大分県中津市。
黒田官兵衛や福沢諭吉ゆかりの地。
それが、今では「からあげの聖地」として、活性化しています。
市内には、15店以上のからあげ店があり、味を競い合っています。
骨付き、骨なし、むね、もも、手羽先、手羽元、もも唐、砂ずり、なんこつ等バリエーションも豊富。
今まさに、中津市民のファストフード、ソウルフード。

平成22年に「聖地・中津からあげの会」が発足。
マスコミにも取り上げられ、町の活性化に大きく貢献しています。

本当にうまい(美味い)戦略だと思います。
全国各地に名産・名物はあるものの、中津のように、かなり意図的に全国展開できるパターンは少ないように思います。
いくつかの地産の名物・名産を活かして、町おこしするための条件を考えてみました。
1.地元産のユニーク、オリジナルなリソース(資源)があること。
2.ネーミング、打ち出しかたにオモシロサがあること。
3.その取り組みが、地元マスコミ(新聞社、テレビ局)への発信力があること。
4.地元の商工会、商工会議所、JA、行政などを巻き込んでいること。
5.だれもが知っている素材であること。B級であること。
6.できるだけ多くの会員が獲得できる組織を作られていること。
7.道の駅、地元の小売流通などへの商流、チャネルがあること。
8.web、ネット、SNS等での発信力があること。
9.どこかに手作り感、素人ぽさが残されていること。

全国区のB1グルメでも、やきそば、お好み焼き、ホルモン、たこ焼き、ラーメン、うどん等、誰でも知っている・・・食べたことがある一品が中心です。
つまり、これらのB級グルメに地場産の名物を組み合わせ、それが差異化され、ユニーク・・・そして、本当に美味しいということがスタート地点。
この順列・組み合わせが、キモ。
そして、その起点は、地元の若い人たちの創造性と行動力。
彼彼女たちの熱意と情熱なしには、町おこしは不可能だと思います。

イノベーションを起こすのは、3種類の人材と言われています。
若者、馬鹿者、よそ者・・・
それらをいかにまとめていくか・・・ここが最大のポイント。
ワークショップやシンポジウム、研修や研究会・・・
マネジメント的な方法論はいろいろあるのですが、現場でいきなりこれをやると空中分解を起こします(笑)。
まずは、若者、馬鹿者、よそ者が集まって、お茶会や飲み会をやってみるということが出発点のように思います。
(参考)
「聖地中津からあげの会行動指針」
1.我々は、からあげ文化の担い手であり、地域社会に貢献する
2.中津からあげブランドの向上と継続のため、味の練磨・探究に努力する
3.中津からあげを全国にPRするため、イベント出店・催事出店・メディアPRを積極的に行う
4.中津からあげの会の一員として自覚と誇りを持真摯な態度で良き人間関係を築く
自分たちで、「聖地」というのも、???ですが、それぐらいの気概、情熱がなければ、前には進みませんよね。