タカ長のタカの渡り観察

タカが好き、山が好き、花が好き、心はいつも旅もよう。日々移ろいゆく心もようを綴るナチュラリストのつぶやきです。

国立公園渡り鳥研究センター

2007年11月11日 | 韓国情報
 渡りの観察は終了しましたが、このブログの更新は終了したわけではありません。色々な情報を紹介するつもりですが、その一つの柱が韓国情報です。その韓国情報を理解して頂くためのキーワードとなるのが「国立公園渡り鳥研究センター」(略称;研究センター)です。
 今まで何回か韓国情報をアップしましたが、最初にこの研究センターを紹介します。

 この研究センターは韓国政府環境部が直轄する機関ですが、韓国本土にあるのではありません。韓半島の南西端の町、木浦(モッポ)から115km西、黄海上にある離島紅島(ホンド)にあるのです。



 この島は赤みを帯びた岸壁に囲まれているので「紅島」と名づけられたのでしょう。面積6.9k㎡の小島です。



 港に入ると急斜面にへばり付くように建っている建物が目に入ります。





 この紅島は島全体が天然記念物に指定されており、人々の居住や立ち入りは厳しく制限されています。ここともう一つ島の北部ので居住することが許されていますが、島民といえども居住区以外への立ち入りは禁止されているようです。

 秋、ハチクマはこの峰を越えて中国大陸へ向けて渡っていきます。この島を飛び立つと大陸まで約400kmは海だけです。



 画面右上の青い屋根が研究センターの建物です。



 土地のない狭い島ですから研究センターもご覧のように狭いのです。ここで私の行った06年9月には7名の研究員が働いていました。現在では増員されています。このように狭いので、現在となりの島、大黒山島(テフクサンド)に新しいセンターを建てる準備が進んでいます。



 私たちが訪れた06年9月は連日の好天続きで、島の周りの海はベタ凪の状態でした。瀬戸内海の海より静かでした。

 好天続きの天気は観光旅行には最適ですが、離島での探鳥には必ずしも良いとは言えないので、一日くらいの雨を期待したものです。しかし、この旅行中には一滴の雨も降りませんでした。




 すべての建物の上には雨水を貯めるタンクが設置されています。しかし、これは補助的なもので、生活用水の多くはこのの近くにある海水の淡水化施設からの給水に頼っています。

 本当に離島ですが、そこでの生活は思いのほか快適です。水は貴重品ですから浴槽に首までつかって、と言うような入浴は出来ませんが、それ以外は町での生活と変わりません。魚はおいしくて食事に困ることもありません。

 渡りの季節に行くと狭い範囲でたくさんの鳥を見ることが出来ます。春は5月初旬、秋は9月下旬から10月初旬でしょうか。日本からのアクセスは良くありませんが、それだけに静かな探鳥ができる穴場的な島です。

 私たちと韓国との付き合いを考えるとき、この研究センターの存在は大きなものがあり無視することは出来ません。そのために先ずこの研究センターとセンターのある紅島を簡単に紹介させていただきました。