日本橋三越前にミカドコーヒーという老舗の喫茶店があります。
珈琲とモカソフトが美味なこの店・・・素敵な喫茶店です。
このお店、ボクが学校を卒業して、初めて仕事を始めた広告代理店のそばにあります。
始業時間、午前9時30分・・・自分は、1時間前の8時30分に出勤し、先輩の机の上を雑巾で拭き、始業時間を待ちます。
代理店とは言え、体育会系ですね~。
今時、こんな新入社員はいません(笑)。
先輩、出勤。
「さあ、行くか!」ということで、ミカドコーヒーへ・・・。
ここで、1時間ばかり、雑談・・・そして、仕事の指示へ・・・。でも、8割が雑談デス。
今思うと、昭和の広告業界は、ノン気な時代でしたね~(笑)。
ミカドコーヒー・・・
当時は、いかにも木造というレトロな作りでしたが、その後ビルに建て替えたようでモダンな佇まいになっています。
美味しい珈琲を出すお店でしたが、第二の名物がモカソフト!
コーヒーの香りのするソフトクリーム・・・。
でも、社会人になり・・・大人だもん・・・という理由で、この名物モカソフトは食べないという信念がありました(笑)。
その頃、ミカドコーヒーで、先輩から教えていただいた人生訓は、今でもはっきり覚えています。
その先輩は田村正和に似た超イケメン・・・銀座でもモテモテでした。
先輩曰く・・・
「アドマン(広告マン)の基本は三つ・・・熱意、創意、謝意!」
「スピードが命!多少間違っていても、まずはスピード!」
「嫁さんをもらうんなら、三つの条件が必須。明るくて、健康で、料理が上手なこと!」
「雨の日や嵐の日にクライアントに行け。他の代理店が来ないから。」
「一流のものに触れろ!飲み屋でもレストランでも、ブランドでも、人物でも、とにかく一流のものに触れろ!」
「歌舞伎は観たか?狂言を見たか?源氏物語を読んだか?」
「20歳代は、貯金しなくて良し。全部、自分に投資しろ!」
「社内のアルバイトの女に手を出すな。どっかの役員や宣伝部長の娘さんだから・・・。責任を取るなら別だけど・・・」
「本を読め。雑誌を読め。日経を読め。」
「お客さんのワンブロック前でタクシーを降りて走れ。汗だくの君に、クライアントは感動するから」
「視聴率やリーチ、フリケンシー・・・数字に強くなれ」・・・などなど
先輩からいただいた人生訓は、今でも、しっかりと覚えています。
今頃になって、人生経験を積んで、やっと分かってきました。
ただ、若い人には、そのままストレートに言わないよう、気をつけています。
今の時代、言ったとたんに、「ウザい」親父になっちゃいますからね・・・。
熱血指導は×・・・ロジカルコミュニケーションが求められる住みにくいご時世です(笑)。
ミカドコーヒー・・・
青春時代を思い出す・・・素敵な喫茶店です。