<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
宇宙エンタメ前哨基地





仕事柄出張が多くて毎月何回か東京と大阪の間を往復する。
以前は新幹線で移動していたのだが、住んでいるところが堺市内から大阪の南部に引っ越してからは飛行機で移動することがほとんどになった。
飛行機に乗ると楽しみはやはり高度数千メートルから眺める地上の景色だ。
大阪~東京間ばかり飛んでいても季節や天気で見える景色が全然異なる。

日の出の陽光で金色に染まる雲海。
関西空港を離陸して旋回しながら眺めることのできる紀伊半島の全景。
伊豆諸島の火山地形。
房総半島に打ち寄せる大洋の波。

しかしなんといっても一番の眺めは上空から見る富士山だ。

冬が終わって春を迎えると夕方に羽田を離陸して大阪へ向かう飛行機は夕日の中を飛行するようになる。
すると、羽田を離陸した直後から遥か西方に富士の輪郭が夕暮れを背景にクッキリと浮かび上がってくる。
その姿はまるで錦絵の世界。
江戸の絵師たちが富士山をこよなく愛し、そして今日もなお多くの画家達がその題材に選ぶ富士山が現れてくるのだ。

先週の日帰り出張では最終便で帰るはずが予定が早く終わり「夕暮れ便」に乗ることができた。
しかも右窓際。
大阪へ向かうときは富士山を眺める絶好のポジションだ。
羽田上空はどんよりとした雲で覆われていて景色を眺めることができるのかどうか心配されたのだが、離陸して雲を抜けるとそこには夕日に照らされた雲海が広がっていた。
そしてその彼方には雲の合間から頭を出した富士山が。

少々厳しい仕事内容でクタクタに疲れていてもこの景色を見ると力が湧いてくる。

高度8000メートルから眺める夕日の富士山。
次はどんな姿を見せてくれるのだろうか。

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