懐かしいダイエーの今に続いて、イトーヨーカドーのこと。
3月9日、セブン&アイ・ホールディングスが、今後3年間(2026年2月末)でイトーヨーカドー14店舗を閉鎖する方針を明らかにした、と報道された(その後、創業者が亡くなった報道も続いた)。
この報道では「14店舗」のほか「32店舗(あるいは33店舗)」という数字も出てきて、ややこしい。
別の18店の閉店が以前から決まっていて、今回、新たに14店の閉店が追加。合計32店が閉店することになった、ということだそう。現在営業中なのは125店舗、2026年2月末には93店舗になる。
33店舗というのは、2023年3月5日に閉店した、東京都のイトーヨーカドー竹の塚店を含めてカウントしたもの。基準日が2月末、発表日が3月9日で、その間の閉店がややこしさを増した。
本件は、リークとかスクープとかではなく、中期経営計画の公式な情報。そして、14店舗や32店舗が具体的にどの店なのかは、明らかにされていない。「店舗は首都圏に集中させる」との方針は示している。
セブンアンドアイでは、西武そごうも含めて以前から、数だけ示しておいて、具体的な店舗名は明かさないという発表のしかたをしている。どの店を閉めるのか、決まっているのだろうに。
公式サイトに掲載された、今回の「中期経営計画のアップデートならびにグループ戦略再評価の結果について主な質疑応答(要旨)(https://www.7andi.com/ir/file/library/ks/pdf/2023_0309ks_02.pdf)」には、「IY の店舗閉鎖につきましては、ステークホルダーの皆様に配慮しながらご説明していく必要があると考えており、現段階で詳細の公表は差し控えさせていただきます」としている。
客や従業員の中には、自分が利用する/勤務する店がなくなるのではないか。なくなるのであれば、早く教えてほしいと思う人が多いのは、想像に難くない。
「ステークホルダー」とはあらゆる利害関係者のこと。一般的には顧客や従業員も含める。
セブンアンドアイとしては、お客や従業員に詳しく教えないことが「配慮」だと思っているのか、あるいはお客や従業員は、利害関係者ではないということなのでしょう。
それに、この中途半端な発表により、ネット上には憶測も出ている。見かけたものを挙げると、
・「北海道・東北に現在14店舗あるので、それらが閉店対象で、北海道東北から撤退ということなのでは」
→これは明らかに正しくなさそう。そもそも北海道東北は15店舗(アリオブランド2店舗を含む)だと思う。そして、以前から発表されていた18店舗のことを知らない発言だと思われる。北海道・東北が18店に一切含まれないとは考えにくい。【2024年2月18日追記・結果としては、店舗数はともかく現実になってしまった。末尾追記参照】
・「現在、首都圏とその周辺に93店舗、首都圏以外の全国各地に32店舗ある。存続/閉鎖の発表数と一致するため、地方完全撤退・首都圏周辺のみ存続になるのでは」
→なくはないのかも。面倒なので数えていないし、イトーヨーカドーが言う「首都圏」の定義が不明瞭なので決めつけはできない。これが正しいのであれば、早くその旨を発表するべきだ。
思わせぶりで人の心をもてあそぶようなセブンアンドアイのやりかたは好きになれない。閉店するのはしょうがないにしても、その手順とか伝えかたというのがあるのでは。客の気持ちに思いが至っていないのではないか。
セブンの経営不振と“物言う株主”に言われたことによる大量閉店なのだろうが、客と従業員――とりわけ首都圏以外の地方の――は置き去りにされているように感じる。田舎の店など、とっとと引き上げてしまえ、後はどうにでもなれと。
今どき珍しい、地方都市の駅前に立地しながら、幅広い世代に利用され、2020年11月にリニューアルされたばかりのイトーヨーカドー弘前店はどうなってしまうのか。弘前のみなさんは気がかりなことだろう。【その後は末尾の追記参照】
さて、今回、首都圏へ行って時間が余ったので、駅からのアクセスが良いイトーヨーカドーを探して、のぞいてみた。
JR浦和駅・西口
20年ほど前に1度だけ降りたことがあったが、その後、高架化されてきれいになっていた。
首都圏はいつどこに行っても、人が足早に行き交っている。だけど、浦和駅は人数は多いものの、東京駅や大宮駅と比べると、いくぶん穏やかに人が動いている感じがしなくもなかった。
ホーム・線路の本数が多くない分、駅東西間の通路の距離は長くなく、高架なので駅以外でも高架下で東西を行き来できる箇所があって、東口・西口どちらを利用しても大差ない。
駅ビル・アトレ浦和(セブン系のザ・ガーデン自由が丘浦和店も入る)のほか、東口には浦和パルコ、西口には伊勢丹浦和店などがある。
上の写真では、奥に伊勢丹が写っている。西口を出て右=北側にある。
目指すイトーヨーカドー浦和店もこの方向にあるらしいのだが、駅前からは見えなくて、不安になった。
伊勢丹脇と線路の間の広くはない道を北上し、雑居ビルなどが並ぶ1ブロックを通過。
右が高架、後方が浦和駅
高架沿いの道にぶつかる狭い「路地」のような道路(朝夕は歩行者自転車道規制)に面する建物の上に、「7&i」の看板が見えた。上の写真の角地は雑居ビルで、その1軒隣が、イトーヨーカドーらしい。こんな場所だとは思わなかった。
浦和駅から200メートルほど。弘前駅からイトーヨーカドー弘前店よりは少し近いが、弘前は駅から看板が見えて、大通り沿い。

この路地が、店舗の正面らしい。飲食店を中心とした商店街になっていて、人通りは浦和駅前よりも少し多いような気もするし、年齢層が若いかもしれない。
超広角で撮影
地下1階、地上4階建てと、あまり大きくない。
1972年6月、イトーヨーカドー30店舗目として開店したそうで、51年目の現在では古参店舗。
伊勢丹浦和店は1981年開店だそうで、それ以前は、浦和駅から店が見えたのかもしれない。
1976年10月、63店目の弘前店と比べる(むろん、その後にできた秋田店・現フォンテAKITAと比べても)と、外観や店内の天井高など時代を感じさせる。天井の低さでは、秋田OPA(元ジャスコ秋田店)やイオン仙台店(元ダイエー仙台店)のような雰囲気。

店舗前の駐輪場が自転車であふれている。
店内へ入ると、それほど混雑していない。まあ、標準的なヨーカドーの客数・客層ってところだろうか。同じ時間の弘前店だって、同じくらいは入っていそう。
売り場は手が入っていて古さはさほどないが、今の感覚では狭く感じる。
食品売り場には「IYマイレジ」なるものが。
首都圏、静岡、兵庫の店舗で導入されているそうで、スマホで読み取るレジ(※)とセルフレジを兼ねたレジのようだ。
※イオンでいうところの「レジゴー」。レジゴーでは、店がスマホを貸している(自前スマホでも可能だが、秋田では1人しか見たことがない)が、ヨーカドーは貸し出しはなく、必ず自前のスマホにアプリを入れないといけない。
2階と1階を軽く見て、3月で失効するnanacoのポイントをチャージだけして、店を出た。
そういえば、このnanacoポイントチャージが、セブン銀行ATMではできず、チャージ機はイトーヨーカドーにしかない(セブン-イレブンでは店員に申し出ないとできない)のが永年変わっておらず、不便。この点でも、セブンアンドアイはお客の気持ちに応えているとは言えない。
隣のさいたま新都心駅近くにも、イトーヨーカドー大宮店があるそうだが、1フロアだけのようなので、それよりは大きい浦和店へ行ったのだった。大宮店は1983年開店、さいたま新都心駅は2000年開業なので、それまでは駅前でない店だったのだろう。
人が多い、店が多い、首都圏。対して地方は… イトーヨーカドーのことだけでなく、いろいろなことで、今後も首都圏ひとり勝ちが続きそうで、地方は厳しくなっていくのだろうと思わずにはいられなかった。
【5月20日追記・同日配信東奥日報サイトより五所川原店について】
イトーヨーカドー五所川原店が入るショッピングセンター「ELM(エルム)」を運営する、五所川原街づくり株式会社の株主総会が19日開かれ、社長が
「閉店になる可能性は高いと思っている」
「まだ正式な通達はないが(五所川原店が)いつ何があってもいいように準備を始めなければいけない」と述べた。
とのこと。
【7月1日追記】7月1日、青森の複数のマスコミが、イトーヨーカドー五所川原店が2024年3月頃に閉店する予定であることを報道した。
【7月5日追記】7月3日の陸奥新報サイトによれば、「今回、(青森)県内の弘前、青森、八戸沼館各店舗は対象になっていない。」とのことで、五所川原店のみが、まずは閉店するらしい。では「次回」があるのか、それはいつなのか、そこで残りの店舗はどうなるのか。それを知らせてほしい。
【2024年2月8日追記】その後、八戸沼館店は2024年夏頃閉店見込みであることが発表。
さらに2024年2月8日、弘前店と青森店も2024年内の閉店計画があり、青森県からイトーヨーカドーがなくなることが、複数のマスコミによって報道された。
予想できたことではあるが、現実になってしまうと衝撃的でもある。
【2024年2月18日追記】その他の店舗の閉店も明らかになり、イトーヨーカドーは北海道・東北・信越から撤退することになった。店舗数については、閉店を小出しに明らかにするものだから、報道でもまちまちでよく分からない。ほんとに好きになれないやりかたで、セブン&アイが嫌いになってしまう。
3月9日、セブン&アイ・ホールディングスが、今後3年間(2026年2月末)でイトーヨーカドー14店舗を閉鎖する方針を明らかにした、と報道された(その後、創業者が亡くなった報道も続いた)。
この報道では「14店舗」のほか「32店舗(あるいは33店舗)」という数字も出てきて、ややこしい。
別の18店の閉店が以前から決まっていて、今回、新たに14店の閉店が追加。合計32店が閉店することになった、ということだそう。現在営業中なのは125店舗、2026年2月末には93店舗になる。
33店舗というのは、2023年3月5日に閉店した、東京都のイトーヨーカドー竹の塚店を含めてカウントしたもの。基準日が2月末、発表日が3月9日で、その間の閉店がややこしさを増した。
本件は、リークとかスクープとかではなく、中期経営計画の公式な情報。そして、14店舗や32店舗が具体的にどの店なのかは、明らかにされていない。「店舗は首都圏に集中させる」との方針は示している。
セブンアンドアイでは、西武そごうも含めて以前から、数だけ示しておいて、具体的な店舗名は明かさないという発表のしかたをしている。どの店を閉めるのか、決まっているのだろうに。
公式サイトに掲載された、今回の「中期経営計画のアップデートならびにグループ戦略再評価の結果について主な質疑応答(要旨)(https://www.7andi.com/ir/file/library/ks/pdf/2023_0309ks_02.pdf)」には、「IY の店舗閉鎖につきましては、ステークホルダーの皆様に配慮しながらご説明していく必要があると考えており、現段階で詳細の公表は差し控えさせていただきます」としている。
客や従業員の中には、自分が利用する/勤務する店がなくなるのではないか。なくなるのであれば、早く教えてほしいと思う人が多いのは、想像に難くない。
「ステークホルダー」とはあらゆる利害関係者のこと。一般的には顧客や従業員も含める。
セブンアンドアイとしては、お客や従業員に詳しく教えないことが「配慮」だと思っているのか、あるいはお客や従業員は、利害関係者ではないということなのでしょう。
それに、この中途半端な発表により、ネット上には憶測も出ている。見かけたものを挙げると、
・「北海道・東北に現在14店舗あるので、それらが閉店対象で、北海道東北から撤退ということなのでは」
→これは明らかに正しくなさそう。そもそも北海道東北は15店舗(アリオブランド2店舗を含む)だと思う。そして、以前から発表されていた18店舗のことを知らない発言だと思われる。北海道・東北が18店に一切含まれないとは考えにくい。【2024年2月18日追記・結果としては、店舗数はともかく現実になってしまった。末尾追記参照】
・「現在、首都圏とその周辺に93店舗、首都圏以外の全国各地に32店舗ある。存続/閉鎖の発表数と一致するため、地方完全撤退・首都圏周辺のみ存続になるのでは」
→なくはないのかも。面倒なので数えていないし、イトーヨーカドーが言う「首都圏」の定義が不明瞭なので決めつけはできない。これが正しいのであれば、早くその旨を発表するべきだ。
思わせぶりで人の心をもてあそぶようなセブンアンドアイのやりかたは好きになれない。閉店するのはしょうがないにしても、その手順とか伝えかたというのがあるのでは。客の気持ちに思いが至っていないのではないか。
セブンの経営不振と“物言う株主”に言われたことによる大量閉店なのだろうが、客と従業員――とりわけ首都圏以外の地方の――は置き去りにされているように感じる。田舎の店など、とっとと引き上げてしまえ、後はどうにでもなれと。
今どき珍しい、地方都市の駅前に立地しながら、幅広い世代に利用され、2020年11月にリニューアルされたばかりのイトーヨーカドー弘前店はどうなってしまうのか。弘前のみなさんは気がかりなことだろう。【その後は末尾の追記参照】
さて、今回、首都圏へ行って時間が余ったので、駅からのアクセスが良いイトーヨーカドーを探して、のぞいてみた。

20年ほど前に1度だけ降りたことがあったが、その後、高架化されてきれいになっていた。
首都圏はいつどこに行っても、人が足早に行き交っている。だけど、浦和駅は人数は多いものの、東京駅や大宮駅と比べると、いくぶん穏やかに人が動いている感じがしなくもなかった。
ホーム・線路の本数が多くない分、駅東西間の通路の距離は長くなく、高架なので駅以外でも高架下で東西を行き来できる箇所があって、東口・西口どちらを利用しても大差ない。
駅ビル・アトレ浦和(セブン系のザ・ガーデン自由が丘浦和店も入る)のほか、東口には浦和パルコ、西口には伊勢丹浦和店などがある。
上の写真では、奥に伊勢丹が写っている。西口を出て右=北側にある。
目指すイトーヨーカドー浦和店もこの方向にあるらしいのだが、駅前からは見えなくて、不安になった。
伊勢丹脇と線路の間の広くはない道を北上し、雑居ビルなどが並ぶ1ブロックを通過。

高架沿いの道にぶつかる狭い「路地」のような道路(朝夕は歩行者自転車道規制)に面する建物の上に、「7&i」の看板が見えた。上の写真の角地は雑居ビルで、その1軒隣が、イトーヨーカドーらしい。こんな場所だとは思わなかった。
浦和駅から200メートルほど。弘前駅からイトーヨーカドー弘前店よりは少し近いが、弘前は駅から看板が見えて、大通り沿い。

この路地が、店舗の正面らしい。飲食店を中心とした商店街になっていて、人通りは浦和駅前よりも少し多いような気もするし、年齢層が若いかもしれない。

地下1階、地上4階建てと、あまり大きくない。
1972年6月、イトーヨーカドー30店舗目として開店したそうで、51年目の現在では古参店舗。
伊勢丹浦和店は1981年開店だそうで、それ以前は、浦和駅から店が見えたのかもしれない。
1976年10月、63店目の弘前店と比べる(むろん、その後にできた秋田店・現フォンテAKITAと比べても)と、外観や店内の天井高など時代を感じさせる。天井の低さでは、秋田OPA(元ジャスコ秋田店)やイオン仙台店(元ダイエー仙台店)のような雰囲気。

店舗前の駐輪場が自転車であふれている。
店内へ入ると、それほど混雑していない。まあ、標準的なヨーカドーの客数・客層ってところだろうか。同じ時間の弘前店だって、同じくらいは入っていそう。
売り場は手が入っていて古さはさほどないが、今の感覚では狭く感じる。
食品売り場には「IYマイレジ」なるものが。
首都圏、静岡、兵庫の店舗で導入されているそうで、スマホで読み取るレジ(※)とセルフレジを兼ねたレジのようだ。
※イオンでいうところの「レジゴー」。レジゴーでは、店がスマホを貸している(自前スマホでも可能だが、秋田では1人しか見たことがない)が、ヨーカドーは貸し出しはなく、必ず自前のスマホにアプリを入れないといけない。
2階と1階を軽く見て、3月で失効するnanacoのポイントをチャージだけして、店を出た。
そういえば、このnanacoポイントチャージが、セブン銀行ATMではできず、チャージ機はイトーヨーカドーにしかない(セブン-イレブンでは店員に申し出ないとできない)のが永年変わっておらず、不便。この点でも、セブンアンドアイはお客の気持ちに応えているとは言えない。
隣のさいたま新都心駅近くにも、イトーヨーカドー大宮店があるそうだが、1フロアだけのようなので、それよりは大きい浦和店へ行ったのだった。大宮店は1983年開店、さいたま新都心駅は2000年開業なので、それまでは駅前でない店だったのだろう。
人が多い、店が多い、首都圏。対して地方は… イトーヨーカドーのことだけでなく、いろいろなことで、今後も首都圏ひとり勝ちが続きそうで、地方は厳しくなっていくのだろうと思わずにはいられなかった。
【5月20日追記・同日配信東奥日報サイトより五所川原店について】
イトーヨーカドー五所川原店が入るショッピングセンター「ELM(エルム)」を運営する、五所川原街づくり株式会社の株主総会が19日開かれ、社長が
「閉店になる可能性は高いと思っている」
「まだ正式な通達はないが(五所川原店が)いつ何があってもいいように準備を始めなければいけない」と述べた。
とのこと。
【7月1日追記】7月1日、青森の複数のマスコミが、イトーヨーカドー五所川原店が2024年3月頃に閉店する予定であることを報道した。
【7月5日追記】7月3日の陸奥新報サイトによれば、「今回、(青森)県内の弘前、青森、八戸沼館各店舗は対象になっていない。」とのことで、五所川原店のみが、まずは閉店するらしい。では「次回」があるのか、それはいつなのか、そこで残りの店舗はどうなるのか。それを知らせてほしい。
【2024年2月8日追記】その後、八戸沼館店は2024年夏頃閉店見込みであることが発表。
さらに2024年2月8日、弘前店と青森店も2024年内の閉店計画があり、青森県からイトーヨーカドーがなくなることが、複数のマスコミによって報道された。
予想できたことではあるが、現実になってしまうと衝撃的でもある。
【2024年2月18日追記】その他の店舗の閉店も明らかになり、イトーヨーカドーは北海道・東北・信越から撤退することになった。店舗数については、閉店を小出しに明らかにするものだから、報道でもまちまちでよく分からない。ほんとに好きになれないやりかたで、セブン&アイが嫌いになってしまう。