タカ長のタカの渡り観察

タカが好き、山が好き、花が好き、心はいつも旅もよう。日々移ろいゆく心もようを綴るナチュラリストのつぶやきです。

今日の観察~9月2日

2008年09月02日 | タカの渡り観察
昨日渡ったハチクマは、、、、

 暇に任せてのタカ談義です。

 昨日のハチクマはB山の上で高度を上げて西方向へ流れていきました。教科書通りの渡り方、省エネ飛行です。省エネ飛行には間違いないのですが、だからと言って「ゼロ・エネ飛行」ではないですね。


      今日の写真は「アニマ君」撮影です。

 ハチクマがこのように帆翔していてもエネルギーは消費しています。先ず最初にハチクマが生きていくためのエネルギー、つまり「基礎代謝」と言われるもっとも基本的なエネルギー消費があります。

 また、このように翼を広げるために動かす筋肉が消費するエネルギー、上昇気流をつかんでおくために必要なエネルギー、尾羽などを微妙に動かすために必要なエネルギーなどが必要です。



 このように滑翔しているときも同じように、基礎代謝+筋肉が消費するエネルギーが必要です。

 このようにして消費するエネルギーは、何もしないで止まっているときのエネルギー消費、つまり基礎代謝エネルギーの2倍程度、と言うのがトビ吉おじさんの試算です。その程度で済むから「省エネ飛行」と言うわけです。

 羽ばたき飛行になるとその数値は十何倍に跳ね上がるそうです。つまり、省エネ飛行に比べて圧倒的に多くのエネルギーが必要なので、タカなどは「省エネ飛行」をしているわけです。

 昨日渡ったハチクマですが、、、、、仮に
      繁殖地から大瀬崎まで750km
      昨日と同じような気象条件の下を1日250km飛行したとすると

 トビ吉おじさんの試算ではエネルギー消費は20~30%になるそうです。

 つまり、大瀬崎から750km離れた繁殖地で100リッターのガソリンを積んで飛び立っても、大瀬崎に着いたときには70~80リッターのガソリンしか残っていないと言うことです。

 と言うことはその70~80リットルのガソリンで東シナ海を渡らざるを得ないのです。しかもこの間の飛行は「省エネ飛行」とは格段にエネルギーを必要とする「羽ばたき飛行」になるのです。

 そのために彼等はチョッとでもチャンスがあれば餌を採り、エネルギー補給をしたがるのです。


今日の結果

      観察者   タカ長 トビ吉
      観察時間    8:30-16:00

           タカの渡りを認めず

 と言うようなさみしい結果ですが、あれこれタカ談義をしていれば時間は過ぎてゆきます。
 これまでの記録ではゼロが3日続いたこともありますが、それさえも苦になりません。そのあとには三桁の渡りが6日続いたこともあるのですから、、、、

          

 今日は15時頃から風向きが北よりに変わり過しやすくなりましたが、それまでは相変わらず暑くてご覧のように頭に濡れタオルをかぶって頑張っています(?)