<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
宇宙エンタメ前哨基地





仕事ばかりの生活をしていると頭がヘンになってくる。
仕事は生きていくためには必要不可欠な要素だが、心の毒にもなる。
棄権な存在だ。
このため解毒剤として様々な試みをこれまで行ってきた。

まず英会話。
英会話を始めたのは20代後半のまさに仕事中毒になっていた時期で、毎週英会話スクール出会うヘンなクラスメートと友達になり、ヘンな豪州人講師と友だちになり、随分と気分転換をすることができた。
この英会話はなんとか身についたので、海外旅行もあまり困らず、さらに仕事で外国人と話をする時も、そこそこコミュニケーションが取れるので実用的でもある。
外国語を習うことは異なる文化に接すること。
ちょっとした知的好奇心を満足させるとともに、考え方に修正を加える事ができるのですこぶる優れた解毒剤といえよう。
ただ、費用がちとかかるのが欠点だ。

数年前。
知り合ったデザイナーさんの紹介で陶芸を始めた。
そこは面白い陶芸教室で、先生は生徒の作るものに対して大きく口を挟まず、自由に作らせてくれるのだ。
その結果、最初は使い物にならなかった作品しか作れなかったのが、数ヶ月後にはアートを含んだなかんか粋な感じの食器が作れるようになり、今もその幾つかは我が家で使用されているの。
しかしその陶芸教室がほとんど京都府といっていいような大阪府内にあり、大阪南部の私の家からは自動車で1時間以上かかることもあり、足が自然と遠のいてしまったのであった。
もちろんコストもそこそこ必要なのであった。

何かを作る。
異文化を知る。

これらはとっても大切なことで、仕事だけの生活をしている砂漠のような人生に、ある種オアシスのような効果を与えてくれる重要な生きるためのエッセンスである。

そんなこんなで何かしなければ頭がヘンになってくると思っていたところで最近思いついたのはDIYなのであった。

Do it yourself。
日本語で日曜大工。

もともと物を作るのが大好きな私はこれmでにも簡単な棚などを作っていた。
その都度、
「なんなん、これ?」
とカミさんの冷たい眼差しを受けていたのだ。
製作に自信があったとしても、まともな道具を持っておらず、その辺に転がっていた材料を適当に組み合わせて作っていたため、グラグラの棚やホームレスの持ち物ではないかと思えるようなキッチュなデザインのボックス家具などしかできなかったのであった。
「大丈夫?」
と心配そうに見つめる家族の目に、
「迷惑や」
「もうやめて」
「お父さんの実力は、もうわかりました」
という哀れみが含まれており、正直ものづくりに自信を持っている私としては大いに不本意な状況なのであった。
なぜなら、私は会社ではマーケティング及び製品企画のプロなのであるからにして。

この夏。
一大決心をして必要な工具を揃えることにしたのだった。
家族にバカにされないよう、私のものづくりの実力を見せるためにも、もらった賞与からのお小遣いを使って電動工具を買うことにしたのだ。
まず何を買うのか考えたが、やはり主要に使う工具を買わねばなるまいと思い次の4点に絞り込んだ。
・電動ドリル
・ジグソー
・トリマー
・電動サンダー
最後の電動サンダーだけは省略しようかと思ったのだが今更紙やすりを持ってゴシゴシ磨くのはかなわんと思い思い切って購入することに決めたのであった。
またレーザー加工機やNCルーター、高性能3Dプリンタなどは小遣いでは買えそうにないので諦めることにした。

次にどこのメーカーのものを買うのか。
小遣いで簡単に買えそうなのは聞いたこともないようなメーカーの中国製のものであった。
ドリル1つが2000円台。
安い。
安いけれども修理はできそうにないし、カタログスペックを見るとトルクは弱いわ、ネットの口コミを入ると「使い始めてすぐにモーターが焼けきりました」と書いてあったりで、すぐに価格だけで購入するのは思いとどまった。
だからといってマキタ製の高級電動工具を購入するのはゴルフを始めるからと言っていきなり80万円もするセットを購入するオメデタイ人と同じであるし、そんな金も無いので無難なものを選ぶことにした。

そこで購入したのが日本の標準的メーカーであるリョービ製のインパクトドリル、トリマーと、ドイツの名門ボッシュのジグソー、そしてどこのメーカーか聞いたこともない中国製のサンダーなのであった。
尤もリョービは日本のメーカーながら製品は中国の工場製で、ドイツのボッシュも、実はハンガリー製なのであった。
しかし、いずれも立派な一流メーカーだけあってしっかりとしたDIYからプロの職人さんまで使えるものであった。

お盆休み。
早速購入した電動工具を使ってタオル収納用のボックスを作ろうと桐材を買ってきて取り掛かろうとした。
ところがよくよく考えてみると電動工具だけで加工ができるわけではなく、ドリルやトリマーにはキリかチップが必要で、ジグソーには鋸歯のブレードが必要なのであった。
さらに穴を開けるだけではなくあけた穴にボルトを通した後にボルトを隠すための穴埋め用のキリも必要であることに気づいた。
これらのうちブレードはボッシュのセットについていたので初回は助かったが、穴隠しのキリやトリマーのチップはなんと一個1000円以上するもので、必要な物を揃えようとしていたら電動工具1台分の費用は簡単に吹っ飛んでいくことがわかった。

DIYも英会話や陶芸と同じようにかなりの費用がかかることが分かったが、いずれも一度始めてしまえば、そこから学んだテクニックは自分の資産になることもよくわかったのであった。
2日かけて作ったタオル収納用ボックスを見た娘は私に尊敬の眼差しを向けてきた。
カミさんは腕を組んで、そしてニッコリと笑った。

高く付いたが、なかなかいい出だしになったDIYなのであった。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




「あの人とは、友達以上、恋人未満関係やねん」

などと言いながら、いつまで経っても結婚しない人々が多いのが昨今の日本の社会事情。
私もかつてそんなひとりだったのだが、その「◯◯以上、〇〇未満」という言葉に「中途半端な関係だ」という意味合いが含まれていることには、あえて誰も踏み込まない。
一種のアンタッチャブルになっているのだ。

今デジタルカメラ業界はミラーレス一眼カメラが話題になっているが、これこそ「コンデジ以上、デジイチ未満」という中途半端なコンセプトになっているのだが、これについても誰も深く踏み込まないところを考えると、一種のアンタッチャブルになっているのかも分からない。

今売れ筋だし。
根本的なところを突かれるのはメーカーも販売店も誰も望んでいないことなのだろう。

で、このミラーレス一眼カメラの何が中途半端かというと、コンセプトが中途半端な上に、撮像素子のサイズが中途半端なのだ。

先週発表になっていきなり話題をさらっているカメラにニコンのNikon 1というミラーレスカメラがある。
このカメラはNikonユーザーの私からみても、なんとなく中途半端。
ミラーレス一眼というからには、一般的なデジイチと同等の機能がなければならないのに、撮像素子が小さいばかりに中途半端な状態になっているのだ。

正直、レンズ交換のできるコンデジでしかないように見えてしまう。

撮像素子の大きさは、一般的なデジイチはAPSーCサイズ。
これに対し、ソニー製品を除きミラーレスはかなり小さい。
カタログをチェックするとNIKON 1は13.2x8.8mmしかない。
APS-Cサイズだと23.7x15.6mmだから、その1/4しかないのだ。
これではカメラの基本的な表現能力がどうしても「一眼レフと同じ」とはまったく言えない。

ミラーレスの先駆者であるパナソニックはフォーサーズといって、これもAPS-Cの半分ぐらい。
ソニーだけがAPS-Cサイズでミラーレスを実現している。

撮像素子が小さいと例えば被写界深度を調節して表現する「ボケ」の味が出しにくい。
Photoshopでデジタル的に加工して「ボケ」の味を出すのを良しとする傾向が多少ともあるが、そんなことを言っている人は「ボケ」に「ナス」を加えたいところだ。
このボケナス手法を推奨するのがミラーレス一眼の本骨頂ではないだろうが、カメラ好きの人にしてみれば、コンパクトで表現が良いというカメラは、例えばコンタックスGシリーズのようなものを求めているわけで、なんちゃってデジイチを買い求めたいと思っているわけではない。

ということで、友達以上恋人未満なら恋人がもちろん良いわけで、カメラにしてもコンデジ以上デジイチ未満であるのであれば、デジタル一眼がもちろんベスト。
もうちょっと工夫していただきたいメーカーさんたちなのでった。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )




ようやく新しいアップルのソフトウェア「iLife'09」と「iWork'09」を購入した。

いずれのソフトもアップルのMacを買うとはじめから付属しているソフトであるためMacユーザーであれば誰でも持っているソフトだ。
Windowsしか知らないユーザーには信じてもらえるかどうかは分からないが、この2つのソフトがあれば、プライベートと仕事でのパソコンの使用はだいたい問題がなくなるのだ。

とりわけiLifeは優れもので、これさえあれば従来は業者にお願いしないと作成できなかったような写真集やビデオソフトを自分で簡単に作成できるのだ。
プロのクリエイターの仕事を奪う、恐るべきソフトウェアということができよう。

実際、先月に発売された新バージョンは、iDVD以外の全てのソフトがかなり大きな進化を遂げていた。

iPhotoでは従来からある写真を名前や日付で整理する機能だけではなく、顔の認識、認識した顔を整理して名前を付け、Facebookなどで仲間と共有できる機能や、Google mapを使って撮影した場所を登録できる機能などが装備されているのだ。
これは正直言って写真の整理方法が大きく変わることだろう。

ビデオ編集ソフトのiMovieの進化はさらに凄いものがあった。
テーマを選んでトランジションをかけると、まるでプロダクションに注文したような素敵な映像切替えができるのだ。
完成した映像は売り物にさえなりそうだ(但し、自分の子供のビデオや結婚式、お葬式などのビデオは買う人がいないだろう)。
そんな新機能のなかで最も驚くべきものは「手ブレ補正機能」。
ビデオカメラなどには標準で装備されているような機能だが、すでに撮影したビデオのブレを計算で算出し、画像処理して揺れていない画面を作成する。
驚くべき機能なのだ。

正直、業者に頼んでもここまで作ってくれるとは思えない。

iLife'09。
1万円でおつりあり。

下手なクリエイターは失職する時代がくるかもしれない。

私はサラリーマンで良かった。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )