商品説明
いま求められているのは“世界観=物語と未来を提示する力”だ! 感性と知性という2つのスキルをつなげ、新しい価値を生むためには、どう考え、どう働けばいいのか。水野学と山口周がこれからの日本のビジネスを語り尽くす。【「TRC MARC」の商品解説】
クリエイティブディレクターの水野学氏、著述家の山口周氏による白熱対談!
“今の社会で何が価値になるのか?”をとっかかりに、水野氏、山口氏のお互いの専門分野から、現代の企業、経営、アート、文化など、さまざまなことを語り合う。最大の価値となるのは「世界観」。それは、我々がいる世界(=社会)はどんなものかを認識し、今後ある世界はこうだという提示できるということ。知性と感性を融合させた“ビジネススキル”である。
ポイントは「意味をつくり、価値を転換させる」「物語をつくり、シーンを演出する」「文脈をつくり、情報表現を適正化する」の3点にある。
ビジネスとクリエイティブを、うまくつなげ、変化の多い現代でどう考え、どう働いたらいいのか。いま最も注目の二人による白熱対談!
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
水野/学
クリエイティブディレクター/クリエイティブコンサルタント。1972年、東京都生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業。1998年、good design companyを設立。ブランドや商品の企画、グラフィック、パッケージ、内装、宣伝広告、長期的なブランド戦略までをトータルに手がける。主な仕事に相鉄グループ全体のクリエイティブディレクション及び車両、駅舎、制服等、熊本県「くまモン」、三井不動産、JR東日本「JRE POINT」、中川政七商店、久原本家「茅乃舎」、黒木本店、Oisix、NTTドコモ「iD」、「THE」ほか。2012-2016年度に慶應義塾大学SFCで特別招聘准教授を務める。The One Show金賞、CLIO Awards銀賞ほか国内外で受賞歴多数
山口/周
1970年、東京都生まれ。慶應義塾大学文学部哲学科美学美術史学専攻、同大学院文学研究科美学美術史学修士課程修了。電通、ボストン・コンサルティング・グループ、コーン・フェリー等で企業戦略策定、文化政策立案、組織開発等に従事した後に独立。現在は「人文科学と経営科学の交差点で知的成果を生み出す」をテーマに、独立研究者、著作家、パブリックスピーカーとして活動。現在、株式会社ライプニッツ代表、世界経済フォーラムGlobal Future Councilメンバーなどの他、複数企業の社外取締役、戦略・組織アドバイザーを務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
日本の全てのビジネスマンに読んでもらいたい名著だと思う。
これまでの日本のビジネス、社会は高度経済成長からの延長にあることは耳にタコができるほど聞く話だが、つまりそれはどういう思考なのかよく伝わってくる。
WEBの登場がさらに「役に立つ」に拍車をかけてしまった今、「意味がある価値」をつくることを求められている。
本書には世界観をつくる訓練についても言及されているが、文化を学び直すこと、本質を自分の頭で考えることが大事だと思う。
新しい時代で生き残れるのは、本書に書かれている世界観をつくることができる企業だ。
『ニュータイプの時代』でご自身の考えの集大成となる著書を2019年に出された山口周さんの
対談本です。経営学者である楠木建さんに続き、今回はクリエイティブディレクターと
して著名な水野学さんとのセッションです。
前回の楠木さんとの本もよかったですがやや遠慮が見受けられました。水野さんとのやりとりは
同世代の二人が忌憚のない意見を自由に交わされており、まさにライブ感のある仕上がりに
なっています。
本書は、山口さんによる「正解を出せる人」よりも「問題を提起できる人」が希少化しつつあり
「新しい世界を構想する力」を組織が失ってきているのではないかという提起からはじまります。
本論は、まさに二人の知的即興対話の応酬です。
たとえば、
・役に立つ価値(文明)から意味がある価値(文化)へ
・役に立つモノの時代からコトの時代を経て、意味があるモノの時代になる
・意味があるを見つめるためには、市場調査ではなく観察すること
・説得の時代から共感の時代へ
・観察し続けること自体が才能
・千利休の「不足の美」
・マズローの「自己超越の欲求」
など、その広がりに圧倒されました。
そのお二人が、というかそのお二人だからこそ行き着いた先が、
モチベーションがいい仕事を生み出すための最強のエネルギーだ
パッションや「好き」という想いが大切
という結論に、一周回ったうえで到達していることに凄みを覚えました。
『おわりに』で水野さんが
大義を持ち、ビジョンを揚げ、そこから生まれるモチベーションを武器にして
いくことがこれからの時代の方向性だ
という主旨で締めくくられていることに熱い想いを感じました。
是非多くの方に読んでもらいたい書です。
クリエイティブな仕事をされている2人の掛け合いがテンポ良く対談されており、飽きさせない構成になって読む手が止まらなかったです。
今までの日本は、オペレーション効率や利益重視を意識して役に立つを前提としたビジネスで成り立って来た事に強く共感できました。
これからは、どんなものやサービスがあればより豊かな環境や生活になる事を想像して構想しながら、一つ一つの事に意味を持たせる事の必要性を学ぶことができる一冊でした。
今の世の中だからこそ、必要な考え方がたくさん盛り込まれていると感じとても面白く、
読み返したい内容でした。
山口周氏はレオナルド・ダ・ヴィンチを元祖クリエイティブディレクターと呼び、その世界観づくりの力を讃える。未だそれぞれの専門領域が確立していなかった600年前に、絵を描き、街をつくり、パーティーを演出できたのは、何より人々の共感を得る術を心得ていたからだろう。
現代にこれを行なっているのが水野学氏だ。同氏が立ち上げたgood design companyのカバー範囲は、あらゆる分野のモノゴトに及ぶ。最近の代表作である相鉄電鉄を見ても、車両、駅、制服、広告と全てに一貫した世界観が表現されている。これこそが今後の価値である、というのが本書の主張だ。文明を便利、文化を意味と解する説明に説得力がある。
そうなると、なぜ深い文化を持つ日本が停滞しているのか。端的に言ってしまうと、その文化を理解している人が圧倒的に少ないからだろう。文化とは歴史の上にあり、今のモノに対して意味を定義する。例えば欧州の車は馬車の延長にあって、貴族のファッション意識がデザインに残る。エンブレムひとつをとっても、社名の頭文字しか付けられない日本企業は意味づけの方法が分からないのだ。
そんな話の展開されるお二人の対談には、ついつい引き込まれてしまう。第一線の生々しい意見に頷きが止まらない。