

☆人間の良心が神を生む
*神道の神は「人間が生まれながらにもつ良心である」が根本
☆神は至る所に現れる
*神道では、あらゆる場所に神がいるとされる
*人びとがあつまって神の祭りを行なう場に神々が寄ってくる
*日本人は、人間があつまり、神をまつれば、よいことが起こると考えてきた
*神社は、神をまつる場であるとともに、自分の身を清める場である
☆現代まで生き続ける弥生時代の神
*弥生時代の首長が祀った神は、現代でも生きている
*国内の神の多くは、土地ごとに芽生えた地方豪族が祀る神だった

☆祖霊信仰の上に立つ大国主命
*弥生時代の首長がまつった神は、農耕神で首長が治める土地を守る神だった
*祖霊信仰の上に立つ神は、大国主命(国魂)などさまざまな名でよばれた
☆『古事記』が記す国造りの物語
*神話では、大国主命には、八十神という多くの兄があったと記している
*大国主命は、因幡の自兎を救い、八上比売という美しい妻を得た
*大国主命は、八十神を打ち従え「国づくり」を行なった
*古代では、あらゆる集団が自分たちの土地をひらいた祖先神を祭っていた
☆全国に広まった出雲の神々
*出雲大社の大国主命だけがオオクニヌシであったのではない
*地域ごとに別々のオオクニヌシがまつられていた
*奈良時代に朝廷が神社にたいする統制を強めた
*各地のオオクニヌシの神社が祭る農耕神は、出雲大社の大国主命の分霊とされた
*その結果、今日でも全国に多くの大国主命を祭った神社がある

☆皇室の全国支配の開始
*日本神話では、天皇の祖先が天照大神の命令を受けて日本を統治するようになったとしている
*これを受けてニニギの尊が、皇位象徴三種の神器を携えて高千穂の峰を下る
*天皇家は、自分たちと同列のオオクニヌシを祭っていた豪族の上位に立とうと考えた
*新たにオオクニヌシの上位に太陽神である天照大神がつくられた
☆南方系神話と天照大神
*天照大神が人びとになじみのないものでは困る
*朝廷は、庶民が信じる太陽神にまつわる南方系の神話を日本神話にとりこんだ
*その物語は、南方と交易した航海民がもちこんだもの

☆イザナギの尊は高天原を追い出された
*太陽神を怒らせて世界を暗くした素箋鳴尊を地上に追放した
*イザナギの尊は、穢れを清めるためお祓いを行い出雲の国に下った
*出雲で、イザナギの尊は、八岐大蛇という怪物を倒し、櫛稲田姫を救う
*イザナギの尊は、この行為により良い神として祀られる
*イザナギの尊と櫛稲田姫のあいだの子が、国津伸の代表大国主命である
*地上にいる国津神はすべて、お祓いにより素箋鳴尊の流れをひくものとされた
☆神話が教える天皇と地方豪族の関係
*天のうえの高天原にいる天津神は、人間がもつようなさまざまな欲望をもたない
*穢れを知らない清らかな神である
*国津神は人間と同じく、ときには罪を犯して穢れることもありうる存在
*国津神をまつる地方豪族の政治には間違いがあるケースがある
*高天原の清らかな神を祀る天皇のふるまいはつねに正しい
*天皇と諸豪族の協調のうえに立つ国内統治を説くのが日本神話
*天皇は、天照大神のように俗世間をはなれたところで祭りを行なう
*地方豪族は大国主命にならってよく農民を統治する
*日本神話で、大国主命が天照大神の子孫であるニニギの尊に地上の支配権を差し出す
*日本神話は、地方豪族が皇室に従ういわれを語る物語です
☆天皇は強権的な政治を行わなかった
*現在伝わる日本神話は、天皇支配を正当化する政治性の強いもの
*この神話が天皇のあり方を束縛した面もある
*私欲をもたない神のようなふるまいをすることが、強制されるようになった
*天皇は勝手に権力を行使できなくなり、皇室が長続きすることになった


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日本人の心の中に生きる”八百万の神”(『神道』記事より画像引用)