感染対策、政府の見通し甘く コロナ打開策見えず 緊急事態延長

2021年05月07日 12時06分26秒 | 社会・文化・政治・経済

5/7(金) 7:08配信

時事通信

政府は新型コロナウイルス対策で緊急事態宣言の今月末までの延長と、対象地域の拡大を余儀なくされた。

 当初の宣言期間は11日までの17日間という短期間で、政府内にも感染が解除レベルまで下げられるかどうか懐疑的な声が出ていた。延長に伴い、政府は休業要請の一部緩和も模索するが、感染減に向けた見通しは立っておらず、対策のちぐはぐさが目立つ。

 「感染状況は十分に下がっていない。医療提供体制は関西圏を中心に非常に厳しい」。田村憲久厚生労働相は6日、厚労省の専門家会合で、緊急事態宣言の効果が道半ばだと認めた。

 政府は先月25日、3度目となる緊急事態宣言を東京、大阪、京都、兵庫4都府県に発令。昨年春以来の大型商業施設などへの休業要請に踏み切った。期間については「最低3週間なければ効果が見えない」(厚労省幹部)との懸念が出ていたにもかかわらず、菅義偉首相ら政府首脳は大型連休中の短期集中策に固執。休業による経済のダメージを避ける思惑があったとみられる。

 結果を見れば見通しの甘さは明らか。4都府県は依然として新規感染者数が高止まりし、大阪府では入院待ちで死亡する感染者が相次ぐなど「医療崩壊」が深刻化している。

 病床逼迫(ひっぱく)の指標として、療養中のコロナ患者のうち何人が入院中かを示す「入院率」も、大阪府では1割程度から改善せず宣言延長は不可避の状況だ。3度目の宣言について、内閣官房幹部は「何のために短期集中としたのか不思議でならない」と、当初の判断を疑問視する。

 ◇ワクチン頼み
 4都府県への宣言期間中は全国各地でも新規感染者数が再び増加に転じた。北海道や福岡県などは、宣言に準じた「まん延防止等重点措置」の適用を相次ぎ要請した。

 特に福岡県は4都府県への宣言発令を決めた際、感染症専門家から「福岡も宣言レベルの状況」と指摘されていたが、県の意向も踏まえ対象から外した。一方、県から重点措置の適用要請を受けても政府は直ちに検討に入らず、結果的には県の要請を上回る緊急事態宣言の対象に追加する方針。以前から指摘されている政府と自治体の連携の悪さを露呈した。

 政府は休業要請や移動自粛など連休の感染対策について、「人流は間違いなく減少している」(首相)と強調し、休業要請の緩和を検討。一方、専門家は宣言地域だけでなく全国的にも感染力の強い変異ウイルスへの置き換わりが進むと分析しており、人出が戻れば感染拡大につながるリスクがつきまとう。

 政府関係者は、7月末までを目指す高齢者へのワクチン接種完了が新型コロナ対策の分岐点になると指摘。「それまで抜本的な対策はない。状況に応じて打つ手を考えるしかない」と話した。 

 

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子育てに自信をもつことだ

2021年05月07日 11時28分06秒 | 伝えたい言葉・受けとめる力

子育て、それは「毎日が<戦争>のようです」
実感のこもった言葉である。
とくに子どもが小さいうちは、母親には少しも気が休まる時間がないのが現実。
子育ては「この子を絶対にに幸福にしてみせる」
「私たちの未来を託すのだ」という心が根本にある。
また、子どもが命にかかわる病気の場合もあり、その親の苦しみ、悲しみは計りしれないものがある。
いちばん苦しんでいるのは病気を患った本人であり、どんな幼い命でも、「生きよう。生きよう」と瞬時も休まず闘っている。
それは生命の本然の力だ。
ならば、周りの家族が、「苦悩に押しつぶされない」
「希望を捨てない」こと、「家族が力強く生きる」こととだ。
病気も、長い目でみれば、より強い子に育つ要因ともなる。
「この子を愛している」と心底から言えるのがお母さん。
母の愛はだれよりの強く大きい。
ともあれ子育てに自信をもつことだ。
何らかの事情でひとり親であっても、子どもが劣等感をもたないようにすることが重要だ。
両親がいなくても、立派に育つ子どもは少なからずいる。
どのような苦しみや試練があっても「生まれてきて、ありがとう」-心から言えるようになった時、親子はともに、幸福の方向へ進んでいけつのではないだろうか。

 


5月12日は「看護の日」

2021年05月07日 10時55分52秒 | 医科・歯科・介護

▽いかなる分野においても
あらゆる善きことが成就されるには
必ず絶え間ない自己犠牲がある
その生涯は決して犠牲ではないのである。
その生涯は最も幸福な仕事に携わっているのである-ナイチンゲール
▽5月12日は「看護の日」
近代看護を築いたフローレンス・ナイチンゲールの誕生日にちなみ、5月12日に制定されました。
 1965年から、国際看護師協会(本部:ジュネーブ)は、この日を「国際看護師の日」に定めています。

▽「看護の日」制定の趣旨

21世紀の高齢社会を支えていくためには、看護の心、ケアの心、助け合いの心を、私たち一人一人が分かち合うことが必要です。
こうした心を、老若男女を問わずだれもが育むきっかけとなるよう、旧厚生省により、「看護の日」が1990年に制定されました。
市民・有識者による「看護の日の制定を願う会」の運動が、きっかけでした。


声のサイエンス―あの人の声は、なぜ心を揺さぶるのか

2021年05月07日 10時21分22秒 | 社会・文化・政治・経済

声のサイエンス―あの人の声は、なぜ心を揺さぶるのか (NHK出版新書 548)

山﨑 広子 (著)

人は言葉より、声によって動かされている?

私たちを支配する、その絶大な影響力の正体とは?

人の感情が動くときには必ず理由があります。
その大きな要因のひとつが、じつは「声」なのです。
正確に言うと「声という音」です。

人は声を時に目に見えたもの以上に心に残ることがあり、その声によって勇気と希望を送り、真心を送ることができる。

「声の響きこそが、人に勇気を送る」


なぜ人は録音した自分の声が嫌いなのか?

どうして「いい声」の人の言葉には、そうでない人より説得力があるのか?

私たちが普段何気なく使い、聞いている声には、じつは絶大な力が秘められている。

それは人の心を動かし、揺さぶり、自分自身の心身さえ変えていく力を持っている──。声という神秘的で謎に満ちた「音」の正体を、多彩な知見と豊富な事例からひもとく驚きの書。

著者について

■山﨑広子(やまざき・ひろこ)
音楽・音声ジャーナリスト。「音・人・心 研究所」理事。日本音楽知覚認知学会所属。
国立音楽大学卒業後、複数の大学で心理学・音声学を学んだのち、認知心理学をベースに人間の心身への音声の影響を研究。学校教材の執筆も多く手がける。著書に『8割の人は自分の声が嫌い─心に届く声、伝わる声』(角川新書)がある。
 
 
 
声のサイエンスの題名なのに、ワイドショーレベル。
DNAや染色体に声の周波数が影響するって?細胞や遺伝子の仕組みから勉強した方がいい。

なぜ心を揺さぶるのかの、心理学などの科学的な話が聞きたいのに、一般的な説明と非科学的な推測に終始している。反論可能性がなかったり、論評のような内容なのだ。

いや、サイエンスと書かれていないただのエッセイならいいんだよ。話は面白いと思う。でも声のサイエンスを期待して買ったんだ。クレームを言いたくなっても仕方ないよね。
 
 
自分の声に対する嫌悪感がずっとあったので、気になって購入しました。これはかなり目からウロコ。声への嫌悪感を放置するって思った以上の人生の喪失だとわかりました。いま、この本の内容に沿ってオーセンティックボイスを探している最中です。
 
 
声の魅力や威力を様々な観点から解き明かしていただいています。特に、自己肯定感と自分の声を好きか否かが大きな相関があることや、オーセンティックボイスの大切さは多くの方々に示唆に富んだ指摘だと思います。「コホン」の小技も有効でした。(笑)就活コーチ 廣瀬泰幸
 
 
タイトルは「サイエンス」と付いていますが、筆者の主観的な感覚でのお話が随所に登場し、ついていけませんでした。

書かれている内容は、声楽での発声法の本に書かれていることも多く、新鮮さはありません。
逆に根拠なく断定的に記述されているエピソードが多く、筆者の主観の押し売りのような気がしています。科学的な測定や根拠がないと、エピソードの披露は主観的なものとしか言えません。

48pの「オペラ歌手などはオーケストラにひけをとらない声量と表現を可能にします。」も大げさな表現で、科学的な音量の測定なしに書かれている記述でした。
オーケストラもソリストが歌うときは当然音量を抑えるから聞こえるのであって、オーケストラがtuttiで大音量を奏でられれば、ドミンゴでもパバロッティでも音量では負けます。一人ですから、当然です。

71pの「日本人女性の声は異常に高い」は350ヘルツ前後だそうで、科学的な根拠は理解できました。そしてその意味付けとして、声が高いのは「未成熟・身体が小さい・弱い」を表しているようです。
「女性がそのような声を出すのは、男性や社会がそういう女性像を求めていて、女性が無意識にそれに過剰な適合をしようとしているということなのでしょう。」と断じていました。この論理の飛躍、根拠を示さずに結論付けるのは筆者の文章の中で随所に登場します。統計をとり、ヒアリングをした結果、そのような結論になるのなら、一定理解できるのですが。

田中角栄氏の声は実に魅力的です。たたき上げのキャリアを彷彿とするものです。サッチャー氏の低い声も個人的には好きです。
ただ、116pに登場する2人の政治家についてはやはり個人の感想なのですね、これは。60代男性議員と60代半ばの女性議員のエピソードです。確かに政治家の声は大切です。話し方はもっと大事でしょう。男性政治家の能力は別として、話し方を好むかどうかは分かれると思います。好き嫌いの範疇に入る感想ですから。

150pの「人前で話すことの苦手意識と自己への無能感は比例する」は統計的な裏付けのある話でした。日本の若い人がこのような思いを背負っているのなら、気の毒なことだと思いました。学校教育の話題も登場しています。そこの教育が改善されれば良くなるのであれば嬉しいのですが。青年のプレゼンテーションの苦手意識とリンクしているように受け取りました。
 
 
「自分の声を好きになれない」「人前で話すのが苦手」という人が多く、自己肯定感の低さと相関しそう。
悪目立ちしたくない、というのはいかにも日本的。中学生の7割の人が「人前で話すことが嫌い」と答えているそうだ。アメリカでは自分の意見を主張することが重要視され、プレゼン能力も授業で課されるせいか「人前で話すことが嫌い」な学生は1割もいないそう。

自分の「本来の声」をとりもどしましょう、そうすると連鎖的に心身の健康も良くなりますよ、といったことが書かれている。
「本来の声」というのは、必ずしも可愛い声とか、美声とも限らない。本の帯の田中角栄氏のダミ声を動画で確認してみると、自分にはあまり声の魅力はわからなかったが、直接会って聞いたら違うのかも。

日本女性の声に関しては、アニメ声、高すぎる声が多いのだそう。本人たちは気づかぬうちにアイドルの影響を受けたり、若さや幼さが好まれる社会に無意識に媚びていたりするようだ。男女格差とも関係しており、日本はジェンダーキャップ指数は世界で114位(2017年)と格差が大きい国。
そういえば、欧米の女性は、現地のドラマやニュースを見る限り、落ち着いた普通の声で話す人が多い印象。

さて、自分の声を客観的に知る、そして本来の自然な声を取り戻すには、自分の声を録音するのが良いとのこと。耳障りな笑い声だったり、早口だったり、声が高すぎたり、ガサガサしていたり、、と発見があるそう。
電話で友人と話すとき、家族と話すとき、仕事でプレゼンするとき、雑談するときなど、色々な場面でスマホやICレコーダーを利用して録音し、後で自分で聞いてみる。
すると、こういう心理(緊張、リラックス、楽しい、イライラ)のとき、自分はこんな声を出しているのか!と発見があり、自覚できるそう。
それを分析し、なるべく落ち着いた気持ちの声、自然体な声に近づけていくと良いようだ。
 
 
本書の刊行直後に書いたレビューがなぜか消えていたので再度投稿します。

読み物としての質や論旨の評価以前に、
本書には参考文献や引用した先行研究データの出典が、
少なくとも読者が確認できる仕方ではひとつも(!)明記されていません。
大学1年生が初めて書いたレポートならまだしも、
「サイエンス」と銘打たれた書籍としてはあり得ないことです。

著者が「音楽・音声ジャーナリスト」を名乗り、

「声そのものについての研究が非常に少ない中で、」
「不足していた鎖を見つけ出す方が増えてくださるといいなあと思います。」
(本書、p.246)
 
 
精神療法では、「なにを言うか」ではなく「どんな声で言うか」が大切だ。

大御所の先生がそう仰っていた。

有名な精神科医であるサリヴァンも、
「Verbal therapy というものはなく、Vocal therapy があるのだ」
というようなことを言っていたらしい。これは、分かる人には分かる、ピンとくる説明である。

さて、本書では、各国の発声の違い、日本で好まれる声、聴覚フィードバック、有名歌手の声の分析など面白い話題を利用しながら、「声」について述べてある。それぞれ面白くはあるのだが、参考文献が記載されていないなど気になる点はあった。これは著者の主観じゃないかなぁ、と感じる部分もある。

とはいえ、「声」を意識する良い機会にはなった。これまで「声」には気を遣っているつもりだったが、録音して練習するというようなことまではやってこなかった。録音しないでやる声の練習はきっと効果も薄いだろう。それは、鏡やビデオでフォーム確認しないままだとスポーツが上達しないのと同じだ。

そういうわけで、スマホにボイスレコーダーアプリを入れた。

公私ともに、声に気を配ってみたい人にオススメ。
 
 
 
魅力的な声(歌声)を得るためのヴォイストレーニングの本は多く出版されている。そして、それに励む方は少なくないが、本書はもっと根源的な内容だ。ふだん発話する声そのものに注意が向けられる。そして、声そのものを魅力あるものとするための方法が示されていく。自分の声に自覚的であることによって、自分本来の声をもつことの大切さが示され、また、発話者のまるごとの人生をあらわす声の(自・他への)影響力のほどが示される。そうしたことどもが、脳科学などとの関係から、論じられる。

「適応障害」など軽度の精神疾患に悩まされている方にとっては、癒しのヒントを得るものとなるように思う。また、そうでないにしても、自分自身であり、自分の人生を生きることは、誰にとっても重要だが、そうするうえでの大きな助けとなるように思う。

少し引用してみる。《作り声や周囲に迎合する声は、頑張れば頑張るほど真実性から離れていきます。いくらかわいらしい声を出していても、あるいは誠実さをアピールしても、できる人ふうの声を出してみても、そこには必ず「真実性とかけはなれたもの」が透けて聞こえてしまいます。 / 言葉ではなく、容姿でもなく、声の真実性が判断を左右し、心を動かすのは、聴覚が受け取った「本物の声(オーセンティック・ヴォイス)」が、脳内で本能を司る旧皮質へと届くからです。それが聞き手の感情を揺り動かし「有無を言わせぬ影響」を与えるのです。 / 人の心に届かない声とは、大脳辺縁系(旧皮質)が無視、あるいは拒否してしまう声です。恒常性に適った真実性のある声は心を動かし、作り声や自分を生きていない声は、心に届かない。・・後略・・p175.176》

(以下、「目次」・章立て)第1部 声はあなたのすべてを晒す / 第1章 聴覚、脳の驚くべき仕組み / 第2章 病気になるとどうして声が変わるのか / 第3章 あなたの声は社会によって作られている // 第2部 人を「動かす」声の力 / 第4章 教会の天井はなぜ高いのか / 第5章 政治家の声はどこまで戦略的? / 第6章 ブルーハーツの歌はなぜ若者の心をつかんだのか // 第3部 自分を「変える」声の力 / 第7章 どうして人は自分の声が嫌いなのか / 第8章 私たちの「本物の声」とは / 第9章 自分の声を定着させるには / 第10章 声はあなたの人生の味方