時々訪れる美術館というのがあって、そういうところはいい展覧会をしている。東京写真美術館。
国立西洋美術館。
東京都美術館。
兵庫県立美術館。
奈良国立博物館。
大阪市立東洋陶磁美術館。
といったところが私のお気に入りというところか。
この他に大山崎山荘美術館という民間美術館がある。
これは京都府と大阪府の府境の天王山にあるアサヒビールが運営する美術館だ。
アサヒビールは今でこそ本社は東京だがもともとは大阪の会社。
こういう風光明媚で歴史溢れる場所に美術館を置いているのだ。
ちなみにサントリーの山崎醸造所もこの近くにある。
この美術館のある山崎という場所は歴史的には有名なポイントが数多くある。
例えば信長の舅である斎藤道三が油売をスタートさせたところがここ。
駅前にその油を扱った神社が今も残っていて観光名所になっている。
そして天王山。
天下の分かれ目の場所でもある。
交通の要衝でもあり天王山と淀川の狭い空間に新幹線、JR京都線、阪急京都線、国道171号線が通っていて、川の向こうには京阪本線が走っている。その先は岩清水八幡宮だ。
このような場所になる大山崎山荘美術館は山の中腹にあるためものすごい急坂を登っていかなければならない。
年寄りや足の悪いものにはあまり便利な美術館ではない。
この美術館へ行くために阪急大山崎駅からJR山崎駅を経由して送迎バスが運行されている。
無料なのがいい。
昨日、私はJR山崎駅でこのバスを待っていた。
ここ2年ほど長年の出張生活が祟ってか膝変形関節症なる病に侵されており歩くとかなり痛いときがある。
昨日がそうなのであった。
で、バス停で待つこと30分。
行列の前の方で待っていたので先に乗れるワイと思っていたのだが、到着したバスはすでに満席。
「すいません。1人しか乗れません」
阪急の大山崎駅ですでに満員なのであった。
だったらJR山崎駅では乗せられませんよ案内ぐらいだせないのか。
私達10以上待っていた乗客はトボトボとJRの踏切を渡って急な上り坂を登山しなければならなかったのだ。
山崎周辺はこの季節、関東の鎌倉よろしく紅葉を見るためにワンサカ観光客が訪れる。
大山崎山荘美術館もその観光スポットのひとつなのだ。
しかし、私は無料とはいえ案内のずさんなバスシステムいささか納得できず、しばらくはいつもの通りサッポロビールを楽しむことに決めたのであった。