システム会社に勤める友人と話していたところ、何だか急に忙しくなってきた・・・との話。
仕事は増え、SEが足りない、たいへん・・・といった景気の良い話でした。
よくよく聞いてみると、来年1月から運用が開始される「マイナンバー制度」によりシステム変更の業務に追いつかないということでした。
このマイナンバー制度、「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」という法に基づき運用が始まります。
略して、「番号法」と言うのだそうです。
社労士会や診断士協会でも勉強会が始まっているとのことで、まずは本で予習することにしました。
人事・総務のためのマイナンバー制度
梅屋真一郎著 労務行政刊 2700円+税
◆目次
第1章 運用開始迫る!いよいよ始まるマイナンバー制度とは?
第2章 人事・総務業務の何が変わるか 番号対応に向けた作業工程表
第3章 Q&Aでわかる制度導入・運用に向けた必須ポイント
マイナンバー制度の目的は、公平・公正な社会を創り出す社会インフラを整えるというもの。
まずは、社会保障、税金の捕捉率を高めるために、社会保障番号、税関連の各書類に個人番号記載が義務付けられるというものです。
この導入で、どの程度の税収が得られるのかは分かりませんが、「クロヨン」とか「トーゴーサン」という税負担の不公平さが是正されるのは確実だと思います。
また、在職の年金や雇用保険の基本給付等も、モレ、ダブリがなくなり、より公正な社会保障制度を基礎づけることが出来ると思います。
個人番号は、12ケタ。今年の10月から行政から通知されるそうです。
この番号は、生涯同一。
どんな数字の並びなのか・・・ちょっと楽しみです(笑)。
「111111111111」「777777777777」といったゾロ目もあるんですかね~。
年金保険、労働保険、所得税、住民税、源泉徴収などは、すべてこのマイナンバーで統一。職安や年金事務所、税務署等に提出する書類には、マイナンバーの記載欄が設けられます。
人事、総務では、導入時のシステム変更や帳票の整備は大変でしようが、システムが動くようになればネット申請などとも連携して手続的には省力化されるようにも思います。
国が国民の情報を把握するために、ここまでやるのか?という疑問もあるのですが、もともとは民主党のマニフェストが起点となったもの。
個人情報の保護には万全をつくしていただきたいものです。
事実、この番号法は、個人情報保護法とも密接に関連しており、個人情報の漏えい防止のための罰則付の条項も盛り込まれています。
著者の梅屋さんは、野村総合研究所の未来創発センター制度戦略研究室長。
同書では、Q&Aも盛り込まれ、とても読みやすくなっています。
マイナンバーについて概要を知りたい方には、お勧めの一冊です。