<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
宇宙エンタメ前哨基地



知らない間に始まって、知らない間に終わってしまった。

なんのことかというと大相撲5月場所。

「最近相撲、どうなんってんやろね?」
「さあ、みかけへんな〜」
「あれ〜、やっているみたいやで」

というのが我が家の会話。
テレビを付けるとスポーツニュースは大谷翔平をトップに、関西では阪神タイガースがそれに続き、サッカー、全米プロバスケ、卓球などが、それに続き、時間の関係なのか大相撲の結果が放送されるところを見たことがない。
それもNHKのニュースでも見ないときがあるくらいで、一体全体大相撲はどこへ行ってしまったのだろう。

国技、大相撲。

しかしWBCで劇的な内容で優勝してから日本の国技は間違いなく野球になってしまった感がある。
モンゴル力士で上位を占められる大相撲そのものが、報道機関をして魅力に感じられないスポーツになってしまっているのか。

いや、相撲は果たしてスポーツなのか?

テレビやラジオの対応はかなり正直なのかも知れない。


コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




昨年春。
かかりつけの病院で血液検査をしたところ、ある数値が良くないことがわかった。
いや、良くないことはずっと前からわかっていたのだが、悪い数値から下がらなくなっていたのだ。
以前は悪くなっても暫くすると良くなっていたのだ。

かかりつけの病院は病床数70床ほどの中規模病院で、外来患者も多く、地域に貢献している病院だ。
なんといっても院長が私の小中学校の同級生なのだ。
子供の頃に一緒に遊んだ仲なのである。
だから安心感がある。
ただし安心感と信頼感は別物であることは注意が必要だ。

主治医は院長ではない。
院長は外科医だ。
外科医が血液検査をするということはあまり聞かないので、当然、私の主治医は内科の先生なのであった。
この先生が血液検査の経過を見てひとこと。

「すぐに精密検査が必要です。これから〇〇病院へ行けますか?」

と言った。
これは私が暇に見えたから「時間がありそうなので病院紹介するね。」という意味ではない。
それだけ急を要するというシチュエーションなのだ。
〇〇病院はこの友人の病院からほど近い場所にあり、大阪南部でも信頼性の高い国立系の病院だ。
バス停にもこの病院の名前がついているぐらい地域では有名な大病院なのだ。
私の父も50代の終わりに心臓カテーテルの手術を受けたことがある。
その病院に早急にアポをとって紹介状持参で診てもらいなさい、というからにはただ事ではないのだろう。
カミさんにその旨メールを打ったところ、すぐに返事が戻ってきた。
その文面を見る限り6年前に肺がんの疑いで入院したときと同等のインパクトでかなりのショックを受けていたのだ。
「保険金が入るかも^^」
などと言うことはまったく書かれていなかった。
最近よく些細な喧嘩をすることがあるが夫婦関係はまだ円満みたいで安心した。

で、〇〇病院へ行くと血液採取が待っていて、CTではなくMRI検査を受けさせられた。
30分以上も「ウィーンウィーン、ガタガタガタ、ウィーン」という喧しいMRI検査を受けさせられたものの結果を知るのは1週間後だという。
MRIの結果はすぐに確認できるのかもしれないが、血液検査は分析に回さねばならないので即結果、というわけにはいかないのだ。

ということで私以上に心配しているカミさんを連れて1週間後訪れると、〇〇病院の担当の先生は悪い部位について懇切丁寧に説明してくれた上に、次の一言を付け加えたのであった。

「お酒、我慢しないといけません。飲んでも一週間にビール1杯程度で。」

いわゆる「ドクターストップ」というやつなのであった。
この一言で私のお酒人生は大きく変わることになった。
というか終焉(今のところ)を迎えることになったのであった。
この一言をカミさんと一緒に聞いたことがお酒終焉の最大の原因であることは間違いない。

この日から、酒を飲まなくなった。
「週一でビール一杯程度なら」
という主治医の一言よりも厳しい体制が取られたのだ。

保管してあった缶ビールと日本酒は料理酒になった。
得意先や知人には「酒飲めないんです」というとどのような噂になるのか心配だったので、とりあえず伏せた。
お中元でもらったビールも当然、料理に使われた。
プレミアムモルツやエビスをいただいたのだが、この少々高級ビールが実は料理の味を著しく高めることはポジティブな副作用として知ることができたのは良かった。
しかし、断酒して最初の3ヶ月のつらいこと。

いい料理が出てくると当然飲みたくなる。
そこを我慢してノンアルで行くので、周りのみんなは「????」となる。
私も飲みたいのだが、そこはぐっと我慢をして「明日、検査なんです」というような嘘をついてかわすことにしたが、周りが楽しそうに飲んでるのは情けないとうかむかつくというか。
そんなこんなで飲み会への出席も断るようになってしまったのであった。

そんなこんなで1年が経過。
半年前の検査では相変わらず数値は芳しくなかったのだが、先月実施した検査で、なんと主治医の先生が、

「数値、まだ高いですけど標準内になりましたね」

と自分のことのように笑顔で診断。
私もカミさんも思わず笑顔。
もう、通常値には戻ることは難しいと言われていただけに驚きでもあった。

「で、お酒は週1ぐらいですか?」
と訊かれたので、
「全然飲んでません」
と答えた。
「そりゃすごい。なかなかできないんですよ。患者さんは。」
「はあ」
「数値がもとに戻ってきたので」
「飲んでもいい?」
「いや、断酒、続けてください。もう飲むのは終わりですね」

断酒の効能。
健康にはいいが、精神的にはかなり厳しいものがあるのも正直なところなのだ。


コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




「おいしくしたい。ただそれだけ」

最初の一言でおそらく95%ぐらいの関西人はひっくりがえって、たぶん緑茶買うなら「おーいお茶」になってしまうだろう。
で、なんのことかというと伊右衛門のCM。

伊右衛門といえばサントリーの緑茶。
サントリーといえば本社は大阪。
つまり関西の企業だが、その関西の企業が展開する緑茶のCMで「えせ京都弁」が使われている。

これって結構大きな驚きなのだ。

出演は本木雅弘と永野芽郁。
両者とも東京都出身。
永野芽郁の実力は知らないが本木雅弘は演技力では定評がある。

そのこの二人が向かい合ってお茶を飲み、話している。
そのイントネーション、言葉遣いがすべておかしい。
もしかして、このへんちょこりんな京都弁を語らせることで視聴者に印象付けを図っているのか。
制作者側の意図はよくわからないが、これを見させられる関西人はどのように感じているのか。

サントリーのスタッフはわからないのだろうか。
それとも「売れたらええねん」というような思想なのだろうか。

二代目社長だった故佐治敬三氏が見たら腰を抜かしそうなその演出。
「企業は文化に貢献する」という思想そのものがこの会社から失われつつあるのではないかと疑ってしまうものがある、嫌なCMだ。

真面目に下手くそをすると、こういうCMになるという代表選手みたいで、まだ放送されているところを見ると、地上波はあまり見ない時代だけに誰も指摘しないのかもしれない。


コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )




誰も言わないけど前作の「舞い上がれ」の出来がひどかっただけに、NHK朝ドラ「らんまん」はその逆落差が面白い。
私は今度のは毎回NHKプラスで鑑賞しているのだ。

そもそも朝ドラは現代を舞台にしないほうが面白いものが多い。
イメージが広がるからかも知れないし、いやに現実味を感じてシラケることも少ない。
時代が異なると作る側にはある程度の創作の余裕が生まれ、見る側にはファンタジーとしての映像の魅力を無理なく感じさせることのできる膨らみが生まれるのだ。

それとちゃんとした方言を話せない役者がいるドラマは見るも無残。
その他の地方の人は楽しめるかもしれないが、当該地方に住む人には違和感ありありになってしまう。
「舞いあがれ」の大阪弁は悲惨なのであった。

そこんところからすると今回の「らんまん」はなかなか上手いスタートを用意していた。
土佐弁の達者な高知市出身の広末涼子を母親役に据えて、度々CMなどで口にしていた彼女の自然な高知弁が視聴者が持つかもしれないドラマに対する言葉の不自然さ払拭。
しかも歴史ファンタジーとしては坂本龍馬を登場させ、それを五代友厚役者であるディーンフジオカに演じさせたことだ。
このスターの起用と方言の自然さ、ファンタジーで一気にドラマの世界を魅力あるものにした。

すでに放送が始まって1ヶ月半。
主人公も普通ではない個性に魅力があってシリアスではなく、どこかコメディの要素があることも全体に雰囲気が明るくなっているのが、これまたいい。
実際の主人公はこの先すぐに実家の破産や東大での研究妨害などに遭遇するはずだが、今の明るさでどう展開していくのか。

ちょっとした毎日のささやかな楽しみではあるのだ。




コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )