NY市場でついに1ドル148円台に突入した。
あれよあれよという間に日本の価値が想像以上にガタガタになっているような気がする。
「円安は悪いことばかりではない。輸出産業が潤う」
という人もいるが、今どき輸出産業に関連して儲けられる業種がどれほどあるのか。
そもそも家電も電気も自動車も部品も食品も何もかも、多くの工場、農場を海外、とりわけ中国に移したのはどこの誰?
円安で潤うと言っている人は脳みそだけまだ1980年代を生きているのかも知れないと思ったのは言うまでもない。
例えば私の知っている大阪市守口市の樹脂屋さん。
初めて会った時、
「パナソニックの仕事で忙しいでしょ?」
と訊いたところ、
「パナソニック?そんなものあるわけないでしょ。今はみんなあそことは取引せずに頑張っています」
と言うからびっくりしたものだ。
大阪府守口市、門真市はパナソニックの城下町と言われていて、京阪電車の西三荘駅は「松下前」の別名もあった。
ところが今や地元企業はパナとの取引はほとんどなく、独自の方法で生き残っているのだそうだ。
同じように他の日本企業の多くも海外生産で生業を立てていているから、円安になるとむしろ「自社商品の輸入にかかるコスト」がアップする。
時代はもはや、円安だから輸出に有利とはいかないわけで、原発止めたまま電気も作っているほど現実を見ないから燃料代も高騰。
なにもかも必要以上高くなっている。
円安でいいことは殆どないといっても良いかも知れない状況だ。
今年のはじめ110円台だった円の価値。
一年もしないうちに40%以上も下落しているわけで、これでいいという理由がよくわからない。
とはいえ金利を上げるわけにもいかず、財務大臣も鈴木さんなので期待はあるわけない。
親父さんがあの善幸元首相だけに、何もできないんじゃないかと頼りないことこのうえない。
そういえば1ドル100円割って大騒ぎになったのもいつのことか。
あまりの円高に「国が潰れる!」とパニックになって民主党政権が崩壊した。
で、安倍政権で立て直したものの、今度はあまりの円安に「国が潰れる!」となって岸田政権が崩壊しても、もう安倍晋三氏はいない。
どうするどうする。