秋田駅西口の1つ前、買物広場バス停(兼 待機場)。
左側前は待機中の臨海営業所「秋田200か300」、右で降車扱い中は秋田営業所「同299」
ナンバープレートが連番の、2003年新車導入のワンステップのいすゞエルガミオ。この2台の正面、フロントガラス下に、白い横長のものが取り付けられている。
全国的に見られる、ゼッケンみたいな広告の布(あるいはビニールシート?)。「バスマスク」あるいは「(バス)フロントマスク」と称される。多くはないが「エプロン/フロントエプロン」と呼ぶこともある。
バス会社が広告を集める際には「フロントマスク」と呼ぶことが多く、愛好家は「バスマスク」と呼ぶことが多い感じ。後述の2009年の公益社団法人日本バス協会では「バスマスク」としているが、秋田中央交通では「フロントエプロン」として広告を募っている。
マスクだと現状では、一般には「バス車内での人間のマスク着用」とまぎらわしくはある。
今回の広告は、昨2021年の12月初め~中頃辺りから掲出が始まっている。付けていない車のほうが圧倒的に多く、写真のように2台が並ぶのはけっこう珍しい。中央交通では、フロントエプロンは最低契約台数30台からとしているので、30台か?
で、これが何の広告か。
遭遇頻度が低いのは仕方ないとしても、遭遇できてもすれ違いざまなどにちらりと見ただけでは、何を言いたいのかよく分からない。
秋田営業所「同290」。これは2002年導入らしいが、市営バスからの移管最盛期で新車が次々入っていた頃
↑関係ないけれど、こうして写すと、奥の中央通りが緩い坂なのが分かる。秋田駅~千秋公園周辺はわずかな起伏がある土地。
バスマスクの左には、耳が飛び出た哺乳類っぽい緑色(中央交通の車体色に近い)のキャラクター。まずこれが誰?
残りは文字がごちゃごちゃ横書きされているが、小さい。色と大きい文字により「Googleマップ」「NAVITIME」「検索」は読めた。
なるほど。バスダイヤをネット検索できるという告知か。
その広告主は? 中央交通自身? 日本バス協会? 秋田市?
それを判読するには、車道のバスの前へ身を乗り出すわけにはいかないので、ズーム撮影。
ついに全貌が明らかに!
「バス停が分からなくても Googleマップ NAVITIME 等 でバス経路が 検索 できる!」
「秋田市マイタウンバス、秋田中央交通バスの利用にご活用ください」
「国際教養大学アジア地域研究連携機構 秋田公共交通情報プロジェクト」
国際教養大学の中にある「機構(附属機関的なもの?)」が広告主らしい。2行目の「秋田公共交通情報プロジェクト」は教養大と別組織のようにも読めてしまうが、機構の中に位置付けられる。
そう言われれば、緑のキャラクターの左胸には大学のシンボルマークがある。これは秋田犬(あきたいぬ)をモチーフにした、国際教養大学 マスコットキャラクター「ONE(ワン)」だった。中央交通車体に合わせたのでなく、もともとこの色。
これまで取り上げて来たように、バス会社自身のホームページでの時刻検索が、使いやすいとは言い難い現状。一方で、民間の無料サービス「ナビタイム」が対応して使いやすさも悪くない。
さらに、国際教養大の協力により、Googleマップの中でも時刻やルートが調べられるようになっている。国際教養大という名前からして、研究内容と縁遠い分野に思えてならないが、大学による地域貢献になっている。ただ、Google独特の(日本人の感覚とズレた?)クセがあったり、不具合や要望をどこへ伝えればいいのか分からなかったり、バス会社と提供者が直結していない歯がゆさはある。
今回の広告では、国際教養大だからGoogleマップを宣伝するのは当然だけど、ナビタイムのほうも併記している。実はナビタイムも教養大が関与しているのか、あるいはついでだから書いたのか。
それにしても、読みにくい、分かりにくい、美しくない、おもしろくない、センスの悪いバスマスク広告だと思う。広告効果が低く、広告費用が無駄になってしまっているのでは。※中央交通の広告料金はは1日1台440円。最低でも30台、20日だから26万4千円以上かかっている。
具体的には、
だとしても、広告なんだから、広告を引き受けた中央交通側(制作会社を含む)でデザインをアドバイスするようなことはしないもんだろうか。制作会社ならいろんなフォントが使え、プロのデザイナーもいるでしょうに。中央交通としては広告料金が入れば、中身などどうでもいいのかな。
このバスマスク、そもそもマスクのサイズが小さいような気もした。昨年問題になり、その保管と処分で今も問題になっている“アベノマスク”を連想したが、ほかのバスマスクも見てみると…
(再掲)2009年に日本バス協会が全国展開した「「バス利用促進」のためのバスマスク」(3フレーズあり)
(再掲)2006年早春 秋田市営バス最後のあいさつ
(再掲)2003年の秋田市営バス。下に小さい字もあるが、何の広告かは遠目でも伝わる
(再掲)秋田市中心市街地循環バス代走用
全国的に見ても、マスクのサイズはこの程度が標準のようだ。灯火との干渉、紐を結びつける位置等、制約があるのだろう。
となると布地代をケチったのではない。やっぱりデザイン、特に文字のサイズと量の問題。少なくともぱっと見て伝わるものでお願いします。
左側前は待機中の臨海営業所「秋田200か300」、右で降車扱い中は秋田営業所「同299」
ナンバープレートが連番の、2003年新車導入のワンステップのいすゞエルガミオ。この2台の正面、フロントガラス下に、白い横長のものが取り付けられている。
全国的に見られる、ゼッケンみたいな広告の布(あるいはビニールシート?)。「バスマスク」あるいは「(バス)フロントマスク」と称される。多くはないが「エプロン/フロントエプロン」と呼ぶこともある。
バス会社が広告を集める際には「フロントマスク」と呼ぶことが多く、愛好家は「バスマスク」と呼ぶことが多い感じ。後述の2009年の公益社団法人日本バス協会では「バスマスク」としているが、秋田中央交通では「フロントエプロン」として広告を募っている。
マスクだと現状では、一般には「バス車内での人間のマスク着用」とまぎらわしくはある。
今回の広告は、昨2021年の12月初め~中頃辺りから掲出が始まっている。付けていない車のほうが圧倒的に多く、写真のように2台が並ぶのはけっこう珍しい。中央交通では、フロントエプロンは最低契約台数30台からとしているので、30台か?
で、これが何の広告か。
遭遇頻度が低いのは仕方ないとしても、遭遇できてもすれ違いざまなどにちらりと見ただけでは、何を言いたいのかよく分からない。
秋田営業所「同290」。これは2002年導入らしいが、市営バスからの移管最盛期で新車が次々入っていた頃
↑関係ないけれど、こうして写すと、奥の中央通りが緩い坂なのが分かる。秋田駅~千秋公園周辺はわずかな起伏がある土地。
バスマスクの左には、耳が飛び出た哺乳類っぽい緑色(中央交通の車体色に近い)のキャラクター。まずこれが誰?
残りは文字がごちゃごちゃ横書きされているが、小さい。色と大きい文字により「Googleマップ」「NAVITIME」「検索」は読めた。
なるほど。バスダイヤをネット検索できるという告知か。
その広告主は? 中央交通自身? 日本バス協会? 秋田市?
それを判読するには、車道のバスの前へ身を乗り出すわけにはいかないので、ズーム撮影。
ついに全貌が明らかに!
「バス停が分からなくても Googleマップ NAVITIME 等 でバス経路が 検索 できる!」
「秋田市マイタウンバス、秋田中央交通バスの利用にご活用ください」
「国際教養大学アジア地域研究連携機構 秋田公共交通情報プロジェクト」
国際教養大学の中にある「機構(附属機関的なもの?)」が広告主らしい。2行目の「秋田公共交通情報プロジェクト」は教養大と別組織のようにも読めてしまうが、機構の中に位置付けられる。
そう言われれば、緑のキャラクターの左胸には大学のシンボルマークがある。これは秋田犬(あきたいぬ)をモチーフにした、国際教養大学 マスコットキャラクター「ONE(ワン)」だった。中央交通車体に合わせたのでなく、もともとこの色。
これまで取り上げて来たように、バス会社自身のホームページでの時刻検索が、使いやすいとは言い難い現状。一方で、民間の無料サービス「ナビタイム」が対応して使いやすさも悪くない。
さらに、国際教養大の協力により、Googleマップの中でも時刻やルートが調べられるようになっている。国際教養大という名前からして、研究内容と縁遠い分野に思えてならないが、大学による地域貢献になっている。ただ、Google独特の(日本人の感覚とズレた?)クセがあったり、不具合や要望をどこへ伝えればいいのか分からなかったり、バス会社と提供者が直結していない歯がゆさはある。
今回の広告では、国際教養大だからGoogleマップを宣伝するのは当然だけど、ナビタイムのほうも併記している。実はナビタイムも教養大が関与しているのか、あるいはついでだから書いたのか。
それにしても、読みにくい、分かりにくい、美しくない、おもしろくない、センスの悪いバスマスク広告だと思う。広告効果が低く、広告費用が無駄になってしまっているのでは。※中央交通の広告料金はは1日1台440円。最低でも30台、20日だから26万4千円以上かかっている。
具体的には、
・マスクのサイズに対して、動くバスの正面に出す広告としては情報量=文字が多すぎる。
・地色が白・ほとんどの文字が黒でつまらない。
・キャラクターが何者か分からず、存在意義が低い。
・フォントがWindowsの「MS UI Gothic」。このフォントは、画面での半角カタカナ使用をなくすため、Windows98から標準インストールされている。表示スペースや解像度に配慮した画面表示向けフォントであって、印刷して使うべきではないデザインの文字。他のフォントより文字幅が狭くなるので、文字を詰め込むために使ってしまったのか。
といった点。国際教養大には、デザイン方面に明るい教職員や組織がなかったのだろうか。・地色が白・ほとんどの文字が黒でつまらない。
・キャラクターが何者か分からず、存在意義が低い。
・フォントがWindowsの「MS UI Gothic」。このフォントは、画面での半角カタカナ使用をなくすため、Windows98から標準インストールされている。表示スペースや解像度に配慮した画面表示向けフォントであって、印刷して使うべきではないデザインの文字。他のフォントより文字幅が狭くなるので、文字を詰め込むために使ってしまったのか。
だとしても、広告なんだから、広告を引き受けた中央交通側(制作会社を含む)でデザインをアドバイスするようなことはしないもんだろうか。制作会社ならいろんなフォントが使え、プロのデザイナーもいるでしょうに。中央交通としては広告料金が入れば、中身などどうでもいいのかな。
このバスマスク、そもそもマスクのサイズが小さいような気もした。昨年問題になり、その保管と処分で今も問題になっている“アベノマスク”を連想したが、ほかのバスマスクも見てみると…
(再掲)2009年に日本バス協会が全国展開した「「バス利用促進」のためのバスマスク」(3フレーズあり)
(再掲)2006年早春 秋田市営バス最後のあいさつ
(再掲)2003年の秋田市営バス。下に小さい字もあるが、何の広告かは遠目でも伝わる
(再掲)秋田市中心市街地循環バス代走用
全国的に見ても、マスクのサイズはこの程度が標準のようだ。灯火との干渉、紐を結びつける位置等、制約があるのだろう。
となると布地代をケチったのではない。やっぱりデザイン、特に文字のサイズと量の問題。少なくともぱっと見て伝わるものでお願いします。
同じ公立系の大学ということで、美術大学と一緒にデザインすればよかったのにと思いました。
秋田でも大学どうしの連携は盛んですが、今回は教養大内で手早く済ませてしまったのでしょうか…
読めるものに。
この手のは昔の市営が付けた広告のが見やすいかも。
屋根に「バス停はナビタイム」とか。
「じいちゃんばあちゃんを支えるぜ!」みたいに横張りでも。
それにしても、アリナミン懐かしいです。
でもなぜそこに?
バス前面の広告効果ってあまり高くない気がします。後ろや横のほうが自由度もあってよさそうですが。
アリナミンは秋田市営バスではお得意様だったようで、「アリナミンV」もありました。全国展開していたのかもしれません。
バス待ちしていると意外に正面にあるのは気が付かないものです。
川崎市営バスでもバスマスクしてたかなあと思い起こしても記憶が曖昧であんまりしてなかったような。
バスマスクしていたものなら撮りバスマニアがワッと集まりそうですしね。
その川崎市市営バスが武蔵新城南口~川崎駅西口までの川63系統が1月31日で廃止され住民達を驚かせています。
時間はかかっても座れて眠れた。210円と安く乗れた。などなど。
路線廃止は大都会の市営バスにも及んでいるようです。
あと東急も値上げで東急東横線の渋谷~横浜まで280円から310円になりますが昔と全然運賃が上がっていなかったことに驚きでした。
客以外の対向車も通行人も、バスのフロントガラス下をそんなに見る人はいないでしょう。視線を向けてもらえるようなデザインセンスが問われる、難しい広告なのかもしれません。
バスを撮影する人にとって、バスマスクはどちらかといえば敬遠されます。本来のバスの塗装が隠れるし、シワや傾きで見栄えが良くないこともあるので。秋田市営バス廃止時のありがとうマスクも、市章が見えなくなってしまうので、ちょっと残念でした。
でも、たいていのバス会社で、多かれ少なかれ実施はしていると思います。
大都市圏でも、あるいは大都市圏だからこそ、人手不足やコロナで路線バスや公共交通は厳しい状況のようです。
利用しづらくなってしまうのは、これからはどこでも避けられないかもしれません。