右手の緑豊かな丘は一昨年閉園したみさき公園に隣接するゴルフ場と元公園の一部。
ここに海辺を走る道路があることを今回までちっとも知らなかった。
たまたま深日港から自転車が走りやすい道として海沿いを走っていると、他のサイクリストが走るのに出会ってここがどうやら大阪方面に通じている海辺の裏道であることを知ったのだった。
それにしても穏やかだ。
自転車を止めて防波堤で食事をしている人もいる。
路面はところどころアスファルトが朽ちていてガタガタだけれど、走り感覚は悪くない。
レースをするような人には悪い路面かもしれないが、ノホホンサイクリングで100kmを目指す私のような者には路面も大切だが、この海の風景がすべてを良いものに変えてくれる。
道路はしばらく人家のない海と緑だけのところを走っていたが、やがて淡輪地区に入った。
海辺の町並みが広がる。
ここには大阪屈指のヨットハーバー「淡輪ヨットハーバー」がある。
私にもここにボートを係留している知人がいる。
静かで、それでいてなんとなく晴れやかで、そんでもって現実世界と少しく離れているヨットハーバー。
昨年、単独太平洋横断にチャレンジした元読売テレビのキャスター辛坊治郎も拠点にしているヨットハーバーでもある。
幹線道路に向かって淡輪の海辺からは上り坂。
南海本線の踏切を渡りヨットハーバーからの道路と合流すると、旧国道26号線との交差点にでる。
このだらだらとした上り坂でも順調な走りだった。
休憩でにじみ出そうになった疲労感は引っ込んでいた。
旧国道26号線のこのあたりは緩やかなアップダウンが繰り返される。
丘の高いところでは海が見える。
そしてやがて箱作地区に入る。
ここには地元では有名なピチピチビーチがあり、多分加太同様に賑わっているだろう。
このあたりはたまに自転車で来ているエリアで、いよいよ見慣れた光景が始まった。
鳥取ノ荘駅手前で旧国道26号線から紀州街道に入る。
自転車で走るには自動車がやたらと多い幹線道路よりも江戸時代から続く狭いが古い町並みも楽しめる街道沿いを走るほうが安全だし、快適だし、景色もいいのだ。
ときどき家々に挟まれた狭い路地の向こうに海が見えるのも素敵だ。
大阪最南端の造り酒屋 浪花酒造のある尾崎駅前を通過して橋を渡り、樽井駅前に至ったときから右足の親指の付け根が痛くなってきた。
私は自転車にはスニーカーで乗っているのだが、このときに履いていたアディダスのスニーカーが若干窮屈だった。
今回の長距離ライドではこのところだけが若干不安だった。
このスニーカーはネットで選んでお店で買って、倉庫から自宅に送ってもらった、というプロセスだけを見るとめんどくさそうな買い方をした商品で、履かずに選ぶと、足に合いにくいものを買ってしまうという代表選手みたいな靴なのであった。
だから歩くと痛いかもしれないので自転車で使うようにしているが、やはり痛くなってしまった。
ここまで何ら問題なく来ていたので終点の我が家まで持つだろうか。
そう思ったその矢先に足が少しむくんできたのだろうか、痛くなってきた。
樽井駅前のロータリーで止まって靴を脱ぎ、紐を緩める。
痛さはマシになったものの、やはりズ〜〜〜ンとなんとなく痛い。
自宅まであと20km前後。
痛さもそこそこに無理をしない程度で少しスピードを落として走ることにした。
この樽井駅の海側にはりんくうイオンモールがある。
駅からは少し離れていて、どちらかというと自動車で行くところだ。
さらにモールから臨海道路を挟んでさらに浜側には"せんなんロングパーク"という米国西海岸を彷彿とさせる府営のビーチ公園がある。
ここにあるスターバックスが私の最もお気に入りのスタバだ。
このブログでも紹介したことがあるけれども全国で唯一、水着のままでビーチから入れるスターバックスで、店からは大阪の海が見渡せる。
沖縄にもない海直結のスターバックスが何故か大阪にある。
そのことが面白い、ということもあるが関空はもちろん、遠く明石海峡大橋まで見渡せる眺めが絶景なのもいい。
でも、今回はそこには寄らず一路北へ。
自宅に向かって紀州街道を進んでいった。
それから約1時間。
無事帰宅したら走行距離が100km。
初めての100kmライドは無事完了で、驚いたことに少し体力も残っていた。
冬場に折りたたみ自転車で紀ノ川沿いを46kmちょいを走った時よりも疲れていなかったのだ。
痛くなった足もぼちぼち(=関西弁で気にしない程度の意)。
iPhoneのサイクルコンピューターアプリによると平均速度は20km/hちょっとなので、まずまず優秀やの、と自分で満足した。
クロスバイクで、しかも入門レベルの安価なクロスバイクで100kmは走ることができる。
安価なといってもルイガノのバイクなのでアマゾンで売っているなんちゃってではないのでそこそこ丈夫だし、走りも悪くない。
課題としては重いこと。
でも重量は上り坂と向かい風、加速のときに不利になること以外は案外、マイナスにならないことも100km程度の走りでは、わかったのだ。
ただし、ルートの計画は大切だ。
今回は大阪側からなだらかな坂を登って和泉葛城山越えをして急な和歌山側の坂を降り、海をまわって、というルートをとった。
これが逆だったら多分、大阪へ向かって登る急な坂をちゃんと登れたかどうか正直自信はないのだった。
ともかくGWを午前の一時。
春の陽気を快走した100kmなのであった。
おしまい