「最近の歌は何を歌っているのかさっぱりわからん〜」
と老人のようにボヤいている私に、
「ジジイみたいやな」
とカミさんは容赦なく指摘した。
そう、私はジジイかもしれないが、歌の歌詞がなんて言っているのか理解できないのは歳のせいではない。
なんのことを話しているかというと、NHK朝ドラ「虎に翼」の主題歌「さよーならまたいつか!」のことだ。
歌っているのは米津玄師。
私はこの歌の7割の聞き取りができない。
何を言っているのか理解できる言葉を頼りに前後関係を照らし合わせて想像しても理解できないのだ。
「だからそれはあなたがジジイだから」
とカミさんは宣うのだが、私は決して年齢のせいではないと思う。
正直、英語歌詞の70年代、80年代の洋楽ポップスなら8割は聞き分けられるのに、なぜ日本語の歌が聞き取れないのか理解できないではないか。
私が高校生の時、世の中はニューミュージックブームだった。
変な歌い方をするグループやシンガーも少なくなかった。
吉川晃司やサザンの桑田佳祐、もんたよしのり、森進一と良く聞かないと何を言ってるのかわからないような歌い方や声の質の人も少なくなかったが、聞き取れないというのはほとんど泣かなったのだ。
これは一体どういうことか。
近々、社会人になって働いている娘が帰ってくるので、
「おい、あれなんて歌っているか、わかるか?」
と訊いてみたいと思っている。
私の意見に賛成か、カミさんに賛成か。
重要な世代モーメントが迫っているのだ。
オリンピックのテーマソングも同じでこちらはyoasobiが歌っているもの。
子供達は聴き取りやすいのだろうか?
NHKはもっと基本に帰れと言いたい!
曲のテンポはおジャ魔女どれみの主題歌のようなリズムでスポーツイベントの音楽というよりもアニメかゲームの音楽という印象が強く、画面とのミスマッチが最大の欠点でした。
作り手及び発注元はもっとイベントの位置的価値や視聴者が何を期待しているのかを十分に理解する必要があったと思います。
オリンピック用の音楽というと私のようなオッサン世代には1984年ロス五輪の公式アルバムが記憶にあり、あのような瞬間瞬間を克明にイメージすることのできる音楽を望みたいものです。