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桃中軒 幕の内弁当

2023-02-08 19:19:38 | 各地お土産・食べ物
2022年10月旅行記。前回の帰路で食べた駅弁の話(静岡駅・東海軒の駅弁もアップ済み)。

全国的に見れば、東海道本線沿線は駅弁のある駅が多い。JR東日本のような積極的な首都圏への輸送販売はされておらず、各社の地元周辺でしか買えないものがほとんどだが、それでも成り立っているのは、人口と鉄道移動者が多い、東海道だからこそなのだろう。

今回は、静岡県東部、沼津市に本社がある「桃中軒(とうちゅうけん)」の駅弁。2012年に限定商品を紹介していた。
明治24年に沼津駅で創業し、東海道新幹線開業に合わせて三島駅にも進出。両駅と御殿場駅では、そば店もやっている(御殿場では駅弁はなさそう)。三島駅では「みしまコロッケ」も売っていたはず。

駅弁を買うのなら、新幹線停車駅である三島のほうが品揃え豊富なのだが、今回は、旅程の都合(後日)で、沼津駅でいったん改札を出た。
正面の南口の改札を出てすぐのところに、昔から小さな屋台のような駅弁売り場がある。この時は、昼過ぎ。特に狙いの商品があったわけでなく覗いてみると、3~4種類くらいが数個ずつ売られていて、直感で1つ選んだ。
※以前触れたように、南口すぐの「しずてつストア 沼津駅前店」では、少量ながら東海軒の駅弁が売られている場合あり。

売店は、以前は現金のみだったが、キャッシュレス決済に対応していた。リクルート「Airペイ」のようだ。
Suicaで買うと「(決済完了まで)ちょっと時間がかかりますよ」「ほらね。もうちょっとお待ち下さいね」と言われる。1万円札出して、お釣りをもらうより時間がかかるかも。

御弁当(幕の内弁当) 756kcal 税込み880円
若干小ぶりな箱。濡れお手拭き付き。

蓋状の包装には、デザイン化された水鏡の富士山と松(たぶん沼津の千本松原・千本浜)が描かれ、「ゆづりあい旅を楽しく明るい車内」のフレーズが入り、古風。
この中身になったは2004年頃らしいので、掛け紙も実は新しいデザインなのかもしれない。

まず、写真では分かりづらいが、容器が現在では珍しい経木の箱。
おかずは、魚、玉子焼き、かまぼこ、揚げ物と典型的な幕の内弁当ではあるが、同時に個性的でもある。
左側は、「筍旨煮」と「あしたか牛旨煮」。玉子焼きとの間は「鯖塩焼」。揚げ物は「鶏唐揚げ」「白身魚フライ」。

「あしたか牛」とは、沼津近郊、愛鷹(あしたか)山麓の裾野のブランド。桃中軒では、これをメインにした駅弁もある。その“おこぼれ”なのか、幕の内にも少しだけながら入っているのがうれしい。
白身魚は「ホキ」との情報がある。

東海軒同様、ポーション容器のわさび漬けが添付されるが、こちらは四角い容器(以前は丸だったとのこと)。沼津市の「タムラ食品」製で「吟醸酒の酒粕」の枕詞付き。7グラム入りか?
なお、浜松駅・掛川駅の駅弁業者「自笑亭」の一部商品(うなぎ系弁当など)にもわさび漬けが添付されるが、それも同じもの。

おかずはどれもおいしい。「国産米」との記載しかないごはんも、経木の水分調節効果なのか、なんだかとてもおいしい。量は多くはないが、足りないほどでなく、それが千円しないのだから、コストパフォーマンスは非常に良好。
幕の内弁当こそ駅弁であり、駅弁業者の力が伝わると考えているが、桃中軒の幕の内は、丁寧に作られ、レベルが高い。沼津や三島でしか買えないと思われるが、それだからこそ、実現できているのかもしれない。


旅行記は続く

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2 コメント

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沼津駅 (タロー犬)
2023-02-09 09:44:05
私の場合、沼津駅や三島駅に降り立つのは、旅ではなく、仕事や “ちょっとしたお出かけ” の場合がほとんどなので、駅弁のお世話になる必要性に乏しく、沼津駅改札そばの、桃中軒の駅弁売場はいつも目にしていますが、駅弁を買ったことは一度もありませんでした。東海軒同様、幕の内弁当を販売していて、しかもそれが美味しく価格もリーズナブル、というのは、静岡県民なのに初耳です。今度、ぜひ購入して食べてみたいものです。
話は駅弁からそれますが、私は「静岡県のJR駅で一番好きな駅は?」と」聞かれたら、迷わず沼津駅を挙げます(ついでながら、私鉄で一番好きなのは新清水駅)。古めかしい屋根の支柱が並ぶプラットホーム、地平の広い構内に何本も敷かれた線路、“民衆駅”の走りの頃に建てられたであろう小規模な駅ビル(しかもそれが寂れていない)などなど、「昭和の幹線の主要駅」の面影が色濃く感じられるのが、なんとも言えず気に入っています。かつては、終日東京~沼津間の普通列車が発着していましたから。静岡方面から沼津駅まで来ると、「東京の香り」がしてきたな、と感じたことも、沼津駅に対する思い入れを強くしているかも知れません。今は東京方面への “湘南新宿ライン” の電車が顔を見せるのは朝と夕方以降だけになってしまい、沼津駅に漂う「東京の香り」はやや薄れてしまいましたが、それでもJR東日本のE231・E233系電車が停車している光景や、コンコースに掲げられた時刻表の「宇都宮」「小金井」といった行先表示を見るたびに、ちょっとワクワクしています。
そんな沼津駅ですが、かなり長い間(昭和の終わり頃から?)高架化をめぐってずっと地域住民との間で続いてきた揉め事にようやく区切りがつき、近い将来に高架駅に生まれ変わることになりました。それに伴って、貴重な”昭和の残り香”が失われてしまうのは、一鉄道愛好者としてはなんとも残念です。
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東海~関東 (taic02)
2023-02-10 22:34:05
東海軒や自笑亭ほど知名度はないかと思いますが、堅実な駅弁屋さんだと思います。2016年のドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」の中で、主人公カップルが旅行中に食べたということで、若干話題になったらしいです(今まで知らかなったですが)。ぐっとさかのぼれば、丹那トンネル開通直後は、沼津での機関車付替えの停車中に駅弁を買い求める人が多かったそうですから、その流れを汲む駅弁でもあるのでしょう。
遠方からの旅行客の視点では、駅舎や駅前広場は、観光地然とした三島駅のほうがインパクトが強いですが、たしかに沼津駅の改札内地下通路や広々としたホームには独特の雰囲気があります。
高架化がついに着工なのですね。車両基地や貨物駅の移設も含むそうですから、かなり変わって、完成までかなりかかることになりそうです。駅の様変わりも含めて、新潟駅並みかそれ以上の大工事になるのでしょうか。
タロー犬さんの感覚とは違ってしまいますが、東日本エリアから普通列車で来ると、熱海ではまだまだ静岡の気分は薄く、JR東海の電車に乗って少し実感する程度。三島、沼津と来て、いよいよ本格的に静岡県へ来た気分になります。駿河湾が近いとか、富士山がよく見えるということもあるでしょうが、富士市辺りともまたどこか違う雰囲気もします。関東と東海のグラデーション地帯なのかもしれません。
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