先日の京都・清水あたりの散策に引き続き先週末は嵐山へ行ってきた。
理由はまたまた、
「インバウンドが途切れている京都を見たかった」
から。
中国人や韓国人の旅行客の姿が消えて、
「京都へ行くなら今がチャンス」
と思っているのはネットを見る限り私たちだけではなかったようだ。
多くの人々が「京都奈良へ行くなら今しかない」と断言している。
私も今がその機会とばかり静かな嵐山や嵯峨野の竹林を散策しようとカミさんと二人で十年ちょっとぶりにこの京都の著名な観光地を訪れてきたのだ。
そして少しでも地元観光地に貢献したいと思い訪れたのは言うまでもない。
で、「空いている」という予想はある意味大外れなのであった。
静かな嵐山。
風にそよぐ竹林。
その竹林の隙間からキラキラと降り注ぐ淡い春の光。
そんな嵐山を想像して出かけたのだが、嵐電嵐山駅を中心に想像を超える多くの観光客で賑わう嵐山がそこにあったので大いに驚いた。
但しほとんどが日本人観光客。
外国人観光客も少なくないが韓国語や中国語を耳にすることは全くなかった。
さらにスーツケースをゴロゴロ転がして移動する集団が皆無なのは正直快適でもあった。
それでも観光客はピーク時に比べて格段に少なく団体客を相手にしている店舗ではディスカウントが行われていた。
「これ、コーヒー付きで1000円税込みです。どうですか?」
と言われて駐車場で受け取ったチラシには京湯豆腐の和食セット。
普段は1500円税別で提供されているものが1000円税込み。
しかもいつものなら追加300円のコーヒーが付いての値段であった。
2000円相当が半額ということもあり、丁度昼時でもあったので腹がへっており早速食べることにした。
案内されて入ったレストランはまさに団体客向け。
ここ数年内にリニューアルしたばかりと思われる真新しいレストランの中は数百席の座席を備えているが客はまばら。
私たちが入った時は話している英語のアクセントからアメリカ人と思しき8名ほどのグループ客と年配のカップルがいた。
窓からは桂川が見下ろせ、渡月橋もバッチリ。
こんなロケーションでお客さんが満席にならない今はきっとかなり厳しい状況なのだろう、と思った。
出てきた湯豆腐のセットは京豆腐がまるまる1丁が小鍋に入っていてテーブルに内蔵されたIHプレートでぐつぐつ温めてポン酢でいただくという本格的なものだった。
「美味い!」
とカミさんも私も大満足であった。
気がつくと私達のように価格につられて入ってきたと思しき人達でテーブルは6割から7割の入りになっていたのだった。
しばらくすると一組の東南アジア系と思われる一家が入ってきた。
中韓はいなくても他のアジアからの観光客はいるらしい。
と思っていたら、その家族の子供が、
「なんか修学旅行で行くレストランみたいやん」
「そうやな」
とみんな日本語で、しかも関西弁で話していたのであった。
外国人には違いないだろうが日本に長年住んでいるとしか思えない外国人一家なのであった。
観月橋はインバウンドで外国人が溢れていた頃は個人で写真が撮りにくいぐらい混雑していたというが、今回は混雑はしていてもカミさんとのツーショットなどは取りづらくない混雑さ。橋の交通量もほどほどで渋滞はなかったのであった。
暇そうで気の毒なのは人力車の人たち。
待てどなかなか財布の紐の硬い地元日本人観光客が多いため、開店休業の雰囲気が漂っていた。
売店やカフェ、レストランなどはそこそこの混み具合で土曜日ということもあるのか行列のできているお店もあった。
とりわけ嵐電嵐山駅からJR嵯峨野線の踏切までのメインストリートにあるカフェは満席のところが少なくなく来客の少なさに困惑という感じでもないのが印象的なのであった。
とはいえ嵐山。
本来ならもっと多くの人々が観光に訪れるところなのだろう。
コロナウィルスの騒動はいつ収まるやら。
一つ言えることは、今の京都はやはり本来の静かな観光にバッチリの雰囲気を持っていることは間違いない。