※この記事の内容は津軽地方のことではありませんが、便宜上「津軽のいろいろ」カテゴリーにします。
前回少し取り上げた、十和田市中心部にある、私鉄駅・バスターミナルを併設するショッピングセンターについてです。それにはまず、ダイエーの話から始めさせていただきます。
大手スーパー「ダイエー」。
かつては飛ぶ鳥を落とす勢いで一世を風靡し、全都道府県に店舗があった(んだよね?)が、10年ほど前に経済状況やダイエー自身の経営不振から、大きく衰退。多くの店舗が閉鎖され、東北地方で現在営業しているのは仙台店だけとなった。
※以下、Wikipediaを参照しました。
秋田県には、「ダイエー秋田店」1店舗しかなかった。
当ブログで何度も紹介している、解体された秋田市大町二丁目の「秋田ニューシティ」の核テナントとして、1981年6月4日から2002年8月31日まで営業していた。
土地や建物は辻兵(つじひょう)など他企業の所有だったが、ダイエーの店舗自体は、本社が直接経営する直営店だった。
※ダイエー秋田店撤退後に「秋田ニューシティ」という名称になったと誤解されている方がいらっしゃるようですが、ダイエーがあった当時から建物は秋田ニューシティという名称だった。
一方、青森県には、ダイエーがいろいろあった。
個人的には、弘前駅前の「ジョッパル」の核テナントだった「ダイエー弘前店」しか知らない。(1994年3月4日~2005年10月31日)
たしか当初は秋田店同様、本社の直営だったが、途中から「ショッパーズ弘前」という子会社ができて、その経営になった。
※ダイエー弘前店についてはこの記事参照
Wikipediaによれば、青森県内には弘前店の他に8つもダイエーがあったそうだ。
三戸町、むつ市(2店舗)、三沢市、十和田市、五所川原市近隣の3店舗。人口が多い青森市や八戸市には店舗がなく、さらにいずれも弘前店よりもずっと前から営業していると思われ、大都市よりも小さな町に展開していた傾向があると言えそう。
その理由は、直営でない店舗が多かったからかもしれない。
2002年に閉店した「三戸ダイエー」はダイエー系列の子会社経営だったようだが、それ以外は、地元企業がダイエーとフランチャイズ契約を結んで経営していた。
五所川原周辺3店舗は、「野宮」という北津軽郡中泊町の企業が経営していたようだ。
僕は、たぶん金木町(現在は五所川原市に合併)にあった店の前を1度だけ通ってちらっと見たことがあるはずなのだが、(秋田店や弘前店と比べれば)これが同じダイエーかと疑ってしまうような、小さな“町のスーパー”のような店構えに見えた。秋田で言えば昔あった「マルナカ」みたいな。
2006年に契約を解消、現在は「スーパーストア」に社名を変え、引き続き同じ場所でスーパーを営業している店舗もあるようだ。
むつ市の2店舗は、「むつショッピングセンター」が経営していた「むつ中央店」と「田名部店」。
2005年に同社が破産し、突然閉店したとのこと。
そして、三沢市と十和田市の店舗は、鉄道・バス会社「十和田観光電鉄」が運営していた店舗。
店舗名は「とうてつ三沢店」「とうてつ駅ビル店」で、「十和田観光電鉄」の略「十鉄(とうてつ)」が入っているのが特徴。
三沢店は不明だが、十和田市駅併設の駅ビル店は1985年10月28日にオープンした。
両店とも2003年にフランチャイズ契約を解消(ダイエー本体の経営再建の一環と思われる)し、「商品供給契約」に変わった(店舗名はダイエーのままだった模様)。
2006年3月にはそれも解消され、ついに「ダイエー」ではなくなった。(東北地方でも、仙台店以外でいちばん遅くまで残ったダイエーではないだろうか)
2006年4月からは、「とうてつ」という名の独立したスーパーとなったが、同年12月に三沢店を閉店、2007年3月には駅ビル店も閉店し、十和田観光電鉄はスーパー事業から撤退することとなった。
秋田店があった当時、その折り込みチラシは、むつやとうてつの店舗や岩手の盛岡店と共通の内容であることが多かった。(なぜか弘前店と共通のことはあまりなかったように思う)
チラシの隅の方に適用店舗が記載されているが、そこに「秋田店」や「盛岡店」とともに、「とうてつ」という変わった名称や、「FCむつ中央店」といった「FC(フランチャイズ)」表示があって、珍しいなと思って眺めていたものだった。【上記弘前店についての関連記事に画像があります】
そんなわけで、我々東北地方在住者などには、縁遠い存在になってしまったダイエー。
旅先でたまにダイエーに入ってみるが、懐かしいというより初めての店に入ったような気持ちの方が強い。
イオンや丸紅の資本が入って商品構成が変わったこともあるだろうが、ロゴマークの変化によるところも大きいと思う。
(再掲)在りし日の秋田ニューシティとダイエー秋田店のマーク
秋田や青森に店舗があった当時のダイエーのマークは、オレンジや緑色の左下が欠けた円。
「Daiei」の「D」と上弦の月(これから満月に向かっていく)をモチーフにしたそうで、1975年から使われていたという。
経営再建の中で、2005年に新たなマークが作られた。文字も全部小文字で丸い「daiei」に変わった。マークがオレンジ色なのは同じだが、なんか不安定そうな形(ハートをイメージしたらしい)で、弱弱しそうで、以前のような力強さを感じない。
現在営業中の店舗はおそらくすべて新マークに替えられたと思われる。
1980年代の、街中が賑やかで活気にあふれていた時代を象徴するかのような、「D」マークはもう見られない。
と思っていたら、青森県十和田市で見ることができるのです!
それが、現在はショッピングセンター部分はほぼ閉鎖されている、とうてつ駅ビル店。以下に紹介します。
※以下、一部写真は悪天候や節電のため暗い場所で撮影したものがあります。
とうてつ駅ビル店正面
建物の正面には、それなりの台数を収容できる駐車場があり、今も開放されているようだ。
僕が訪れた、土曜の夕方・日曜の朝とも、けっこうな台数が駐まっていた。
ただし、ここは営業していないショッピングセンターだし、近隣にいくつかある店舗(スーパー、家電量販店、ホームセンターなど)は、いずれも自前の駐車場を持つ。だから、そんなに駐車場の需要はないはずなのに、なんでこんなに駐まっているのか、謎。
これをご覧ください。
屋上の看板(ルーフサイン)
なんというか…
ここがダイエーだった当時は、他店と同じ、上限の月の「D」マークだったはず。(下の文字の部分は、今と同じ「とうてつ」だったと思う)
ダイエーとの関係がなくなった際、このマークに変わったようだ。
旧ダイエーマークの書けた部分を足して円にしたというか、円の左下にスパッと切れ目を入れたマーク。色もオレンジと緑で同じ。
どういう意味なのか知らないが、ダイエーへの未練を感じてしまうのは、僕だけだろうか。
工法としては、欠けた部分だけを継ぎ足したわけではなく、全体を新たに張り替えたように見える。
道路上の駐車場入口看板
これは、上部のマーク部分全体を重ね貼りしていて、色は赤みが強い。(裏面も同色)
「とうてつ」の下の方の文字の左に、「FC」の文字を消した跡が見える。フランチャイズを解消した時点で消したのだろう。
【2020年9月8日追記】「とうてつ」のロゴの書体について。当ブログ「文字」カテゴリーを設けたように、書体の知識が少し増えたので…
昭和末頃によく見かけた書体だと思っていた。これは写研製「ファン蘭」という書体を、やや扁平にしたものだと思われる。現時点では写研の書体はパソコンでは扱えないため、使用機会は激減している。
1981年に発表された書体だそうで、できて間もない書体を採用したようだ。
株式会社写研のロゴが先にあり、それを元にした書体だそう。「任天堂」のロゴも同じ作者による似たデザイン。(以上追記)
建物は、白い外壁の2階建て。
正面入口。現在は特に表示類はないようだ
車だけでなく、歩く人も駐めてある自転車も、なぜか多い気がする。
正面入口右には、
みちのく銀行と郵便局
みちのく銀行は「十鉄駅ビル支店」という店名。銀行の公式サイトによれば、店舗名の読みは「トオテツエキビル」。
たしかに、「十」は「とお」と読むが、「とう」とは一般には読まないはずなので、電鉄側の「とうてつ」と読ませるのは、正しくないとも言える。
でも、振込みを行う際などに必要だろうし、ビルが「とうてつ」で、入居するテナントが「とおてつ」なのは紛らわしい。
郵便局は「十和田東一番町郵便局」。
JR駅にある郵便局なら、「○○駅内郵便局」とか周辺にあれば「駅前郵便局」という局名なものだが、私鉄だからか、駅名は無視されてしまっている。
なお、みち銀、郵便局ともATMは土日祝日も稼動。
青森銀行は少し離れたところに支店があるが、駅ビル内に共同ATMはある模様。
正面入口脇には、縁が錆び、印字が薄れた「店内ご案内」が残っていた。
見づらいのでトーンカーブ等の画質調整をしています
左上に旧ダイエーマークが残っている。
2階建てとはいえ、衣料品のプライベートブランド「愛着仕様」コーナーやフードコート、ファミレスなどもあり、一通りの店舗は揃っていたようだ。【2022年12月18日愛着仕様について追記・愛着仕様は1980年代中頃に登場したはず。ダイエー秋田店では、開店後何年かしてから、地階に専用売り場ができた。その頃は文房具や食品もあって、「無印良品」を意識していたと思われる。しかし、2000年代中頃までに、婦人向け衣料品のプライベートブランドに絞りこまれ、その時点で取り扱わない店舗もあったらしい。とうてつ駅ビル店では最後まで扱っていたのだろうか。】
1階が「食料品と暮らしのフロア」、2階が「衣料品と住まいのフロア」。2階に「レコード・テープ」売り場があるのが時代を感じさせる。
1階の一部
下中央が正面入口。左の青い部分がバスターミナル。
現在営業しているのは、金融機関、「ツーリストサロン」とある電鉄の旅行代理店や事務所、売店、立ち食いそば屋程度。
通路として開放されているのも、中央入口からバスターミナルに至る部分だけ。
入口の自動ドア
ここにも
旧ダイエーマーク
隠そうと思えばテープを貼って隠せるのに、堂々と目に付く場所に残しているということは、やっぱりダイエーへの未練がある?
秋田店では、ドアにはダイエーマークはなかったはず。
シャッターが降りた通路
シャッターの向こうは、ファストフードや食品売り場だったはずだが、降りたシャッターにはポスターが貼られて掲示板代わり。
通路にはベンチがあり、中学生くらいの女の子やおばさま方が談笑していた。
バスターミナル側は、前回の記事でも紹介したが、「北口」となっている。
1階にバス乗り場、2階には鉄道線の駅があり階段がある(店舗が営業していた当時は、2階売り場からも出入りできたようだ)。鉄道については後日別記事にて。
バスターミナルの一角
ゲーム機がいくつか置かれ、その後ろにショーケースみたいなのがあった。
国際興業グループ一覧
十和田観光電鉄が属する、国際興業グループ企業の一覧。(最新のものではなく、社名変更や脱退などで現状とは異なる)
秋北バス、岩手県交通、花巻温泉、山梨交通、北海道いすゞ(だから系列各社のバスは全部いすゞ製)などは知っていた。
箱根の富士屋ホテルやみちのくコカコーラ・ボトリング(2010年頃に系列でなくなった模様)も同グループだとは知らなかった。
「身近なくらしのパートナー 国際興業グループ」とスロットマシーン
上の写真、海沿いのリゾート地のようだが、どこだろう?
バスがターミナルに入る時、ぐるっとビルの裏手を回ったので見つけたのだが、
「ダイエー搬入口」
傷んでいるが、ダイエーマークははっきりと残っていた。
「ご案内」など各種表示が痛々しい姿をさらして残っているし、建物自体の傷みが激しいように感じた。駐車場の通路に草が生い茂っているのも目立った。
ゴミが散らばっているとか荒らされているとかではないが、5年前に閉店したとはいえ今も毎日人が出入りしているにも関わらず、手入れが行き届いていないような状態で、持て余し気味なのだろう。
それを思えば、先行き不透明のまま残しておくより、秋田ニューシティは、ひと思いに解体してしまって正解だったかなと思ってしまった。
とうてつ駅ビルの今後については、解体して新たな商業施設を作る計画が持ち上がったり立ち消えたりを繰り返しているようで、なんだかよく分からない。
十和田市には、中心部に大きなショッピングセンターはないようだが、郊外にイオンスーパーセンターがあるし、先日紹介した通り七戸十和田駅前にはイオンができる。そんな状況に太刀打ちできる商業施設ができるといいのだけど。
なお、「とうてつ三沢店」の方は、十和田観光電鉄線と青い森鉄道(旧JR東北本線)の三沢駅から1キロほどの場所にある。現在は経営者が代わって「ビードルプラザ」という名称になったものの、ショッピングセンターとして営業を続けている。
※続きはこちら
前回少し取り上げた、十和田市中心部にある、私鉄駅・バスターミナルを併設するショッピングセンターについてです。それにはまず、ダイエーの話から始めさせていただきます。
大手スーパー「ダイエー」。
かつては飛ぶ鳥を落とす勢いで一世を風靡し、全都道府県に店舗があった(んだよね?)が、10年ほど前に経済状況やダイエー自身の経営不振から、大きく衰退。多くの店舗が閉鎖され、東北地方で現在営業しているのは仙台店だけとなった。
※以下、Wikipediaを参照しました。
秋田県には、「ダイエー秋田店」1店舗しかなかった。
当ブログで何度も紹介している、解体された秋田市大町二丁目の「秋田ニューシティ」の核テナントとして、1981年6月4日から2002年8月31日まで営業していた。
土地や建物は辻兵(つじひょう)など他企業の所有だったが、ダイエーの店舗自体は、本社が直接経営する直営店だった。
※ダイエー秋田店撤退後に「秋田ニューシティ」という名称になったと誤解されている方がいらっしゃるようですが、ダイエーがあった当時から建物は秋田ニューシティという名称だった。
一方、青森県には、ダイエーがいろいろあった。
個人的には、弘前駅前の「ジョッパル」の核テナントだった「ダイエー弘前店」しか知らない。(1994年3月4日~2005年10月31日)
たしか当初は秋田店同様、本社の直営だったが、途中から「ショッパーズ弘前」という子会社ができて、その経営になった。
※ダイエー弘前店についてはこの記事参照
Wikipediaによれば、青森県内には弘前店の他に8つもダイエーがあったそうだ。
三戸町、むつ市(2店舗)、三沢市、十和田市、五所川原市近隣の3店舗。人口が多い青森市や八戸市には店舗がなく、さらにいずれも弘前店よりもずっと前から営業していると思われ、大都市よりも小さな町に展開していた傾向があると言えそう。
その理由は、直営でない店舗が多かったからかもしれない。
2002年に閉店した「三戸ダイエー」はダイエー系列の子会社経営だったようだが、それ以外は、地元企業がダイエーとフランチャイズ契約を結んで経営していた。
五所川原周辺3店舗は、「野宮」という北津軽郡中泊町の企業が経営していたようだ。
僕は、たぶん金木町(現在は五所川原市に合併)にあった店の前を1度だけ通ってちらっと見たことがあるはずなのだが、(秋田店や弘前店と比べれば)これが同じダイエーかと疑ってしまうような、小さな“町のスーパー”のような店構えに見えた。秋田で言えば昔あった「マルナカ」みたいな。
2006年に契約を解消、現在は「スーパーストア」に社名を変え、引き続き同じ場所でスーパーを営業している店舗もあるようだ。
むつ市の2店舗は、「むつショッピングセンター」が経営していた「むつ中央店」と「田名部店」。
2005年に同社が破産し、突然閉店したとのこと。
そして、三沢市と十和田市の店舗は、鉄道・バス会社「十和田観光電鉄」が運営していた店舗。
店舗名は「とうてつ三沢店」「とうてつ駅ビル店」で、「十和田観光電鉄」の略「十鉄(とうてつ)」が入っているのが特徴。
三沢店は不明だが、十和田市駅併設の駅ビル店は1985年10月28日にオープンした。
両店とも2003年にフランチャイズ契約を解消(ダイエー本体の経営再建の一環と思われる)し、「商品供給契約」に変わった(店舗名はダイエーのままだった模様)。
2006年3月にはそれも解消され、ついに「ダイエー」ではなくなった。(東北地方でも、仙台店以外でいちばん遅くまで残ったダイエーではないだろうか)
2006年4月からは、「とうてつ」という名の独立したスーパーとなったが、同年12月に三沢店を閉店、2007年3月には駅ビル店も閉店し、十和田観光電鉄はスーパー事業から撤退することとなった。
秋田店があった当時、その折り込みチラシは、むつやとうてつの店舗や岩手の盛岡店と共通の内容であることが多かった。(なぜか弘前店と共通のことはあまりなかったように思う)
チラシの隅の方に適用店舗が記載されているが、そこに「秋田店」や「盛岡店」とともに、「とうてつ」という変わった名称や、「FCむつ中央店」といった「FC(フランチャイズ)」表示があって、珍しいなと思って眺めていたものだった。【上記弘前店についての関連記事に画像があります】
そんなわけで、我々東北地方在住者などには、縁遠い存在になってしまったダイエー。
旅先でたまにダイエーに入ってみるが、懐かしいというより初めての店に入ったような気持ちの方が強い。
イオンや丸紅の資本が入って商品構成が変わったこともあるだろうが、ロゴマークの変化によるところも大きいと思う。
(再掲)在りし日の秋田ニューシティとダイエー秋田店のマーク
秋田や青森に店舗があった当時のダイエーのマークは、オレンジや緑色の左下が欠けた円。
「Daiei」の「D」と上弦の月(これから満月に向かっていく)をモチーフにしたそうで、1975年から使われていたという。
経営再建の中で、2005年に新たなマークが作られた。文字も全部小文字で丸い「daiei」に変わった。マークがオレンジ色なのは同じだが、なんか不安定そうな形(ハートをイメージしたらしい)で、弱弱しそうで、以前のような力強さを感じない。
現在営業中の店舗はおそらくすべて新マークに替えられたと思われる。
1980年代の、街中が賑やかで活気にあふれていた時代を象徴するかのような、「D」マークはもう見られない。
と思っていたら、青森県十和田市で見ることができるのです!
それが、現在はショッピングセンター部分はほぼ閉鎖されている、とうてつ駅ビル店。以下に紹介します。
※以下、一部写真は悪天候や節電のため暗い場所で撮影したものがあります。
とうてつ駅ビル店正面
建物の正面には、それなりの台数を収容できる駐車場があり、今も開放されているようだ。
僕が訪れた、土曜の夕方・日曜の朝とも、けっこうな台数が駐まっていた。
ただし、ここは営業していないショッピングセンターだし、近隣にいくつかある店舗(スーパー、家電量販店、ホームセンターなど)は、いずれも自前の駐車場を持つ。だから、そんなに駐車場の需要はないはずなのに、なんでこんなに駐まっているのか、謎。
これをご覧ください。
屋上の看板(ルーフサイン)
なんというか…
ここがダイエーだった当時は、他店と同じ、上限の月の「D」マークだったはず。(下の文字の部分は、今と同じ「とうてつ」だったと思う)
ダイエーとの関係がなくなった際、このマークに変わったようだ。
旧ダイエーマークの書けた部分を足して円にしたというか、円の左下にスパッと切れ目を入れたマーク。色もオレンジと緑で同じ。
どういう意味なのか知らないが、ダイエーへの未練を感じてしまうのは、僕だけだろうか。
工法としては、欠けた部分だけを継ぎ足したわけではなく、全体を新たに張り替えたように見える。
道路上の駐車場入口看板
これは、上部のマーク部分全体を重ね貼りしていて、色は赤みが強い。(裏面も同色)
「とうてつ」の下の方の文字の左に、「FC」の文字を消した跡が見える。フランチャイズを解消した時点で消したのだろう。
【2020年9月8日追記】「とうてつ」のロゴの書体について。当ブログ「文字」カテゴリーを設けたように、書体の知識が少し増えたので…
昭和末頃によく見かけた書体だと思っていた。これは写研製「ファン蘭」という書体を、やや扁平にしたものだと思われる。現時点では写研の書体はパソコンでは扱えないため、使用機会は激減している。
1981年に発表された書体だそうで、できて間もない書体を採用したようだ。
株式会社写研のロゴが先にあり、それを元にした書体だそう。「任天堂」のロゴも同じ作者による似たデザイン。(以上追記)
建物は、白い外壁の2階建て。
正面入口。現在は特に表示類はないようだ
車だけでなく、歩く人も駐めてある自転車も、なぜか多い気がする。
正面入口右には、
みちのく銀行と郵便局
みちのく銀行は「十鉄駅ビル支店」という店名。銀行の公式サイトによれば、店舗名の読みは「トオテツエキビル」。
たしかに、「十」は「とお」と読むが、「とう」とは一般には読まないはずなので、電鉄側の「とうてつ」と読ませるのは、正しくないとも言える。
でも、振込みを行う際などに必要だろうし、ビルが「とうてつ」で、入居するテナントが「とおてつ」なのは紛らわしい。
郵便局は「十和田東一番町郵便局」。
JR駅にある郵便局なら、「○○駅内郵便局」とか周辺にあれば「駅前郵便局」という局名なものだが、私鉄だからか、駅名は無視されてしまっている。
なお、みち銀、郵便局ともATMは土日祝日も稼動。
青森銀行は少し離れたところに支店があるが、駅ビル内に共同ATMはある模様。
正面入口脇には、縁が錆び、印字が薄れた「店内ご案内」が残っていた。
見づらいのでトーンカーブ等の画質調整をしています
左上に旧ダイエーマークが残っている。
2階建てとはいえ、衣料品のプライベートブランド「愛着仕様」コーナーやフードコート、ファミレスなどもあり、一通りの店舗は揃っていたようだ。【2022年12月18日愛着仕様について追記・愛着仕様は1980年代中頃に登場したはず。ダイエー秋田店では、開店後何年かしてから、地階に専用売り場ができた。その頃は文房具や食品もあって、「無印良品」を意識していたと思われる。しかし、2000年代中頃までに、婦人向け衣料品のプライベートブランドに絞りこまれ、その時点で取り扱わない店舗もあったらしい。とうてつ駅ビル店では最後まで扱っていたのだろうか。】
1階が「食料品と暮らしのフロア」、2階が「衣料品と住まいのフロア」。2階に「レコード・テープ」売り場があるのが時代を感じさせる。
1階の一部
下中央が正面入口。左の青い部分がバスターミナル。
現在営業しているのは、金融機関、「ツーリストサロン」とある電鉄の旅行代理店や事務所、売店、立ち食いそば屋程度。
通路として開放されているのも、中央入口からバスターミナルに至る部分だけ。
入口の自動ドア
ここにも
旧ダイエーマーク
隠そうと思えばテープを貼って隠せるのに、堂々と目に付く場所に残しているということは、やっぱりダイエーへの未練がある?
秋田店では、ドアにはダイエーマークはなかったはず。
シャッターが降りた通路
シャッターの向こうは、ファストフードや食品売り場だったはずだが、降りたシャッターにはポスターが貼られて掲示板代わり。
通路にはベンチがあり、中学生くらいの女の子やおばさま方が談笑していた。
バスターミナル側は、前回の記事でも紹介したが、「北口」となっている。
1階にバス乗り場、2階には鉄道線の駅があり階段がある(店舗が営業していた当時は、2階売り場からも出入りできたようだ)。鉄道については後日別記事にて。
バスターミナルの一角
ゲーム機がいくつか置かれ、その後ろにショーケースみたいなのがあった。
国際興業グループ一覧
十和田観光電鉄が属する、国際興業グループ企業の一覧。(最新のものではなく、社名変更や脱退などで現状とは異なる)
秋北バス、岩手県交通、花巻温泉、山梨交通、北海道いすゞ(だから系列各社のバスは全部いすゞ製)などは知っていた。
箱根の富士屋ホテルやみちのくコカコーラ・ボトリング(2010年頃に系列でなくなった模様)も同グループだとは知らなかった。
「身近なくらしのパートナー 国際興業グループ」とスロットマシーン
上の写真、海沿いのリゾート地のようだが、どこだろう?
バスがターミナルに入る時、ぐるっとビルの裏手を回ったので見つけたのだが、
「ダイエー搬入口」
傷んでいるが、ダイエーマークははっきりと残っていた。
「ご案内」など各種表示が痛々しい姿をさらして残っているし、建物自体の傷みが激しいように感じた。駐車場の通路に草が生い茂っているのも目立った。
ゴミが散らばっているとか荒らされているとかではないが、5年前に閉店したとはいえ今も毎日人が出入りしているにも関わらず、手入れが行き届いていないような状態で、持て余し気味なのだろう。
それを思えば、先行き不透明のまま残しておくより、秋田ニューシティは、ひと思いに解体してしまって正解だったかなと思ってしまった。
とうてつ駅ビルの今後については、解体して新たな商業施設を作る計画が持ち上がったり立ち消えたりを繰り返しているようで、なんだかよく分からない。
十和田市には、中心部に大きなショッピングセンターはないようだが、郊外にイオンスーパーセンターがあるし、先日紹介した通り七戸十和田駅前にはイオンができる。そんな状況に太刀打ちできる商業施設ができるといいのだけど。
なお、「とうてつ三沢店」の方は、十和田観光電鉄線と青い森鉄道(旧JR東北本線)の三沢駅から1キロほどの場所にある。現在は経営者が代わって「ビードルプラザ」という名称になったものの、ショッピングセンターとして営業を続けている。
※続きはこちら
シェラトンはもしかしたら国際興業グループでしょうか?
調べると、少なくとも「ロイヤル・ハワイアン」が国際興業傘下だったことがあったみたいです。
国際興業は東日本中心に展開しているのかと思ったら、その名の通り、海外に展開していたとは知りませんでした。
てっきり南紀白浜か熱海あたりの国内だと思い込んでいました…
教えていただきありがとうございました。
盛岡のダイエーFCを運営していたシティ商事はダイエーがなくなり企業法人を解散
夏油スキー場は加森観光に売却で現在は加森観光が運営しています。
シティ商事というのは、盛岡市内で「シティ青山」というダイエーのフランチャイズ店舗をやってましたね。1度だけ、入店したことがありました。
そんな懐かしいものがある十和田市駅ビルですが、鉄道の廃止が正式決定し、新しい開発の話もあるらしく、おそらく解体されてしまうのでしょう。
ダイエー撤退後は惰性で営業していたようなものでしたから、積極的にテナントを誘致していれば、違った結果になっていたかもしれません。
ただ、秋田市大町にそれだけの魅力がなかったのか、辻さんにやる気がなかったのか…
北都銀行や岩手銀行、仙台銀行などは、勘定系システムのリプレース後に改善されましたが、みちのく銀行は、まだとなっています。
肥後銀行の新勘定系に移行を目指しているらしいですが、どうなることか。
この近辺に、みちのく銀行十和田支店が移転したために十鉄駅ビル支店が統合され、十和田支店旧店舗に稲生町支店が新規開設されましたが、これも十和田支店に統合されました。
この十和田支店も十和田中央支店に改称され、合併を迎えることに。
稲生町には、青森銀行十和田支店があるので、みちのく銀行視点であれば、稲生町支店が復帰するようなものでしょうか。
東北大学農学部跡地に新しくイオンができるそうで、そちらへのシフトの意味もあるのでしょう。
十和田市街地はずっと行っていませんが、アーケード商店街と郊外型が混在したような街並み。
鉄道廃止、駅ビル解体後、どうなっているでしょう。あ