全英連参加者のブログ

全英連参加者の、言葉やその他諸々についての雑感... 不定期更新です。

メイクアガール

2025-02-07 04:00:00 | 全英連参加者 2025+
メイクアガール ポスタービジュアル  天才的な頭脳を持つ17歳の高校生・水溜明は、人々の生活をサポートするロボット・ソルトを開発、製品化して以降、新たな発明の失敗が続き行き詰まりを感じていた。
 あるときクラスメートの「お前も彼女作ってみろよ。世界が変わるぜ」という言葉を真に受け、人造人間のカノジョ・0号を作り出してしまう。対人関係にずれたところがある明は、感情を精密にプログラムされた0号と順調に恋を育んでいくかのように見えたが、事態は思いも寄らぬ展開を見せ始める。

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 ものがたりの世界観
 一人の天才少年がいる。生活支援ロボット開発者である。それが可能な能力とラボを自由に使いこなせる立場である。才能と環境は母親から引き継いだものだ。
 作品紹介にもあるように、彼は対人関係にズレたところがある。人の心をおもんばかる能力に欠陥がある。彼の思考パターンは人間離れしている。何か機械仕掛けのようだ。

 《人間》を造る主人公・明
 設定はかなり危うい。友人の言葉「彼女ができると世界が変わる」を真に受けて、人間の彼女ではなく、彼女用人造人間を作る。
 人造人間がどうできたかではない。でも、作れる主人公である。自分のことを好きになるようプログラムされた、メカニカルでない《人間》を作る主人公。なかなか感情移入できる世界観・存在ではない。

 0号
 現実世界に16、7歳という年齢の設定でいきなり放り込まれる。自分が人造人間なのを理解している。周囲とのインタラクションを経て、徐々に《人間》らしくふるまえるようになる。
 明に思いを寄せるようにプログラムされているが、それがどういうことかわからない。自分のこころ、存在も作りものということを理解し、悩む。そしてその思いが爆発する。

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 ものがたりは、思わぬ終わり方をした。

 作家の内面が出過ぎでは?
 もしくは、何か能力(人手)不足では?
 ・・・そんなことを考えた。

 絵はいい。0号はかわいいと思う。アクション(?)にはスピード感もある。でも、プロットがムリすぎる。
 監督一人の意向が出過ぎている。原作、脚本、総作画監督...&監督。脚本は別の人でもいいでは。0号のビジュアル、キャラクターはいい。でも、0号に見合うプロットかと言うと、そこまでではない。

 本作、ものがたりの世界観から、(高校生年代の)女子受けは厳しいだろう。とがった作品を目指しているのは間違いない。覚悟の上でこのプロットなのは、プログラムの監督インタビューでわかる。
 次回作もあるようだが、このままの進み方でいいのかなあ。もったいないなあ。

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