🌸エマニュエル・トッドとは何者か
☆エマニュエル・トッドが、近年ジャーナリズムをにぎわせている
*「トランプ当選」を予見していた一人がトッドでした
☆彼は下記の内容をことごとく当てている
*ソ連の崩壊
*アメリカの金融危機(リーマン・ショック)
*アラブの春
*イギリスのEU離脱
☆トッドは、21世紀の予言者などと呼ばれても、ありがた迷惑
*彼は、専門としている家族人類学と人口動態学から
*割り出した数値より蓋然的な予想を述べていだけだ
⛳予言者誕生
☆ジャーナリストたちがトッドの著作もまったく読まず
*結論だけを聞きたがる
*結果、トッドは「予言者誕生」ということになった
*これが、ジャーナリズムの特徴的な傾向である
*「結論だけでいい。過程はいらない」の姿勢
☆筆者は、我慢できなく抗議のためにペンを取った
⛳トッドの言っている事は、数字に基づく仮説である
☆人口統計から出発した学者らしい態度だ
*データを調べ上げ、仮説を立てて論証し
*その後もさらに再検証を重ねていくというルールから
*逸脱しない誠実な「家族人類学者」
☆意見や論評、「予言」に見えるようなものも
*確たる論拠があり、データの裏づけがある
*データの読み込み方、比較のしかた、変数の導入のしかた
*チャート化・グラフ化する際のアイデア、術語の選択など
*彼一流のものであり
*その過程で「発見」をつかむセンスは、天才的だ
☆トッドが使う「家族人類学」
*トッドにとって、英仏双方の血を引き
*二つの文化的背景を持つことは
*他のフランス人学者にはない強みになっている
*トッドは、イギリスのケンブリッジ大学へ留学する
*ケンブリッジ大学では、家族人類学研究の集団
*「ケンブリッジ・グループ」が画期的な成果をあげていた
☆これがトッドの学問形成に大きな影響を与えた
*「英仏の違い」に関して敏感になったことが
*のちに独創的な学問体系を生み出す動因となった
☆それまでは、同じ核家族としてひとくくりにされていた
*イングランドの核家族とフランスの核家族
*あるパラメー((媒介変数)の導入で
*別ジャンルに属することが判明したのは、留学のたまもの
☆トッドはイングランドの家族形態ばかりか
*ヨーロッパのそれについても調査する
⛳人類の起源は大家族で、その後核家族が定説だった
☆モルガンやバツハオーフェンの古代社会研究によると
*人類は大家族を起源として、文明が発達するにつれて
*核家族になった
☆疑問を抱いたケンブリッジ・グループ研究した結果
*古代では、大家族はほとんどなく、核家族が大部分だった
☆ケンブリッジGの研究では、古代大家族は存在しなかった
*核家族が最初の形態で
*それが現代まで変わっていないのだと結論づけた
☆トッドがよく調べてみると
*ケンブリッジGの結論も違うことが分った
☆ヨーロッパには、ドイツやロシアなどに家族が複数結合した
*「複合家族」「拡大家族」が過去存在していた
*トッドは恩師と袂を分かつかたちで博士論文を書き上げた
☆トッドは、共産圏からの数字の分析を行ない
*ソ連では、文明化の過程に入ったら下がらなければならない
*乳児死亡率が上昇しているという事実を発見
*ソ連の崩壊を予言している
*これが25歳の時に書いた『最後の転落』である
*実際のソ連崩壊をかなり前から予見していました
☆その後も、トッドは注目すべき著作を連打した
☆アメリカを論じた『帝国以後』は各国でベストセラーとなる
☆『家族システムの起源 ユーラシア(上下)』
*トッド理論の集大成ともいうべき2冊
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