+++++ +++++
ものがたりの世界観
一人の天才少年がいる。生活支援ロボット開発者である。それが可能な能力とラボを自由に使いこなせる立場である。才能と環境は母親から引き継いだものだ。
作品紹介にもあるように、彼は対人関係にズレたところがある。人の心をおもんばかる能力に欠陥がある。彼の思考パターンは人間離れしている。何か機械仕掛けのようだ。
《人間》を造る主人公・明
設定はかなり危うい。友人の言葉「彼女ができると世界が変わる」を真に受けて、人間の彼女ではなく、彼女用人造人間を作る。
人造人間がどうできたかではない。でも、作れる主人公である。自分のことを好きになるようプログラムされた、メカニカルでない《人間》を作る主人公。なかなか感情移入できる世界観・存在ではない。
0号
現実世界に16、7歳という年齢の設定でいきなり放り込まれる。自分が人造人間なのを理解している。周囲とのインタラクションを経て、徐々に《人間》らしくふるまえるようになる。
明に思いを寄せるようにプログラムされているが、それがどういうことかわからない。自分のこころ、存在も作りものということを理解し、悩む。そしてその思いが爆発する。
+++++ +++++
ものがたりは、思わぬ終わり方をした。
作家の内面が出過ぎでは?
もしくは、何か能力(人手)不足では?
・・・そんなことを考えた。
絵はいい。0号はかわいいと思う。アクション(?)にはスピード感もある。でも、プロットがムリすぎる。
監督一人の意向が出過ぎている。原作、脚本、総作画監督...&監督。脚本は別の人でもいいでは。0号のビジュアル、キャラクターはいい。でも、0号に見合うプロットかと言うと、そこまでではない。
本作、ものがたりの世界観から、(高校生年代の)女子受けは厳しいだろう。とがった作品を目指しているのは間違いない。覚悟の上でこのプロットなのは、プログラムの監督インタビューでわかる。
次回作もあるようだが、このままの進み方でいいのかなあ。もったいないなあ。