4月13日、JR東日本東北新幹線延伸部分(八戸~七戸十和田~新青森)間で、試験走行が始まった。
僕が全英連青森大会のため、青森市に行ったのは1997年のことだった。あの時は開催日前日夜11時半ころ、大宮駅から寝台車に乗車。翌朝青森駅に到着した。現着朝8時過ぎだったと思う。青森行きは当初飛行機利用を考えていたが、勤務校の出入りのJTBの人に、こんなことを言われた記憶がある。
『先生、ご自宅からわざわざ羽田に出て、折り返して青森空港まで行って、そこからさらに青森市に入るのでは、初日到着できるのは、お昼過ぎです。夜行が安いし、いいんじゃないですか。
確かに、夜行は時間がかかったけど、JTB氏の言うとおりだった。
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東北新幹線が全通すると、試験走行について報じたニュースによれば、時短効果は以下のようになる。
東京~青森間は現在4時かかる。
東京~八戸(新幹線)
八戸~青森(在来線)
今年12月の延伸区間開業後は3時間20分。
東京~新青森(新幹線)
新青森~青森(在来線)
2013年、新型車両「E5系」導入後は3時間5分。
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青森県の政財界の人が、東京出張の場合はどうなんだろう。県知事さんが、新幹線を利用するとして...
青森県の県庁所在地は青森市である。県庁は駅から歩いて10分程度の街のど真ん中にある。知事さんが東京まで出張の場合、余裕を見て3時間50分程度あれば県庁を出て、霞ヶ関にいることができるだろう。
駅まで公用車(10min.)~青森駅在来線・新幹線新青森駅(合計3hs20min.)~東京駅からタクシー(15min.くらい)
2013年、時間がさらに短縮。
同じことを飛行機を使うとどうなるのか。
県庁から青森空港まで、公用車で移動。知事さんでも、パトカー先導まではなさそうだ。そうすると、県庁から空港まで最短でも30分~35分である。搭乗手続きには、いくらなんでもフリーパスとは行かないから、30分は見なければならないと思う。これで少なくとも1時間はかかってしまう。
飛行機の4月のダイヤを調べてみたが、東京行きは1日6フライト。東京で仕事をしようと考えるのならば、午前中に使えるフライトは2便しかない。東京までのフライトは1時間15分である。これで、トータル2時間15分。
羽田到着後、飛行機から降りて、Arrivalを出るまで10分は見なければならない。羽田空港はでっかいのだ。タクシーに乗るまで、合計すると2時間半は見なければならない。羽田から霞ヶ関まで18km。有料道路を使ったとして、20分程度。合計で3時間である。3時間のカベを破ることは、飛行機搭乗まで、どの程度短くできるかによる。でも、かなり厳しいだろう。
3時間50分 vs. 3時間... 1時間を買う。首長さん、大企業の経営者には重要な時間かもしれない。でも、旅ならば、この差は無いも同じではないか。
仮に新幹線全通後、僕が大宮駅から青森駅まで行くと、JR(新幹線利用)と、飛行機とどっちが早くて便利なんだろう。そう思ってちょっと推計してみた。
新幹線で東京駅~大宮駅は23分である。と、言うことは、今年の12月、新幹線が新青森駅まで全通すると、大宮駅から新青森駅まで2時間57分になる。新青森駅~青森駅は奥羽本線で1駅(7分)である。ダイヤにもよるけど、3時間ちょっとあれば、確実に青森駅に着く。大宮駅から羽田空港まで乗り換えを含めると、1時間20分は覚悟しなければならない。そして、上記のとおり、羽田空港から青森空港までは1時間15分のフライトである。これでもう2時間半をとられてしまう。さらに空港から、青森駅(青森市内)までは、自動車で30分は見なければならない。旧大宮市民の僕にとっては。飛行機でもJRでもかかる時間は大差ない。新幹線ならば乗り換えはたったの一回である。移動の楽さ加減を見れば、勝負あった。もしも青森市のねぶた祭りを見に行くとしたら、絶対新幹線だろう。新幹線駅(大宮駅)近辺の埼玉県民は、新幹線のほうがどう見ても便利&早い。大宮駅以北の東北新幹線各駅周辺の旅行客は、飛行機を選択することは、まずあり得ない。
現在JAL再建にともない、羽田空港からのフライトのうち、どこを削るか問題になっている。こう考えると、JALが再建を果たしたとしても、羽田空港から青森空港へのフライトは、厳しい競争をJRとすることになるのは目に見えている。埼玉県(大宮駅)以北の人にとっては、飛行機に青森市までの旅行については競争力はないとは言わないが、厳しいだろう。そして、東京駅・上野駅の場合もたぶんJR(新幹線)の勝ちだと思う。