過日避難訓練を実施した。平成26年度、僕・全英連参加者は校長室の重要書類の搬出担当、いわゆる「非常持出」係である。
学校にとっての非常持出とはどんなものか。資料を読み直してみることにしたい。こんな資料がある。
【県立学校版】 学校防災マニュアル
~安心・安全な学校づくりのために~
平成23年9月改訂 埼玉県教育委員会
19ページに以下の記述がある。
(5)重要書類の保管と管理
ア 日常の管理と非常時の持出し等の確認
ここには、例として重要書類の保管と管理責任者(主体)が明記されている。
教務関係:
管理責任者として教務主任があてられ、「学校教育法で定められている公簿類等」を「職員室耐火書庫」に保管とされている。
学事・管理関係:
管理責任者として事務長があてられ、「学籍に関する書類、出席簿」「児童生徒名簿」「児童生徒調査票等」を「事務室耐火書庫」に保管とされている。
保健関係:
管理責任者として保健主事があてられ、「健康診断票」「歯の検査表」「その他児童生徒の健康に関する記録等」を「保健室」に保管とされている。
これらが非常持出の対象である。それぞれを搬出担当が校長指示、もしくは事前取り決めにより、緊急時所定の場所に搬出する。なお、「耐火書庫」とは通常「耐火金庫」と解されるものである。
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ここにあげたものはマニュアルにもあるとおり、あくまでも「例」である。管理責任者も、過去の勤務校では上記と異なることもあった。管理場所も職員室や事務室でなく、校長執務室の場合もあると思う。
当然のことながら非常持出には優先順位が存在する。非常時に全部を持ち出すことは、物理的にも情報管理上も出来ないし、してはならない。県内の学校で、荒川、利根川その他河川沿いに立地する学校でも、東日本大震災のような津波、河川の逆流による大規模水害はなかなか起こりにくい。少なくともこれまではそのように判断されてきた。水害、火災、地震、土砂崩れ等、実際の場合は持ち出さず、金庫を施錠し情報散逸を防ぐという判断も成り立つ。教務関係でどうしても持ち出すとしたら、一番最初は卒業証書授与台帳である。
なお、校長先生は「非常持出」の対象ではない。ご自分で避難していただく。避難指示責任者が指示不能ではダメなのだ。校長室で書類を守り、もしものことがあるのは困る。ケガでもされたら大事だ。当たり前のことだが、書類の保全よりも、生徒の安全である。