知識を「知恵」として生かす理念

2021年05月03日 10時11分11秒 | 伝えたい言葉・受けとめる力

▽孤独は山になく、街にある。一人の人間にあるのではなく、大勢の人間の「間」にある。
哲学者・三木清「人生論ノート」
▽「望まない孤独」は不幸で空虚だ。
▽やり直せない人生はない。
▽ごく少数ながら詩人になる人がいる。
詩人になることが不可避だからだ-詩人・野村喜和夫さん
▽詩は作るものではなく、人間を越えた者のあいだに生れてくるのも、詩人は経験によって熟知している-若松英輔
▽現代の危機を克服する鍵は世界市民の育成。
▽自身は何があろうと尊貴な立場だと自覚することだ。
▽大学の根幹をなすものは何か。
それは「創立理念」、教育の真価は、その理念をどれだけ実現できたかだ。
▽他者を深く知ろうとする熱意、知的好奇心の強さと温かい人間性。
▽ビジネスは利益追求だけでなく、社会的課題の解決に尽くすことだ。
▽<何のため>という目的意識、自身の軸がぶれずに、全てに真剣に取り組むことだ。
▽知識を「知恵」として生かす理念。
▽困難や悩みに直面することはあるだろう。
しかし、その時こそ、自身が最も成長できる、かけがえのないチャンスになる。
▽人間を<全体観>でとらえる東洋医学。
その健康や生命に対する認識を深めたいものだ。

 


コラム:中国、世界で最も「扱いにくい貿易相手国」に

2021年05月03日 09時22分50秒 | 社会・文化・政治・経済

Pete Sweeney


[香港 29日 ロイター BREAKINGVIEWS] - 中国は近く、米国を抜いて世界で最も「扱いにくい貿易相手国」となるかもしれない。中国はインドや日本とも対立。問題を抱える2国間関係は増える一方だ。


6月29日、中国は近く、米国を抜いて世界で最も「扱いにくい貿易相手国」となるかもしれない。北京で4月撮影(2020年 ロイター/Thomas Peter)
中国政府は、貿易相手国が一致団結して反撃してくることはないと考えているかもしれないが、それは危険な想定と言える。

習近平国家主席は国内で権力基盤を固めており、今年、対外強硬姿勢を一段と強めている。新型コロナウイルスが流行する中、南シナ海で軍事力を増強。6月にはインドとの係争地域で死者の出る衝突が起きた。中国国営メディアは勝ち誇ったように傷口に塩を擦り込むような報道をしている。

米国、カナダ、豪州との関係は最悪。アフリカ諸国も中国国内で自国民が差別されていると神経をとがらせている。欧州連合(EU)は強硬姿勢で中国との投資協定交渉に臨んでいる。日中関係も一時は改善したが、再び冷却化に向かっている。

中国は、経済面では「あめ」が少なく「むち」が多い貿易相手国といえる。中国の国内消費はまだ貿易相手国を大きく助けるほど回復していない。輸入は昨年12月以降、減少が続いており、5月は17%減少した。これを受け、同月の対米貿易黒字は280億ドルに拡大している。

中国と対立する経済大国も連携が取れていない。米国とEUが反中統一戦線を組むとの観測も出ているが、通商問題を巡る中国やロシアへの対応で米国とドイツの意見はかみ合っていない。

ただ、二国間の報復措置は徐々に増えている。米国は香港への統制を強める中国に対し、本格的な制裁を検討。アジア太平洋地域に中距離ミサイルを配備する計画も浮上している。インド政府は中国からの投資を制限。日本政府も中国から国内に回帰する日本企業を支援している。中国が実現を望んでいる東アジア地域包括的経済連携(RCEP)などの貿易協定も、一連の対立で交渉に遅れが出るかもしれない。

中国の対外強硬姿勢には、国民の不満をそらす狙いもあるだろう。だが、特に新型コロナウイルスの感染第2波が起き、深刻な状況に見舞われた場合、海外との対立に加え、国内経済に予想以上の問題が生じるリスクがある。

中国の強硬姿勢が行き過ぎだったことが近いうちに判明するかもしれない。

●背景となるニュース

*インド、中国による国境沿いの大部隊展開を二国間協定違反と非難

*中印国境の係争地で軍衝突、インド兵士20人が死亡

(筆者は「Reuters Breakingviews」のコラムニストです。本コラムは筆者の個人的見解に基づいて書かれています)

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事ドットコムニュース>国際>米中、世界巻き込み対立 同盟・友好国と関係強化

米中、世界巻き込み対立 同盟・友好国と関係強化

2021年03月19日20時34分
 中国の王毅外相=1月16日、マニラ(AFP時事)

ロシアのラブロフ外相=2019年5月、ロシア南部ソチ(EPA時事)

 【北京時事】米国で18日に行われた米中外交トップ会談に向け、バイデン政権は先進7カ国(G7)や日米豪印4カ国(クアッド)の枠組みをてこ入れし、日本や韓国、欧州諸国との同盟関係強化に努めた。中国は「反中包囲網」(外務省報道官)を危惧しており、友好国ロシアのラブロフ外相を22日に招いて対米連携を誇示する見通し。「新冷戦」の危機にあるとも言われる米中が今後、同盟国や友好国を引き込んで対峙(たいじ)する構図が浮かび上がる。
米中、ハイテク制裁めぐり激突 温度差鮮明―外交トップ会談

 中国外務省の趙立堅副報道局長は18日の記者会見で、ラブロフ氏が22~23日に訪中し、王毅外相と国際・地域問題などを協議すると発表した。ロシア外務省によれば、会談場所は景勝地で知られる広西チワン族自治区桂林市。趙氏は、7月に迎える中ロ善隣友好協力条約締結20周年に向け「双方は意思疎通を一層強化する必要がある」と強調した。習近平国家主席とプーチン大統領の会談に向けた調整も行うとみられる。
 バイデン政権は、中ロを「戦略的競合国」と位置付けて対立したトランプ前政権の強硬姿勢を現時点ではほぼ踏襲。
バイデン大統領はプーチン氏について「殺人者」という認識すら示した。米ロ関係の悪化につれて中ロの対米共闘路線が深まる雲行きだ。在ロシア中国大使館によると、張漢暉大使は今月、ロシアメディアの取材に「対米関係をめぐりロシアと意思疎通を保ちたい」と訴えた。
 ブリンケン米国務長官は18日、訪問先の韓国で北朝鮮の核問題解決に関し、後ろ盾である中国の役割に期待感を表明。中国外務省の趙副報道局長は18日、「引き続き建設的な役割を果たす」と応じた。
 ただ、中国はトランプ前政権と渡り合うため北朝鮮への影響力を駆使した経緯がある。国連安保理常任理事国の中ロは対北朝鮮経済制裁の緩和を一致して求めており、中ロと北朝鮮が米国をにらんで結束を高める展開も予想される。
 一方、国際社会は米中二つの経済大国の間でバランスの取り方に苦慮している。シンガポールのリー・シェンロン首相は今月、英BBCのインタビューで「米中のどちらとも非常に強く広範な結び付きがあり、二者択一は不可能だ。これはシンガポールだけのジレンマではない」と指摘した。

 

 

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習近平王朝の危険な野望 ―毛沢東・鄧小平を凌駕しようとする独裁者

2021年05月03日 09時11分03秒 | 社会・文化・政治・経済

福島 香織 (著)

独裁と強国化で、政治・軍事世界一を狙う国家の野望!

2017年10月に行われた、5年に一度の中国共産党大会。第19回目となるこの党大会で
新指導部である政治局常務委員の7人“チャイナセブン”の顔ぶれが発表された。
このメンバーの中に、新指導部入りが噂された、習近平総書記派の陳敏爾(ちんびんじ)
や胡錦濤(こきんとう)前総書記の腹心である胡春華(こしゅんか)の名前がなかった。

2人はそれぞれ習派(太子党)と胡派(共青団)の期待の若手ホープ。新世代を担うと
目された若手2人が常務委員入りを逃す結果となったこと、さらには反腐敗キャンペーンで、
習近平の右腕として辣腕をふるった王岐山(おうきざん)が政治局常務委員を外れたこと
は一体、何を意味するのか。ますます独裁の色を強める習近平の、日本と世界にとって
危険な野望を明らかにする。

内容(「BOOK」データベースより)

習近平は独裁と強国化で、政治・経済・軍事の世界一を狙っている!日本と世界が危機に直面している!マスコミが書けない赤い帝国の実態!

著者について

福島 香織(ふくしま・かおり)
奈良県に生まれる。大阪大学文学部卒業後、産経新聞社大阪本社に入社。1998年に上海・復旦大学
に1年間、語学留学。2001年に香港支局長、2002年春より2008年秋まで中国総局特派員として
北京に駐在。2009年11月末に退社後、フリー記者として取材、執筆を開始する。テーマは「中国と
いう国の内幕の解剖」。社会、文化、政治、経済など多角的な取材を通じて"近くて遠い隣の大国"
との付き合い方を考える。 日経ビジネスオンラインで中国新聞趣聞~チャイナ・ゴシップス、
月刊「Hanada」誌上で「現代中国残酷物語」を連載している。
TBSラジオ「荒川強啓 デイ・キャッチ」水曜ニュースクリップ出演。
著書には『潜入ルポ 中国の女』(文藝春秋)、『中国「反日デモ」の深層』(扶桑社新書)、
『本当は日本が大好きな中国人』(朝日新書)、『「中国の悪夢」を習近平が準備する』(徳間書店)、
『権力闘争がわかれば中国がわかる』(さくら舎)などがある。
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習近平の敗北 - 紅い帝国・中国の危機 -

 
 
 
◆香港の大規模デモはなぜ起きたのか! !
気鋭のジャーナリスト福島香織が紐解く!
◆最後に9のつく年は必乱の年。必ず乱や厄災が起きる。

1919年五四運動、1949年中華人民共和国建国、1959年チベット動乱、1969年中ソ国境紛争、1979年は中越戦争、1989年6月4日天安門事件、1999年は法輪功弾圧、2009年ウイグル騒乱、そして2019年……。

◆政変、動乱、分裂、台湾有事、食糧・エネルギー危機、バブル崩壊、米中衝突、人口問題…中国を襲う9の厄災

◎今世紀最悪ともいえるウイグル弾圧
◎節目をむかえるチベット
◎宗教の中国化政策という異常
◎中国がしでかした4つの経済失策
◎シロアリにむしばまれた大木
◎豚でも皇帝になれる共産党体制
◎軍事クーデターの可能性も

■静かな全人代にみる〝習近平の敗北"
・民主化よりも毛沢東的手法を選んだ習近平
・米中対立の本質
・少子高齢化が中国をむしばむ
・ AI顔認識監視カメラによる支配は「1984」の世界
・各地で起こり始めた〝農民の反乱?
・鄧小平システムの破壊者
・香港の中国化による爆発
・退役軍人デモ
・嫌われ習近平に漂う政変のにおい
・中国の本当のGDP成長率は1・67%、もしくはマイナス成長
・原発事故はいつか中国でおきる
・一帯一路戦略は成功するのか


■日本は中国とどう向き合うか!

この厄災の降りかかる大国・中国のすぐそばに存在する日本には、どのような覚悟や対策が必要でしょうか。日本がこの〝中国発〟の乱や厄災に巻き込まれないようにする方法はあるのでしょうか。あるいは乱や厄災を事前に防止したり、縮小したりすることはできるのでしょうか。
そもそも、日本人は中国がこうしたリスクに直面しているということを知っているのでしょうか。おそらく、日本人の中国に対する見立てにはかなり格差があると思います。中国は今後、ITやAIで米国をしのぐ市場で製造国となるので、日本にとって大きなビジネスチャンスと信じて疑わない人もいれば、中国は大嫌いなので、経済クラッシュが起きようが動乱が起きようが「ざまあみろ」としか思わない人もいると思います。というより一切関心がないという人が一番多いのではないでしょうか。
本書では、こうした中国に対する認識のギャップを埋めるために、その脅威も、リスクもできるだけ客観的な材料や中国人の書いた記事、論文を参考に紹介していきたいと思います。そして私たちは中国とどう向き合えば自分たちの国や企業や社会や身の安全を守ることができるのかを一緒に考えていただきたいのです。

(まえがきより)
 

内容(「BOOK」データベースより)

無能でも皇帝になれる共産党体制、すさまじい牢獄国家で暮らすということ、日本は中国とどう向き合うべきか!―政変、動乱、分裂…中国を襲う9の厄災。

著者について

福島香織
(ジャーナリスト、中国ウォッチャー、文筆家)
1967年、奈良市生まれ。大阪大学文学部卒業後、1991年、産経新聞社に入社。上海復旦大学に業務留学後、香港支局長、中国総局(北京)駐在記者、政治部記者などを経て2009年に退社。以降はフリージャーナリストとして月刊誌、週刊誌に寄稿、ラジオ、テレビでのコメンテーターも務める。
主な著書に『潜入ルポ 中国の女』(文藝春秋)『中国複合汚染の正体』(扶桑社)『中国絶望工場の若者たち』(PHP研究所)『本当は日本が大好きな中国人』(朝日新書)『権力闘争がわかれば中国がわかる』(さくら舎)『孔子を捨てた国』(飛鳥新社)『赤い帝国・中国が滅びる日』(KKベストセラーズ)『「中国の悪夢」を習近平が準備する』(徳間書店)など多数。月刊誌『Hanada』WEBニュース『JBプレス』でも連載中。ウェブマガジン「福島香織の中国趣聞(チャイナ・ゴシップス)」毎週月曜発行。
 
 
 
福島香織女史は私が日頃から参考にしている中国通でして、女史のメルマガも定期購読しています。この著書だけで現状の中国と習近平を理解できる秀作でした。女史のすばらしいところは口先だけの中国評論家でなく、中国のなかに入りペンをもって戦っているスタンスです。
 
 
中国共産党の権力と派閥の推移や、各リーダーの経済観など、習近平に至るまでの背景にも丁寧にフォーカスを当てているため、情報量としては多いが、論旨に一貫性があって読みやすいです。

中国とその権力者に漂う(一生懸命に漂わせようとしている)儒教的な空気の描き方が上手く、権威を自己演出し続けなければならない中国の指導者を良く捉えてると思う。
これは、同じアジア人のジャーナリストならではかも知れません。

是非、この習近平以降の、今後の中国の指導者たちも追いかけて頂きたいと思う反面、著者の身の安全を考えると、引き際はしっかり見きわめて頂き、無理な取材にならないよう、くれぐれも注意して頂きたいと思います。
 
 
事実に基づいた、ジャーナリスティックな習指導部の分析を期待したのが、とても期待外れな部分が多かった。この人の本を読んだのは初めてだが、池上彰さんの国際情勢分析本を10点とすると、この福島さんの本は3点がいいところ。

章によっては「知り合いの中国人によると~、ある日中関係者によると~、習近平のことを良く知っている人物によると~」とか、「~だそうです、~らしいのです、~と思われます、~のようです、~という説もあります、~という話もあります」といった表現に満ちあふれていて、読み進むにつれ、書いてあることすべてが訝しく思えてきたほどである。「破綻デマ本」で生計を立てていると思われる浅井隆氏と、50歩、100歩の印象を受けた。

全体的にはオーウェルの「1984年」的中国の様相がわかりやすく書かれていて、それなりに新たな知識を得ることができるが、タイトルの「習近平の敗北」は、嫌中の風潮に乗じて、売らんかな主義で後づけしたにすぎない。本書を読む場合に、著者の推測、想像、伝聞の表現を差し引いて読んでいくと、習近平政権の独裁が次第に強固になってきていて、そうやすやすと失脚はしないだろうと分る。福島氏が本書でしきりに喧伝している習近平の「無能さ」も、すべてが伝聞体で書かれていることに留意しておく必要があろう。常識的に考えれば、14億の人口をかかえる国家のトップが無能で務まるはずはない。

それと、校正についてもひとこと。初版のせいだろうか、校正が甘く、ばかばかしい誤植がいくつかある。最初にめっけた49ページの誤植「しいては~」は正しくは「ひいては~」であり、てっきり著者は江戸っ子なのかと思ったが、奈良出身とのこと。そうとう東京暮らしが長いのかもしれない。また、「(監視カメラが全中国人のうごきを)補足している」といった表現が何度もでてくる。監視カメラに動きを「補われた」中国人は、いったいどんな動きをしているのだろう。たぶん「捕捉」と書きたいのだろうが、こうした幼稚な誤植はまったく興ざめである。

習近平の来日が近づいてくると、日中双方の世論操作によって、嫌中の世相もいったんは下火になろう。さすれば、こうした嫌中本の旬もこのさき数か月というところか。きちんとした校正の労を惜しんで、あわてて出版したくなる気持ちも分からないではない。

推測・憶測がばかにおおい福島香織氏にならって私も推測させてもらうが、本書の後半部には目立った誤植は見つからない。とすると、本書の後半部に相当する原稿を受け取ったワニブックスの編集担当から「福島さん、これじゃあ売れませんぜ。もっと噂でも憶測でもバンバン書いちゃって、センセーショナルな本にしましょうや」と言われ、福島さんが「じゃ、この原稿は後半部に持ってきて、ツカミの冒頭部から中盤まで、扇情ジャーナリズムをはめ込んじゃっていいですか?」「いっちゃえ、いっちゃえ。今日もらったヤツは校正にまわして本の後半に組んでおくよ。締め切り迫ってるから、その前半の "扇情部" 急いでね。会社の成り立ちからして吉本興業とつながりの深いウチだから、もともとイエロージャーナリズムって相性がいいのよ。わが社のレゾンデートルが "受けてなんぼ" ってゆーのは知ってるでしょ? 真っ赤な中国に黄色のストライプ、目立って売れそうだね。ああ、そのストライプだけど、まっ黄色のぶっといストライプにしてね」といった経緯で出来あがった本だと思うのですが、ワニブックスさん、いかがでしょう。(そういや、この本、"受けた" 人たちから☆5つの高評価をたくさんもらってる。目論見が当たってよかったね!)

チンピン叩きを期待して購入した向きも多かろうが、本書を読めばそのふさわしいタイトルは「習政権にまつわる "噂話" と米中対立」とすべきところであった。ただ、このタイトルじゃあんまり売れないだろうけど。

それと、著者の福島香織さんにひとこと。あんた、こういう伝聞体の扇情本を書いていると、一生「中国問題の専門家」と見なしてもらえないよ。それでいいの?
 
 
【結論】
 本書は買いである。

【理由/解説】
 他店で購入し、読了した。
 本文351ページと比較的厚い本だが、とても分かり易い記述で素直に読めた。
 中国語を駆使する行動派の福島女史は、単身、中国大陸を取材し、説得力のある論考を我々に提示してくれる。

[レビュアー私見:第2章 暗殺に脅える習近平]
 著者によれば、習近平はなんとこれまで17回も、暗殺未遂に遭っていて、これは歴代の中共指導者のなかで圧倒的に多いという。つまり、中国共産党の中で酷く恨まれており、敵が多いということだ。
 自業自得ではあるが、よくノイローゼにならないものだ。 この御仁、畳の上で死ねるのだろうか?

 「中国の夢」などという妄想をやめ、軍拡を中止し、人民の福祉を考え、身の丈に合った外国に迷惑をかけない国造りをすれば(つまり日本のようになるということ)、支那人も世界中で嫌われることもなく、リーダーが暗殺に脅えることもなくなるのだが。

[レビュアー私見:第5章 香港の中国化による暴発]
 著者の予測が、さっそく現実化した。
 香港の200万人・反中共デモである。 多少、人数を割り引いたにしても、事実上、香港市民稼働人口の過半数が参加したと見ていい。
 香港人の、共産党政権に対する怒りは本物であり、六四天安門事件(死者数不明だが数千人説が当たらずとも遠からずか)で隠しおおせたように、外国の目から遮断して香港市民200万人を撃ち殺すことなど不可能だ。
 これは、本土に伝染しかねない。
 そうしたら、共産党政権は終わりだ。 ソ連と同じく70年で歴史を閉じることになる。 「中国」という国が潰れるくらいなら、第4次国共合作で、台湾の外省人(国民党)に政権を禅譲したほうがいいかもしれない。

[レビュアー私見:第9章 日本の中国急接近]
 著者の指摘するように、ここ1年余の、安倍晋三首相の中国融和姿勢は、極めて妙だ。
 中共の膨張政策「一帯一路」に加担するようなことを言ってみたり、支那人移民受け入れ推進策をやってみたり。頭がおかしくなったのだろうか。 もしかすると、橋龍同様、ハニートラップにやられたのかも知れない。 ハニートラップや、マネートラップを無効化する唯一の方法をお教えしよう。 『ごっつあんでした。』でいい。 奥さんに怒られるかもしれないが、家庭の問題を国政に持ち込んではいけない。 カネを貰ったときは、あとで国庫に納入すればいい。 暴露されるのを隠して国を売るくらいなら、堂々としてほしい。

 我々は、この激動期にご清潔なお利口さん宰相など、欲していないのだ。
 
 
よくネット番組で語られている中国の問題点、即ち、本当の低GDP値、軍との微妙な関係、少子化と高齢化社会、宗教弾圧、チベットやウイグル問題等々に加え、以下の点も印象的だった。
・人は生まれた時から不平等という中国の思想
・習近平主席誕生の背景
・習近平主席のプライドとコンプレックス
・噂される多くの習近平主席暗殺未遂事件
・宇宙開発の目的の一つは月面資源獲得
・原発の大量建設と危険性
・飢饉や食料危機と隣り合わせの状況

更に、米中覇権争いの最中に、急に安倍政権が、同盟国の米国の敵である中国に、一帯一路に協力的になったり、色々と大判振る舞いの政策を採ることになった理由を著者が関係者の意見から複数推察するが、結局のところ、中国通の著者にも真意が分からないという点も印象的であると同時に、安倍政権の対中政策の危うさを感じた。
 
 
 
本書の内容の大部分は米中関係であり、中国のことを深く知る著者の面目躍如なのですが、個人的にはむしろ最近の日中接近の過程で日本が如何に中国に大盤振る舞いをしているかということ、そしてさしたる見返りも得ていないのではないかということを知り改めて残念な思いになりました。自分で自分を守る備えのない国にまともな外交など無理ということでしょう。著者があるyoutubeの番組で(激動の東アジアの今後に備えるには)韓国は小さな国なのでどうでもよいのでは?まずは中国でしょうという意味の発言をされ、確かにと思い本書を手に取りました。大変学ぶところの多い本です。
 
 
習近平の中国が如何に危ない状態か分かる。いくつかの火種を抱えてる。それが最後にどうなるかは、We will seeです。が、何れにしろ日本は影響を受ける。今のような米国頼みでなく。自立した形に持っていけないか痛切に思った。中国の危なかしさはわかったが、同時に日本はこれからどうすべきか考えさせられる本だ。
 
 
習近平の性格や、宗教、農民異民族等の問題を数十にんの、上層部ヒエラルキーのトップで考え抑え混んでるそれに米中貿易摩擦もあるので一帯一路政策も、無理があるんちゃうんかとか、考えながら読ませてもらいました。
 
 

台湾をめぐる米中対立が激化、その行方は?

2021年05月03日 09時07分15秒 | 社会・文化・政治・経済

強まる中国の外交圧力、相次ぐ台湾との国交断絶

2018.5.30  日経ビジネス
福島 香織

台湾と断交したブルキナファソは、中国と国交を樹立した(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)
 米中関係の駆け引きで、半島問題と通商問題がクローズアップされているが、もう一つ大きな駆け引きが動いている。台湾問題だ。特に米国議会が台湾旅行法を2月末に可決して以降、中国の台湾への圧力外交がすさまじい。台湾旅行法可決直後、中国が英字紙チャイナ・デイリーを使って「戦争の可能性」にまで言及して警告。企業には巨大市場にものをいわせて中国台湾の表記徹底を通達した。またバラマキ外交によって5月だけで台湾と断交させた国家は2カ国となった。

 一方で、トランプ政権は安全保障担当の大統領補佐官に、親台湾派で反中最右翼のジョン・ボルトンを起用して以来、台湾支持の立場を徐々に鮮明にしてきた。米国は台北で6月に落成式を迎える新在台湾事務所の警備に海兵隊を派遣するという話もあり、国防権限法に基づく軍艦の台湾寄港や軍高官の台湾訪問もちらつかせ始めた。台湾をめぐる米中対立はどこに向かうのか。

 台湾の外交関係は4月から5月にかけて激変した。2016年12月にサントメ・プリシンペとの断交が発表され、2017年6月にパナマとの断交が決まった。今年5月1日にはドミニカ、同月24日にブルキナファソが台湾との断交を発表している。中国はブルキナファソに500億ドルの経済援助を持ち掛けてきた。

 台湾外交部長の呉釗燮は、責任を取って辞任の意向を蔡英文総統に伝えたが、慰留されて現職に留まることになった。蔡英文政権になって台湾と断交した国はこれで4カ国。台湾と国交を維持している国家は過去最少の18カ国となった。台湾外交部長は中国の金銭外交が台湾の友好国を奪った、と批判するが国家同士にもともと友情はなく、あるのは利害関係だけである。カリブ海や西アフリカの小国にとってチャイナマネーの魅力に抗うことは難しい。

 3月末にはバチカンも中国との国交回復に動く、という情報が流れたが、これは台湾の司教団のバチカン訪問を伴う必死の働きかけと、バチカンの掲げる信仰の自由の建前を中国側は宗教白書で真向から否定したことで、ぎりぎり踏みとどまったかっこうになった。だが、これも時間の問題かもしれない。次はパラグアイが断交に踏み切るのではないかという予測もあり、台湾の国際生存空間がじりじりと狭まっている。

 また中国は外国の航空会社に台湾表記を「中国台湾」と表記するように4月25日に通達。一カ月以内に応じない場合は行政罰を課すとの圧力を加え、通達を受けた44社のうち18社がすでにこの要請を受け入れた。残りの26社は技術的問題を理由に、変更期限の延期を申し入れているが、7月25日までには変更するとみられている。米国はこれに対して猛抗議を行っている。

米中関係の駆け引きで、半島問題と通商問題がクローズアップされているが、もう一つ大きな駆け引きが動いている。台湾問題だ。特に米国議会が台湾旅行法を2月末に可決して以降、中国の台湾への圧力外交がすさまじい。台湾旅行法可決直後、中国が英字紙チャイナ・デイリーを使って「戦争の可能性」にまで言及して警告。企業には巨大市場にものをいわせて中国台湾の表記徹底を通達した。またバラマキ外交によって5月だけで台湾と断交させた国家は2カ国となった。

 一方で、トランプ政権は安全保障担当の大統領補佐官に、親台湾派で反中最右翼のジョン・ボルトンを起用して以来、台湾支持の立場を徐々に鮮明にしてきた。米国は台北で6月に落成式を迎える新在台湾事務所の警備に海兵隊を派遣するという話もあり、国防権限法に基づく軍艦の台湾寄港や軍高官の台湾訪問もちらつかせ始めた。台湾をめぐる米中対立はどこに向かうのか。

 台湾の外交関係は4月から5月にかけて激変した。2016年12月にサントメ・プリシンペとの断交が発表され、2017年6月にパナマとの断交が決まった。今年5月1日にはドミニカ、同月24日にブルキナファソが台湾との断交を発表している。中国はブルキナファソに500億ドルの経済援助を持ち掛けてきた。

 台湾外交部長の呉釗燮は、責任を取って辞任の意向を蔡英文総統に伝えたが、慰留されて現職に留まることになった。蔡英文政権になって台湾と断交した国はこれで4カ国。台湾と国交を維持している国家は過去最少の18カ国となった。台湾外交部長は中国の金銭外交が台湾の友好国を奪った、と批判するが国家同士にもともと友情はなく、あるのは利害関係だけである。カリブ海や西アフリカの小国にとってチャイナマネーの魅力に抗うことは難しい。

 3月末にはバチカンも中国との国交回復に動く、という情報が流れたが、これは台湾の司教団のバチカン訪問を伴う必死の働きかけと、バチカンの掲げる信仰の自由の建前を中国側は宗教白書で真向から否定したことで、ぎりぎり踏みとどまったかっこうになった。だが、これも時間の問題かもしれない。次はパラグアイが断交に踏み切るのではないかという予測もあり、台湾の国際生存空間がじりじりと狭まっている。

 また中国は外国の航空会社に台湾表記を「中国台湾」と表記するように4月25日に通達。一カ月以内に応じない場合は行政罰を課すとの圧力を加え、通達を受けた44社のうち18社がすでにこの要請を受け入れた。残りの26社は技術的問題を理由に、変更期限の延期を申し入れているが、7月25日までには変更するとみられている。米国はこれに対して猛抗議を行っている。

 航空会社だけでなく、銀行、ホテルその他の企業でも台湾に関する表記を中国台湾省とするように圧力がかけられている。日本の衣料・生活雑貨店の無印良品が商品に「原産国:台湾」と表記していた商品を中国国内で販売していたことに対し、「中国の尊厳や利益を損ねた」として20万元の罰金が科された。無印良品側は中国国内法に違反したことを謝罪し、すぐさま表記の変更を行ったという。米アパレル大手のGAPも、Tシャツの柄の中国地図について「台湾が描かれていない不正確な地図」を書いたとして、中国のSNS微博などで炎上、GAP側はTシャツの廃棄処分と謝罪に追い込まれた。

 また軍事的圧力も目に見える形で強まっている。4月以降、中国の爆撃機H-6が連日、宮古海峡から台湾南方のバシー海峡を通過し、台湾を周回する形で飛行した。4月18日には台湾周辺での実弾演習を行った。12日に南シナ海で行った中国史上最大規模の海上閲兵式(観艦式)とセットで、台湾に対する軍事威嚇と受け取られている。5月11日にも、南シナ海上で、「台湾などの高速砲艦が中国の空母を攻撃した場合」を想定した演習が行われ、この様子は中国の国営ネットテレビで公開された。

 5月11日の演習では、Su-35戦闘機を初めて、H-6K爆撃編隊とともにバシー海峡に飛ばし、台湾を周回して威圧した。中国が南シナ海の人工島にミサイルや爆撃機を配備し着々と軍事拠点化を進めているのも、対台湾作戦を想定したものとみられている。

 一方で3月、台湾の若者の就学、就職を中国本土に誘致する優遇政策を31項目打ち出し、就職氷河期に苦しむ台湾の学生の親中化を図ろうとしている。

台湾擁護を打ち出し始めた米国

 こうした中国の攻勢に対して、蔡英文政権はほとんどなすすべがない状態ではあるが、米国が台湾擁護の姿勢を鮮明にしだした。

 米国下院が5月下旬、2019年度国防権限法を可決し、米台の軍事交流を推進する方針を打ち出したほか、共和党下院議員のダン・ベーコンがいわゆる台湾防衛事務評議委員会法を提出したのを含め、この二カ月の間に、台湾防衛に関する法案が四つ提出されている。

 さらに米台の軍事技術協力を議論する米台国防産業フォーラムが5月10日に初めて台湾(高雄)で開催され、ロッキード・マーチンやノースロップ・グラマンなどの軍需企業が参加。米当局者は来台しなかったが、米国側主催者の米台商業協会会長が「台湾の潜水艦計画支援に米国の技術が提供されると信じている」と発言するなど、台湾の国防強化の後押しに米国が積極的であることをほのめかした。

 5月26日には、共和党議員で上院外交委員会東アジア太平洋小委員長のコリー・ガードナーらが突然台湾を訪問し、総統の蔡英文と面会。ガードナーは5月25日に民主党議員のエドワード・マーキーとともに超党派で「2018年台湾国際参与法案」を提出しており、台湾がWHO(世界保健機関)など国際機関の会合に参与できるよう主張している。

米中関係の駆け引きで、半島問題と通商問題がクローズアップされているが、もう一つ大きな駆け引きが動いている。台湾問題だ。特に米国議会が台湾旅行法を2月末に可決して以降、中国の台湾への圧力外交がすさまじい。台湾旅行法可決直後、中国が英字紙チャイナ・デイリーを使って「戦争の可能性」にまで言及して警告。企業には巨大市場にものをいわせて中国台湾の表記徹底を通達した。またバラマキ外交によって5月だけで台湾と断交させた国家は2カ国となった。

 一方で、トランプ政権は安全保障担当の大統領補佐官に、親台湾派で反中最右翼のジョン・ボルトンを起用して以来、台湾支持の立場を徐々に鮮明にしてきた。米国は台北で6月に落成式を迎える新在台湾事務所の警備に海兵隊を派遣するという話もあり、国防権限法に基づく軍艦の台湾寄港や軍高官の台湾訪問もちらつかせ始めた。台湾をめぐる米中対立はどこに向かうのか。

 台湾の外交関係は4月から5月にかけて激変した。2016年12月にサントメ・プリシンペとの断交が発表され、2017年6月にパナマとの断交が決まった。今年5月1日にはドミニカ、同月24日にブルキナファソが台湾との断交を発表している。中国はブルキナファソに500億ドルの経済援助を持ち掛けてきた。

 台湾外交部長の呉釗燮は、責任を取って辞任の意向を蔡英文総統に伝えたが、慰留されて現職に留まることになった。蔡英文政権になって台湾と断交した国はこれで4カ国。台湾と国交を維持している国家は過去最少の18カ国となった。台湾外交部長は中国の金銭外交が台湾の友好国を奪った、と批判するが国家同士にもともと友情はなく、あるのは利害関係だけである。カリブ海や西アフリカの小国にとってチャイナマネーの魅力に抗うことは難しい。

 3月末にはバチカンも中国との国交回復に動く、という情報が流れたが、これは台湾の司教団のバチカン訪問を伴う必死の働きかけと、バチカンの掲げる信仰の自由の建前を中国側は宗教白書で真向から否定したことで、ぎりぎり踏みとどまったかっこうになった。だが、これも時間の問題かもしれない。次はパラグアイが断交に踏み切るのではないかという予測もあり、台湾の国際生存空間がじりじりと狭まっている。

 また中国は外国の航空会社に台湾表記を「中国台湾」と表記するように4月25日に通達。一カ月以内に応じない場合は行政罰を課すとの圧力を加え、通達を受けた44社のうち18社がすでにこの要請を受け入れた。残りの26社は技術的問題を理由に、変更期限の延期を申し入れているが、7月25日までには変更するとみられている。米国はこれに対して猛抗議を行っている。

 航空会社だけでなく、銀行、ホテルその他の企業でも台湾に関する表記を中国台湾省とするように圧力がかけられている。日本の衣料・生活雑貨店の無印良品が商品に「原産国:台湾」と表記していた商品を中国国内で販売していたことに対し、「中国の尊厳や利益を損ねた」として20万元の罰金が科された。無印良品側は中国国内法に違反したことを謝罪し、すぐさま表記の変更を行ったという。米アパレル大手のGAPも、Tシャツの柄の中国地図について「台湾が描かれていない不正確な地図」を書いたとして、中国のSNS微博などで炎上、GAP側はTシャツの廃棄処分と謝罪に追い込まれた。

 また軍事的圧力も目に見える形で強まっている。4月以降、中国の爆撃機H-6が連日、宮古海峡から台湾南方のバシー海峡を通過し、台湾を周回する形で飛行した。4月18日には台湾周辺での実弾演習を行った。12日に南シナ海で行った中国史上最大規模の海上閲兵式(観艦式)とセットで、台湾に対する軍事威嚇と受け取られている。5月11日にも、南シナ海上で、「台湾などの高速砲艦が中国の空母を攻撃した場合」を想定した演習が行われ、この様子は中国の国営ネットテレビで公開された。

 5月11日の演習では、Su-35戦闘機を初めて、H-6K爆撃編隊とともにバシー海峡に飛ばし、台湾を周回して威圧した。中国が南シナ海の人工島にミサイルや爆撃機を配備し着々と軍事拠点化を進めているのも、対台湾作戦を想定したものとみられている。

 一方で3月、台湾の若者の就学、就職を中国本土に誘致する優遇政策を31項目打ち出し、就職氷河期に苦しむ台湾の学生の親中化を図ろうとしている。

台湾擁護を打ち出し始めた米国

 こうした中国の攻勢に対して、蔡英文政権はほとんどなすすべがない状態ではあるが、米国が台湾擁護の姿勢を鮮明にしだした。

 米国下院が5月下旬、2019年度国防権限法を可決し、米台の軍事交流を推進する方針を打ち出したほか、共和党下院議員のダン・ベーコンがいわゆる台湾防衛事務評議委員会法を提出したのを含め、この二カ月の間に、台湾防衛に関する法案が四つ提出されている。

 さらに米台の軍事技術協力を議論する米台国防産業フォーラムが5月10日に初めて台湾(高雄)で開催され、ロッキード・マーチンやノースロップ・グラマンなどの軍需企業が参加。米当局者は来台しなかったが、米国側主催者の米台商業協会会長が「台湾の潜水艦計画支援に米国の技術が提供されると信じている」と発言するなど、台湾の国防強化の後押しに米国が積極的であることをほのめかした。

 5月26日には、共和党議員で上院外交委員会東アジア太平洋小委員長のコリー・ガードナーらが突然台湾を訪問し、総統の蔡英文と面会。ガードナーは5月25日に民主党議員のエドワード・マーキーとともに超党派で「2018年台湾国際参与法案」を提出しており、台湾がWHO(世界保健機関)など国際機関の会合に参与できるよう主張している。

 6月12日には米国在台協会台北事務所(AIT、米大使館に相当)の新庁舎落成式が予定されており、新庁舎の警備に、他の在外公館と同様、海兵隊が派遣されるのではないか、という情報が台湾メディアから出ている(中国メディアによるとAITは否定しているという)。

AIT新庁舎落成式をめぐる駆け引き

 事実なら、AITは大使館扱いに格上げされた、ということになる。また落成式に米国政府から誰が派遣されるかも様々な憶測が流れており、一時は、大統領補佐官で親台湾反中派の最右翼であるボルトンではないか、という噂も流れた。シンガポールで開催予定の米朝会談と同日の6月12日という日取りから、ボルトン出席の可能性は早々になくなったが、米朝会談の裏番組的ポジションで遂行されるAIT新庁舎落成式は、中国との駆け引きにおいて重要な場面かもしれない。

 米国は5月27日、今年に入ってから3回目の「航行の自由」作戦を南シナ海で実施したが、これも台湾カード、南シナ海カードをちらつかせた対中牽制の一環といえる。カナダの華字メディア新華僑報は同日、今年に入ってからのこうした米中の一連の台湾をめぐる動きを総じて、「火薬のにおいが濃くなっている」と警告を発している。

 二大大国の駆け引き交渉のまさにカードとなっている台湾自身の危機感も当然深まっており、2018年1月の民意調査(台湾民主基金会調べ)では、68%の青年が中国が侵攻してきたら軍に志願するかその他の手段で抵抗する、と答え、台湾が独立をかけて戦争するなら55%が参戦すると答えていた。もちろん91%が戦争ではなく現状維持を望むとするものの、台湾が統一を望まない場合に中国が一方的に武力統一を仕掛けてくる可能性はいまだかつてなく高まっていると感じているようだ。台湾の民間シンクタンク、両岸政策協会の民意調査(5月4日発表)によれば、79・5%の回答者が中国が台湾に対して友好的でないと感じている。

 台湾が4月30日に行った軍事演習は、中国と名指しはしていないが、敵対勢力の侵攻を想定した撃退シミュレーション演習であった。6月4日から8日にかけても第二弾の実弾軍事演習が予定されているが、この演習に初めて民間企業のドローンも参加し、戦場状況監視などをサポートする。演習自体は例年行われているが、今年の演習の真剣みはやはり特別だろう。

こうした台湾をめぐる米中駆け引きのエスカレートは、当然のことながら、半島問題での駆け引きと米中通商協議などその他の米中交渉とのからみの中で動いている。トランプ政権、習近平政権ともに、トップの判断がそのまま方針や決断に反映されやすい部分があり、これまでの官僚・省庁中心で良くも悪くも縦割りで交渉されていた通商問題や個々の外交問題が、今は一つテーブルの上ですべてを交渉材料としてダイナミックに駆け引きされうる状況だ。トランプがZTEへの禁輸措置を持ち出せば、習近平も金正恩となにやら密談したふりをしてみせる。米国が台湾接近姿勢を示せば、中国は南シナ海の軍事拠点化をアピールする。

 気になるのは両国にとっての優先順位で、私は中国にとっての最優先事項はおそらく台湾問題であろうとみている。習近平政権にとって、通商問題で妥協するより、半島問題で妥協するより、台湾統一を諦めることの方が、党内・国内における国家指導者としての正統性や求心力を大きく損なう。逆に言えば、台湾統一は、少々の経済問題や半島問題の失点をリカバリーできるだけの中国にとっての悲願なのだ。だからこそ武力侵攻も辞さないという、かなり本気の恫喝を交えて台湾を事実上の“無血開城”に追い込もうと画策しているわけだ。

台湾の民主主義と独立性を守ることの意義

 では米国の最優先事項はどこになるのか。通商問題なのか半島問題なのか台湾問題なのか、あるいは中東なのか。中国側は、おそらくトランプ個人がビジネスマン気質であるという根拠から、トランプ個人の経済的利益、中間選挙に有利かどうかを最優先に考える、と想定しているのではないか。だが、もし米国が本気でアジアにおけるプレゼンスを取り戻し、米国一強時代を守り抜く、ということを政権としての最終目標にもっているならば、中国の太平洋進出の野望を抑え込むことこそがポイントで、そのために、台湾の民主主義と独立性を守ることこそ最優先テーマだと判断するのではないだろうか。

 私は米国政府からの直接情報筋は持っていないので、トランプ政権の最終目標がどこにあるのかについては分からない。先日、コロンビア大学の中国専門家と意見交換した際には、トランプが大統領になった真の目的は、個人的経済利益(ビジネスにプラスになるなど)である、という見立ても聞いた。とすれば、ある一定の大統領としてのメンツが立てられれば、対中融和的姿勢に転じて、中国市場におけるビジネス利権を追求するといったことも考えられる。

 それはあまり当たってほしくない想定だが、台湾と同様、米中関係の間で自国の安全が揺れる日本としては、自分たちの望ましくない展開もありうることを頭の隅にいれておくべきだろう。そういう望ましくないシナリオを実現させないためには、少なくとも日本は、台湾の民主主義と独立性を中国の恫喝から守ることの意義をきちんと米国はじめ国際社会に向けて発信する必要がある、ということも忘れてはならない、と付け加えておく。

【新刊】習近平王朝の危険な野望 ―毛沢東・鄧小平を凌駕しようとする独裁者

 2017年10月に行われた中国共産党大会。政治局常務委員の7人“チャイナセブン”が発表されたが、新指導部入りが噂された陳敏爾、胡春華の名前はなかった。期待の若手ホープたちはなぜ漏れたのか。また、反腐敗キャンペーンで習近平の右腕として辣腕をふるった王岐山が外れたのはなぜか。ますます独裁の色を強める習近平の、日本と世界にとって危険な野望を明らかにする。 
さくら舎 2018年1月18日刊

 

 

 


新型コロナ 最悪に向かう米中関係

2021年05月03日 08時56分35秒 | 社会・文化・政治・経済

2020年3月24日 日本経済新聞

壊滅的な被害を及ぼすパンデミック(世界的な大流行)は、世界の2つの経済大国が立場の違いを棚上げにして協調する好機にも思える。ところが、米国と中国の関係は1989年の「天安門事件」で中国政府が軍を投入し民主化運動を弾圧した時と同様に、最悪の状態へと近づきつつある。両国は危機のさなかに激しい中傷合戦を繰り広げている。

トランプ米政権と中国の習政権は新型コロナウイルスを巡り対立を深めている=写真はいずれもロイター
中国政府の一部の高官は、米軍が新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を中国に持ち込んだとする陰謀説を吹聴している。一方、トランプ米大統領は、新型コロナウイルスを「中国ウイルス」と呼ぶ。トランプ氏がウイルスの発生源を強調したがるのは、中国からの入国制限が、大統領が迅速に打ち出した数少ない新型コロナ対策の一つだったからだろう。

だがもっと皮肉なことに、トランプ氏の発言は、メディアでまたしても本筋から外れた議論をかき立てている。すなわち批判派が指摘するように人種主義的な発言なのか、それとも事実を口に出すことで米国を守ろうとしているのかというものだ。トランプ氏にとっては、なぜ何週間も新型コロナを軽視していたのかを検証されるよりもはるかに好都合だ。

■前政権時代の協調機運は消え去る

米中の対立は18日に激化した。中国政府は国内に駐在していた米ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の米国人記者ほぼ全員を国外退去にすると発表した。対象者は十数人で、毛沢東が1949年に中国を建国して以来、最大規模の欧米人記者の大量追放となった。

対立がエスカレートしたのは速かった。米国の疾病管理の専門家チームは1月上旬、新型コロナの初期の感染状況を評価するために武漢入りを要請したが、中国はこれを無視した。トランプ氏が1月末に、米国人以外の中国からの入国を禁止すると、中国は猛反発した。中国ではここにきて感染拡大の勢いが少なくとも一時的には弱まっているため、当局は米国の手際の悪さと対照的に自らの断固たる対応を自賛し、一党支配体制の勝利だとの考えを示している。

2つの超大国の関係は、10年足らず前のオバマ米大統領と中国の胡錦濤(フー・ジンタオ)国家主席の時代よりもはるかに悪化している。当時も相互不信は強かったが、両首脳は気候変動や世界金融危機など一部の極めて重要な問題では協調した。

だが、トランプ氏と中国の現在の指導者、習近平(シー・ジンピン)国家主席の下では、こうした緊張緩和は一切ない。トランプ氏は政権を対中強硬派で固め、オバマ氏と習氏が締結した地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」から離脱を表明し、貿易戦争を仕掛け、米国にいる中国人スパイを摘発し、世界の同盟国に対して次世代通信規格「5G」網から中国通信機器最大手の華為技術(ファーウェイ)を排除するよう働きかけている。一方、習氏は外交政策では強硬姿勢を強め、国内では弾圧を強化してきた。

■冷戦時代さながら記者退去で応酬

新型コロナウイルスが中国の国境を越えて拡大し始めた1月に、米中は少なくとも貿易戦争の一時休戦にこぎつけていた。だが、他の多くの分野では緊張が続いている。記者を巡る応酬はまるで冷戦時代の戦略だ。

トランプ政権は2月18日、中国の5つの報道機関を中国政府の「外国の宣伝組織」に認定した。中国は翌日、表向きには中国を「真のアジアの病人」と呼んだ記事の見出しに対する処罰だとして、WSJの記者3人の国外追放を発表した。米国は3月2日、国営の新華社、中国国営テレビ系の外国語放送CGTN、英字紙チャイナ・デーリー配信会社、ラジオ局の中国国際放送、党機関紙・人民日報の関連会社の5社の中国人記者の上限を100人に定めた。つまり、60人を事実上の国外退去処分にした。

中国の対応の方がジャーナリズムにはるかに大きな影響を及ぼすだろう。中国国内の外国メディアから最も優秀な特派員の多くが失われるからだ。この対応はさらに、中国の介入に対する反発から、ここ数カ月抗議デモが頻発している香港の多くの市民を不安にしそうだ。中国は処分の対象になった記者の香港駐在も禁止した。

これは外国人記者が中国本土から締め出されても、なお香港に駐在できるとしていた中国の統治下でのこれまでの慣習を破るものだ。中央政府は事実上、外国人記者の管理については中国のルールの方が香港のはるかに自由な制度よりも優先されることを明確にした。

中国当局はここ数年、多くの西側諸国と対立してきたが、米国に対しては慎重な姿勢を維持してきた。そうした時代は終わりを告げるのかもしれない。中国の激しい報復は、最高指導部が米国に露骨に敵意を示すリスクをいとわなくなりつつあることを示している。

■ウイルス発生源で激しい中傷合戦

新型コロナウイルスの発生源を巡る中国の中傷的な情報発信は、こうした変化の証しだ。中国のネットやメディアでは数週間前から、新型コロナは米中央情報局(CIA)か米軍が開発した米国の生物兵器で、昨年10月に湖北省武漢市で世界各国の軍人のスポーツ大会「ミリタリーワールドゲームズ」が開催された際にまき散らされたとする現実離れした説が流布していた。

中国外務省の趙立堅副報道局長は12日、今や40万人以上のフォロワーがいるツイッターで「感染症を武漢市に持ち込んだのは米軍かもしれない」と主張した。「(事実を)明白にせよ! データを公表せよ! 米国は我々に説明する義務がある!」と同氏は訴えた。他の中国人外交官もうわさの拡散に加担した。他方で米政府高官の中には、新型コロナは武漢の研究所で発生したという根拠のない意見を持ち出した者もいた。

トランプ氏が新型コロナウイルスを「中国ウイルス」と呼び続けるのは中国が陰謀説を唱えているのが一因だとして、ある記者による人種差別だとの指摘を同氏ははねつけた。だが、トランプ氏の言葉は政権スタッフの間などでの人種差別を助長する恐れがある。ある中国生まれの米国人テレビ記者は17日、ホワイトハウスの高官が自分に面と向かって、新型コロナを「カン・フル(カンフーをもじったもの)」と言い放ったことをツイッターで明かした。

今のところ、両国の非難の応酬は大人げないものに思えるかもしれない。だが新型コロナウイルスの感染がさらに拡大すれば、責任転嫁も一段と激しくなるだろう。死者の数が今よりもはるかに増えれば、中国と米国との責任の押しつけ合いは、すでに恐ろしいほど険悪な両国関係に深刻な影響を及ぼすことになる。


入院できず 病室と化す自宅

2021年05月03日 08時52分12秒 | 医科・歯科・介護

5/3(月) 7:48

緊急事態宣言が出ている4都府県の中で、特に医療体制が危機的な状況に陥っている大阪では自宅療養者が「重症化」するケースが相次いでいます。入院する必要があるにも関わらず、入院できない…事態は深刻さを増しています。

▽自宅がまるで“病室”
看護師「失礼します」「お邪魔します」
すでに医療現場が限界を越えている大阪で、新型コロナの自宅療養者への往診を行っている病院があります。

看護師「ちょっと酸素測っておこうか。あと血圧も一緒に見ていきましょう」「保健所から毎日状態確認の電話は?」
患者の女性「ないですね」
看護師「よし、点滴しよう」

点滴袋をハンガーにかけ、自宅がまさに病室と化しています。ぜんそくの持病を持つ40代の女性。ここ数日、吐き気や下痢の症状がひどく食事もとれないため入院を希望しましたが、保健所から「難しい」と告げられたそうです。
自宅療養者「(入院は)多分難しいといわれて」
看護師「今もう中等症でも入院できないから」
女性「でもしんどい時って電話できないじゃないですか、自分1人だと」
看護師「ほんまやな」
看護師「水分ちゃんととって、しんどかったら電話番号教えておくから往診に電話して」

往診を行っているのは東大阪生協病院。
院長「そういう在宅待機の方に医療の手が伸びていないところで、急変のリスクとか、在宅で命を失ってしまう可能性を強く感じましたので。これはもう、何とか入院させてほしいということをお願いするばかりではなくて、在宅医として自宅に行って中等症なら中等症の治療を在宅でまず開始する」
大阪府の自宅療養者の数は過去最多を更新していて、3月以降自宅療養中に死亡した人は14人に及んでいます。

▽「呼吸不全」でも入院できず
こちらはホテルでの療養中に病状が悪化した30代の女性。血液中の酸素飽和度を測ると…90%まで低下しアラーム音が鳴ります。呼吸不全が起きていて、入院が必要とされる数値です。
ホテル療養中の女性(30代)
「それも(看護師に)報告はしているんですが、特に何か動きがあるわけでもありません」
「ずっと胃が気持ち悪くて、数日前からご飯を全く食べられていない状態です。ゼリー飲料は、数日前に少し飲みましたけど、それも気持ち悪くてきのう、おとといくらいから飲んでいません」
「できれば点滴をしたり、治療をちゃんと受けたいです」

重症化の不安から女性が受診したのは、大阪市内のクリニックが行う“オンライン診療”です。
医師「いまSpO2(酸素飽和度)はどれくらいですか?」
30代女性「きのうの夜中92まで落ちて…朝は94とかぐらいでした」
医師「もしかしたら肺炎の可能性もあるかもわからないので、ちょっと肺を守っていくために抗生物質を出します」
コロナで療養中の人は、オンライン診療の費用も原則、公費でまかなわれます。処方された薬は、自宅に送ってもらうことも、最寄りの薬局で受け取ることもできます。

オノダクリニック院長
「オンライン診療を行うことで病床圧迫の軽減につながるのではないかと。それを軽減するのは我々、受け皿となる開業医だと思います」
ホテルで療養中の女性は知人に届けてもらい薬を飲むことができました。

▽大阪「オンライン診療」体制強化も…
こうした状況に大阪府はオンライン診療の体制を拡充したと発表しました。
大阪府 吉村洋文知事(4月30日) 
「450の医療機関に協力をいただいてかなり拡充をしていっています」
「この新型コロナ受診相談センター、この土日も含め終日つながりますので、そちらの方にお問い合わせいただいたら、オンラインの診療先というのをお伝えいたします」

しかし、この受診相談センターに電話をしても…
受信相談センター(自動音声)「恐れ入りますが、しばらく経ってからお電話いただきますようお願いいたします」
自宅療養中の女性(25)「切れましたね」

自宅療養中の25歳の女性は、先月21日に陽性が確認され保健所からの連絡を待つように言われましたが、この10日間、一度もありません。
自宅療養中の女性(25)「きょうは37度5分でした、ちょっと体温が上がっています」

▽10日間“放置”され、ようやく保健所から連絡も…
女性はオンライン診療以外にも、相談したい“切実な悩み”がありました。
自宅療養中の女性(25)
「25日が(給料の)振り込みだったんですけど、手取りがいつもの10万円減ってしまって」
「保健所からの支援もなく全部自分でやらないといけないので、まいりますね」
3月の給料の手取りは23万円ありましたが、コロナに感染した4月は14万円に。
本来、保健所から届くはずの食料品も届かないため、実家や友人からの支援で何とかしのいでいます。
今月2日の午前中、初めて保健所から電話が来ました。しかし…
保健所の職員「味覚嗅覚や37度4分以下の熱が続いている方でも、療養期間は発症から10日間で終了となっています」
女性「もう食事のサポートとかも、もう自宅待機期間が終わってるから何もカバー無しってことですか?」
保健所の職員「そうです」
女性「オンライン診療とかもなしってことですか?」
保健所「はい」

女性は保健所から、すでに療養期間が終わっているため食料品やオンライン診療などの支援は受けられないと告げられました。

自宅療養中の女性(25)
「今までの待機期間は何だったのとも思うし、もう完全に放置で」
「コロナ陽性者に対するサポートの体制が根本的に崩れてしまっているんじゃないかと感じました」

 

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「山梨モデル」を全国導入へ 飲食店にコロナ対策認証制度

2021年05月03日 08時50分31秒 | 社会・文化・政治・経済

5/2(日) 22:41配信

毎日新聞

「やまなしグリーン・ゾーン認証制度」の趣旨を踏まえ、入念に感染防止策を講じる飲食店スタッフ=甲府市で2021年4月9日、田中綾乃撮影

 政府は、新型コロナウイルス感染防止を強化するため、飲食店が講じた対策を第三者が認証する制度を導入するよう、全国の都道府県知事に通知した。こうした制度は山梨県などが運用しており、菅義偉首相が導入の検討を指示していた。

【あなたはいつ? ワクチン接種のスケジュール】

 内閣官房新型コロナウイルス感染症対策推進室によると、同室長と厚生労働省生活衛生・食品安全審議官、農林水産省食料産業局長の連名で事務連絡(4月30日付)を出した。

 事務連絡では、認証基準に従って感染防止対策を講じた飲食店に対して、都道府県や委託を受けた民間業者が実際に店を確認した上で認証を付与する制度を想定。認証基準の案として▽座席の間隔を1メートル以上確保▽換気設備で必要換気量(1人当たり毎時30立方メートル)を確保――といった項目を例示している。地方創生臨時交付金(事業者支援分)を使い、換気設備やパーティションなど対策にかかる費用を補助することも要請している。

 政府は4月23日、コロナ対策の基本的対処方針で、第三者認証制度の普及促進に言及した。同27日には山梨県の長崎幸太郎知事が菅首相と面会し、同県が運用している「やまなしグリーン・ゾーン認証制度」の内容を説明している。【梅田啓祐】

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新型コロナ 茨城県内新たに63人感染 死者1人

2021年05月03日 08時26分23秒 | 医科・歯科・介護

5/3(月) 4:00配信

茨城新聞クロスアイ

茨城県と水戸市は2日、茨城県内で新型コロナウイルス感染者が新たに計63人確認されたと発表した。県内の累計感染者は8271人。また、4月30日に自宅から救急搬送され、搬送先の医療機関で死亡が確認された県内在住の70代女性から、死亡後の検査で同ウイルスが検出された。県内死者は累計135人となった。

県によると、クラスター(感染者集団)発生の可能性がある龍ケ崎市内の社員寮では、新たに20代男性の感染が判明。寮内の陽性者は計6人となった。

ほかに、県外に勤務する陸上自衛隊の30代男性の感染も分かった。

2日発表の新規感染者のうち、27人は感染経路不明だった。

新型コロナ感染者のうち新たに56人が回復。県内の退院・退所などは計7446人となった。

■県内の感染状況  
新規 63人  
累計 8271人  
うち死者 135人  
退院・退所等7446人  
(県発表、2日午後10時現在)

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【国内感染】新型コロナ 61人死亡 5900人感染(5月2日20:20)

2021年05月03日 08時23分59秒 | 医科・歯科・介護

2日はこれまでに全国で5900人の感染が発表されています。

また大阪府で16人、兵庫県で12人、北海道で6人、三重県で5人、愛媛県で4人、福岡県で4人、山口県で2人、愛知県で2人、和歌山県で1人、山形県で1人、岡山県で1人、岩手県で1人、徳島県で1人、東京都で1人、熊本県で1人、神奈川県で1人、茨城県で1人、青森県で1人の合わせて61人の死亡の発表がありました。

国内で感染が確認された人は、空港の検疫などを含め60万4885人、クルーズ船の乗客・乗員が712人で、合わせて60万5597人となっています。

亡くなった人は国内で感染が確認された人が1万387人、クルーズ船の乗船者が13人の合わせて1万400人です。

各自治体などによりますと、国内で感染が確認された人は、累計で次のとおりです。

( )内は2日の新たな感染者数です。

▽東京都は14万1005人(879)
▽大阪府は8万3504人(1057)
▽神奈川県は5万4054人(247)
▽埼玉県は3万8324人(290)
▽愛知県は3万4225人(350)
▽千葉県は3万3471人(182)
▽兵庫県は3万2581人(539)
▽北海道は2万4676人(326)
▽福岡県は2万4194人(417)
▽京都府は1万2836人(164)
▽沖縄県は1万2625人(57)
▽茨城県は8271人(63)
▽宮城県は8118人(54)
▽静岡県は6545人(50)
▽奈良県は6260人(98)
▽群馬県は6175人(80)
▽広島県は6169人(87)
▽岐阜県は5910人(60)
▽栃木県は5401人(21)
▽熊本県は4261人(51)
▽岡山県は4136人(114)
▽長野県は3919人(44)
▽三重県は3863人(49)
▽滋賀県は3818人(34)
▽福島県は3464人(56)
▽石川県は2560人(40)
▽愛媛県は2381人(26)
▽新潟県は2337人(30)
▽宮崎県は2271人(29)
▽鹿児島県は2225人(42)
▽和歌山県は2221人(39)
▽長崎県は2141人(33)
▽大分県は1950人(43)
▽山口県は1889人(29)
▽佐賀県は1659人(29)
▽青森県は1620人(22)
▽山形県は1530人(7)
▽富山県は1350人(17)
▽徳島県は1339人(20)
▽香川県は1310人(29)
▽山梨県は1239人(12)
▽高知県は1067人(15)
▽岩手県は970人(22)
▽福井県は898人(14)
▽秋田県は492人(12)
▽鳥取県は374人
▽島根県は356人(3)です。

このほか、
▽空港などの検疫での感染は2728人(18)、
▽中国からのチャーター機で帰国した人と国の職員や検疫官などの感染は合わせて173人です。

厚生労働省によりますと、新型コロナウイルスへの感染が確認された人で、人工呼吸器や集中治療室などで治療を受けるなどしている重症者は、2日時点で1050人(+30)となっています。

一方、症状が改善して退院した人などは、2日時点で、
▽国内で感染が確認された人が52万7233人、
▽クルーズ船の乗客・乗員が659人の合わせて52万7892人となっています。

また、先月29日には速報値で1日に2万6478件のPCR検査などが行われました。

※兵庫県が4月28日の1人を取り下げ
※静岡県が5月1日の1人を取り下げ
※福岡県が4月28日の1人を取り下げ

・集計は後日、自治体などにより修正される可能性がありますが、過去の原稿はさかのぼって修正しないため累計数などで差が出ることがあります。

・在日米軍の感染者は含めていません。

聖火リレー 沖縄県 1日目終了 感染防止で公道でのリレー中止も

2021年05月03日 08時21分30秒 | 社会・文化・政治・経済

東京オリンピックの聖火リレーは、1日から沖縄県でスタートし、「まん延防止等重点措置」の適用を受けて沖縄本島では公道でのリレーが中止され、一般の観客を入れずに行われました。

東京オリンピックの聖火リレーは、1日から2日間、沖縄県で行われていて、およそ180人のランナーがつなぎます。

「まん延防止等重点措置」の適用を受けて、沖縄本島の1日目のリレーは、名護市民会館周辺のコースに集約され、午前10時ごろ、最初のランナーとして、那覇市出身のタレント、ゴリさんがスタートしました。

ゴリさんは「聖火が消えないように大事に運びました。全国の聖火をつなぐ途中の点の1つになれたのがうれしいです」と話していました。

名護市民会館周辺には一般の観客は入れず、観覧できるのは、ランナー1人につき家族など4人までに制限されました。
午後1時すぎからは、離島の石垣市で、公道でのリレーが行われ、ボクシングの元世界チャンピオン、具志堅用高さんが走りました。

具志堅さんは「世界チャンピオンになったときもうれしかったですが、これだけ感動したのは、それ以来です」と話していました。

沖縄県の1日目のリレーは、午後6時40分すぎに終わりました。

2日目の2日は、沖縄本島内のリレーは、糸満市の平和祈念公園内のコースに集約されます。

離島の座間味村では、沖縄伝統の木造船、サバニに乗り込んだランナーが、海の上で聖火をつなぎます。

聖火リレー関係者6人 コロナ感染確認 複数の確認は初 鹿児島

2021年05月03日 08時20分34秒 | 社会・文化・政治・経済

東京オリンピックの聖火リレーのうち、先月、鹿児島県で行われたリレーで、交通整理に当たっていた関係者6人の新型コロナウイルス感染が確認されました。1つの県で複数の聖火リレー関係者の感染が確認されたのは初めてで、大会組織委員会は関係者に感染対策のガイドラインを順守するよう改めて呼びかけることにしています。

組織委員会によりますと、先月27日と28日に鹿児島県で行われた聖火リレーのうち、27日の奄美市と霧島市のリレーで、業務に当たっていた関係者、合わせて6人の新型コロナウイルス感染が確認されたということです。

6人はそれぞれの市の職員で、いずれもマスクを着用し交通整理の業務を担当していて、聖火リレーの業務に伴う濃厚接触者はいないということです。

聖火リレーの関係者ではこれまで香川県で1人、愛媛県で1人の感染が確認されていますが、1つの県で複数の関係者の感染が確認されたのは初めてで、組織委員会は各地の聖火リレー関係者に感染対策のガイドラインを順守するよう改めて呼びかけることにしています。

組織委員会は「引き続き感染拡大の抑止に努めるとともに、安全で安心な聖火リレーの実施に向けて必要な対策を講じていきます」としています。


大阪府 新型コロナ 1057人感染確認 6日連続1000人超 死亡16人

2021年05月03日 08時17分51秒 | 医科・歯科・介護

大阪府は2日、府内で新たに1057人が新型コロナウイルスに感染したことが確認されたと発表しました。

1日に確認された感染者が1000人を超えるのは6日連続です。

これで、大阪府内の感染者は8万3504人になりました。

また、16人の死亡が発表され、大阪府内で亡くなった人は1513人になりました。


新型コロナ重症者 全国で1050人に 1月27日を上回り過去最多

2021年05月03日 08時16分53秒 | 医科・歯科・介護

厚生労働省によりますと、新型コロナウイルスへの感染が確認された人で、人工呼吸器や集中治療室などで治療を受けるなどしている重症者は、2日時点で1050人となりました。1日から30人増え、ことし1月27日時点の1043人を上回ってこれまでで最も多くなりました。

専門家は変異ウイルスの影響を指摘

国内の新型コロナウイルスによる重症者の数がこれまでで最も多くなったことについて、専門家は変異ウイルスの影響を指摘しています。

感染症に詳しい東京医科大学の濱田篤郎特任教授は「変異ウイルスが広がっていることが一番の理由ではないかと思う。これまでは、感染してから重症化するまで2週間ほどかかり、重症者の数は遅れて増えてくるという認識だったが、最近はいきなり重症化するケースも多いようだ」と指摘しています。

濱田特任教授によりますと、変異ウイルスが重症化しやすいかどうかについては、まだ、確立した科学的な証拠はないということです。

一方、4月、ヨーロッパの公衆衛生に関する専門誌に掲載された論文では、イギリスで最初に確認された変異ウイルスは若い世代でも、従来に比べて重症化しやすくなっていることを示唆するデータが報告され、注目されているということで、濱田特任教授は「変異ウイルスは、感染力が強いだけでなく重症化しやすいという見方が多くなっている」と話していました。

また、このほかの要因について、濱田特任教授は「感染者数が増えたことで軽症者や無症状者をキャッチできておらず、いわば氷山の一角しか捉えられていないため、重症者が多いように見えている可能性も否定できない」と話していました。

西村経済再生相「重症者 さらに増えること想定し国も支援」

西村経済再生担当大臣は、記者会見で「比較的若い世代の人も変異株によって重症化する報告を受けている。重症化する人の数は、感染者数よりも、2週間から3週間遅れて増加する傾向がある。さらに重症者が増えることも想定して、それぞれの自治体で病床を増やしており、国としても支援しながら、なんとしても命を守るべく、全力を挙げていきたい」と述べました。

退院した人は

一方、症状が改善して退院した人などは
▼国内で感染した人が52万7233人、
▼クルーズ船の乗客・乗員が659人の合わせて52万7892人となっています。

また、4月29日には速報値で1日に2万6478件のPCR検査などが行われました。

コロナ緊急事態1週間 病床、さらに逼迫 専門家「宣言延長しかない」

2021年05月03日 08時11分10秒 | 医科・歯科・介護

検証

毎日新聞 2021/5/2 

 東京と関西の4都府県に3回目の緊急事態宣言が発令されてから2日で1週間が過ぎたが、新型コロナウイルスの感染拡大は続いており、医療体制も切迫度が一層増している。政府は11日を宣言解除の期日と定めているが、専門家からは宣言の延長が避けられないとの見方も出ている。

 「(感染力が強いとされる)変異株が全国に広がり、『必要な時に適切な医療を受けることができない』という医療崩壊が始まっている」。日本医師会の中川俊男会長は4月28日の記者会見で、最近の感染状況と逼迫(ひっぱく)する医療体制に強い危機感を示した。

 多くの都道府県で感染の拡大が止まらない。東京都では29日、1027人の新規感染者を確認。1000人を超えたのは1月28日以来だ。都によると、4月25日までの1週間に確認された感染者の約6割が感染力が強いとされる変異「N501Y」を持つ変異株に感染していたと推計される。従来株から変異株に、急速に置き換わっている可能性がある。5月1日の新規感染者は1050人に上った。

 


搬送先ない…救急車で徹夜の酸素補給 「すでに医療崩壊」の大阪

2021年05月03日 08時03分54秒 | 事件・事故

5/1(土) 13:00配信

毎日新聞

「搬送先が見つからない患者がいる。受け入れてほしい」。4月20日午前、西淀病院(大阪市西淀川区)に救急隊から切実な要請があった。新型コロナウイルスに感染した50代の患者は、自宅で息が苦しくなり119番。しかし、10時間以上たっても搬送先が見つからず、消防署内で救急車を止めて、徹夜で酸素吸入を受けながら車内で一夜を明かした。この患者を受け入れた西淀病院の大島民旗(たみき)副院長は実感を込める。「入院すべき患者を搬送できない事態は、すでに医療崩壊だ」

 患者をすぐに救急搬送できない事例が大阪市内で急増している。コロナ患者で搬送先決定まで1時間以上かかったケースは、最も多かった4月12~18日の1週間で278件を記録し、3月初旬の約5・3倍に上った。最長で約2日間、自宅待機を余儀なくされた事例もあった。

 西淀病院によると、この患者は大阪市内の自宅で療養中に発熱し、呼吸も苦しくなったため、19日夕方に119番で救急要請した。大阪市消防局の救急隊は酸素吸入が必要な中等症と判断し、患者の受け入れ先を調整する大阪府入院フォローアップセンターに連絡したが、受け入れ可能な病院が見つからなかった。徹夜で探しても搬送先は見つからず、翌朝、救急隊は保健所に相談し、西淀病院に直接打診。同病院ではコロナ病床が1床しかない上、既に複数のコロナ患者を受け入れていたが、一般病床に感染対策を施し、スタッフも割り当てて、何とか受け入れた。入院後、患者の容体は安定しているという。大島副院長は「入院できる患者のハードルが上がってきた。このまま医療が逼迫(ひっぱく)し続けると、搬送段階で患者のトリアージ(治療の優先順位の選択)が進むだろう」と語った。【近藤諭】

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