光山鉄道管理局・アーカイブス

鉄道模型・レイアウトについて工作・増備・思うことなどをば。
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カーブの質感向上へのアプローチを考える4・「長編成と緩曲線」

2015-03-29 09:26:41 | 思いつくままに・考察
 緩和曲線実験シリーズその3です。

 前回触れたように緩和曲線は見た目に「カーブを雄大に見せる効果が大きく、そのメリットは長大編成で生きるのでは」という仮説を立てました。
 「長大」というには少し短いですがKATOの旧型153系新快速色の6連で同様に試してみます。


 結果は以下の写真の通りです。






 カーブが緩やかになるほど連結面のずれは減少し、編成物らしいリアルさと動感が感じられます。
 意外だったのは急な方の354Rの側から見ても結構編成がかっこよく見える事でした。昔の鉄道写真によくあった「カーブの立ち上がりで正面を向いた特急列車」のそれに似ています。

 反対に900R径の方を手前に持ってくるときつい曲線が奥に押しやられる形になるので遠近感が強調されたような見え方になります。シーナリィの設定次第ではかなり雄大な風景に見えそうです。

 走行性は鉄コレとほとんど変わりませんが流石に243Rの部分では車体同士のずれが物凄い事になります。
 レイアウトで実践するならここはどうにかして隠すべきでしょう。但し走行性はこれほどの急カーブでも道床付の組線路らしく非常に安定しています。
 特に緩和曲線を経て急カーブに進入しているので減速もごく自然なのが編成物では特に印象的です。

 お座敷運転で編成物が高速でいきなり急カーブに入ると減速ショックが最後尾の車両にまで派手に伝わって興醒めになる場面は多くのユーザーが経験していると思います。

 さて900Rの緩曲線でリバースカーブを作ろうとするとレイアウトの奥行は最低でも1800ミリは必要という事になります。
 それを頭に入れて今回のカーブを計測してみた所では緩和曲線と組線路の組み合わせ、一部に900R以上、おそらくは1000R前後のアプローチの区間もあるのですが、測ってみた奥行きはアプローチの組線路を243Rから317Rに換算し直した場合で大体830ミリとなりました。
 これなら固定レイアウトとしてはぎりぎり許容範囲でしょうし、元々の243Rだと更に74ミリ奥行きは小さくなります。

 緩和曲線を上手く使えばリバースカーブのあるレイアウトでもそれなりの奥行の節約効果は期待できることがわかります。