「お金をくれ、早く」コンビニで29歳女性店員がレジ近くに置いてあった“1000円”を男に手渡す 男はそのまま逃走 6/12(金) 11:20配信

2020年06月12日 17時20分01秒 | 事件・事故

名古屋市中区のコンビニエンスストアに11日夜、カッターナイフのようなものを持った男が押し入り、現金を奪って逃げました。  11日午後9時半すぎ、中区大須4丁目の「ローソン上前津店」に男が押し入り、女性店員(29)にカッターナイフのようなものを突きつけ、「お金をくれ、早く」などと脅しました。  女性店員がレジの近くに置いてあった現金1000円を手渡すと、男はそのまま逃走しました。  当時店内に客はおらず、女性店員にケガはありませんでした。  逃げた男は身長175センチから180センチくらい、白色のマスクに赤いレインコート姿だったということで、警察は強盗容疑で行方を追っています。

東海テレビ

 

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「昼カラオケ」盲点だった…高齢者憩いの場でクラスター

2020年06月12日 16時34分30秒 | 社会・文化・政治・経済

6/12(金) 読売新聞オンライン

北海道内では11日、新型コロナウイルスの感染者が新たに7人確認された。札幌市は同日、昼間にカラオケができる市内の喫茶店で60歳以上の男女10人の感染が判明したとして、市内11例目のクラスター(感染集団)に認定した。「昼カラオケ」が行われていた喫茶店でクラスターとなったのは2店目。市はカラオケでの感染拡大防止に向け、注意を呼びかけている。

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 発表によると、感染が判明したのは札幌市の6人と空知地方の1人で、70~80歳代と年代非公表の男女。このうち2人は感染経路が不明だった。

 11日にクラスターと認定された札幌市の喫茶店では、利用客8人、従業員2人の感染が確認された。利用客は5月28日~6月5日に店を訪れていた。9日にクラスターと認定された市内の別の喫茶店では、利用客10人、従業員3人が感染。両店は近所同士で、感染が判明した60歳以上の利用客1人は、5月下旬に両方の店を訪れていた。

 札幌市保健所は、利用客を把握できているとして、ともに店舗名を公表していない。

 札幌市では5月1日~6月8日に公表した病院や高齢者施設のクラスター関連を除く、60歳以上の感染者109人の行動を分析した結果、2割超にあたる24人が、昼のカラオケに関わっていたことが判明した。

 市は、大きな声を出したり、マイクを共用したりするため、感染拡大のリスクがあるとして、距離の確保や仕切りの設置、マイクの消毒などを呼びかけた。クラスターとなった2店舗では、ともに予防策は取られていなかったという。

 11日に記者会見した札幌市保健所の三觜(みつはし)雄所長は「カラオケで感染が拡大する可能性は十分把握していたが、昼間に喫茶店でカラオケをしていることは考えていなかった。呼びかけが足りなかったかもしれない」と話した。

 「昼カラオケ」は、カラオケ機器を備えた喫茶店や、日中も営業しているスナックなどで、昼間にカラオケを楽しむ行為や業態だ。全国カラオケ事業者協会(東京)によると、関西地方の喫茶店で、「コーヒーと歌を楽しんでもらおう」と機器を設置したのが発祥とされているという。

 道内で、カラオケボックス以外でカラオケ機器を設置している店舗は約8700軒。ただ、昼カラオケを行っている店舗数は不明だ。

 札幌市で昼カラオケの店舗を経営する男性によると、市内ではスナックが日中の集客を狙って営業するケースが多い。1人当たり1000円程度で、歌い放題とソフトドリンクの飲み放題がセットになった料金を取るのが一般的とされる。

 男性は「年金生活で、夜は出歩かないような高齢者がストレス発散で来ている。公民館で開かれているカラオケ教室のメンバーが、教室が終わった後に流れてくるパターンもある」と話す。

 男性の店舗は、緊急事態宣言中は休業した。6月1日の営業再開後は、来店者に非接触型の体温計を使った検温や、氏名や連絡先の申告を求めている。マイクも使う度に消毒しているという。

 男性は「カラオケボックスのような密閉された空間ではないが、不特定多数の人が集まって歌うため、カラオケボックスとは異なる感染リスクはあると思う。だからこそ、しっかり対策すべきだ」と話した。

 札幌市内で「昼カラオケ」による二つのクラスターが確認されたことについて、感染症予防に詳しい北海道医療大の塚本容子教授は「つばが飛びやすいカラオケは感染リスクがあるため、カラオケボックスは休業要請の対象になったが、(喫茶店などで行われる)『昼カラオケ』はある意味、盲点だった」と述べた。

 一方、塚本教授は「黙って一人で運動する高齢者よりも、周囲と楽しく雑談しながら運動する高齢者のほうが健康を保てるという研究結果がある」として、高齢者の健康における周囲とのつながりの重要性を指摘。昼カラオケを危険視し、利用を一律に控えることには否定的な見解を示した。

 緊急事態宣言が解除されても、道内の新規感染者はゼロにならない状況が続く。

 塚本教授は「一定数の感染者がまだ市中にいるとみられる」と説明。「今回、たまたま昼間のカラオケで感染者が出たが、ウイルスはどこでも潜んでいると考えるべきだ。どのような環境にいても、マスクを着けたり、こまめに手指を消毒したりといった、これまで言われてきた感染防止策を徹底してほしい」と訴えた。

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生活困窮者自立支援制度

2020年06月12日 16時34分30秒 | 社会・文化・政治・経済

自立相談支援事業

 平成27年4月に生活困窮者自立支援法が施行され,生活困窮者自立支援制度が始まりました。
 この制度は,既存の制度では十分に対応できなかった生活保護に至る前の段階の生活困窮者に対し,自立相談支援等を実施することで,「自立の促進」を図ることを目的としています。       
 生活保護の受給には至らないが,現に経済的に困窮している方に対し,相談支援員が一緒に課題を整理しながらプランを立て,寄り添いながら自立に向けた支援を行います。
 特に経済面で生活上お困りの方は,ぜひ窓口へお問い合わせください。

1 支援対象となる方

  • 経済的な問題などで生活にお困りの方(生活保護を受給されている方は除きます) 
  • 長時間,失業状態が続いている方
  • 引きこもりの状態にある方 など

2 各相談窓口の案内

 お住まいの市(町村にお住まいの方は最寄りの県福祉事務所)が窓口を設置しておりますので,お問い合わせください。
 お住まいの地域の自立相談支援窓口(PDF:176KB)

3 支援の進め方(通常の場合)

・相談支援員が相談者の方の生活状況をお伺いし,抱えている課題を把握します(アセスメント)。 

・相談支援員と相談者が協同し,経済的困窮状態からの脱却へ向けた支援計画を策定します(プラン策定)。

・支援計画に基づき,住居確保給付金や就労支援など様々な支援施策等と連携し,困窮生活からの脱却へ向けた包括的・継続的支援を行います。

・定期的に生活状況を確認し,必要に応じて支援計画の見直しを行います。

 

住居確保給付金 

  離職などにより住居を失った方,または失うおそれの高い方には,就職に向けた活動をすることなどを条件に,一定期間,家賃相当額を支給します。

 ※支給金額には上限があります。

 ※一定の資産収入等に関する要件を満たしている方が対象です。

 詳しくは,お住まいの地域の自立相談支援窓口(PDF:176KB)へお問い合わせください。

 

就労準備支援事業

  「社会との関わりに不安がある」「他人とのコミュニケーションがうまくとれない」など,直ちに就労が困難な方に対して,就労に向けた基礎能力の習得や就労体験などの支援を行います。

 詳しくは,お住まいの地域の自立相談支援窓口(PDF:176KB)へお問い合わせください。

 現在,職場見学や就労体験にご協力いただける事業所を募集しております。

 詳しくは,こちらのチラシ(PDF:537KB)をご覧ください。

 

家計改善支援事業

  家計に問題を抱える生活困窮者からの相談に応じ,家計の状況を「見える化」し,利用者の家計管理の意欲を引き出します。

 また,滞納の解消や各種給付金制度の利用に向けた支援,債務整理に関する支援,貸付のあっせんなども行います。

 詳しくは,お住まいの地域の自立相談支援窓口(PDF:176KB)へお問い合わせください。

 

学習・生活支援事業

 「貧困の連鎖」を防止し,子どもの明るい未来をサポートするため,生活困窮世帯(生活保護受給世帯を含む)の子どもに対する学習支援や居場所の提供を行います。

 詳しくは,お住まいの地域の自立相談支援窓口(PDF:176KB)へお問い合わせください。

 

お問い合わせ先

 〒310‐8555 茨城県水戸市笠原町978番6 

 茨城県保健福祉部福祉指導課 保護担当

 電話番号:029‐301‐3164

 FAX:029‐301‐6200


アンソロジー詩集  『少年少女に希望を届ける詩集』

2020年06月12日 16時17分15秒 | 社会・文化・政治・経済

曽我 貢誠 (編集), 佐相 憲一 (編集), 鈴木 比佐雄 (編集)

詩人、作家、教育関係者などによる200人詩集。いまを生きる多感な少年少女へ、そっとエールをおくりたい。「教えるとは希望をともに語る語ること」(ルイ・アラゴン)。誰でもいつかは少年少女、そんな視点で心のうたをお届けします。学校で、塾で、電車の中で、家庭で読んでいただきたい1冊です。

目次
 はじめに
 
未来を切り開くために 曽我貢誠
 
 第一章 学ぶ
 
谷川 俊太郎 学ぶ
洲 史 なにか ご用はありませんか
山村 暮鳥 風景 純銀もざいく
河原 敏子 学級目標と約束ごと
なでしこ 3つのる/車中第困狂想曲
秋野 かよ子 四月の君は
松沢 清人 教室・冬
小野 浩 勇気/夏の心臓
志田 道子 ふしぎだ
築山 多門 扉
今泉 友佑 自分でやる三十分
市川 つた 十点満点
谷口 典子 赤いリボン/勉強 きらい
堀江 雄三郎 息吹き/クリスマスリトル
 コンサート/うんどうかい
覚 和歌子 問いかけ
吉田 隶平 負ける
あさの あつこ おまえならできる
二階堂 晃子 すさまじい無言/彩マイルーム 
古屋 久昭 ひとりであって ひとりでなく
 
 第二章 歩む
 
高村 光太郎 道程/冬が来た
こやま きお G君のこと
保久 学 のろり、歩いて
風 守 私はいるのか
星野 博 転校生
橋爪 さち子 あるく
音月 あき子 理由のない不安と寂しさ
原 詩夏至 学校を初めてさぼった朝
島村 誠 ピアノが教えてくれた事
野村 朗 十六歳の悲しみ
さわの みえ こどものころから
中西 衛 中学生日記
荒木 せい子 不思議なところ/いじめられていたら
ひまわり 笑顔の源
星 清彦 砂糖湯の想い出
伊藤 誠一 子どもは教員の言葉を待っている
山田 透 ハッちゃんの笑顔
椎葉 キミ子 心友は
永山 絹枝 この道を ただひたすら
 
 第三章 立つ
 
武者小路 実篤 一個の人間
仲本 治 道
服部 剛 僕等の道
藤木 正明 生かし生かされ
西野 りーあ 夭逝伝説
越路 美代子 藍の糸を
杉野 紳江 苛められて交番に/父母会
三上 その子 通過儀礼/感情についてのノート
萩尾 滋 夢を そして夢に 
葉山 美玖 ガッコウと骸骨
八覚 正大 寄り添い
曽我 貢誠 いじめられている君へ/いじめを見ている君へ/いじめている君へ
吉岡 忍 セーラー服
出雲 筑三 三行詩「勇気をだして」
落合 恵子 崖っぷちに立つあなたへ
小中  陽太郎 自分のアタマで考え行動する人間に
 
 第四章 こころ
 
宮沢 賢治 雨ニモマケズ
河野 進 ただ/ぞうきん/使命/みじめ
金子 みすゞ 私と小鳥と鈴と/星とたんぽぽ
羽島 貝 晴れた日
木島 章 知っている
川辺 真 バラの花束
田村 勝久 なお君と手をつなぐ
あたるしましょうご中島省吾 隅さんと主演だった中央君について
恵矢 人の形/種子
嶋﨑 治子 こころ
佐藤 克哉 淫雨
青山 晴江 切手なしの…
比留間 美代子 なみだきらめく/夕映え
鈴木 明 ことばのちから
油谷 京子 クリスマス
青柳 晶子 鹿
野澤 俊之・野澤 一 アンニイちゃん
市川 恵子 ホットミルク
田中 作子 仲よくしたい/良寛さま
はなすみ まこと 座る/ときどき
美濃 吉昭 空也上人像
下川 敬明 口語自由詩/口笛
後藤 順子 願うところの幸せ/辛くならないでほしいのです
秋 亜綺羅 ひとは嘘をつけない
新延 拳 白い微熱
 
 第五章 いのち
 
新川 和江 名づけられた葉/先生に
吉野 弘 生命は
武子 和幸 峠
比留間 一成 いのち
鈴木 比佐雄 ヒマワリ/十五歳の成人式
伊良波 盛男 赤ちゃんの泣き声
渡 ひろこ 映して
神原 良 秋の光
芦田 みのり 冬支度
森 三紗 生命の輝くとき Ⅰ戴帽式に参列して
徳沢 愛子 君は旗のように
中原 かな かくれんぼ
渡辺 めぐみ 気道
田島 廣子 晴れる
植松 晃一 大豆の哲学
藪本 泰子 あなたの体は
百瀬 隆 命(いのち)
山本 周弐 いま/一度きりの人生/壁/完璧
山本 美智子 長い夜
水谷 修 人生/人/人は弱い/心と体/生きよう
鈴木 紘治 誰が殺した、コック・ロビンを?/母の棺を
 
 第六章 希望
 
菅原 克己 マクシム
島崎 藤村 初恋
佐相 憲一 がんばりやさんに捧げるうた~傷の応援歌~/球場にて
マエキ クリコ 無限/日食/ある水分子のひとりごと
坂木 昌子 笑顔売ります/私は薔薇
江口 節 スキージャンプ/かぞく
根本 昌幸 若い力
野村 俊 春の旅
見上 司 よき思い出は……/少年のころ……/ぼくはずるくて汚い……/残照の詩/消えない火/いうまでもないことだが……/心はあるか
和田 実恵子 希望の灯は 小さくていい
柳生 じゅん子 笑う力/ともだち/大人になる
末松 努 かける
村山 砂由美 私の願い/背景は金色の雲に彩られて
井上 摩耶 宇宙時間/幸せは育てるもの
関 中子 夜に/すみ子さん/誕生月の溝
浅見 洋子 一八歳の朝/涙の力/ぼくがみる夢
髙嶋 英夫 学校に希望の樹がある
安齋 亜谷 幸せな朝は必ず訪れる
駒瀬 銑吾 想像教育で生まれた中学生の詩 
 
 第七章 家族の中で
 
河井 醉茗 ゆづり葉
望月 逸子 あの子の夏休み
中村 花木 車窓から
前原 正治 野の花 間奏曲
飽浦 敏 おもろの産土
ささき ひろし 祝婚歌 ―むすめ・幸恵へ― 
日野 笙子 マザーリーフ/爪先立って
松本 高直 秋陽
坂井 一則 顔
荻野 優子 お姉ちゃん
堀 明子 弟/生きるよろこび
小田切 敬子 森のむこうからくるバス/にこっ
堀田 京子 娘よ/娘へ/だんべーかるた(ふるさと 群馬編)言の葉遊び/ジジババ かるた
梓 ゆい お帰りなさい。
こまつ かん このてのひら
大友 光司 ボクんちのママは牛飼い
俊之 父が遺していったもの
たに ともこ ひとすじの涙
尾木 直樹 私を導いた母の言葉
 
 第八章 自然の中で
 
高田 敏子 花のこころ/忘れもの
宮本 苑生 柿の木/空
菊田 守 いいよどり/満月
北畑 光男 遠い不明/足形
倉田 武彦 風/赤トンボ
若宮 明彦 風の名前―十七歳
岩井 昭 ははははは
佐々木 聡 北嶋節子小説「ほおずきの空」主人公  
 ほおずきを見に行く 231
山口 敦子 夕焼け/あめんぼにんじゃ/赤い靴/A・B・Cのうた
日高 のぼる くすりの森
秋田 高敏 蟻さんと
青木 善保 森の宝石
岡田 忠昭 さくら紅葉
峰崎 成規 江戸川
田中 眞由美 水や風や太陽がすき
佐藤 勝太 千年木を仰いで
たけうち ようこ わたしの家の庭(花と実のおはなし)
岸本 嘉名男 はるかなり人生
ひおき としこ 夏の大三角形
酒井 力 夕映え
西木 正明   真の冒険者は臆病な人である
 
 第九章 世界の中で
 
宗 左近 始原
崔 龍源 雲のなぎさ
勝嶋 啓太 大福と少年
秋田 芳子 川風
南 邦和 夢見る果実
鈴木 昌子 石ころになった長男
米田 かずみ 軍艦島
苗村 和正 地球儀
宮川 達二 青き星
坂田 トヨ子 世界遺産の街で/蛍
武西 良和 道をつくる
鈴木 悦子 里川のぼやき
きみ あきら 焦る
埋田 昇二 地球の無限なエネルギーを
 引き出そう
やまもと れいこ  猿人アウストラロピテクス/豆の木
古城 いつも フェデラル・ノード
志田 静枝 宇宙人
星乃 真呂夢 光の百合宇宙
日下 新介 空襲を知らない少年に
大原 雄 まあるい世界〜「吹き出し」が闖入〜
Captain 鳩爺 鳩爺のおせっかい
白根 厚子 ぼくら地球人
浅田 次郎 日本のつとめ
 
 第十章 未来
 
坂村 真民 二度とない人生だから
ヒロ 大地の詩
ホワイト☆ハル ピラミッド/カッコイイ
 と言われたい/巽の風/幸せを育てる
福士 文浩 わたしはひらく
黒木 アン 楽園になれ 楽園に
長田 邦子 パン屑を拾いながら
濱岡 稔 あした
竹内 オリエ 香しい日々
淺山 泰美 祝福
木村 孝夫 少年少女たちに
山野 なつみ 巣立つこどもたち
小野田 潮 坂の上の少女―HARUKAに―/つばめ
籠空 朋果 メッセージ
佐々木 淑子 永遠は君のそばに
白谷 玲花 旅立つ/きみは見たか
高沢 三歩 進路 ~十代のT君へ~
小山内 美江子 金八先生の言葉
明石 康 世界の平和への架け橋になれ
 
 解説 『少年少女に希望を届ける詩集』
  人間そのものを思うこと 佐相憲一
 
 解説 少年少女のしなやかな心が語り
  合える詩集になることを願って     
   『少年少女に希望を届ける詩集』に寄せて
             鈴木比佐雄 
 
 おわりに 曽我貢誠

出版社からのコメント

学校教員から子育てに悩む親御さまにも愛読されています。
NHKニュース、朝日新聞でも特集されました!
道徳や学校、学年、学級便りなどの資料にも最適!!

著者について

◆ 主な参加者◆
新川和江(詩人)、谷川俊太郎(詩人)、浅田次郎(日本ペンクラブ会長)、尾木直樹(教育評論家)、
明石康(元国連事務次長)、落合恵子(作家)、水谷修(教育評論家)、あさのあつこ(『バッテリー』作者)、
小山内美江子(「三年B組金八先生」作者)、小中陽太郎(評論家)、覚和歌子(「千と千尋の神隠し」主題歌作詞者)、
比留間一成(元日本詩人クラブ会長)、菊田守(元日本現代詩人会会長)、西木正明(日本ペンクラブ副会長)、吉岡忍(日本ペンクラブ専務理事)ほか
 
真に切実なことばに胸を打たれた。
学校でいじめにあったこと、家庭の悩みで自殺願望を抱いたこと……詩人・作家たちが自らの子ども時代の体験や想いをもとにつづった詩が並ぶ。やさしい言葉で語られているが、時に、読んでいる方までもヒリヒリするような痛みを味わうことになる。

執筆者は200人。谷川俊太郎、浅田次郎、尾木直樹(尾木ママ)、水谷修(夜回り先生)といった著名人の名前が目を引くが、一般に知られていない詩人や教育関係者の作品も多く収録されている。

例えば、小学校でいじめを受けてから20歳ごろまで「引きこもり」になり、“一日の大半を「死にたい」という気持が占めた”と告白する保久学の詩。33歳で就労移行支援施設に通い始め、同じ闇を抱えた人たちとの交流を通して、ようやく自分を好きになることができたと語る。最終連は、今、同じような苦しみを抱えている子どもたちに向けた、渾身のメッセージとなっている。

死んではダメ 死んではダメ
僕もあの頃呪文のように唱えていた
「死にたい」ではなく「まず生きてみる」
「人生は嫌だ」ではなく「まず生きてみる」
「俺はダメだ」ではなく「まず生きてみる」

詩人たちは命を賭して学び知ったことを一篇に込め、今を生きる少年少女に伝えようとしている。
詩のテーマは、学校・家庭での人間関係、自我の芽生え、将来の夢や不安など多岐にわたる。様々な悩みや苦しみを抱える現代の子どもたちへの愛情と共感にあふれた詩集だと思う。
 
 
私には、ほとんど希望が届かない。
悲しいくらい届かない。
J-POPの「負けないで」や
「ファイト」に及びもつかない。

職業詩人は言語感覚の
深い研鑽を積むなかで
自分がかつて少年少女であったことを
忘れてしまったのだろうか。

少年少女よ
腹いっぱい食って
よくお眠り。

私は
水谷修氏を知ることができたので、星ひとつ。
 
 
この出版社にしては珍しく、著名人へ執筆依頼をして著書のステージを上げている。
まあ、少し入れ込んだ制作態度。

いい作品がそろっている。
カテゴリ^分けして読みやすくなっている。

この出版社の詩誌「コールサック」は、まだ図書館サイドの目には留まっていないようだが、
この詩集は、図書館が自ら購入している例が多く見られる。
テレビや大手新聞社が取り上げたせいだろうか・・・。
 
 

効果ある?ない? 次亜塩素酸水めぐり混乱広がる

2020年06月12日 16時13分37秒 | 医科・歯科・介護

新型コロナウイルスの消毒目的で普及が進んでいた次亜塩素酸水について、経済産業省などが先月下旬「現時点では有効性は確認されていない」という中間結果を明らかにしました。現場では混乱が広がっています。

NITE「現時点では有効性は確認されていない」

NITE「現時点では有効性は確認されていない」
次亜塩素酸水は、新型コロナウイルスの消毒に有効だとして利用が進んでいましたが、先月29日、経済産業省や独立行政法人のNITE=製品評価技術基盤機構が、「現時点では有効性は確認されていない」とする中間結果を明らかにしました。

これを受けて、文部科学省が学校で噴霧器による散布を行わないよう通知したほか、公共施設や飲食店、スーパーなどでも次亜塩素酸水による消毒を取りやめるところが相次いでいます。
このうち横浜市のタクシー会社では、SNSなどでの情報をもとに、入手が難しくなっていたアルコール消毒液の代わりになると考え、2月下旬に次亜塩素酸水を合わせて320リットル分購入したということです。

およそ600台の車両の内部の消毒のため、ノズル式の噴霧器で毎日散布していましたが今はやめ、運転席と後部座席の間にシートを張るなど別の対策に切り替えています。

タクシー会社の小関正和係長は「当時は、次亜塩素酸水もすぐ売り切れてしまうと思い購入した。不確かな情報に振り回されていた部分もあるが、乗客と乗員を守っていくためにも有効性があるか、早く結論を出してほしい」と話していました。

次亜塩素酸水については一部の研究者やメーカーが参加する団体が「新型コロナウイルスの消毒に効果がある」としていて、経済産業省などは「引き続き検証を進める」としています。

急速な普及 アルコール消毒液の不足も影響か

「次亜塩素酸水」は、なぜ急速に普及したのか。

専門家や民間の会社による分析では、1月下旬にはツイッターで新型コロナウイルスに有効だとする情報が投稿されていたことが確認されました。

同じころ、次亜塩素酸水を使った消毒のための商品や噴霧器を設置する様子なども投稿されるようになります。

普及にはアルコールの消毒液が全国的に不足し、品薄状態が続いたことも影響したとみられています。

次第に公的な機関や学校、それに飲食店でも次亜塩素酸水を導入するところが増えていきました。

一方、この間厚生労働省や経済産業省から効果について明確な説明はありませんでした。

ツイッターの投稿の分析では「コロナ」と「次亜塩素酸水」の2つの言葉を使った投稿は1月には810件でしたが、2月には4130件3月には6960件と急激に増え4月には1万9160件に上っていて、SNSを見て購入した人も多かったとみられています。

専門家「情報の見極めが重要」

次亜塩素酸水について、ネット上での情報の広がりを分析した東京大学の鳥海不二夫准教授は「最初から『アルコール消毒液の代わりになる』という前提で情報が拡散し、多くの人が効果があるという情報を受け入れたとみられる。その状況で公的機関から突然『効果があるか分からない』という情報が出されたため、混乱が生じたのではないか」と話しています。

そのうえで、「まだ結論が出ておらず、今後の情報を慎重に見極めるべきだ。色々な情報がある中で、誤った情報に引き寄せられる可能性もあり、出どころをきちんと確認する姿勢が重要だ」と指摘しています。

うつ病の発症 ウイルスが持つ遺伝子が関与している可能性

2020年06月12日 16時10分19秒 | 医科・歯科・介護

うつ病の発症に、多くの人が幼い頃に感染する「ヘルペスウイルス」が関係している可能性があるとする研究成果を東京慈恵会医科大学のグループが発表し、うつ病発症のメカニズムや治療薬の開発などに役立つと期待されています。

この研究を行ったのは、東京慈恵会医科大学の近藤一博教授らのグループです。

グループでは、多くの人が子どもの頃に感染する「ヒトヘルペスウイルス6」というウイルスが脳の一部に感染すると、ウイルスが持つ「SITHー1」という遺伝子が強く働くことを突き止めました。

そこで、マウスの脳でこの遺伝子を人為的に働かせたところ、マウスの行動が変化し、うつによく似た症状がみられることが確認されたということです。

さらにグループが、うつ病の患者84人と健康な人82人の血液を調べたところ、うつ病の患者では79.8%の人でこの遺伝子が強く働いている反応があったのに対し、健康な人では24.4%だったということです。

このためグループでは、このウイルスの遺伝子が強く働くことが、うつ病の発症に関係している可能性があるとしています。

近藤教授は「これまで、うつ病の原因は、はっきりとは特定されていなかったが、ウイルスが関与している可能性が分かった。さらに研究が進み、発症の詳しいメカニズムが解明できれば、新たな治療薬の開発などにつながるはずだ」と話しています。


解雇や雇い止め 非正規雇用で働く人が6割占める 新型コロナ

2020年06月12日 15時17分38秒 | 社会・文化・政治・経済

新型コロナウイルスの影響で解雇や雇い止めにあった人はこの1週間で見込みも含めて4000人余り増え、このうち6割を非正規雇用で働く人が占めていることが厚生労働省のまとめでわかりました。厚生労働省は、今後も増えるおそれがあるとして企業に雇用の維持を呼びかけています。

厚生労働省によりますと新型コロナウイルスの影響で勤め先の経営が悪化するなどして、解雇や雇い止めにあった人の数は今月5日までの1週間で見込みも含めて4210人でした。

この4000人余りについて雇用形態を調べたところ、およそ6割にあたる2577人がアルバイトや派遣社員などの非正規労働者で、飲食業では8割近くにのぼっていることがわかったということです。

業種別でみますと最も多かったのは飲食業で1362人、次いで宿泊業が646人、製造業が544人、小売業が428人、娯楽業が407人などとなっています。

ウイルスの影響による解雇や雇い止めが1週間に4000人以上増えたのは2週連続で、ことし1月以降では合わせて2万人を超え、2万933人となりました。

厚生労働省は「アルバイトなどの非正規労働者が多い飲食業での増加が目立っている。今後も増えるおそれがあるため雇用調整助成金を活用するなどして雇用を維持してほしい」と呼びかけています。


新型コロナ禍後の世界 「いのち」重視の社会を期待

2020年06月12日 15時04分06秒 | 社会・文化・政治・経済

共感、利他主義への転換を

大阪大教授 稲場圭信氏
時事評論2020年4月24日 中外日報


新型コロナウイルスが世界で猛威を振るう。この感染症との地球規模での戦いにあって、コロナ禍の後の社会についての言説がある。地政学的リスク分析が専門のイアン・ブレマーは、9・11やリーマン・ショックは世界を揺るがしたが、今回の感染拡大が与える影響はその比ではないと指摘する。世界秩序の機能不全、脱グローバル化、自国第一主義の高まり、格差のさらなる拡大。非常に暗い、ネガティブな見解だ(日経、4月16日)。

一方で、ポジティブな言説もある。『銃・病原菌・鉄』の著者ジャレド・ダイアモンドは、この感染症との戦いには国際的協力体制が必要と、共生社会への希望を語る。「世界的な問題を解決するモデルになり、核や気候変動、水産資源の保護といった課題に国際社会が協調して取り組む契機になるのが最良のシナリオだ」(日経、同13日)

フランスの経済学者・思想家ジャック・アタリも同様だ。共感、利他主義への転換を呼び掛け、「生きる」ために必要な食料、医療、教育、文化、情報、研究、イノベーション、デジタルなどの産業、すなわち「命の産業」に重点をおく「ポジティブ経済」への転換のチャンスと社会の行方を明るく展望する(NHKEテレ「緊急対談 パンデミックが変える世界」同11日)。

世界の歴史は、戦争、自然災害、疫病など人類の危機であふれている。しかし人類の営みは連綿と続いてきた。今回のパンデミックも何度かの波が過ぎ去れば元に戻るだろうか。否、戻れないだろう。多くの人の世界観、人間観、死生観に大きな影響を与えている。意識変容、行動変容、リスクへの対応の変容は、ライフスタイルも大きく変容させる。新たな時代が始まろう。マックス・ウェーバーの「エートス(行動様式)」、そして、ロバート・ベラーの「心の習慣」しかり、容易には変わらないもの、それが、このコロナ禍で変わろう。

14世紀の黒死病大流行が中世ヨーロッパの転換点となり、ルネサンスや宗教改革につながった。教会の権威が失墜し、ボッカッチョの『デカメロン』に描写されたように刹那的、享楽的に生きる人もいた。一方で「メメント・モリ(死を想え)」、神への直接的な信仰心が深まる人もいた。

今、生死をさまよっている人がいる。命を救う現場で尽力する医療従事者がいる。生きるために必要不可欠な部分を支える職務を続ける人がいる。また、仕事がなくなり生活困窮状態の人も出ている。一方で、新型コロナウイルス感染拡大防止のために外出自粛でテレワークやウェブ会議をする人が急激に増えた。何が不要不急で、ムダなのか。コロナ禍が社会、組織、個人に仕分けを強いる。何が本質的に大事なのか。

新海誠監督の映画「天気の子」の結末では、関東は大雨が何年も続き、都心の海抜の低いところ大部分は海に沈むが、日常生活も続く。コロナ禍は、第2波、第3波があっても、いつかはインフルエンザのように共生していく。しかし私たちの生きる社会は変わる。利益効率重視の社会ではない、「いのち」重視の社会だ。宗教には世直しの思想もある。「いのち」を尊ぶ教えは、私たちの生き方を救けてくれるであろう。

 


就職氷河期に該当する世代

2020年06月12日 14時37分16秒 | 社会・文化・政治・経済

就職氷河期に該当する世代は一般的に1970年(昭和45年)から1982年(昭和57年)や1984年(昭和59年)までに生まれた1990年代半ばから00年代前半に社会に出たり、2000年前後に大学を卒業した、現在において40歳前後や30代後半から40代後半を迎える世代のことだとされる。
就職氷河期とはリクルート社の就職雑誌『就職ジャーナル』が1992年11月号で提唱した造語。
1994年の第11回新語・流行語大賞で審査員特選造語賞を受賞した。
詳しい経済状況については失われた10年などを参照
1990年1月より株価や地価などの暴落が起こり、「バブル崩壊」と呼ばれる様相を呈し、翌1991年2月を境に安定成長期が終焉した。
景気が後退するなかで、バブル期の過剰な雇用による人件費を圧縮するために、企業は軒並み新規採用の抑制を始めた。さらに、同時期の政界では短期間で枠組が著しく変動する大混乱のさなかにあったため、政府が景気対策に本腰を入れて取り組むことが困難な状況であった。
それでも、1993年を底として景気がゆるやかに回復し、1997年新卒の就職状況はいったんは持ち直したが、消費税引き上げなどの緊縮財政に加え、1997年夏のアジア通貨危機、不良債権処理の失敗から1997年下半期から1998年にかけて大手金融機関が相次いで破綻したことなどで景気が急速に冷え込んだため、再び就職状況が悪化した。
この時期は、求人数の大幅削減のほかに、企業の業績悪化や新興国との競争激化によって新卒を企業人として育成する余裕がなくなり、現場に即投入できる「即戦力」を新卒に求める風潮が現れた。
これにより、雇用のミスマッチが発生し、単純に求人数が増えても失業率が下がりにくくなり、収入と生活の安定を求めて本人の能力や専門知識とはかけ離れた職場に否応無く入らなければならなくなり、その様な環境下で短期間で解雇に追い込まれる状況が発生した。
また、大卒者の就職についても、1996年に就職協定が廃止されて以後は企業が優秀な大学生を囲い込むべく青田買いが発生し、こうした環境の変化により多くの大学生に混乱と過重な心理的負担を与えることとなった。さらに1999年からトライアル雇用が始まり採用後、トライアル雇用期間中であればすぐに解雇しても違法にならず新卒でも即戦力にならないとすぐに解雇される新卒切りや新卒使い捨てが行われるようになった。
このような背景があり、有効求人倍率は1993年から2005年まで 1 を下回り、新規求人倍率は1998年に 0.9 まで下がった。
また、バブル期に比べて、新卒者が困難な就職活動を強いられたため、フリーターや派遣労働といった社会保険の無い非正規雇用(プレカリアート)になる者が増加した。

就職氷河期の一時終結と既卒者の就職状況[編集]
2000年代半ばの輸出産業の好転で、雇用環境は回復し、2005年には就職氷河期は一旦終結した。新卒者の求人倍率は上昇し、2006年から2008年の3年間は一転、売り手市場と呼ばれるようになり、有効求人倍率は2006年から2007年にかけて 1 を上回った。13年近くにわたる採用抑制の影響により、多くの企業で人手不足となっており、労働環境が苛酷になるブラック企業が増加した。
また、採用抑制の結果、従業員の年齢構成がいびつになったため、技術・技能の伝承が困難になっていた。このため、企業はそれまでの態度を覆し、こぞって新卒の大量採用に走り、求人倍率そのものは「バブル期並み、もしくはそれ以上」とも言われていた。
特に金融関係の採用意欲は強く、大手メガバンクの中には一度に数千人採用した例もあった。
ただし、氷河期に比べれば採用基準は緩和されたものの、依然として厳選採用の傾向にあった。優秀な学生がいくつも内定を獲得した一方で、内定を一つ得るのに苦労した学生もおり、「内定格差」なる言葉も生まれた。
また新卒者の雇用環境が改善される一方で、既卒者の雇用環境は厳しいままであり、世代間による雇用機会の不均衡を指摘する声が強まった。
日本の労働市場における採用慣行は「新卒一括採用」と「年功序列」に偏重しているため、既卒者(第二新卒など)の就職が著しく不利になっているから、卒業後すでに相当の年数が経った氷河期世代の求職者、特にそれまで正規雇用されたことがない者は、極めて不利な条件下に追い込まれている。
団塊の世代の定年退職による労働力減少への対応についても、大多数の企業は新卒者ないしは賃金の安い外国人労働者、定年退職者の再雇用によって補うことがあり、必ずしも氷河期世代の救済にはなっておらず、非正規雇用の割合は2008年まで上がり続けているという状況がある。

 

 


韓国:在韓米兵引き渡し要件を緩和

2020年06月12日 14時29分03秒 | 事件・事故

2012/06/01

在韓米兵による性暴力事件があいついだことを受けて、韓国・アメリカ両国は5月23日、米韓地位協定(SOFA)合同委員会を開き、米兵容疑者の身柄を韓国側に引き渡す際の条件を緩和することで合意しました。

SOFAでは、韓国の捜査当局が必要と判断した場合、アメリカ側は身柄引き渡し要請に対して「好意的配慮を払う」とされていますが、24時間以内に起訴か釈放することを韓国側に義務付ける条項が設けられていました。

身柄引き渡しから24時間以内に起訴することは現実的に不可能なため、これまで韓国側が引き渡し要請を行ったことは1度もありませんでした。今回、この条項を削除することが合意されたことにより、韓国側は、起訴前に十分な捜査ができるようになります。

韓国では昨年、未成年の女性が米兵に性暴力を受ける事件が相次いで発生しており、SOFAによって制限されている韓国側の司法権の拡大を求める声が上がっていました。

同様に在日米軍による犯罪・事故の問題を抱える日本の場合も、日米地位協定により日本の捜査・裁判権は制限されています。1995年の沖縄における少女暴行事件のあと、米軍は殺人および強姦に限って、身柄引き渡し要請に「好意的配慮を払う」とされました。今回の韓米SOFAの見直しでは対象犯罪の制限は設けられていません。

被害者の権利視点からは、不平等な地位協定だけでなく、運用面にも多くの課題があります。韓国で昨年9月に発生した2件の性暴力事件は、いずれも韓国の裁判所で審理を受け、加害米兵は有罪判決を受けています。一方、在日米軍による性暴力犯罪の多くは、日本の司法当局により不起訴処分となっています。

【報道】
東京新聞(5/24)在韓米兵引き渡し緩和 日米協定より拡大


米軍基地周辺の性暴力

2020年06月12日 14時04分03秒 | 事件・事故

アジア女性資料センター 

米軍専用基地の75%が集中する沖縄では、1945年の終戦直後から60年以上も、女性や子どもたちは米兵による性暴力の危険にさらされ続けてきました。
日本政府と在日米軍は、事件が起きるたびにくりかえし「再発防止」を約束してきましたが、今日まで性暴力は止むことなく続いています。
加害者の多くは処罰を受けておらず、被害者への補償・救済もほとんどなされていません。
不処罰の構造
日米地位協定
日米地位協定は、日米安保条約にともない、在日米軍の地位を定めたもの。
事件・事故を起こした米軍人・軍属を訴追から保護するため、日本側の司法権を制限しています。
公務中の米兵が起こした事件・事故は、米国側が第一次裁判権を有し、公務外の事件および基地外で起きた事件・事故の場合は、日本側に第一次裁判権があるとされます。
しかし原則として、日本側が起訴するまでは基地内にいる容疑者米兵の身柄は米軍が確保し、日本側の捜査、逮捕の権限には制限が課せられます。1995年の沖縄・少女集団強かん事件後、日米当局は、殺人やレイプなどの重大犯罪に限り、日本側の起訴前身柄引き渡し要求に対し、米軍は「好意的配慮」を払うとする、地位協定の運用改善に合意しました。
しかし身柄引き渡し要求をしても、拒否されたり時間がかかる場合が多くあります。
米軍犯罪の8割が不起訴
日本で米兵が犯す事件の約76%は「公務外」事件ですが、2001~2008年の公務外の刑法犯平均不起訴率は83%に上っています。
うち07年の性犯罪についてみると、「強姦・同致死傷」の起訴率は日本人被疑者で56.1%に対し、米兵被疑者は25.8%。「強制わいせつ・同致死傷」の起訴率は日本人被疑者が57.50%に対し、米兵被疑者の場合は10.5%にすぎません。

裁判権放棄密約問題
2008年に、在日米軍による事件のうち「実質的に重要と認められる事件」以外について裁判権の放棄を指示する法務省刑事局の1953年の通達文書の存在が明らかになりました。
同通達は今日まで有効とされています。また2009年6月に法務省は同通達に関して、日本では強姦の立証が難しく、不起訴とせざるを得ない場合もあり得るが「米軍側の規律によればきちんと処分がなされる場合も考えられるのではないか」と、裁判権放棄の正当化ととれる答弁を行っています。
・在日米兵犯罪:裁判権放棄を指示(2008-08-10)
・法務省が裁判権放棄に関する資料を非公開に(2008-08-25)
・駐日米兵犯罪裁判権放棄の密約示す文書、効力は今日まで(2008-10-24)
・裁判権放棄密約問題:ダブルスタンダード認める政府答弁(2009-06-25)
日本の刑事司法制度の問題
以下の最近の事例が示すように、駐留米兵による性暴力事件の不処罰の背景には、日米地位協定による司法権制限だけでなく、日本の刑事司法制度において、性暴力が適切に裁かれていないという問題があります。アジア女性資料センターでは、他の団体とともに、性暴力を適切に処罰し防止するための法制度強化を求めて活動しています。
ジェーンさん裁判
「ジェーン」さん(仮名)は、2002年4月、神奈川県横須賀基地の近くで米兵によるレイプ被害を受け、さらに、通報を受けた神奈川県警による屈辱的な捜査のために二次被害を受けました。

日本の検察も、米軍の軍法会議も加害者を訴追しなかったため、ジェーンさん
は2005年に民事訴訟で勝訴判決を勝ち取り、さらに神奈川県警の不適切で屈辱的な捜査によって受けた苦痛に対し、国家賠償請求を起こしました。この裁判は敗訴に終わりましたが、警察による性暴力捜査のあり方に対する重要な問題提起となりました。
駐留米兵による性暴力事件
2012年10月 沖縄・集団性暴力事件
2012年10月16日未明、沖縄県中部で帰宅中の女性に米兵2名が性暴力をふるった。2名は集団女性暴行致傷や強盗の罪で訴追され、裁判員裁判でそれぞれ懲役10年と9年の判決を受けた。
・沖縄:米兵2名を集団強姦致傷容疑で逮捕(2012-10-17)
・本日19時~首相官邸前!沖縄の米兵性暴力を許さない緊急抗議アクション(2012-10-17)
・沖縄における米兵性暴力事件への抗議文(2012-10-18)
・「基地・軍隊を許さない行動する女たちの会」が要求書(2012-10-20)
・NHKが誤報を認め訂正(2012-10-25)
・沖縄:集団性暴力2米兵に判決(2013-03-01)
2008年2月 沖縄・少女性暴力事件
2008年2月10日、在沖縄米海兵隊キャンプ・コートニー所属の二等軍曹が、沖縄市内で14歳の女子中学生に「家まで送ってあげる」と声をかけ、バイクで基地外の自宅に連れて行き性交渉を迫ったが断られ、その後「自宅に送る」と車に乗せて性的暴行を行った。
沖縄署は2月11日に加害者を逮捕したが、報道が過熱するなか、2月29日、被害少女が「これ以上関わりたくない」と告訴を取り下げたため、検察は起訴を断念。加害米兵は釈放された。

米軍は2008年4月の予備審問で加害米兵を軍法会議にかけることを決定。5月18
日、加害者は16歳未満の少女に対する暴力的な性的行為の罪について懲役4年の実刑を
受けたが、司法取引により実際の刑期は3年とされた。被害少女に対するバッシングが大きな問題として残った。
・沖縄:海兵隊員を女子中学生レイプ容疑で逮捕(2008-02-12)
・在沖米兵による性暴力事件に抗議し、公正な事件解決と根本的防止策を要求します(2008-02-14)
・米兵の性暴力を終わりにしよう:2/19(火)国会前集会・キャンドルデモにご参加を(2008-02-15)
・自己責任論にNO 女性団体、立ち上がる(2008-02-16)
・国会前キャンドルデモお礼と報告(2008-02-20)
・『週刊新潮』記事に抗議の申し入れを行いました(2008-02-20)
・米軍犯罪再発防止策の骨子(2008-02-22)
・被害少女が告訴取り下げ、米兵を釈放(2008-03-01)
・新潮社より回答がありました(2008-03-06)
・沖縄少女性暴力事件:海兵隊員に懲役4年(2008-05-17)
2008年2月 沖縄・ヘーゼルさん事件
2008年2月20日、フィリピン人女性「ヘーゼル」さんが、大量の出血のために那覇市内のホテルのロビーでぐったりしているところを発見され、病院へ救急搬送された。那覇県警は、米陸軍パトリオット・ミサイル部隊所属の伍長を強姦致傷容疑で逮捕したが、米軍に対する容疑者の身柄引渡し要求はしないまま、4月25日に書類送検。5月15日、那覇地検は「行為の場所や行為の前後の状況、両当事者の関係などの事情を考慮した」として、嫌疑不十分により不起訴を決めた。米軍は2008年10月に予備審問を開き、強かん、売春斡旋、命令不服従等4つの罪状により加害者を軍事法廷にかけることを決定。2009年2月24
日の高等軍法会議で、被告は司法取引により強かん罪以外の3つについて罪を認め、禁固6月の刑を受けた。
・また沖縄で米兵がフィリピン女性に暴行(2008-02-21)
・沖縄でのフィリピン人レイプ被害者に正義を!(2008-02-25)
・フィリピン女性に性暴力の在沖米兵に不起訴処分(2008-05-17)
・沖縄:へーゼルさん事件 軍法会議へ(2008-11-30)
・へーゼルさん事件:米軍法会議は性暴力について起訴取り下げ(2009-02-24)
2007年10月 広島・集団性暴力事件
2007年10月14日未明、広島市中区で、岩国基地所属の海兵隊員4人が、イベントで知り合った19歳の女性に対し、車内で集団性暴力を行ったうえ、被害者から現金を奪って事件現場に放置した。

広島県警は当初、集団強姦および強盗の容疑で逮捕状をとり起訴前身柄引き渡しを求める方針だったが、「加害者らが合意の上と主張しており、被害者の供述にあいまいな点がある」ことを理由に逮捕状請求を見合わせ、任意の事情聴取に方針変更。11月6日に書類送検したが、11月15日、広島地検は不起訴を決定した。一方、米軍は加害者4人を軍法会議にかけることを決定。軍法会議は2008年5月から6月にかけて岩国基地で行われ、加害者らはそれぞれ12ヶ月~2年間の懲役などの判決を受けたが、司法取引により4人のうち誰も強姦および誘拐で訴追されなかった。
・広島:岩国基地所属海兵隊員による集団レイプ(2007-10-21)
・広島県知事、レイプ被害者の「危機管理」批難(2007-10-22)
・広島県警:米兵の性暴力事件、任意捜査の方針(2007-10-31)
・広島地検、集団強かん米兵を不起訴決定(2007-11-16)
・アジア女性資料センターの不起訴抗議声明(2007/11/21)
・広島性暴力事件:米軍が4米兵を訴追へ(2008-02-16)
・広島性暴力事件:米兵4人を軍法会議で審理(2008-03-07)
・「軍事基地と女性」ネットワークの声明・公開質問状(2008-03-12)
・集団性暴行の岩国基地米兵に懲役2年(2008-05-12)
フィリピン:スービック事件
2005年11月1日、フィリピン・マニラ近郊のスービック元米軍基地で、22歳のフィリピン人女性「ニコール」さん(仮名)が、沖縄基地所属の米兵に車内でレイプされる事件がおきました。アメリカ・フィリピン両政府の圧力と、激しいバッシングに遭いながらも、ニコールさんは強力な女性たちのネットワークに支えられて、フィリピンで初の米兵に対する性暴力裁判を戦い抜き、2006年12月、実行犯の米兵に懲役40年という画期的判決を勝ち取りました。

じ問題をかかえる日本からも支援を届けようと、アジア女性資料センターも参加して裁判支援の会が結成されました。

アジア女性資料センターにて更に多くのニュース記事をよむことができます
http://ajwrc.org/jp
このニュース記事が掲載されているURL:
http://ajwrc.org/jp/modules/bulletin3/index.php?page=article&storyid=49


地方発ベンチャーに商機 コロナ禍でリモートワーク普及

2020年06月12日 13時43分56秒 | 社会・文化・政治・経済

6月11日
 

立地格差が縮小 賃料などコスト面が強みに

地方発のベンチャー企業に商機が広がり始めた。新型コロナウイルスの流行に伴うリモートワーク(遠隔勤務)の普及で、東京都内に拠点を置く投資家や大企業と比較的簡単に出会えるようになったためだ。ベンチャー企業の立地による地域間格差が縮小。

地方圏では大都市圏と比べて、「経営環境の悪化」「雇用機
会」を課題として挙げる割合が高くなっている。これらの課題解決に向け、地方発ベンチャーには主に以下のような役割が期待される。
まず、成長性の高い地方発ベンチャーが多く生まれることで、地方における経営環境の改善が期待される。例えば地域資源等を活用したベンチャーは、域外需要を多く取り込み、域内の事業者や従業者に資金を還流することになるので、地域経済全体の活性化が見込まれるためである。

また、地方における雇用機会の増加も期待される。特徴的な事業を営むベンチャーが地方に存在すれば、地域の働き手が選択できる職種の幅も広がり、新たな雇用の受け皿として機能することが見込まれるからである。

(1) モノの問題
企業が事業を展開するうえで当然モノ、つまり、製商品やサービスが必要となるが、事例企業をみると、①地域資源を活用しているケース、②大学等での研究成果を活用しているケース、③地域の課題解決等に向けサービスを提供しているケース、の三つに分類される。
三つのケースをみると、都市圏でみられるようなベンチャーキャピタルからのハンズオン支援を受けている事例は少ない一方、行政をはじめとした外部からの支援をもとに、事業を展開している事例が多くみられる。
経営資源に制約があるベンチャーが単独で事業を成功させるのは難しい。地方経済が厳しいといわれるなか、地域資源の活用や地域の課題解決といった地方発ベンチャーの取り組みは、地方自治体などにとってもプラスといえる。

そうした意味で、地方発ベンチャーは行政をはじめとした外部からの支援を受けやすいといえる。今後は、新たな市場の開拓に向け、両者が一体となった取り組みが一層期待される。
(2) カネの問題
資金調達を経営課題として挙げるベンチャーは少なくない。一方、事例企業をみると、行政の補助金・助成金制度を有効に活用しているケースが多くみられる。

こうした背景の一つとして、地方圏は都市圏と比べ、行政との距離感が近く、さまざまな補助金や助成金制度に関する情報を得やすいことが挙げられる。助成金などの採択実績が増えると信用評価の向上にもつながり、新たな支援も受けやすくなるだろう。
(3) ヒトの問題
近年、人材の採用環境が厳しくなっており、その影響はベンチャーにも広がっている。

特に、地方で事業を展開する企業が都市部から人材を採用するに当たっては、家庭の事情などもあり、㻟㻜~㻠㻜 歳代といった働き盛りの世代を獲得することは難しい。そうしたなか、事例企業では、地元の教育機関への出張授業やインターンシップ制度の実施などによって、即戦力となる人材を確保している。

今後は、地方発ベンチャーでも取り組み次第で、企業が求める人材の獲得が可能といえよう。


コロナ研究にiPS活用 病態解明や治療薬開発、京大

2020年06月12日 13時36分58秒 | 医科・歯科・介護

配信

新型コロナウイルス感染症の病態解明や治療薬開発に、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を活用する取り組みが国内外で始まっている。

体のさまざまな組織に変化する万能細胞としての性質を利用して、患者に負担をかけず研究を進められるのが強みだ。既に欧米のチームが成果を上げたと報告。国内でも京都大が研究を開始した。

 スウェーデンやカナダなどの国際チームが4月24日付の米科学誌セル電子版に発表した内容によると、iPS細胞から血管の組織を作って新型コロナウイルスに感染させた。ウイルスが細胞表面のタンパク質ACE2」に結合して感染していることを確認した。

 

【関連記事】

 

内戦と和平 現代戦争をどう終わらせるか

2020年06月12日 12時42分08秒 | 事件・事故

東大作 著

人類の不治の病と言われる戦争。そのほとんどが国家間の紛争ではなく凄惨な内戦である。本書ではシリア、イラク、アフガニスタン、南スーダンなど二十一世紀以降の内戦を例に、発生から拡大、国連や周辺国の介入の失敗、苦難の末に結ばれたはずの和平合意の破綻といった過程を分析。

テレビ局の報道ディレクター、国連日本政府代表部公使参事官、そして研究者として一貫して和平調停に関わる著者が、戦争克服の処方箋を探る。

著者について

東大作
1969年(昭和44年)、東京都に生まれる。NHKディレクターとしてNHKスペシャル『我々はなぜ戦争をしたのか ベトナム戦争・敵との対話』(放送文化基金賞)、『イラク復興 国連の苦闘』(世界国連記者協会銀賞)などを企画制作。退職後、カナダ・ブリティッシュコロンビア大学でPh.D.取得(国際関係論)。国連アフガニスタン支援ミッション和解再統合チームリーダー、東京大学准教授、国連日本政府代表 部公使参事官などを経て、現在、上智大学グローバル教育センター教授。著書に『我々はなぜ戦争をしたのか』『犯罪被害者の声が聞こえますか』『平和構築』、Challenges of Constructing Legitimacy in Peacebuilding、『人間の安全保障と平和構築』(編著)など。
 
 
 アフガン、イラク、南スーダン、シリア、紛争渦中の内戦の現場で50人以上の指導者と議論を重ねまとめあげた調査報告。我々は今、「内戦」という名の戦争の世紀に生きている、しかもその「内戦」の背後に周辺国、大国の利己が複雑に絡まり合っていることを政府軍、反体制派それぞれのインタビューで暴き、その上で「ファシリテーター」としての日本の役割について確かな展望を得ようとする著者の悪戦苦闘する様が伝わってくる。
 この本を手にする直前、イラク・バグダッドでイラン革命防衛軍のソレイマニ司令官が米軍に殺害されるというニュースが世界に衝撃を与えた。そのイラン・アメリカの対立の構図を理解する上でも、この本はその根源を探る必読書になると思う。
 
 
現在の紛争、戦争を理解する上で現場のフィールドワークに基づいて説得力があるが、特に現在のアメリカとイランの対立を知る上では、その背景が極めてよくわかった。平和に慣れすぎた(?)、”平和ボケ”の日本人は今、この本を読んだ方が良い。この本でも書かれているが、先ごろ亡くなった緒方貞子さんの精神、そして中村哲さんに本を読みながら、思いを馳せてしまった!!
 
 
現代の戦争の95%以上が「内戦」であり、どれもが「和平交渉」で終わらせることが困難だという。そんな現実の中、どう交渉相手を巻き込むかという「包摂性」にこだわり、徹底的に解決の糸口を探った書。筆者は、NHKの報道現場が原点であり、どこまでも現場の当事者にこだわる。南スーダンやイラク、アフガニスタンというただでさえ入国が困難な国で、難しい高官インタビューを重ね、かつ庶民の様子や現場の空気も大切にする。報道、国連、大学という異なる分野を渡り歩き、「ファクト」「現実的な戦略と実行性」「崇高な理想と理論」の各分野の重要な要素をバランスよく盛り込んだ良書だ。膨大な時間をかけて取材、理論構築しており、説得力にもあふれている。
 
 
 

痴漢行為がやめられず、5度も逮捕されました。

2020年06月12日 12時30分35秒 | 事件・事故

心のケア 医療

ヒューマンファーストのこころの治療
こころの病を抱える人が生きるためには、「デイナイトケア」の治療しかない!
 
従来のこころの病は隔離病棟での治療が一般的であった。 本記事で紹介するのは、「デイナイトケア」というこれまでにない、まったく新しい治療法である。
「デイナイトケア」とは、こころの病を「通い」で治すといった新しい治療法。 入院しない治療方法とはどんなものなのか。 また、なぜ現代日本人はこんなにもこころの病にかかってしまうのか。
 
――「こころの病にかかってしまうのは、あなたのせいじゃない。」 日本精神医学・医療の常識と闘いつづけている著者が語る、新しいこころの病との向き合い方。
性欲のゆがんだ男たち
過度なストレスがかかり精神が耐えきれなくなると、人のこころは無意識のうちにこころの逃げ道を探します。それが「うつ病」の症状になって出てくることもあれば、「依存症」の症状になって出てくることもある。たとえば、高度成長期には逃げ道が「お酒」に求められることがほとんどでした。「それしかなかった」といったほうが、適当かもしれません。
ところがいまは嗜好が多様化したせいで、依存症の対象もさまざまです。アルコール依存症はいまなお多数を占めますが、覚せい剤や危険ドラッグのまん延も深刻です。体内に取り込む「もの」依存だけでなく、恋愛や虐待(暴力)など「関係」に依存するもの、過食・拒食やギャンブルや仕事など「行為」に依存する症状もあります。
「行為」依存の1つに「性依存」があります。痴漢、盗撮、のぞき、下着泥棒、風俗通い、強姦、サイバーセックス、露出、小児性愛(ロリコン)等々。不思議なことに同じ性依存でも、痴漢をする者はのぞきや強姦には興味を示しません。生身の女性よりも、女性が身につけているモノに異常な興奮を示す者もいます。こうした傾向を見ると、異性に対する興味や関心というよりも、行為そのものへの執着が強いようです。
34歳の元システムエンジニアの男性は、痴漢行為がやめられず、5度も逮捕されました。きっかけは、高校1年生のとき。たまたま混雑した電車内で、手にもっていたノートの針金が女子高生のスカートにひっかかってしまったことだといいます。女性のお尻に手が触れた瞬間、こころの奥底に隠れていた性的嗜好のスイッチが入ってしまいました。
帰宅してネットでアダルトサイトにアクセスすれば「痴漢もの」「女子高生もの」などいくらでも視聴できます。そこで止まっていればよかったのですが、いったん火がついた性的欲求はそう簡単にはしずまりません。妄想はどんどん過激になっていき、ついに自分で体験したいという欲望が抑えきれなくなってしまったのです。
それ以来、満員電車に乗るとそのときの興奮を思い出し、痴漢行為をするようになります。最初は女子高生を見つけては近くに立ち、電車の揺れによる偶然をよそおって自分の体を押し付ける程度だったといいます。しかし、だんだんとそれでは満足できなくなり、行為がエスカレートしていきます。
大学1年のときに初めて逮捕され、罰金20万円を払って釈放されました。このときは大学には知らされず、退学にもならずにすみました。それでしばらくはがまんしたのですが半年後には再開し、大学4年のときに2度目の逮捕(罰金40万円で釈放)。
3度目の逮捕はその3カ月後、有罪判決をうけるも執行猶予がついて釈放。4度目の逮捕は2年後で、ついに実刑判決が出て6カ月間服役しました。
彼はこの間に就職をしていますし、服役後には結婚もしました(痴漢行為のことは隠していました)。夫婦のセックスもあって落ち着けるかと思ったものの、3年ほどしてまた痴漢行為をはじめてしまいます。当クリニックにやってきたのは、5度目の逮捕で裁判を受けている最中です。
カウンセリングをしましたが、罪悪感など微塵も感じておらず、痴漢行為はストレス解消の手段、あるいはゲーム感覚であったといいます。
これが性依存の1つの現実です。なぜ、こうした歪んだ性癖をもつ男たち(女性はほとんどいません)が増えてしまったのでしょうか?
1つには、性の情報が氾濫している現実があげられます。いまどきのネットにはアダルト映像がいくらでもあり、いつでも簡単に視聴できます。しかも、その内容はどんどん過激になるばかり。それらは本物っぽく演出されてはいても、しょせんは「つくりもの」に過ぎません。しかし、そうしたサイトに入り浸っていると、虚構と現実の区別がつかなくなってしまうのです。
現実の世界では好きな女性に告白して手を握るだけでも、ドキドキしたり落ち込んだり、いくつもの苦労や心労を重ねるものです。それがまた恋愛の楽しさでもあるのですが、人間関係の希薄な社会に育ち他者とのコミュニケーションが苦手な若者たちは、そうしたステップを「面倒くさい」と敬遠してしまいます。部屋にこもってアダルトビデオを見ていたほうがはるかに簡単だし、彼らの望む欲求も満たされます。
かくして、巷には現実の女性に関心を抱かない草食系男子が増えたのです。
しかし、羊の皮はかぶっていても、その頭のなかは過激な妄想がぱんぱんにつまっています。そうしてなにかのきっかけで現実と虚構の壁が崩れてしまったとき、歯止めの利かない性犯罪におよんでしまうのではないでしょうか。

榎本 稔

1935年生まれ。1957年東京大学教養学部理科二類修了。1961年東京医科歯科大学医学部卒業。1975年山梨大学保健管理センター助教授。1988年東京工業大学保健管理センター教授。1992年榎本クリニック院長。1997年より現職。榎本クリニックでは「デイナイトケア治療」を積極的に取り入れ、精神科を受診する人たちが日々の居場所を確保したり仲間作りをしたりできるようにしている。 
デイナイトケアには、精神科医、看護師、心理士、ケースワーカーなど様々な職種のスタッフが勤務しており、コミュニケーションスキルのトレーニングや社会復帰のためのサポートを行っている。