インターネット広告、ビッグデータ、グーグルの隆盛、スマホ・タブレットの普及などなど・・・
十年一昔ならぬ3年一昔の時代・・・広告業界にも大きなインパクトをあたえています。
広告マンだった時代、老舗の広告代理店の万年社倒産、中央宣興倒産といったショッキングな出来事がありました。
わたしがいた広告代理店も、当時世界トップだった米国オムニコムグループの参加に入り外資系に・・・。
現在では、当時とは比べ物にならないほどの変化に見舞われている広告業界です。
そんな中、出された辛口の一冊。
広告ビジネス次の10年
横山隆治・栄枝洋文著 翔泳社刊 1800円+税

著者の横山さんはデジタルインテリジェンス代表取締役、栄枝さんは同社の取締役。
アサツーDKに所属されていたアドマン。
そういえば、旭通信社と第一企画が合併してアサツーディケイが出来た時も、かなり衝撃的でした。
一企の人たちはサバイバルできているのでしょうか?
同書のサブタイトルは、「データを制するものがビジネスを制す」。
経営資源であるヒト・モノ・カネ・ジョウホウのうち、「情報」の持つ価値が格段に高まってくるという、アタマの中では分かっていても、現実、何をどうすれば良いか変わらない、スピード感が最重視される時代に突入しています。
ネット、ビッグデータ、アドテクノロジーを駆使したマーケティングをどう進めるか?
それは、広告代理店のドメイン、カテゴリーを飛び越えています。
昭和の代理店であれば、リーチ、フリークエンシーなどで誤魔化せていたものは今では通用しません。
認知や態度変容、広告効果などを実証データとして、クライアントに提供できなければ、広告代理店の存在価値はありません。
◆目次
第1章 土俵際の広告「代理」店
第2章 データを制するものがビジネスを制す
第3章 データマーケティング時代の広告主
第4章 塗り替わる業界地図
第5章 明暗が分かれる日本の状況
第6章 次世代広告マンに必要なスキル
第7章 近未来予測
第8章 10年後の広告業界
第9章 広告主、メディア側から見た存在価値
以前、日本広告業協会(JAAA)が、広告代理店という名称を「広告会社」に変えようとしていた時期がありました。
タイムブローカー、スペースブローカーからの脱却を目指そうと言う動きでした。
博報堂も「マーケティング・エンジニアリング」というコーポレート方針を打ち出していたこともあります。
ただ、それらの動きは、業界全体に変化をもたらすことはなかったように思います。
これから、デジタル、ビックデータ、マーケティング、メディア、リテール、webを最適化したアドテクノロジー機能がない代理店は、どんどん淘汰されていくことになると思います。
同書では、二人の著者が、まえがきでストレートに広告界に意見するが、悪意はないことを前置きしています。
痛快な広告代理店批評・・・アドマン、マーケター必読の一冊だと思います。
同書でラインマーカーを入れたところを抜粋させていただきます。
広告マンの8割はいらない
デジタル音痴の経営判断は会社の死を意味する
マーケティングとは広告販促のことではない。マーケティングとは経営の根幹である。
広告主が素人だったので通用していた御用聞き営業マン
マーケティングの「通貨」はオーディエンスデータ
「総合広告代理店」は消滅した
売上の9割を「日本だけ」で稼ぐ限界
ネット広告の効果指標に、認知、態度変容が加わる
電博以外の広告代理店の衰退
ネット広告代理店という業態からの脱皮
黒船たちが再進出
コンペ形式で得られるアイデアはあくまで個別最適解
広告主の事業や顧客を知り尽くす
個人情報は預金と同じ、コンテンツやサービスを利子として返す
*巻末にある広告・マーケティング「用語集」・・・これは、なかなか勉強になるお宝です。