タカ長のタカの渡り観察

タカが好き、山が好き、花が好き、心はいつも旅もよう。日々移ろいゆく心もようを綴るナチュラリストのつぶやきです。

足環をつけたクロツラヘラサギ

2007年11月18日 | タカの渡り観察
 今日の日曜日、タカ長は別の予定があり参加できなかったのですが、家内は野鳥の会広島県支部主催の「八幡川探鳥会」に参加しました。

 そこでクロツラヘラサギを3羽確認したようですが、その中の1羽は足環をつけていました。番号がK68で、もう一方の足には緑、白、青の三色の足環が付けられていたそうです。

 Kの記号はKorea、つまり韓国を表しているのでしょうか?タカ長には良く分からないので、韓国の鳥類研究センターの友人、KS研究員に問い合わせのメールを入れたところです。何か分かればこのブログでお知らせします。

 タカ長としては私の友人が,このブログでも紹介したことのあるナクトンガンの河口で付けた足環だったら良いと考えているのですが、、、、、そのように都合の良い結果にはならないでしょうか?とにかく詳細が分かることを期待しています。

紅葉の裏山歩き

2007年11月17日 | 山歩きから
 今日のタカ長は裏山歩きの日。もちろんお目当ては今が盛りの紅葉です。間違ってもハチクマではありません。



落ち葉を踏み



紅葉の下を歩くのが主目的です。

集合場所の駐車場へ行くと「キョージュ」がやって来ました。タカの観察は終わったのに、と思って聞くと、裏山に鳥を見に行く由。私たちのタカの渡り観察のサブポイント「水苔池」まで一緒に登りました。



 水苔池について休憩中もキョージュは双眼鏡で青空をしらみつぶしに探していました。さすがキョージュ、根性が違います。その願いが通じたのかあっという間にハイタカを見つけてしまいました。それも2羽、そしてまた1羽。

 そこでキョージュと別れて私たちは頂上の名刹極楽寺へ登りました。寺の展望台からは安芸の宮島や瀬戸内海の島が望まれます。





 タカ長もこの島や海をバックに流れるハチクマ、この下から帆翔しながら高度を上げてくるハチクマを何度も見ましたが、今はもちろんハチクマのシーズンではありません。極楽寺の奥様の話では今朝ツミが近くで鳴いていたとか。野鳥の話題には事欠かない真言宗の名刹極楽寺です。

 この景色をバックにハチクマが見られるのは来年5月になります。そのときどのような渡りが見られるか、今から楽しみです。

ハチクマって何羽いるのでしょうか?

2007年11月16日 | タカの渡り観察
写真はすべてアニマ君の作品です。



 07年秋の渡りも終わりました。私の観察地では3433羽のハチクマをカウントしました。暑い9月でしたが、終わってしまえば例年並み、と言ってよいのでしょうか。マクロで見る限り特段の変化はないようです。



 そこでトビ吉おじさんとタカ長の想像と疑問が膨らむのです。
一体全体今年の秋に日本から東南アジアに向けて飛び立って行ったハチクマの総数は何羽になるのでしょうか?同様にサシバの総数は何羽になるのでしょうか?

 トビ吉おじさんとタカ長が知る限り、このような疑問に真面目に取り組んだ研究はないようです。そこで二人の独断と偏見による想像です。研究と言えるような性質のものではありませんが、何とかその概数だけでも知りたいのです。

 今シーズンも全国各地で観察が行われ、その結果はネットで公開されています。そこで公開されている数字を総計すると

   ハチクマ   45,117羽
   サシバ   101,094羽
 
 全国の観察地の数を単純計算した結果ですから、当然ダブルカウントが無いとは言えません。一方でハチクマは観察地の上空しか飛ばないとは言えません。実際に観察している人たちのおそらくは共通した認識だと思うのですが、実際に目視できる範囲はきわめて狭く、本当にピンポイントだけしか観察できていないはずなのです。

 一方ダブルカウントになる確率は案外低いのではないか、と言うのが二人の認識なのです。観察地での見落とし分と、観察されていないところを渡って行く個体の総数とダブルカウント分を相殺しても上記の数字よりは多くなるのではないかと想像しているのです。しかし、その先が分からないのです。

 その係数として上記の数字を1.2倍するのか、1.5倍になるのか2・0倍を超えるのか、その辺りが皆目分からないのです。どなたか私たちと同じことを考えられた人はいらっしゃいませんか?他の人の見解をお聞きしたいものです。



 同様な計算だと広島県で9304羽のハチクマを数えています。
 全国総数の20.6%です。
 私の観察地は全国総数の7.6%を数えたことになります。
 広島県で観察した数の37%を私の観察地でカウントしたことになります。

 これからのオフシーズン、当たるも八卦当たらぬも八卦の数字遊びも楽しみたいと考えています。


裏山を歩きながら~

2007年11月15日 | 山歩きから
 わが観察地周辺もすっかり秋らしくなりました。自然歩道にも落ち葉がたまってきました。その落ち葉を踏みながらのウォーキングです。



 観察に明け暮れて落ちた体力の回復を目指して、これから冬の間は歩け歩けの毎日です。野鳥の声や姿を楽しみながら、、、、、。

 タカの渡るコースと小鳥の数との間に相関関係があるのかどうか、タカ長はまったく知りませんが、この観察地周辺は四季野鳥が多いのです。平素はあまり意識しないのですが、よその山を歩いてみて感じることが多いのです。先日歩いた山口県の飯ヶ岳でも羅漢山でも野鳥の姿はほとんど見ませんでした。鳥の濃度は薄いのです。

 それと比較すればこの裏山には鳥は多いのです。タカ長の密かな自慢、密かな喜びです。



 林道の小さな峠を越えて訪れた集落には柿が実っていました。おそらくは採る人もいない集落の柿、今年も野鳥の餌になるのでしょうか。いつかはツグミの群れが大挙して押しかけてこの柿を食べていました。

 ウォーキングしながら空にも注意を向けていましたが何も飛びませんでした。
そのかわり今日もサルに出会いました。聞くところによるとこの辺りには三つの群れがいる由、今日の群れは何所から来た群れでしょうか?

 まだまだ自然が豊かの観察地の裏山です。

終わってしまえば早いもの

2007年11月14日 | タカの渡り観察
 07年秋のシーズンも終わりました。本当に終わってしまえば早いものです。焦熱地獄みたいに感じられた9月の観察がウソのように思われます。



 この写真は友だちがマレーシアで撮ったものですが、我が観察地でも同じようなタカ柱を見ることが出来ました。これほど近くはありませんでしたが、同じようなタカ柱が我が観察地でも出来ました。



 私のカメラでも撮れるくらい近くを飛んでくれるハチクマもいました。



 ノスリも近くを飛んでくれました。今シーズンに限った特別なこともなかったようです。観察最中はあれこれ考えますが、良く見ると特別変わったたことはないようです。

 はじめ少し出が悪かったら地球の温暖化と関連付けて、今年は遅れている、などと言ってしまいますが、本当はそう単純ではないようです。年によって多少のバラつきはあるにしても、終わってしまえば結局、落ち着くところに落ち着いてしまうのです。地球の温暖化との関連性などを云々するためにはもっともっとたくさんの観察データが必要なのです。

 タカの観察だけではありませんが、自然科学の分野では、初めに結論があるような見方、言葉を換えれば色眼鏡をかけて観察するようなことは厳に慎まなければならないと自戒しています。

韓国最大の自然湿地~ウポ(牛浦)沼

2007年11月13日 | 韓国情報
 韓国慶尚南道昌寧郡にある韓国最大の自然湿地ウポ沼にも行きました。



 早朝のウポ沼に通じる道のそばではダルマエナガの群れに出会いました。



 ウポ沼湿原は牛浦、木浦、砂旨浦、チョクチボル、以上4つの総称で広さ854ha,貯水面積は231.4haの低層湿原です。1998年3月2日にはラムサール条約に登録されています。



 私の訪れた10月中旬は冬鳥も揃っていなくて鳥は少なかったですが、それでも仔細に見ればカモの仲間などはかなり入っていたようです。何しろ広いのですから相当数入らないと鳥が目立つことはないのでしょうか?



 当然のことですが湿地内は車両通行禁止ですから安心して自然観察できます。このウポ沼のことは1回のブログでは紹介できないので随時紹介させて頂くつもりです。ご期待下さい。

 このウポ沼は日本ではほとんど知られていないように感じています。このウポ沼をはじめ慶尚南道にはチュナム(注南)貯水池など優れた探鳥地があります。日本からも近いところなので、多くの人に訪ねて頂きたいと考えています。

今日の観察~番外編-1

2007年11月13日 | タカの渡り観察
 タカを見る人は青空を見ると体がウズウズしてきて、家でジッとして居れない人種みたいですね。やはり「家に居れない症候群」の、それもかなり重症の部に属するようです。

11月13日   晴

 観察者   トビ吉
 観察時間  9:00-14:00

   ハイタカ     東向き 1
   ハイタカSP   西向き 1

 やはり時期が去れば渡らないのですね。それが分かっていて出かけるのは病人である証拠ですが、しかし、この病人は人畜に害を与えるわけではありませんからじっと見守ることにしましょう。

 重病人ではないタカ長は観察期間中に貯まった雑用を少しだけ片付けました。

出前自然史博物館

2007年11月12日 | タカの渡り観察
 昨日の日曜日、このブログでも紹介したことのある「出前自然史博物館」へ友達を誘って出かけました。



朝一に出かけましたが予想以上の人出でにぎわっていました。



全国各地にあるこの種の博物館、しかし、恥ずかしいことかも分かりませんが広島にはないのです。そのためタカ長の鳥友たちが広島に自然史博物館を作る運動をしています。



中に入ってタカ長が先ず行ったのはこの展示。これはクマタカの剥製です。



タカ長の好きなハチクマの好物、キイロスズメバチの巣です。



これは化石の発掘体験コーナーです。子どもだけでなく大人の人も熱心に刷毛で土を掃いて化石を掘り出していました。

 最先端の自然史博物館は、もはや博物館と名のつく施設に対して思い描かれるような”薄暗く閑散とした建物の中に、古びたモノや珍奇なモノが並べられたガラスケースが置かれている”場所ではありません。そこは、来館者自らが見て触れて学べる、楽しみながら参加体験できる知的娯楽空間なのです(当日のパンフレットから)

 この化石発掘コーナーはそのコンセプトに沿った展示なのでしょう。他のコーナーでも親子が学芸員の方と楽しんでいましたが、タカ長のデジカメの電池が切れたので撮影できませんでした(お粗末)



 もちろん従来型の展示もありました。これはコーカサスオオカブト。タカ長には良く分かりませんが、マニアに人にはたまらないのでしょうね。何も分からないタカ長は「一匹いくらするのだろう」と不謹慎なことを考えていました。

 主催者側には事情があるのでしょうが、一日だけだったのはチョッとだけ不満でした。これを見たら孫が喜びそうだから、と思っても今日限りでは手が打てないのです。○○さんの孫にも見せてやりたかったのですが、、、、、

 一日だけでなく常設の自然史博物館が出来て「地球が誕生した46億年前から現在そして未来へと連綿と続く時の流れを体験しながら、自然、環境、生命について学び考える」ことがいつでも出来るようになることを願ってやみません。

 この記事に関心のある人は下記の連絡先へ声をかけて下さるようお願い致します。

「自然の博物館」をつくる会事務局
  〒732-0051  広島市南区光が丘11-31-302  松浦方
     ℡・Fax 082-264-2448

国立公園渡り鳥研究センター

2007年11月11日 | 韓国情報
 渡りの観察は終了しましたが、このブログの更新は終了したわけではありません。色々な情報を紹介するつもりですが、その一つの柱が韓国情報です。その韓国情報を理解して頂くためのキーワードとなるのが「国立公園渡り鳥研究センター」(略称;研究センター)です。
 今まで何回か韓国情報をアップしましたが、最初にこの研究センターを紹介します。

 この研究センターは韓国政府環境部が直轄する機関ですが、韓国本土にあるのではありません。韓半島の南西端の町、木浦(モッポ)から115km西、黄海上にある離島紅島(ホンド)にあるのです。



 この島は赤みを帯びた岸壁に囲まれているので「紅島」と名づけられたのでしょう。面積6.9k㎡の小島です。



 港に入ると急斜面にへばり付くように建っている建物が目に入ります。





 この紅島は島全体が天然記念物に指定されており、人々の居住や立ち入りは厳しく制限されています。ここともう一つ島の北部ので居住することが許されていますが、島民といえども居住区以外への立ち入りは禁止されているようです。

 秋、ハチクマはこの峰を越えて中国大陸へ向けて渡っていきます。この島を飛び立つと大陸まで約400kmは海だけです。



 画面右上の青い屋根が研究センターの建物です。



 土地のない狭い島ですから研究センターもご覧のように狭いのです。ここで私の行った06年9月には7名の研究員が働いていました。現在では増員されています。このように狭いので、現在となりの島、大黒山島(テフクサンド)に新しいセンターを建てる準備が進んでいます。



 私たちが訪れた06年9月は連日の好天続きで、島の周りの海はベタ凪の状態でした。瀬戸内海の海より静かでした。

 好天続きの天気は観光旅行には最適ですが、離島での探鳥には必ずしも良いとは言えないので、一日くらいの雨を期待したものです。しかし、この旅行中には一滴の雨も降りませんでした。




 すべての建物の上には雨水を貯めるタンクが設置されています。しかし、これは補助的なもので、生活用水の多くはこのの近くにある海水の淡水化施設からの給水に頼っています。

 本当に離島ですが、そこでの生活は思いのほか快適です。水は貴重品ですから浴槽に首までつかって、と言うような入浴は出来ませんが、それ以外は町での生活と変わりません。魚はおいしくて食事に困ることもありません。

 渡りの季節に行くと狭い範囲でたくさんの鳥を見ることが出来ます。春は5月初旬、秋は9月下旬から10月初旬でしょうか。日本からのアクセスは良くありませんが、それだけに静かな探鳥ができる穴場的な島です。

 私たちと韓国との付き合いを考えるとき、この研究センターの存在は大きなものがあり無視することは出来ません。そのために先ずこの研究センターとセンターのある紅島を簡単に紹介させていただきました。