消費期限の過ぎたものだけではなく、加工途中で床に落としたものや腐りかけのものを薬品で処理したものを平気で出荷していたことがわかったマクドナルドとファミリーマートの中国にある鶏肉原料供給会社。
上海福喜食品。
被害を受けた2社だけではなく、外食産業全体に与えた消費者の不信感は当分払拭することができない。
中国企業は罪な集団だ。
ところが入ってくる情報を見てみると罪なものは中国企業だけではなく、日本の外食企業にもあるのだと気付かされる。
法律では外食の材料の産地を表示しなくていいそうだが、そのルールを逆手にとって、なんでもかんでも安いものを輸入して国民に食べさせている外食産業の実態が浮かび上がってきたのだ。
中国リスクをあまりに安易に考えて経営しているその姿勢に、おめでたいとしか言いようの内状態になっている。
例えば、今週の週刊文春や週刊新潮を読んでいると「このチェーンなら大丈夫」と思えるところが殆ど無いことに驚きを禁じ得ない。
「餃子事件以来中国由来の食材を一切使用していません」
と宣言しているのはコーヒーチェーンのベローチェともう一社だけ。
あのスタバもサンドイッチのチキンは中国産。
マクドと反対のコンセプトと思っていたモスバーガーもチキンと玉ねぎやきんぴらの原料は中国産。
ケンタッキーも鶏肉こそ国産鶏だが、一部の原料は中国産だった。
正直、かなり裏切られた気持ちだ。
最近スーパーの生鮮食品を見てみると「中国産」は殆ど見かけず、冷凍食品の材料に一部見られるだけ。
でも、「原材料 中国産」の文字を見ただけで買う気が失せて手にとったパッケージを冷凍庫に戻すのは私だけではないだろう。
買う人がいないのでスーパーも中国産をほとんどおかず、国産を探してきて販売している。
スーパーをみる限り生鮮食料品の国内自給率は9割以上。
マスコミや農水省の発表がウソに思える自給率の高さだ。
そもそも「安けりゃいい」という考え方がバブル崩壊以降の日本には充満していて、安全よりも安さを求めるばかりに変な食材を買い込むことになった。
でも学習すると「安全」は「お金を出して買うもの」というのがよく分かる。
海外からの輸入食材は中国産だけではなく他国でも問題が発覚。
ベトナム産のシシャモに殺鼠剤が混入していたり、ずっと以前だがタイ産の米に煙草の吸殻やゴミが混じっていたなんてことも無くはなかった。
中国産じゃないから安心、なんてことが絶対ないという証拠かもしれない。
安心して食べるものは目の届く範囲の畑や牧場で育った農産品。
畢竟、割高になるのは仕方がないとして、それも倍も二倍もするものじゃあるまい。
水と安全はただと思っている日本人、という言葉があったが、食の安全も同じであることがよくわかった昨今のニュースなのであった。
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