東京五輪が閉幕した。
始まってみたら目が離せない、これまでで最高に盛り上がったオリンピックだったんじゃないだろうか。
なんと言ってもリオ大会はほとんど見ることがなく、まともに見たのは閉会式で日本が紹介される部分だけ。
競技は放送時間の関係もあって生でみることは一切なく、ニュースや新聞で結果を知るばかりなのであった。
もしかすると、真剣に見たのは1984年のロサンゼルス大会以来だったかもしれない。
毎日のように金メダリストが誕生するその凄さ。
柔道はもちろんのこと、スケートボードやソフトボール、卓球で金メダル。
スケートボードはティーンエイジャーの活躍もありアナウンサーの「真夏の大冒険!」のセリフが焼き付いてしまった。
ソフトボールの金メダルは野球の金メダルへの布石だったのかもしれず、また卓球でコロナ中国を退治してくれたのは競技に勝つ以上の痛快さを感じたのも正直なところだ。
最も驚いたのはフェンシングかもしない。
フェンシングなんぞ日本には無縁の存在ではないかとさえ、昔は思っていたのだがロシア相手に金メダルをとってしまうとは。
しかも準決勝では三銃士の本家本元フランスを破ったのも素晴らしい。
女子バスケや競輪の銀メダルは金の輝きを放っていると思う。
で、最後の最後に感動したのが、閉会式の入場行進曲。
昭和39年の東京五輪の入場行進曲が流れたのには思わず「おお!」と叫んでしまった。
昨年の朝ドラ「エール」のモデルになった古関裕而の作曲で前回の東京五輪では開会式に流れた行進曲だ。
私は自衛隊の音楽隊が演奏する「スポーツマーチ集」を持っていて、その中でも最も輝いている1曲がこの「オリンピック行進曲」。
日本の行進曲の中でも最も好きな曲でもある。
今回の東京五輪が始まる前に、
「同じ曲でもええんと違うのかな〜」
と密かに思っていたところ、馴染みのないゲーム曲のアレンジだったので新曲を使うよりも若干落胆したのは間違いなかった。
そこへ来て閉会式で「選手入場!」でいきいなりあのマーチ。
正直最高の演出で最高の楽曲だったように思う。
タカラヅカの皆さんによる「君が代」も開会式のものよりも遥かによかったが、それでもそれを凌駕する凄さがあった。
しかも驚いたことに古さがまったくない。
おおかた60年まえの曲だとは思えない、古関裕而の代表楽曲なのであった。
前回のオリンピックでこの行進曲を私はたぶん畳に座って白黒テレビで見ていたかもしれない。
なんといっても1歳と半年の年齢だったのでちっとも覚えていないのだ。
それでも後に様々なシーンで東京オリンピックの行進曲を聴くにつれ、札幌大会や長野大会の楽曲にはない、オーラのようなものを感じていたのだ。
古関裕而作曲「オリンピック行進曲」。
21世紀の名曲にもなった。