゴンで行っているのをよく見るが、その車にもこの社名が書いてあったはず。その白い車はここでなく中央郵便局の敷地に駐めてあったと思う。
秋田郵便自動車株式会社について、調べてもよく分からないが、ここに大きいトラックがあるということは各地への郵便物の輸送をしているのだろうか。
また、昨年、秋田市内のポストの取集回数や時刻が変わった時、岩手県内に集約拠点ができた話を聞いた。それに秋田郵便自動車が関わっているような情報があった。
門の前に「年賀はがき」ののぼり旗が出ているということは、事務所で切手はがき類を売ってくれるのだろうか。日曜日はお休みのようだけど。
順番からすれば、11号ポストのお店のほうが古く、昔からポストがあり、後に(ここ10年とかそのくらい?)秋田郵便自動車ができて13号を設置したと思われる。【26日・設置した「理由」が説明不足だったので追記】せっかく郵便関連の施設ができたのだから、近隣の皆様へのサービスとして、その道路に面した敷地にポストを設置したのだろう。すでに近くにポストがあることを意識していたのかは分からないけど。
2つのポストの表示を比較。
11号
13号
相変わらず秋田のポストは、表示、特に取集時刻表示がボロボロ。
11号は平日は15時00分の1回、土曜日はペンで16時00分と書いてある、休日は「1」しか判読できない。
ポスト番号は「011303」。
ポスト番号の上3桁は郵便番号の上3桁と一致するようだ。この辺りは、かつては土崎郵便局が取り集めをしており、さらに郵便番号が3桁または5桁だった当時は「〒011」のエリアであった。【25日追記】土崎郵便局が取り集めをやめて、秋田中央郵便局に移管したのは今年2019年5月13日だった。だからポスト番号など連絡先の表示がきれいなのか(じゃあ同時に時刻表も新しくしてよ!)。なお、仁井田郵便局でも同日に中央局へ移管。
13号は平日15時00分1回、土曜不明、休日11時00分。
ポスト番号は「011305」。
取り集め時間は、両者で同じようだ。毎日1回。
ポスト番号は1つ飛んでいる。011304が存在するのか気になるが、近くにほかのポストはなさそう。
郵便輸送会社の前だからといって、取り集め回数が多いというわけでもなかった。ここは長距離輸送の拠点であって、郵便物はいったん郵便局へ運ばないとだめなのだろう。
それでは、こんな近くに2つポストがある意味って…
どちらか片方がなくなっても、困る人はまずいないだろう。
こういう点からも、日本郵政グループ、日本郵政の中途半端なお役所意識が垣間見えてしまう気がする。