新宿酒場ロン 11・9
島、絵美、銀さんがいる。
「珠が、バラバラに散らばって、意味不明の様相だが」
「そうなんだ。小沢の言っていることは矛盾だらけだ」
「だから、皆、首をかしげている。何があったんだろうと」
「2大政党制が持論なのに大連立、党首会談を否定しておきながら突然の密室会談、参議院で主導権を握っていながら総選挙で勝てない発言、政権交代を叫びながら政権担当能力に欠ける発言」
「そして、極め付きが、自らプッツンしたと述べていたが、そういう表現をするとは、小沢を知る人間は皆びっくりしていた」
「じゅうめいが言ったように、プロデユーサーがナベツネ、監督が森、キャストは福田と小沢の2人芝居だったことが後で明らかになった」
「ナベツネから大連立をそそのかされても、小沢は、田中角栄の秘蔵ッ子で海千山千、政治キャリア40年の65歳、元・自民党の凄腕幹事長だから、臆する事は何もないはずだが、何か急性アルツハイマーにでもなったかのように、意味不明の言動だ」
「そうなんだ、あの程度で辞任表明とは不思議なことをするものだ。そして、2日後には辞任撤回とは自分のやっていることが本当に分かっているのだろうか」
「それを考えたときに、符牒が合うような事件が起きている。それは守屋事件だ。テロ特措法国会が始まるや否や、守屋事件が地検特捜部に大々的にリークされ、世間は大騒ぎになり、守屋の証人喚問が終わると即座に党首会談が発表された。しかも次の日だ」
「何か意図を感じるな。側面的には、防衛族の田村秀昭と東祥三の名前がちらついて、田村は今回の叙勲を辞退までした」
「実は、自民党から新生党に小沢が新党結成したときに、自民党の防衛族はすべて小沢に付いて行った」
「すると防衛利権の光と影は、ダンプに潰された顔を持つ男に支配された、ということか」
「ロッキードの田中角栄は、小菅ホテルに入って、後は知っての通り、落日の西陽だった。黒塗りの高級車の中でお漏らしをして、オムツをするようになった」
「角栄はアメリカの言うことを聞かなくなったので、アメリカの逆鱗に触れたとも言われている」
「アメリカが怒ると本当に怖い」
「そうか、テロ特措法を通さない、つまりアメリカの言うことを聞かなければ、どういうことになるか。シーファー大使が、小沢と会談をするために民主党を訪問したが、小沢は木で鼻をくくった対応をした。それを居並ぶ記者連中に公開し、小沢の豪腕を見せ付けた。シーファーとアメリカはその屈辱を味わい、ある決断をしたという」
「そうか、実は、守屋事件のリークは自民潰しでは無く、標的は小沢だった」
「ナベツネが権力の威光を見せつけ、次に森が恫喝した」
「角栄の昔話が出され、丸紅、日商岩井、ロッキード、児玉誉士夫の最後の晩餐はどうなったか。 思い出してみればいい」
「バラバラにまかれた意味不明の珠が、この一本の糸で繋がってくる」
「なるほど、小沢はパニックになり、最後は東京駅八重洲のビジネスホテルに籠城したが」
「そのとき、民主の前原が地下通路から現れた・・・・・・」
新宿の夜は深い闇に包まれながら更けていく。
(ムラマサ、鈴のように鳴り響く)
島、絵美、銀さんがいる。
「珠が、バラバラに散らばって、意味不明の様相だが」
「そうなんだ。小沢の言っていることは矛盾だらけだ」
「だから、皆、首をかしげている。何があったんだろうと」
「2大政党制が持論なのに大連立、党首会談を否定しておきながら突然の密室会談、参議院で主導権を握っていながら総選挙で勝てない発言、政権交代を叫びながら政権担当能力に欠ける発言」
「そして、極め付きが、自らプッツンしたと述べていたが、そういう表現をするとは、小沢を知る人間は皆びっくりしていた」
「じゅうめいが言ったように、プロデユーサーがナベツネ、監督が森、キャストは福田と小沢の2人芝居だったことが後で明らかになった」
「ナベツネから大連立をそそのかされても、小沢は、田中角栄の秘蔵ッ子で海千山千、政治キャリア40年の65歳、元・自民党の凄腕幹事長だから、臆する事は何もないはずだが、何か急性アルツハイマーにでもなったかのように、意味不明の言動だ」
「そうなんだ、あの程度で辞任表明とは不思議なことをするものだ。そして、2日後には辞任撤回とは自分のやっていることが本当に分かっているのだろうか」
「それを考えたときに、符牒が合うような事件が起きている。それは守屋事件だ。テロ特措法国会が始まるや否や、守屋事件が地検特捜部に大々的にリークされ、世間は大騒ぎになり、守屋の証人喚問が終わると即座に党首会談が発表された。しかも次の日だ」
「何か意図を感じるな。側面的には、防衛族の田村秀昭と東祥三の名前がちらついて、田村は今回の叙勲を辞退までした」
「実は、自民党から新生党に小沢が新党結成したときに、自民党の防衛族はすべて小沢に付いて行った」
「すると防衛利権の光と影は、ダンプに潰された顔を持つ男に支配された、ということか」
「ロッキードの田中角栄は、小菅ホテルに入って、後は知っての通り、落日の西陽だった。黒塗りの高級車の中でお漏らしをして、オムツをするようになった」
「角栄はアメリカの言うことを聞かなくなったので、アメリカの逆鱗に触れたとも言われている」
「アメリカが怒ると本当に怖い」
「そうか、テロ特措法を通さない、つまりアメリカの言うことを聞かなければ、どういうことになるか。シーファー大使が、小沢と会談をするために民主党を訪問したが、小沢は木で鼻をくくった対応をした。それを居並ぶ記者連中に公開し、小沢の豪腕を見せ付けた。シーファーとアメリカはその屈辱を味わい、ある決断をしたという」
「そうか、実は、守屋事件のリークは自民潰しでは無く、標的は小沢だった」
「ナベツネが権力の威光を見せつけ、次に森が恫喝した」
「角栄の昔話が出され、丸紅、日商岩井、ロッキード、児玉誉士夫の最後の晩餐はどうなったか。 思い出してみればいい」
「バラバラにまかれた意味不明の珠が、この一本の糸で繋がってくる」
「なるほど、小沢はパニックになり、最後は東京駅八重洲のビジネスホテルに籠城したが」
「そのとき、民主の前原が地下通路から現れた・・・・・・」
新宿の夜は深い闇に包まれながら更けていく。
(ムラマサ、鈴のように鳴り響く)