★小保方晴子
スマップ細胞、いや、スタップ細胞はどうなるのだろう。
理研は3月5日、小保方晴子が1月の論文発表後、初めてSTAP細胞の再現実験に成功したと発表した。
同時に、理研(神戸)のHPに実験プロトコル・エクスチェンジ(実用的な実験ノウハウとその解説)をアップした。
その英文をざっと読んだが、その中にドナーマウスは生後1週間以内のものを使うべきと仕様されている。
さて、細胞というものは、受精卵が分裂しながら、それぞれ神経、筋肉、器官などに変化する。 生物学は、これを「分化」と呼ぶ。
特定の器官に分化した細胞は、違う種類の細胞に変化することはないが、遺伝子情報は内包している為、山中先生が発見されたiPS細胞のように、外部から遺伝子を注入すれば、別の種類の細胞に変化することが可能になる。
これを細胞の初期化と呼ぶ。
具体例として、今年中に手術が予定されているiPS細胞の臨床試験では、皮膚細胞を採取し4種類ほどの遺伝子を注入し、4週間ほど培養すれば目の網膜になる、というようなこと。
一方、小保方の言うスタップ細胞とは、pH5.7の弱酸性溶液(オレンジジュースのようなもの)に30分ソーク、浸すだけで、分化した細胞が初期化するとしたもの。
しかし、ここが問題なのだが、採取したマウス細胞のなかに未分化な細胞が最初からあって、分化した細胞は弱酸性溶液で死滅し、生き残った未分化な細胞だけを見ているとしたら、分化をしてから初期化したというスタップ細胞は幻となる。
そのメカニズムはよく分からないけれど、だから、生後1週間以内のマウスに限定するという仕様になるのではないのか。
さて一方、小保方のネイチャー論文だが、それに載せられた画像が不自然であり、かつ捏造疑惑があると同時に、2005年に発表されたドイツ・ハイデルベルグ大学の研究者Guo Jianliの論文(マウスのマルチカラー染色体分析)の長文をコピペしているのではないのか。
おそらく、OCRという光学式の読み取り変換を使ってパソコンに取り入れ、それをコピペしている。だからOCRがよく冒す誤認識をそのままコピペしているから、複数の重要元素記号などが致命的に間違って論文に記載されている。
しかも小保方が使用したと記載された実験装置は、G.Jianliの装置と同じなのだが、その装置は現在では化石のようなもので、今から10年前には製造と販売は中止になっており、理研の最新鋭設備群に本当にこれらの装置が設置されているのか、理研に聞いてみたい。あるいは外注なのか。
今後、世界の第一線の研究者たちが、再現テストに成功するかどうか、関心は尽きない。
それではまた。
(じゅうめい、鋭く斬る)