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働き方改革を進めると、「先生がラクをするためでしょ?」という方に対しての答え

2020年11月11日 | 学校経営
 学校で働き方改革を進めると、一部の保護者から、次のように言われるそうである。

 「先生がラクをするためでしょ?」

 そういう人に言いたい。

 「はい、そうですよ。」と。

 「ただし、『今よりも』ラクをするためです。」と、付け加える。


 理由は2つあります。

 1つめは、勤務時間の多さです。

 小学校で3割、中学校で6割の教員が過労死ライン(月に80時間の時間外労働)を超えて働いています。

 仕事の内容も、多岐にわたります。授業の準備はもちろん、それ以外に、昔よりもクレーム対応も増えてきており、肉体的にも精神的にも疲弊しています。

 心の病を患い休職している教員は全国で5000人を超えています。


 2つめの理由は、教育力の低下です。

 まず、現場ではやることが多すぎて、本来行うべき授業の準備の時間がとりづらくなっています。

 授業の準備の時間が少なければ、授業力は高まりません。



 もっと恐れていることがあります。

 それは、教員のなり手が少なくなっていることです。

 教員の希望者が年々減ってきています。

 理由は、ブラックな職場だというイメージが付いてきているからでしょう。

 労働時間は多い、クレーム対応は大変、心の病にで倒れる人がいる、等の理由で、敬遠されつつあります。

 一般的には、「倍率が3倍を切ると、質の維持が難しい」と言われます。

 本当かどうかは分かりませんが、優秀な人材が教員ではなく、他の業種を選ぶようになっていることは事実でしょう。 


 働き方改革を進め、教師自らの授業を磨くとともに、日々の生活の質や教職人生を豊かにすることで、子供たちに対して効果的な教育活動を行うことができるようになります。

 そのような教師が増えれば、教師を目指す若者も増えるでしょう。


 だから、働き方改革を進めるのです。



 「先生がラクをするためでしょ?」という人に対しては、このように答えるだろうなあ。

 (まじめすぎる答えでしょうか?)
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