京都市左京区の永観堂(禅林寺)(注1)で京都国立博物館の調査により、仏舎利を納める「密観宝珠(みっかんほうじゅ)舎利容器」(高さ約26cm)が、見つかった。2頭の竜をあしらった様式で、希少な作例とする。
舎利容器は、舎利を入れた宝珠を真言宗などで使われる密教法具の五鈷杵(ごこしょ)で支えており、鎌倉時代から南北朝時代に作られたとみられる。
昨年、永観堂の蔵にあるのが見つかった。容器は真言宗時代の名残を伝えるものではないかとみている。
舎利容器は来年3月26日から京都国立博物館で開かれる特別展「法然 生涯と美術」に出品される。
[参考:京都新聞]
(注1) 一般には通称永観堂と呼ばれるが、正式には聖衆来迎山(しょうじゅらいごうさん)無量寿院
禅林寺。仁寿三年(853)に弘法大師の高弟・僧都真紹(しんじょう 797-873)により真言密教の道場として創建される。貞観五年(863)清和天皇より「禅林寺」の寺号を賜り公認の寺院となった。永観律師から静遍僧都(じょうへんそうず 1166-1224)までの約140年間は、真言密教と奈良で盛んだった三論宗系の浄土教寺院であった。その後、浄土宗の寺院となり、現在に続いている。