殺菌消毒を至るところで行っている。
まるで、「菌=悪」と考えているかのようである。
自分はこの現状に不安や疑問を感じている。
1つは、すべての菌を殺菌できないという点である。
2つめは良い菌も殺菌してしまう点である。
3つめは、菌に対する耐性が落ちてしまうのではないかという点である。
1つめの「すべての菌を殺菌できない」という点について
そもそも、私達の生きているこの環境から、菌をなくすことはできない。
私達の体の中には、すでに多くの菌が住んでいる。
それらの菌は、私たちの健康を守るのに役立っている。
ひとりのヒトの腸内には100 兆個以上の腸内細菌が存在し、その種類は100 種類以上といわれている。
腸内細菌の数がもっとも多いのは大腸で、私たちが食べた食物の消化物1グラム中に、100 億から1,000 億の腸内細菌が存在する。
腸内細菌が腸内で作るビタミン類やタンパク質などは、ヒトの食物の消化・吸収に役立っている。
腸内にも、皮膚にも顔にも無数の菌は存在している。
昨今の殺菌活動は、すべての菌を無くそうとして行っているように見える。
そんな事はできっこない。
2つめの良い菌も殺菌してしまう点について
殺菌すると、体にとって良い菌まで殺してしまう。
もったいない。
体の表面にも内部にも「常在菌」がいる。
その常在菌のおかげで、私達の健康が保たれている。
もちろん、不規則な生活や暴飲暴食で身体を疲れさせると、その常在菌も悪さをするが、規則正しい生活や腹八分目の食事を取っていれば、常在菌は味方である。
先程も書いたが、昨今の殺菌活動は、「菌=悪」という考えで行われている気がする。
「新型コロナウイルスは、悪ではないか」という人もいるかも知れない。
それは、抵抗力が落ちている人にとってはそうだろう。
身体が疲れている人、基礎疾患がある人などの、抵抗力が落ちている人にとっては「悪」になる。
そういう人やその周りにいる人にとっては、殺菌をするのは意味があるかもしれない。
しかし、そうではない人まで頻繁に殺菌をしていると、身体にとって良い菌まで殺してしまうのではないだろうか。
3つめは、菌に対する耐性が落ちてしまうのではないかという点である。
菌に触れることで、菌に対する耐性も高まる。
菌に触れることで、体の免疫システムが動くことになる。
全く菌に触れなかったら、抵抗力は落ちてくる。
赤ちゃんは、いろいろなものを舐める。舐めることで、いろいろな雑菌を取り込み、抵抗力をつけている。
筋トレをすることで、筋力が上がるように、いろいろな菌に触れることで、抵抗力は高まっていく。
その菌に触れる機会を減らすことで、かえって抵抗力は落ちていくのではないだろうか。
今後、この殺菌活動が続くことによって抵抗力が落ち、毒性が低い菌にもやられるような人が増えていきはしないかが心配である。
今行われているような殺菌消毒が至るところで行われている現状は、不安である。
自分は、極端な殺菌よりも、抵抗力を高めることを優先している。
「規則正しい生活」「運動」「適度な睡眠」「腹八分目の食事」で抵抗力を高めるほうが、自分も周りの人も健康を保てるような気がしているがどうでしょうか?