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以前、当ブログでも紹介した事のあるKashmir作の「ぱらのま」(白泉社・楽園コミックス刊)の最新刊をひと月遅れくらいで買ったのですが、その中の一編がわたし的に刺さるものがあったので今回はそのはなしから。
本作は「ニートだか女子大生だかよくわからない主人公が気の向くままに鉄道やバスを使って首都圏からの日帰り旅、あるいは温泉旅を楽しむ」という、端的に言えばそれだけの内容・・・と数年前に本作を取り上げた時にはそう書きました。
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ですが、その後巻を重ねるごとに題材と主人公の蘊蓄がディープな雰囲気を醸し出し始め、元々の作風ともいえる一種独特のけだるさと相俟って「読み返す度に癖になる」という独特な読後感を味わわせてくれる一作となっています。
特に旅先の街並みや田舎の風景を揺蕩う様に逍遥する主人公の描写は鉄道のそれに劣らず魅力的な部分で行った事のない処でも不思議な臨場感を感じさせるところが(わたし的には)魅力でもあります。
で、今回収録のはなしですが、ある日突然「盲腸線の終着駅」にハマった主人公(名前は出てこない)がひたちなか海浜鉄道の阿字ヶ浦、東武佐野線葛生などの駅を探訪するはなしです。
で、作中の白眉ともいえるのが帰宅した主人公が兄貴(これがまた無類の地図オタ)と「理想の終着駅(とその駅周辺)」を語り合いながら架空の地図や駅舎の見取り図をデザインしてゆくところでした。
兄妹揃って夜伽代わりに「駅周辺の地形やら線路の配置、駅前にどんな店を置くか」を語り合い、デザインを煮詰めてゆくプロセスはまさに鉄道模型のレイアウトの創生に共通したワクワク感です。まあ、元が乗り鉄系旅マンガなので実際にレイアウトを作ったりはしないのですが(笑)最近はやりの架空鉄道の設定にも通じるところがあります。
(尤も地図オタの兄の方も「自分の理想の架空都市」の創生に余念がない様ですがw)
このワクワク感はレイアウトのプランを作った事のある人ならば一度ならず経験した事のある物だと思いますし、読んでいたわたしも何か自分流の終着駅をデザインしたくなってきました(笑)
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余談ですがわたし的に好みの終端駅のモケイというと何といっても甲府モデルのペーパーキットです。
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自宅に居ながらにして頭端駅のこの雰囲気が堪能できるのですからたまりません(笑)