歴歩

歴歩 歴史は歩く。ゆっくりと歩く。それを追いかける。

福井県美浜町・興道寺廃寺 講堂の規模が判明、「耳」と墨書された須恵器の蓋が見つかる

2010年09月23日 | Weblog
 美浜町教委は22日、「興道寺廃寺」(美浜町興道寺)の第12次調査で、講堂の位置や規模が明らかになったことや、前回出土した須恵器の蓋に「耳」と墨書されているのが見つかったと発表した。
 講堂は土台の南端と北端の位置が確認でき、東西16・5m、南北11・9mの範囲に建立されていたことがわかった。
 前回の調査で出土した9世紀後半から10世紀前半の須恵器の蓋(直径13.2cm、高さ1.2cm)に「耳」と墨書されていた。平城京から出土した木簡に、この地域を示す「若狭国三方郡弥美(みみ)郷」という地名があり、古事記(注1)には、この地域を治めていた「耳別(みみわけ)氏」という豪族が登場する。町内には、現在でも弥美神社や耳川といった「耳」の名が残る地名がある。
また、古代には『耳寺』と呼ばれていた可能性もあるとしている。
 興道寺は豪族の氏寺として7世紀後半に建立されたが、建物の方位を改めるため8世紀初頭に再建されたとみられている。同町教委は「墨書土器はきちんと置かれており、廃寺の際に儀式で使われた可能性がある。」と推定する。
 発掘調査は平成14年から始まり、「金堂」や講堂の基壇、南門、中門、塔などの分布状況や規模がおおよそ判明している。
 現地説明会は25日午前9時半から興道寺廃寺第12次調査地(美浜消防署から南西に約200m)で開かれる。午後1時からは町中央公民館ホールで、歴史フォーラム「『ここまで分かった! 興道寺廃寺』耳別氏、耳川流域に起つ~興道寺廃寺をとりまく地域、仏教、そして人々の実像~」も開かれる。
[参考:毎日新聞、読売新聞、朝日新聞、美浜町HP]

(注1) 古事記「開花天皇」 (略) 室毘古王者若狹之耳別之祖 (略) 
   
過去のニュース・情報
 2009.9.19 興道寺廃寺 南門や講堂跡を確認
 2008.10.17 興道寺廃寺遺跡 如来仏の塑像の一部出土
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ヒッタイト帝国の遺跡ビュクリュカレ ヒッタイト文字が刻まれた粘土板を発見

2010年09月23日 | Weblog
 中近東文化センター(三鷹市)付属アナトリア考古学研究所(トルコ・カマン)は22日、鉄製武器で栄えた古代トルコのヒッタイト帝国(紀元前1400~同1200年頃)の遺跡ビュクリュカレ(トルコ中部)の帝国時代の城壁付近から、ヒッタイト文字(くさび形文字)で書かれた外交文書とみられる粘土板片(縦8.1cm、横5.4cm、厚さ2.2cm)1枚を発見したと明らかにした。21行刻まれていた。
[参考:共同通信、産経新聞]

日本隊、ヒッタイトの粘土板発見 トルコの遺跡で(共同通信) - goo ニュース

過去の関連ニュース・情報
 2009.3.26 トルコ・カマン・カレホユック遺跡 世界最古の鉄器を発見


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鈴鹿市考古博物館で企画展「須恵器―自然釉の妙」開催

2010年09月23日 | Weblog
 鈴鹿市考古博物館(同市国分町)で企画展「須恵器―自然釉の妙」が平成22年9月11日から10月31日まで開催されている。
 古墳時代から平安時代初期に作られた古代の焼き物で自然釉のかかった須恵器など108点が展示されている。
 三重県、愛知県、岐阜県を中心に、西は兵庫県たつの市西宮山古墳、東は静岡県袋井市大門大塚古墳、北は石川県加賀市法皇山3号横穴からの出土品などなど。
 7世紀のものでよいものがあるが、やはり気になるのは6世紀の出土品、いや、作品である。
 止山古墳(とめやまこふん)出土(桑名市)堤瓶が形、色とも美しいし、二又1号墳出土(大垣市、直径15m円墳)台付3連甕も同じように見事だ。近ければ是非観に行くのに、残念。
[参考:読売新聞、鈴鹿市考古博物館HP]
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向日市・元稲荷古墳 くびれ部で葺石が多数出土し、造り方の技法が大和の大王級古墳と相似

2010年09月23日 | Weblog
 向日市埋蔵文化財センターは22日、3世紀後半の前方後方墳(全長約92m、後方部は3段構造で約50m四方)の元稲荷古墳(同市向日町北山)の発掘調査で、西側のくびれ部から出土した多数の葺石や盛土の状況から中山大塚古墳(天理市)や黒塚古墳(同市)などにみられる大和の大王級古墳と造り方が相似していることが分かったと発表した。
 現地説明会は25日午前11時から開かれる。
[参考:京都新聞]

過去の関連ニュース・情報
 2009.2.19 向日市・元稲荷古墳 後方部でも敷石が見つかり墳丘表面全体を石で覆う
 2010.2.27 向日市・元稲荷古墳 葺石の構築方法に違い、複数の集団が関与か
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