2024年9月末の秋田市の廃止バス路線に続いて、第41回秋田市地域公共交通協議会の資料から。
市サイト ページ番号1042487には、いちばん最後に「公共交通網の再編について」というPDFファイルがアップされていた。
秋田市では、市全域(マイタウン・バス化された郊外地域以外ということか)でのバス路線網の再編を計画していることは、聞いていた。
現状の路線網は、秋田駅一極集中であるため、駅を介さない場所どうしの公共交通機関での移動は、乗り継ぎが必要になるか、そもそも路線がないかで不便。(全国的な問題だが)利用者減&運転士不足で廃止や減便も進んで、その乗り継ぎもままならない。仮にも30万人弱が住む県庁所在地のバスの先行きが不安であった。
また、秋田市内では住宅地や商業施設に遠くない、新しい道路がいくつか開通しているのに、そこを新たに路線バスが通ることはほぼなかった。何十年も前からの古いルートに拘泥する必要はなく、変化に合わせて新たなルートを設定するべきで、そうすれば秋田市の規模(人口、広さ)ならバス利用者が増える余地はあるのではと思っていた。
でも、これまでの秋田市と秋田中央交通の、満ちあふれているとは思えないやる気や、両者のかみ合っていないような取り組みを考えると、路線再編といっても既存の主要路線どうしを、山王や川反入口辺りで乗り継ぎしやすいようにして(現状でもできるけど)お茶を濁すのでは…などと、これもまた不安であった。
気が付けば、今年、市と中央交通が持続可能な公共交通サービスを目指す連携協定を結んでいた。そして、今年度から路線再編事業が始まっていた。2024年度検討、2025年度実証運行、2026年度段階的に再編路線での営業運行開始。
今回の資料では、その概要や、再編案が示されていた。「案」であって、これで決定ではなく、案を元に、市と中央交通が協議や調査する。
具体的なダイヤなどではなく、新たな路線網が中心の内容であるが、「大激変」と言って差し支えないものであった。
※以下の記載は、資料の詳細さや、こちらの見間違い・勘違いにより、市の意図とは違うものになっている可能性もあるので、ご承知おきください。興味があるかたは、各自、直接資料をご覧ください。要望等があれば、市交通政策課へ(中央交通ではなく)伝えてはいかがでしょう。
●再編のポイント
運行頻度向上のため、長距離路線を減らし、乗換えを前提として短い路線を組み合わせる。現行より少ない車両台数で検討。
●再編路線網の考え方
朝夕/日中で分ける。
朝夕は、鉄道駅や山王(県庁市役所?)など「結節点」と病院・学校などを結ぶ「幹線」バス、幹線でカバーできない地区~結節点を結ぶ「支線」のバスを運行。
日中は、地域と地域の間は「南北」と「東西」の路線バスや鉄道で移動。各地域内は予約制乗合タクシー「エリア交通」で移動。
●路線
朝夕 幹線18、支線16 計34
日中 南北11、東西7、郊外3 計21
現行路線をベースにしたものもあるが、何らかの手が入ったものが多く、まったくの新規路線もある。
朝夕の[幹線・支線]と日中の[南北・東西・郊外]の区分内のそれぞれの路線は、基本的に呼称が違うだけでルートは同じ(番号は共通で振られる)。例外で、東西のうち2、南北のうち1は日中のみ運行。差し引き朝夕のみ運行の路線は16。幹線でも、朝夕しか走らない幹線もある。
資料では番号のみで路線名はない。※以下は[幹線・支線]での分類を元に勝手に分類し、現行路線名を勝手に拝借したもので、全路線は取り上げません。
○幹線
・現状そのまま
広面御所野線、泉ハイタウン線、大住・みなみ野団地線、県庁大川反車庫
・現行路線を短縮し、途中の結節点止まりに
新国道経由土崎線(西口~土崎駅)→飯島北や市外へは乗り継ぎ
神田旭野団地線(西口~泉外旭川駅(外旭川駅前広場))→卸売市場入口・秋田厚生医療センター方面は乗り継ぎ
赤沼線(西口~大学病院~東口)→山王方面は乗り継ぎ
・現在秋田駅発着の路線を短縮し、他の結節点発着に
新屋西線(山王~川尻~新屋)
県庁・寺内経由土崎線(山王~旧国道・寺内~土崎駅)
南大通り経由日赤病院線(羽後牛島駅~牛島小学校~牛島東七丁目~日赤病院)※2024年廃止が復活
手形山団地線、秋田温泉線は、西口でなく秋田駅東口発着に
・大幅なルート変更や路線統合
新屋線(山王~山王十字路~茨島~新屋)
長崎屋車庫+山王商業高校(西口~南大通り~市立病院~御休通り~大川反車庫~商業高校)
・新規ルート
山王~県立体育館~面影橋~八橋・草生津川沿いの新しい道(2019年開通)~野村交差点~新国道~土崎
山王~県立体育館~児童会館通り~商業高校
羽後牛島駅~新しい道(2019年開通)~卸町~ハローワーク前~山王
ここで感想。
今回の資料に言葉は出てこないが、幹線は「少系統多頻度運行」が方針。少なくとも朝夕に多いのはありがたいが、その先へ行く時は、乗り換えが生じる。接続は考慮するのだろうが、待つ間の遅延や暑さ・寒さも含めて、嫌う人もいそう。それに、例えば、秋田駅から外旭川八柳各丁目まで、新屋方面から通町まで、みたいな利用をする人は一定数いるはずだが、その人たちに乗り換えさせ、短距離で降りることを強いることになる。【8日追記】秋田駅から土崎、御所野、勝平(商業)へは、引き続きバス1本で行くことができるが、距離や利用者数としては同レベルの新屋や仁井田へは乗り換えが必要になる。その違いの基準は何か、不公平感が生じかねない。
9月に廃止される、南大通り経由日赤病院線が、牛島発着という形で“復活”するのがおもしろい。協議会では「検討を進めている再編路線網を見据え、当該路線については再編後の路線として位置づけられる可能性があることから、路線廃止ではなく系統廃止とすることとしたものである。」としていた。現状では通勤通学にも通院にも使えない運行本数と時間設定だが、再活躍なるか。
そのほか、今は主要路線かどうか微妙な、寺内経由土崎線、大住みなみ野線、泉ハイタウン線が、幹線に成り上がるのも特徴的。
手形方面の東口発着化は、前からやるべきだと思っていた。時間と運賃が節約できる。場合によっては秋田駅東西の徒歩移動の乗り継ぎは生じてしまう。
八橋や卸町の新しい道路を経由するバスが、ついに設定される。牛島~山王は、御所野・仁井田方面から山王へのアクセスが主目的か。市立病院にも。新国道土崎は、秋田駅と山王とでルートを分ける。
南大通り・長崎屋経由も、五丁目橋~横町が対面通行化されることを見越した設定か。市立病院、商業のほか、これまでバスのアクセスが良くなかった中通病院、聖霊高校も意識している。
一方で、新屋線が通町を通らなくなる(山王~通町の乗り換え便はない)と、沿線からせきやで買い物する人や、秋田大学附属学校や令和高校などに通う人は、今より歩かされる。
○支線
・現状そのまま・秋田駅発着
通町将軍野市民生協、川尻船場町割山(地図では商業割山も)、福島二ツ屋線、東口桜ガ丘(横森経由でなく城東消防署前経由?)、桜台
秋田駅以外では、土崎駅~秋田厚生医療センター、新屋駅~新屋高校
・現路線を新たな結節点発着に短縮
追分方面(五城目も含む?)は土崎駅に。岩見三内、松崎団地は大学病院に。御野場団地、ニュータウン御野場経由イオンモール秋田、大野(※2024年廃止が復活)は羽後牛島駅発着に。県立プールは山王発着に
神田線の幹線にならなかった部分を、泉外旭川駅~秋田厚生医療センター(旭野団地には入らない?)
・現状路線の合体
西口~天徳寺前~添川~蓬田上丁~仁別リゾート公園【12日補足・現・添川線を仁別まで延長とも言えるし、秋田温泉線と同経路の現・仁別リゾート公園線を、旭川対岸の添川経由に変更とも言える。】
・新規ルート【10月30日訂正・現状の泉・八橋環状線の一部分を抜き出したルートなので、これも「(秋田駅発着の)現路線を新たな結節点発着に短縮」でしょう。】
泉外旭川駅~秋田運輸支局前~八橋・草生津川沿いの新しい道~面影橋~県立体育館~山王
ここで感想。
激変はない代わりに幹線になれなかった路線たち、みたいな感じ。他の結節点に短縮された路線と、割山線や二ツ屋線など結節点があるのに通過して秋田駅まで来る路線との違い(基準)が分からない。利用者によっては不満が出る。
他の結節点発着にしたのは、マイタウン・バスと同じ考えかたか。場合によってはマイクロバス化されたりするのかも。
大野線も牛島発着で“復活”。驚いたのは、廃止の話が出ていた添川線と仁別リゾート公園線の“合体”。その手があったか。仁別方面は、計算上は現ルートよりも運賃が増えるはずだが、どう対応するのか。
泉外旭川駅は、泉駅前広場側から八橋の新しい道を通る1ルートのみが新規。北の新国道へ向かう路線があればと思っていたが、やはり対山王のほうが需要があるのか。
○日中のみ運行の路線
・南北
羽後牛島駅~卸団地~イオン秋田中央店前~南大通り~秋田駅
・東西
大学病院~手形陸橋~千秋トンネル~保戸野八丁~泉ななかまど通り~八橋大通り~AKT前~旧国道~面影橋~市立体育館の脇~臨海営業所
新屋駅~秋田大橋~茨島・大住アンパス~雄物川沿い~イオンモール秋田(御所野)
ここで感想。
南北は、設定されなくなる卸町経由新屋線の代替か。昭和末のごく一時期、市営バスに南大通り経由の卸センター前行きの路線があったはずだが、それの復活でもある。有楽町・登町上丁・イオン秋田中央店辺りへの需要はあるけれど、そのほかは? 南大通りは市街地循環バスぐるるがあるし。【8日追記・牛島東・仁井田・御野場方面から秋田駅へ直通する路線がなくなるので、それら方面~牛島駅止まりのバスに接続して、秋田駅とを結ぶ役割がありそうだ。それならば、南大通りではなく広小路・北都銀行前経由のほうがいいという利用者もいそう。】
東西の大学病院~臨海は、廃止された千秋トンネル経由大学病院方面と、泉八橋環状線になる前の泉山王環状線(の新川向経由)を合わせて、臨海まで伸ばしたような経路。
新屋~御所野は目新しい。2019年まで、同じ区間を雄物川左岸・秋田南大橋経由で結ぶ新屋御所野線があった(さかのぼれば日赤や秋田駅東口まで行っていた)。計画されているのは、秋田大橋で茨島へ渡り、右岸の「茨島・大住アンパス(2010年開通)」を抜ける。
東西2路線はあれば便利だろうけど、廃止されたり、ずっとバスがなかったりしたエリア。朝夕の設定がないのもどうなのか。どれくらい利用があるだろう。
●大まかな本数とバスが走らなくなるエリア
朝(6~9時)と日中(10~13時)の本数(運行頻度)を、新旧で比較した地図が出ている。
朝は増える区間が多い。今は新国道と川尻(割山線と新屋西線が重なる区間)だけが11~15便/3時間(山王大通りは16本以上)だが、案では幹線の多くが11~15本になる。
(バスが残って)減る区間はほぼなし。
図から読み取る限り、バスがなくなりそうなエリアは、旭南~大町六丁目(大町経由新屋線)、卸町四丁目~茨島七丁目(卸町経由新屋線の南側)、手形山西町(県営住宅に立ち寄る手形山団地線)、旭野団地・外旭川市営住宅、外旭川サテライトクリニックなどで、これらは終日バスが通らなくなることになる。【8日追記・大森山動物園、秋田市ポートタワー・セリオン、フェリーターミナルも、路線がないことになっている。ただし、大森山のふもとはマイタウンバスが運行。】
日中は単純化され、代わりに増便される印象。今は1~2便/3時間なのが、ほぼすべてで7~10便に。
線路西側では、だいぶ残っているものの、朝夕はあっても昼はなくなるエリアが出る。大町通り~寺町、船場町、警察学校付近(以上割山線)。楢山~牛島旧道、新屋県営住宅経由新屋西線、臨海十字路~県立スケート場など。
その他はスカスカなエリアも。自衛隊通り~サンパーク/市民生協、手形山、横森~桜ガ丘、ニュータウン御野場~御所野(、大住・みなみ野も10~13時はなし?)がなくなる。牛島~日赤、牛島~御野場団地は日中もあり。新屋~御所野の路線とは、結節点ではないが御野場団地で乗り継ぎできるか?
郊外3路線の追分方面、岩見三内、添川・仁別は日中もあり。
●その他 疑問・感想など
・土日祝日はどうなる?
・新屋~大森山動物園の路線は記されていないが、どうなる?【8日追記】新国道経由のセリオン、フェリーターミナルもなし。
すでにバスでの往復は困難なダイヤにされてしまったセリオンはともかく、動物園やフェリーターミナルは公共交通機関で行き来する人が多くはないが確実にいる施設で、路線バスはあったほうがいい。動物園は、大森山のふもとを予約不要のマイタウンバス西部線が通るので、それを乗り入れるといったことはできそう。(以上追記)
・長崎屋バスターミナルは結節点とはならない。
割山線は引き続き立ち寄るようだが、南大通り~御休通りの新路線は入らなそう【9日追記・新・新屋線も?】。(現状でも似たようなものだが)単なるバス停になるのか。
・ノースアジア大学・明桜高校は路線なし。
スクールバスを自前運行しているためか、蚊帳の外。
・現状のバス空白域(路線廃止済みエリアを含む)の多くは手つかず。
秋田南中学校周辺(築地、楢山)、千秋公園西側(北の丸、矢留町)、土崎の北部市民サービスセンターなど。
●要望
・乗り換え必至なら、以前から話は出ていて検討中ではあるそうだが、乗り継ぎ時の運賃割り引き(値引き)は絶対にやってほしい。
・JRで移動することも想定しているのなら、その増便もお願いしたい。羽越本線 羽後牛島・新屋方面は間隔が開く時間帯があるので特に。JRとも協定を結んだら?
・これほどの激変に、市民に混乱が生じるのは避けられない。充分な周知を。事前の要望把握も。
以上、繰り返しますが、あくまでも「案」。今後の検討や課題対応で変更される余地は少なくないと思われるが、まったく違うものになることもないと思う。バス利用者の立場もさまざまだから、どんな案であっても賛否は分かれるだろうが、どうなるか。賛否以前に、ほとんどの人が戸惑うことにはなろう。
既存路線相当については、この変化で路線や運行頻度が維持されるのならば、多少の不便はやむを得ないし、これまで困難であった新たな移動ルートができるのは画期的だと思う。個人的には、再編後はバスを使いづらくなりそうな移動パターンもあるのだけど。【8日追記・現状のままでは先行きは暗く、いつか破綻しそうだから、大胆なテコ入れが必要なのは理解できる。現状のままで良いという選択は、ないと思う。細部は別として、路線再編自体には賛成。】
現在より車両・運転士は少なくて済むそうだが、短距離だとしてもこれだけバリエーションのある路線を、それで回せるのか、素人にはよく分からない【9日追記・裏を返せば、現状がとても効率の悪い運用をしているのかも】。このあと数年は、運行の詳細設定、バス停位置決定、運転士の慣熟など運行側の準備はかなり大変になりそう(交通局移管時よりも手間かも)。
3年後、どうなっているだろう。
市サイト ページ番号1042487には、いちばん最後に「公共交通網の再編について」というPDFファイルがアップされていた。
秋田市では、市全域(マイタウン・バス化された郊外地域以外ということか)でのバス路線網の再編を計画していることは、聞いていた。
現状の路線網は、秋田駅一極集中であるため、駅を介さない場所どうしの公共交通機関での移動は、乗り継ぎが必要になるか、そもそも路線がないかで不便。(全国的な問題だが)利用者減&運転士不足で廃止や減便も進んで、その乗り継ぎもままならない。仮にも30万人弱が住む県庁所在地のバスの先行きが不安であった。
また、秋田市内では住宅地や商業施設に遠くない、新しい道路がいくつか開通しているのに、そこを新たに路線バスが通ることはほぼなかった。何十年も前からの古いルートに拘泥する必要はなく、変化に合わせて新たなルートを設定するべきで、そうすれば秋田市の規模(人口、広さ)ならバス利用者が増える余地はあるのではと思っていた。
でも、これまでの秋田市と秋田中央交通の、満ちあふれているとは思えないやる気や、両者のかみ合っていないような取り組みを考えると、路線再編といっても既存の主要路線どうしを、山王や川反入口辺りで乗り継ぎしやすいようにして(現状でもできるけど)お茶を濁すのでは…などと、これもまた不安であった。
気が付けば、今年、市と中央交通が持続可能な公共交通サービスを目指す連携協定を結んでいた。そして、今年度から路線再編事業が始まっていた。2024年度検討、2025年度実証運行、2026年度段階的に再編路線での営業運行開始。
今回の資料では、その概要や、再編案が示されていた。「案」であって、これで決定ではなく、案を元に、市と中央交通が協議や調査する。
具体的なダイヤなどではなく、新たな路線網が中心の内容であるが、「大激変」と言って差し支えないものであった。
※以下の記載は、資料の詳細さや、こちらの見間違い・勘違いにより、市の意図とは違うものになっている可能性もあるので、ご承知おきください。興味があるかたは、各自、直接資料をご覧ください。要望等があれば、市交通政策課へ(中央交通ではなく)伝えてはいかがでしょう。
●再編のポイント
運行頻度向上のため、長距離路線を減らし、乗換えを前提として短い路線を組み合わせる。現行より少ない車両台数で検討。
●再編路線網の考え方
朝夕/日中で分ける。
朝夕は、鉄道駅や山王(県庁市役所?)など「結節点」と病院・学校などを結ぶ「幹線」バス、幹線でカバーできない地区~結節点を結ぶ「支線」のバスを運行。
日中は、地域と地域の間は「南北」と「東西」の路線バスや鉄道で移動。各地域内は予約制乗合タクシー「エリア交通」で移動。
●路線
朝夕 幹線18、支線16 計34
日中 南北11、東西7、郊外3 計21
現行路線をベースにしたものもあるが、何らかの手が入ったものが多く、まったくの新規路線もある。
朝夕の[幹線・支線]と日中の[南北・東西・郊外]の区分内のそれぞれの路線は、基本的に呼称が違うだけでルートは同じ(番号は共通で振られる)。例外で、東西のうち2、南北のうち1は日中のみ運行。差し引き朝夕のみ運行の路線は16。幹線でも、朝夕しか走らない幹線もある。
資料では番号のみで路線名はない。※以下は[幹線・支線]での分類を元に勝手に分類し、現行路線名を勝手に拝借したもので、全路線は取り上げません。
○幹線
・現状そのまま
広面御所野線、泉ハイタウン線、大住・みなみ野団地線、県庁大川反車庫
・現行路線を短縮し、途中の結節点止まりに
新国道経由土崎線(西口~土崎駅)→飯島北や市外へは乗り継ぎ
神田旭野団地線(西口~泉外旭川駅(外旭川駅前広場))→卸売市場入口・秋田厚生医療センター方面は乗り継ぎ
赤沼線(西口~大学病院~東口)→山王方面は乗り継ぎ
・現在秋田駅発着の路線を短縮し、他の結節点発着に
新屋西線(山王~川尻~新屋)
県庁・寺内経由土崎線(山王~旧国道・寺内~土崎駅)
南大通り経由日赤病院線(羽後牛島駅~牛島小学校~牛島東七丁目~日赤病院)※2024年廃止が復活
手形山団地線、秋田温泉線は、西口でなく秋田駅東口発着に
・大幅なルート変更や路線統合
新屋線(山王~山王十字路~茨島~新屋)
長崎屋車庫+山王商業高校(西口~南大通り~市立病院~御休通り~大川反車庫~商業高校)
・新規ルート
山王~県立体育館~面影橋~八橋・草生津川沿いの新しい道(2019年開通)~野村交差点~新国道~土崎
山王~県立体育館~児童会館通り~商業高校
羽後牛島駅~新しい道(2019年開通)~卸町~ハローワーク前~山王
ここで感想。
今回の資料に言葉は出てこないが、幹線は「少系統多頻度運行」が方針。少なくとも朝夕に多いのはありがたいが、その先へ行く時は、乗り換えが生じる。接続は考慮するのだろうが、待つ間の遅延や暑さ・寒さも含めて、嫌う人もいそう。それに、例えば、秋田駅から外旭川八柳各丁目まで、新屋方面から通町まで、みたいな利用をする人は一定数いるはずだが、その人たちに乗り換えさせ、短距離で降りることを強いることになる。【8日追記】秋田駅から土崎、御所野、勝平(商業)へは、引き続きバス1本で行くことができるが、距離や利用者数としては同レベルの新屋や仁井田へは乗り換えが必要になる。その違いの基準は何か、不公平感が生じかねない。
9月に廃止される、南大通り経由日赤病院線が、牛島発着という形で“復活”するのがおもしろい。協議会では「検討を進めている再編路線網を見据え、当該路線については再編後の路線として位置づけられる可能性があることから、路線廃止ではなく系統廃止とすることとしたものである。」としていた。現状では通勤通学にも通院にも使えない運行本数と時間設定だが、再活躍なるか。
そのほか、今は主要路線かどうか微妙な、寺内経由土崎線、大住みなみ野線、泉ハイタウン線が、幹線に成り上がるのも特徴的。
手形方面の東口発着化は、前からやるべきだと思っていた。時間と運賃が節約できる。場合によっては秋田駅東西の徒歩移動の乗り継ぎは生じてしまう。
八橋や卸町の新しい道路を経由するバスが、ついに設定される。牛島~山王は、御所野・仁井田方面から山王へのアクセスが主目的か。市立病院にも。新国道土崎は、秋田駅と山王とでルートを分ける。
南大通り・長崎屋経由も、五丁目橋~横町が対面通行化されることを見越した設定か。市立病院、商業のほか、これまでバスのアクセスが良くなかった中通病院、聖霊高校も意識している。
一方で、新屋線が通町を通らなくなる(山王~通町の乗り換え便はない)と、沿線からせきやで買い物する人や、秋田大学附属学校や令和高校などに通う人は、今より歩かされる。
○支線
・現状そのまま・秋田駅発着
通町将軍野市民生協、川尻船場町割山(地図では商業割山も)、福島二ツ屋線、東口桜ガ丘(横森経由でなく城東消防署前経由?)、桜台
秋田駅以外では、土崎駅~秋田厚生医療センター、新屋駅~新屋高校
・現路線を新たな結節点発着に短縮
追分方面(五城目も含む?)は土崎駅に。岩見三内、松崎団地は大学病院に。御野場団地、ニュータウン御野場経由イオンモール秋田、大野(※2024年廃止が復活)は羽後牛島駅発着に。県立プールは山王発着に
神田線の幹線にならなかった部分を、泉外旭川駅~秋田厚生医療センター(旭野団地には入らない?)
・現状路線の合体
西口~天徳寺前~添川~蓬田上丁~仁別リゾート公園【12日補足・現・添川線を仁別まで延長とも言えるし、秋田温泉線と同経路の現・仁別リゾート公園線を、旭川対岸の添川経由に変更とも言える。】
・
泉外旭川駅~秋田運輸支局前~八橋・草生津川沿いの新しい道~面影橋~県立体育館~山王
ここで感想。
激変はない代わりに幹線になれなかった路線たち、みたいな感じ。他の結節点に短縮された路線と、割山線や二ツ屋線など結節点があるのに通過して秋田駅まで来る路線との違い(基準)が分からない。利用者によっては不満が出る。
他の結節点発着にしたのは、マイタウン・バスと同じ考えかたか。場合によってはマイクロバス化されたりするのかも。
大野線も牛島発着で“復活”。驚いたのは、廃止の話が出ていた添川線と仁別リゾート公園線の“合体”。その手があったか。仁別方面は、計算上は現ルートよりも運賃が増えるはずだが、どう対応するのか。
泉外旭川駅は、泉駅前広場側から八橋の新しい道を通る1ルートのみが新規。北の新国道へ向かう路線があればと思っていたが、やはり対山王のほうが需要があるのか。
○日中のみ運行の路線
・南北
羽後牛島駅~卸団地~イオン秋田中央店前~南大通り~秋田駅
・東西
大学病院~手形陸橋~千秋トンネル~保戸野八丁~泉ななかまど通り~八橋大通り~AKT前~旧国道~面影橋~市立体育館の脇~臨海営業所
新屋駅~秋田大橋~茨島・大住アンパス~雄物川沿い~イオンモール秋田(御所野)
ここで感想。
南北は、設定されなくなる卸町経由新屋線の代替か。昭和末のごく一時期、市営バスに南大通り経由の卸センター前行きの路線があったはずだが、それの復活でもある。有楽町・登町上丁・イオン秋田中央店辺りへの需要はあるけれど、そのほかは? 南大通りは市街地循環バスぐるるがあるし。【8日追記・牛島東・仁井田・御野場方面から秋田駅へ直通する路線がなくなるので、それら方面~牛島駅止まりのバスに接続して、秋田駅とを結ぶ役割がありそうだ。それならば、南大通りではなく広小路・北都銀行前経由のほうがいいという利用者もいそう。】
東西の大学病院~臨海は、廃止された千秋トンネル経由大学病院方面と、泉八橋環状線になる前の泉山王環状線(の新川向経由)を合わせて、臨海まで伸ばしたような経路。
新屋~御所野は目新しい。2019年まで、同じ区間を雄物川左岸・秋田南大橋経由で結ぶ新屋御所野線があった(さかのぼれば日赤や秋田駅東口まで行っていた)。計画されているのは、秋田大橋で茨島へ渡り、右岸の「茨島・大住アンパス(2010年開通)」を抜ける。
東西2路線はあれば便利だろうけど、廃止されたり、ずっとバスがなかったりしたエリア。朝夕の設定がないのもどうなのか。どれくらい利用があるだろう。
●大まかな本数とバスが走らなくなるエリア
朝(6~9時)と日中(10~13時)の本数(運行頻度)を、新旧で比較した地図が出ている。
朝は増える区間が多い。今は新国道と川尻(割山線と新屋西線が重なる区間)だけが11~15便/3時間(山王大通りは16本以上)だが、案では幹線の多くが11~15本になる。
(バスが残って)減る区間はほぼなし。
図から読み取る限り、バスがなくなりそうなエリアは、旭南~大町六丁目(大町経由新屋線)、卸町四丁目~茨島七丁目(卸町経由新屋線の南側)、手形山西町(県営住宅に立ち寄る手形山団地線)、旭野団地・外旭川市営住宅、外旭川サテライトクリニックなどで、これらは終日バスが通らなくなることになる。【8日追記・大森山動物園、秋田市ポートタワー・セリオン、フェリーターミナルも、路線がないことになっている。ただし、大森山のふもとはマイタウンバスが運行。】
日中は単純化され、代わりに増便される印象。今は1~2便/3時間なのが、ほぼすべてで7~10便に。
線路西側では、だいぶ残っているものの、朝夕はあっても昼はなくなるエリアが出る。大町通り~寺町、船場町、警察学校付近(以上割山線)。楢山~牛島旧道、新屋県営住宅経由新屋西線、臨海十字路~県立スケート場など。
その他はスカスカなエリアも。自衛隊通り~サンパーク/市民生協、手形山、横森~桜ガ丘、ニュータウン御野場~御所野(、大住・みなみ野も10~13時はなし?)がなくなる。牛島~日赤、牛島~御野場団地は日中もあり。新屋~御所野の路線とは、結節点ではないが御野場団地で乗り継ぎできるか?
郊外3路線の追分方面、岩見三内、添川・仁別は日中もあり。
●その他 疑問・感想など
・土日祝日はどうなる?
・新屋~大森山動物園の路線は記されていないが、どうなる?【8日追記】新国道経由のセリオン、フェリーターミナルもなし。
すでにバスでの往復は困難なダイヤにされてしまったセリオンはともかく、動物園やフェリーターミナルは公共交通機関で行き来する人が多くはないが確実にいる施設で、路線バスはあったほうがいい。動物園は、大森山のふもとを予約不要のマイタウンバス西部線が通るので、それを乗り入れるといったことはできそう。(以上追記)
・長崎屋バスターミナルは結節点とはならない。
割山線は引き続き立ち寄るようだが、南大通り~御休通りの新路線は入らなそう【9日追記・新・新屋線も?】。(現状でも似たようなものだが)単なるバス停になるのか。
・ノースアジア大学・明桜高校は路線なし。
スクールバスを自前運行しているためか、蚊帳の外。
・現状のバス空白域(路線廃止済みエリアを含む)の多くは手つかず。
秋田南中学校周辺(築地、楢山)、千秋公園西側(北の丸、矢留町)、土崎の北部市民サービスセンターなど。
●要望
・乗り換え必至なら、以前から話は出ていて検討中ではあるそうだが、乗り継ぎ時の運賃割り引き(値引き)は絶対にやってほしい。
・JRで移動することも想定しているのなら、その増便もお願いしたい。羽越本線 羽後牛島・新屋方面は間隔が開く時間帯があるので特に。JRとも協定を結んだら?
・これほどの激変に、市民に混乱が生じるのは避けられない。充分な周知を。事前の要望把握も。
以上、繰り返しますが、あくまでも「案」。今後の検討や課題対応で変更される余地は少なくないと思われるが、まったく違うものになることもないと思う。バス利用者の立場もさまざまだから、どんな案であっても賛否は分かれるだろうが、どうなるか。賛否以前に、ほとんどの人が戸惑うことにはなろう。
既存路線相当については、この変化で路線や運行頻度が維持されるのならば、多少の不便はやむを得ないし、これまで困難であった新たな移動ルートができるのは画期的だと思う。個人的には、再編後はバスを使いづらくなりそうな移動パターンもあるのだけど。【8日追記・現状のままでは先行きは暗く、いつか破綻しそうだから、大胆なテコ入れが必要なのは理解できる。現状のままで良いという選択は、ないと思う。細部は別として、路線再編自体には賛成。】
現在より車両・運転士は少なくて済むそうだが、短距離だとしてもこれだけバリエーションのある路線を、それで回せるのか、素人にはよく分からない【9日追記・裏を返せば、現状がとても効率の悪い運用をしているのかも】。このあと数年は、運行の詳細設定、バス停位置決定、運転士の慣熟など運行側の準備はかなり大変になりそう(交通局移管時よりも手間かも)。
3年後、どうなっているだろう。